先日、観光バスがカーブで曲がれず、横転する事故がありましたね。
ブレーキが効かないといのドライバーの話がありました。
これについては、事故調査をやっているでしょうから、詳しい事はそちらで。
さて、私が車で最も重要視する部品ですが、それは「ブレーキ」です。
ディーラーなどで試乗する際も、まずはブレーキをキコキコやります。
フィーリングが、いまいちな場合は・・・やめる・・・というと失礼なので、それなりに乗ります。
と言っても、ブレーキが冷えている時と温まった時のフィーリングもありますので、随時確認していきます。
一番重要なのは、「自分感覚=ブレーキの制動、減速力」となっているかどうかと言う点。
これがずれている車は、どんなにローパワーなクルマでも怖くてたまりません。
それだけ、ブレーキがイマイチな車は乗る気がしません。
ハッキリ言えば、安全運転は速度を出さない事では無いと思っています。
「ブレーキ>速度」
という関係が壊れない状況を維持できることが安全運転なのです。
一般の人は、この関係を壊してしまう・・・というか・・・「速度」ばかり、つまりアクセルばかりに目が向いてしまいます。
なので、安全運転が崩壊します。
まあ、運転中の7割はアクセルペダルを踏んでいるわけで、ブレーキが二の次になるのかもしれません。
多分、北海道のカート事故も、こういった理由でしょう。
でも、ブレーキにどれだけこだわれるか、短い距離で確実にとめることにこだわれるか、これが最重要事項だと考えています。
といっても、バスの事故、ブレーキが効かなかったとの事。
どう運転がうまくても、どれだけ完璧な整備をしても、これは発生します。
怖いのは「フェード現象」と「べーパーロック現象」。
毎度ですが、詳しい解説は、他のページにお任せします。
フェードは、パッドとローターの間に高熱ガスがたまり、ブレーキがガスを押すだけになってしまうので効かなくなる現象。
べーパーロックは、ブレーキフルード内の水(とそもそも含んでいた空気)が高熱になり気体の層になるため、いくら踏んでも気体部分だけが圧縮されてブレーキに油圧が伝わらなく現象。
これが発生すると、怖いのなんのって。
これは、熱の問題なので、長い下り坂でブレーキを多用すると発生する場合があります。
100%起きなくすることはできません。
だって、工業製品だし自然現象だしね。
私もサーキットを走っている時にありました。
ヘアピンカーブ前のブレーキングでブレーキを踏むと、奥まで、何の抵抗もなく踏み込めてしまいました。
「あっ」
って思いましたよ。短い時間ですが、何度かペダルを戻したり踏んだりしましたが無理でした。
もうサイドブレーキで横を向けるしかないわけで、そのままコース外まですっ飛んでいきました。
壁までもうちょっとで止まったのは、幸いという所です。
発生してしまうと、普通の人はパニックになって、何もできないと思います。
なので、常日頃から「ブレーキ>速度」を維持する感覚を養うという事をお勧めします。
というか、崩れるとパニックになるだけですからね。
私は、パニックにならなかったかって?
そりゃ、何度も意図しない現象に出会ってますからね。
何十回もスピンしたり、ブレーキがフカフカになったり(コースを走ると毎回ね)。
ただ、もう少し速度が出ていたら正常ではいられなかったでしょうね。
ブレーキについては、冷やすしかないわけです。
整備でできることは、ブレーキフルードを新しくしておくとか、フルードのエア抜きをしておくとか。
そうそう、ブレーキパッドも半分になるとフルードに熱が伝わりやすくなるので、半分ぐらいでパッドを変えておくというのもあります。
どれもこれも、お金がかかりますし、100%フェードなりを発生しなくするわけではありません。
「やることはやった」程度です。
ATの車はコントロールが難しいという事は、意識しておいた方が良いです。
なんせ、エンジンとタイヤは直結していないわけですから、タイヤはエンジンのいう事を聞いてくれません=エンジンブレーキの効きが小さい。
そのため、ブレーキを多用してしまう事になります。
ブレーキについてはATの車の方が難しいのです。
私は、そう思っています。
エンジンとタイヤが直結していない点は、この動画が分かりやすく説明してくれています。