雑にゃん日記<俺ってズレてる?>

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「いのちの停車場」見ましたよの感想

2021-06-08 12:47:29 | 映画

食わず嫌いも良くないよね。。。
ということで「いのちの停車場」を見てきました(2021/06/07)。

 

OGPイメージ

映画「いのちの停車場」公式サイト

4人の医師たちが紡ぐ、感涙のヒューマン医療巨編、誕生。大ヒット上映中!

映画「いのちの停車場」公式サイト

 

 

私自身、金沢出身なので、どんな表現になるのか少し気になります。

本物語の本筋としては、医療の実態と最期をどう生きるか、そのために在宅医療で患者と向き合うと言うのがテーマになっているように感じます。
最期を意識するため「最新医療」や「治験協力」という話題を盛り込んだと思いました。

医者として、最期が少しずつ、または急に近づく患者さんと向き合いながら日々を過ごす部分、すごく心に響きます。
映像も優しく、ふんわりした表現、金沢の町並みや四季を生かした映像で、厳しさと安心が同居した映像の作りになっています。

雰囲気はすごくよかったと思います。
ただ、この程度なら金沢でなくても。。。金沢出身だから言いますが、あまり見せる所無いんですよね。。。

で、お話自体ですが、何本かのショートストーリーをつないだような物語です。
これが良くない。
大きな流れがあって、いくつかショートストーリーとして存在するという流れになると、一貫性が保たれると思いますし、起承転結も明確になります。
RPGゲームでも、起承転結を守ったうえでサブシナリオを入れていますよね。
「いのちの停車場」は、起承転結がまったく守られていない。
ショートストーリーも、それぞれの背景や人となりをしっかり描いたうえで進めることもなく、知り合った後、すぐに亡くなったりする。
ショートストーリーにも、最低限の起承転結が欲しいですね。
語りが無いので、それぞれの出会いからキャラクター自身が感じたであろう心の震えというのが感じられず、感情移入ができませんでした。
ショートストーリも、バラバラのぶつ切りで、何を意図しているのがわかりませんが、医療に頼らない、最新医療にチャレンジする、良い結果になる、残念な結果になってしまう、それぞれの結果を見せる。
それが本物語の本質なのかなと思いました。
主人公は、単に「ストーリーテラー」に徹するという意味合いなのかな?

別の視点ですが、あの流れだと、松坂桃李さんと広瀬すずさんが家族になって・・・という展開を期待させる内容でしたが、その方向にもいかず。
・・・いやいや、恋愛ドラマを入れないのが正解なのですが、思わせぶりなところがいくつもあるので「中途半端だな」と思うところもありました。恋愛ドラマしか理解できない「リアル」層には、理解しにくく面白くない作品に見えるでしょう。

映像の観点から書くと、やっぱり画面の中央に役者さんのフェースアップ、バストアップメインのカメラ構図ばかり。
フェースアップ、バストアップメインは契約なのかな?
その場にいるキャラクターを、画面全部に入れなければいけないという、何のひねりも無い構図。
せっかく、きれいな背景があるのだから、もっと構図を考えればよいのになと思います。
緊迫感も出ないし、焦燥感も見て取れない。
構図を考えていないということは、監督やスタッフが「こういう映像にしたい!」が明確ではなく、役者の演技に丸投げしているのでしょう。
これと全く逆な話として、庵野秀明さんが「シン・ゴジラ」の監督をした時、構図のカット割りを明確に指示して、秒単位で撮っていったそうです。
アニメのコンテ方式ですね。
これをやると役者の「間」の演技ができず「役者らしさ」が出ない。結果として、役者さんから文句がかなりあったそうです(すみません。岡田斗司夫さん談です)。
しかしながら、映像ができると皆納得と言うことです。
これが良いとは言いませんが、もっと見せ方と役者の演技を利用した次世代の映像を考える時代になったのかもしれません。

最後のシーンも、良くわからなかったです。
白鳥が上手(画面右)から下手(画面左)に飛んでいきます。
映像表現として、上手から下手に進むのは、次の展開に向かって進もうという「前向き」な表現方法です。
そして、次のシーンが「夕焼け」(だと思うですが。。。)
夕焼けは「落ち着き」「終わり」を意味します。
主人公のお父さんが”安楽死”を望み、上記のシーンが映され終わります。
白鳥が前向きに進むということは「もう一度頑張ろう!」と感じさせるのですが、夕焼けで心が沈む。。。
つかみどころがなく、何を表現したかったのだろうか。

ただね。
奥さんを看取った「泉谷しげる」さんの演技。
話したいことをままならず、憎まれ口をききながらも感謝を述べ、だけど言葉にならない。
だけど、心が押しつぶされそうな演技。
私も、何年か前に父を病院で看取りました。
その時の感情とダブって、グッときました。
なぜか泣けない、色々な感謝もあるけど、中途半端に言葉に表せない。そんな感じ。

これを見た6月7日、偶然にも父の命日。
批評を記載しましたが、色々思い出す作品でした。

 


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