CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

24-051「哀れなるものたち」(イギリス)

2024年02月20日 00時21分43秒 | イギリス映画

あそこの子供を殴ってくる

 不幸な若い女性ベラは自ら命を絶つが、風変わりな天才外科医ゴッドウィン・バクスターによって自らの胎児の脳を移植され、奇跡的に蘇生する。

 「世界を自分の目で見たい」という強い欲望にかられた彼女は、放蕩者の弁護士ダンカンに誘われて大陸横断の旅に出る。

 大人の体を持ちながら新生児の目線で世界を見つめるベラは時代の偏見から解放され、平等や自由を知り、驚くべき成長を遂げていく。(「作品資料」より)

 

 自殺した女性が孕っていた胎児の脳を女性に移植し、蘇らせる。

 手術をした天才外科医のゴッドウィンは、その女性をベラと名づけ、屋敷に住まわせる。

 体は大人ながら、知能は子供。

 しかし、そんなベラは急速に言葉を覚え、やがて外の世界に興味を持ち、放蕩者である弁護士のダンカンと共に旅に出てしまう。

 屋敷に閉じ込められたような生活をベラがしていた時はモノクロの映像であったが、旅に出るとカラーとなる。

 ベラは性に目覚めて、そればかりに興味を持つが、やがて様々なものを見聞きしていくことによって成長していく。

 考え方も極端で、思ったことを口にしていたが、色々な知識を吸収し、その話ぶりも才女のようになっていく。

 正に1人の女性の成長物語。

 逆にダンカンは、すぐにベラを捨てるつもりだったが、どんどん魅力的になっていくベラから離れられなくなる。

 嫉妬心をむき出しにして、ちょっと哀れである。

 成長して、束縛から解放されようとするベラを応援したくなる物語である。

 ベラを作り出したとも言えるゴッドウィンは、狂気の人物かと思ったが、心からベラを娘として愛したよう。

 冒険をして、知性に目覚め、世界の真実を見たベラが最後に決断したこと。

 どんどん成長していくベラの姿に惹き込まれ、性的なことはかなりあからさまであったが、コミカルな雰囲気もあり、面白い1本だった。

/5

監督:ヨルゴス・ランティモス

出演:エマ・ストーン、マーク・ラファロ、ウィレム・デフォー、ラミー・ユセフ、クリストファー・アボット、ジェロッド・カーマイケル

於:新宿ピカデリー


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