19-031「ハイエナたちの報酬 絶望の一夜」（フランス）

もう家には戻れない
　フランスの港町、ル・アーヴルで貧乏暮らしにあえぐエリックとアレックスの兄妹と、その悪友ダニス。政府の警察官僚メルシエが、麻薬の密輸に絡む賄賂100万ユーロをマフィアから受け取る現場をアレックスが目撃したことから、一攫千金を狙うことに。
　その100万ユーロを盗むため、真夜中にエリックたちはメルシエの豪邸に忍び込む。メルシエに銃を突きつければ簡単にカネは奪えると思っていたが、そのメルシエは自殺を図ろうとしているところだった。麻薬密輸の際に組織間でトラブルが発生し、メルシエはその濡れ衣を着せられて自殺する羽目になったらしい。
　3人は首尾よく100万ユーロを奪い豪邸を後にするが、エリックがさらに欲を出し。（「KINENOTE」より）


　貧乏暮らしから脱け出ることを夢見る、兄エリックと妹のアレックス、そして友人のダニスは、ある屋敷に住む男が大金を手にしたのを目にし、強奪することを計画する。

　そんな３人が迎える過酷な運命を描いたクライム・アクション。


　マフィアから麻薬密輸の便宜を図る報酬として１００万ユーロを受け取る警察官僚のメルシエ。
　その金を強奪するため、メルシエの屋敷に、夜、侵入するエリックたち。

　麻薬密輸のトラブルで絶望していたメルシエは、自殺を図ろうとし、エリックたちに金を渡してしまう。

　しかし、事態が急変すると、メルシエはエリックたちから金を取り戻そうと動き出し、彼らを追い詰めていく。

　
　メルシエは追っ手を使い、エリックやダニスを追い詰める。

　冷酷な追っ手を演じていたのが、「裏切りの闇で眠れ」等のブノワ・マジメルだったということは観終わってから知ったな。

　妹のアレックスをメルシエに人質に取られ、エリックは金を持って逃げようとしているダニスを捕まえ、返すように説得する。

　そんなダニスにも追っ手が迫る。

　
　果たして、一夜の攻防は、彼らにどのような運命を用意するのか。

　結構意外な展開だなと思ったのは、アレックスの運命かな。

　エリックたちの運命は多少自業自得のような感じがあり、欲が身を滅ぼすという典型的な展開。

　そして生き残った者も、失ったものは大きかったということだろう。

　どちらもどちらという感じで肩入れできることもない者たちの運命。

　どのような結末となるのか予想は出来ず、先行きは気になる作品だったな。

/５

監督：ゲラ・バブルアニ
出演：ヴァンサン・ロティエ、ギオルギ・バブルアニ
　　　ルイ＝ド・ドゥ・ランクザン、ブノワ・マジメル
於：ヒューマントラストシネマ渋谷