3.
ジーン・ウールはいつか、宇宙空間をただよっていました。そこに星がありました。星は生きていて、しかもさまざまな色彩に包まれていました。その星の霊的な大気のなかに、さまざまな色とさまざまな形のオーラが変化しつづけていました。
「これは?」
「ジーン・ウールよ、これは地球だ。今から地球に起きることを見なさい」
一体何があったのかジーン・ウールには分かりませんでした。でも、一瞬の間に地球のオーラは色彩と形を変えていきました。その輝きは地球のある一点から広がっていきました。
「ここは、どこなのですか?」ジーン・ウールはアルバロンガに聞きました。
そうなんです。ジーン・ウールをこの宇宙空間に連れてきてくれた老人は、自らの名前を「アルバロンガ」と名乗りました。
「ゴルゴダの丘だ。いま、救世主の傷口から血が地球に流れたのだ」
宇宙から見ていると、それは壮大なドラマでした。地球に新しい力が流れ込んでいきました。地球進化にとって重要な新しい力が入ってきました。この力は、地球と共にずっと未来にまで作用する力なのです。
アトランティス時代以後、人間は霊的な世界から、次第に物質からなる世界に沈んでいきました。かって人間の先祖たちは、神話の世界や夜空の星とその位置から物語を読むことが出来たのに、時代を下るに従っていつしか霊的な世界を見ることも、感じることも出来なくなっていきました。
アルバロンガはまた螺旋状のパイプをのぼっていきました。