ジーン・ウールの不思議な旅

ジーン・ウールは不思議な女性です。姿を変えて過去にも未来にも現れます。
もしかしたら貴方の友人や奥様かも知れません。

店主ご挨拶

ようこそお越し下さいました。 昨年(2010)、3ヶ月の雲水修行に行ってまいりました。 私は働き者で(自己申告)、精舎は朝は早く夜は遅く「朝瞑想」の時間は、気がつくといつも寝ておりましたが・・。 私の人生の1ページに、思いがけないご褒美を頂けたような日々を過ごさせて頂きました。・・ま、主婦でも決心ひとつで如何様な道も開けるんですね。 今も精舎に行くと「実家に帰った」ような気がします。 このブログ管理人は、最近物忘れ症候群中につき、おいで頂いた感謝を申し上げ、コメントを頂いても書いたり書かなかったり、付き合いが悪いことのご無礼をお許し下さいませ。

さまよえる魂 3

2006-10-14 08:34:07 | さまよえる魂
3.
ジーン・ウールはまったくのひとりぼっちでした。ジーン・ウールは悲しくて、淋しくて泣きました。すると、ジーン・ウールの世界は光を失い始め、夜の暗闇になりました。
夜空には星がいっぱい輝いているというのに、寂しさはより増してきます。空には、シリウスが輝いていました。まるで、「ジーン・ウールよ。元気を出しなさい」と励ましているように強く輝きました。

 ジーン・ウールは知らなかったけれど、ジーン・ウールが悲しんで悲嘆にくれるのを、今か今かと待っている存在がありました。
その者は、夜の闇の中から現れました。その者は星空を背にして立っています。
ジーン・ウールは誰もいない世界で、初めて人影を見つけたのです。

「ジーン・ウール、私はお前をずっと昔から待っていた。やっと願いが叶ったぞ。」
「その声は、誰?」
「わたしは、始めからあり、終わりまであるもの。最初の始源の混沌から生まれたもの。この世のすべてを持ち、含んでいるもの」そして、黒いマントを翻し、空全体を覆いました。あたりは光ひとつ射さない真の真っ暗闇になりました。
ジーン・ウールは、はっと我に返りました。

「ジーン・ウールよ。お前はもうこの世界から出ていくことは出来ないのだ。私と共に生きよ。私は、お前の望むものを何でも与えることが出来る。私の城には美しい庭園があり、湖の岸辺には色とりどりの花が咲き乱れている。召使いもたくさんいる。美しい衣装、美しい宝石、珍しい食べ物、愛らしい動物もいる。私と共に生きよ。私だけを愛せ。」
そして、幻を見せました。大勢の召使いたち、輝く太陽。でも、なぜかその太陽の輝きのまわりに、時々黒い影がさしました。