CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

23-127「ソフト/クワイエット」(アメリカ)

2023年05月30日 00時07分00秒 | アメリカ映画
替わりにモデルになってくれる?
 郊外の幼稚園に勤めるエミリーは、「アーリア人団結をめざす娘たち」という白人至上主義グループを結成する。
 教会の談話室で開かれた初会合には、多文化主義や多様性を重んじる現代の風潮に不満を抱える6人の女性が集まる。日頃の鬱憤や過激な思想を共有して盛りあがった彼女たちは2次会のためエミリーの家へ向かうが、その途中に立ち寄った食料品店でアジア系の姉妹と口論になってしまう。
 腹を立てたエミリーたちは、悪戯半分で姉妹の家を荒らしに行くが。(「作品資料」より)


 幼稚園の先生であるエミリーを含む6人の女性たちが、教会の一室に集まる。

 単なる女子会なのかなと思っていたら、その集まりは〝アーリア人団結をめざす娘たち〟という名が付けられており、白人至上主義を命題にした集まり。

 他人種に対する不満を述べ合う女性たちは、神父に教会を追い出され、エミリーと3人の女性たちが、エミリーの家でワインでも飲もうとするが、途中で立ち寄った食料品店でアジア系の姉妹二人と口論になり、怒りが収まらないエミリーたちは、その女性の家にいって、悪戯でもしてやろうと考える。

 そして、その家に侵入すると、思いも寄らぬ事件が発生してしまう。

 そんなエミリーたちが取り返しのつかない事態に陥る様を描いたサスペンス・スリラー。

 多分、一人だけならそんなことはしないだろうなと思うのだが、4人でいたことで、アジア人姉妹に絡み、家にまで押しかけるということをしてしまったんだろう。

 みんなで渡れば怖くない、ではないが、集団の狂気を描いている。

 本作は最初から最後までワンカットで映し出される作品で、最初は女子会の様をリアルタイムで描くのかと思ったら、メインとなるのはエミリーたちが姉妹の家に忍び込むところ。

 そこからの展開はリアルタイムで描くことで、緊張感が高まっていく。

 修羅場になっていく中、恐怖に脅える者や、始末を付けようとする者が入り乱れた狂気の世界になっていく。

 ヘイトクライムと集団行動の狂気、ことの顛末をワンカット、リアルタイムで描き、ある種の恐怖感を感じさせる内容だが、緊迫感もあり、興味深い一本であった。

/5

監督:ベス・デ・アラウージョ
出演:ステファニー・エステス、オリビア・ルッカルディ、ダナ・ミリキャン、メリッサ・パウロ、エレノア・ピエンタ、シシー・リー
   ジョン・ビーバーズ、ジェイデン・リーヴィット、シャノン・マホニー、レベカ・ウィギンス、ニーナ・ジョーダン、ヨウィータ・モリーナ
於:新宿武蔵野館

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