Counting Blessings

シンガーソングライター Yumiko Beckの
活動やあれこれ。

Groundhog Day

2011年02月02日 | 映画
2月2日はグラウンドホッグデイ(聖燭祭)と言い、
北アメリカでは毎年イベントが行われているそうです。

日本で言う、節分のようなものでしょうか?

グラウンドホッグというモグラを使い、
冬眠から覚めたモグラが自分の影を見て、
驚いて巣穴に戻ってしまったら、
春はまだあと六週間は来ない。
でも、影を見なかったら、春の訪れはすぐそこ、と言う、
何とも北国の人の知恵と言いますか、
寒さもお祭りに変えて、元気を出そうとしているのかなぁ、なんて
想像します。

1993年にアメリカで封切られた
「Groundhog Day」と言う映画があります。
邦題は「恋はデジャブ」
コミカルな映画です。

お天気キャスターの主人公フィルが、
このグラウンドホッグのイベントの取材に田舎町へ来る、と言う設定です。
この主人公、妙に自己重要感が強い、と言いますか、
自分は特別な人間だと思っているフシがあるのです。
そして、周りを見下しています。

グラウンドホッグデイのイベントなんてバカらしい、
こんなんで盛り上がれるのは田舎の人間だからだ、
こんな所にわざわざ取材に来させられるとは、自分はなんて可哀想なんだ、

・・・まぁ、いわゆる典型的なタイプ。

取材も適当にこなして、サッサと帰ろうとしますが、
吹雪で道路が封鎖されてしまい、何もない町にもう一晩泊まるハメになります。

ところが、事もあろうに翌朝目覚めても昨日と同じ2月2日。
昨日と同じ出来事がくり返されるのです。

他の人にとっては初めての日。
でも、フィルにとっては何度もくり返される出来事なので、
彼はそれを優位に使って、自分に都合のいいように状況をコントロールしようとします。
例えば女性を口説くのにも、前回はこれで失敗したから、
今度はこっちのアプローチ、なんて言う風に(笑)。

また、その日一日どんなにハチャメチャな事をやっても
翌朝にはすべてリセットされているので、
やりたい放題の事をやったりします。

でも、そのうちそれにも飽きてしまい、
いつまで経っても永遠にくり返される同じ一日から、
決して逃れられない絶望感から命を絶とうとします。

・・・が、翌朝6時きっかりにまた目覚めて同じ一日が始まります。

結局、彼は死ぬ事もできないのです。

そして、いつしか彼は自分の成長のために時間を使うようになります。
ピアノを習い、文学に親しみ、氷細工を覚え。。。
また、あんなにバカにしていた田舎町の人たちの人助けのために奔走したり。。。

恐らくそれは時間にすれば10年~10数年になるでしょう。
毎日毎日同じ出来事がくり返される中で、
その出来事に対する自分の反応、態度の方が変わって行くのです。

***

今日はグラウンドホッグデイだから、絶対にこの映画を観る、
と主張する夫に付き合って、家で観ました。

気乗りしなかったのですが、思った以上に面白い映画でした。
純粋にコメディーとしてもそれなりに楽しめるし、
何だか深い教訓もたくさん含まれていました。

それにしても、10年以上も同じ日をくり返すなんて耐えられそうにありません。
孤独です。

でも、フィルのような、やな性格って大なり小なり誰でも持っているものだと思います。
色んな事を冷めた目で眺め、分かったようなコメントを残し、
自分は特別だと思いたがる心。

私たちの現実で、同じ日がくり返されるなんて事はまずないと思いますが(多分)、
自分が成長しない限り、何度も何度もくり返されるパターン、と言うのは
確かにある気がしますね。

まるでデジャブのような。。。
なんてね(笑)。

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