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「民族生命の原始無限流動」③

2022年02月06日 | 日本・国士

しかし、

その頃から始まった日本の高度成長期が、

道路建設や団地造成や工業地帯建設の為に、

日本国土の津々浦々を掘り返し、

期せずして、初めて明らかになったことは、

一万五千年前から二千三百年前までの

一万二千七百年間に及ぶ縄文時代(石器時代)に、

我が日本列島に世界人類史に類例のない、

自然と共存共栄した定住社会が存在したということだ。

この一万数千年の定住社会である縄文時代が

日本の源流(ルーツ)である。

ここから、

神話が生まれ天皇が生まれ日本が生まれた。

この時、

欧州を代表とするユーラシアの人々は、

移動採集の生活をしていた。

そして、後に、

農耕を行うようになって定住するようになると、

自然を征服して農地を拡大していた。


これに対して縄文時代の人々は、

豊かな森の続く里山と川と海の豊かな風土がもたらす

生物多様性の恩恵を受け、

狩猟、漁労、採集によって定住を果たし、

里山の自然を温存し手入れして豊かさを維持し、

しかも、

この生活を一万年以上続けていたのだ。

そして、

この縄文の人々は、

現在の我々の血の中にいる。

私は、昨年十二月、

世界遺産となった青森の山内丸山縄文遺跡の中に佇み、

森先生が言われた、

民族生命の原始無限流動の原点にいるのを感じた。


(以上は、森信三先生ゆかりの、堺市内で行われている 

若竹読書会会報に投稿した原稿に加筆したもの)


西村眞悟FBより





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