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2017.10.30 「馬追丘陵」   台風崩れの雨の中、晩秋の里山を歩く

 この週末は、土曜が出勤日で日曜は久々に女房と時間をかけて買い物。

Hiromiもまた土日とも仕事だったので、

土曜出勤の振替休日である今日、

私も合わせて休みを取っていた。

昨夜は久しぶりに『ミニ山の会』のメンバーが集まって宴会とした。

それぞれの思惑があり、

さっぱり同行できなくなったメンバーたちではあるが、

一堂に会するとやはり山の話しになる。

そして健康管理の話しだ。

「健康管理」の話しが出てくると、

加齢の影響ということになる。

「サイゼリヤ新札幌店」で、

いつものワインをいつもと同じ量飲んで気分良く帰宅。

  今日の天候は台風崩れの低気圧で雨。

それが分かっていたので近場の里山歩きと決めていた。

まず馬追丘陵「静台」へ。

ここはいつもEコースを登下降する。

途中に小沢があるこのコースが、私は一番好きだ。

里山といえども、もう落葉樹に葉は残り少なくなり、

木の間越しに遠くの景色を見通せる。

そんな季節もまた好きだ。

落葉樹林の中では、

モミジの葉が最後まで木々の枝に残ることを、

今回再認識した。

落葉樹が落とした大量の葉は登山道に降り積り、

まるでフカフカしたじゅうたんのようだ。

この落ち葉のじゅうたんが、

特に下山の時にショックアブソーバーの役目を果たしてくれ、

膝や足首に大変やさしい。

そして、濡れた地面と登山靴のソールとの間で

スリップを防止してくれる。

雨が降っているものの、

そんなこんなを楽しみながら歩いた。

  下山後安平町追分に移動した。

『安平山』に登るためだが、その前にエバ(http://blog.goo.ne.jp/ebachan0516)の自宅に寄り、

彼が目下一生懸命に取り組んでいる庭のウッドデッキを見学。

月曜日なので、当然仕事で誰もいないであろう庭を、

ちょっと覗かせてもらった。

するとウッドデッキは、床板を全て打ち付け終えていた。

あとは若干の仕上げ作業を残すのみか?

エバ、悪いが見せてもらったぜ。

ただ、玄関先にお土産も置いてきたからなあ~

 

 この後『安平山』に登った。

標高が低い故、

紅葉がまだ残っているかとささやかな期待感を胸に登ってみたが、

ここも葉はほとんど落ちていた。

前夜からの強風が、この時もなお続いていたので、

その影響もおおいに考えられる。

下山してカップ麺とサンドイッチのささやかな昼食。

そしてまた馬追丘陵に戻り、

『長官山』の火葬場登山口に着いて、

異常な睡魔に襲われて昼寝。

Hiromiはと言うと、そこに着く前から爆睡。

  1時間近く寝て『長官山』を登り始めた。

こちらも木々の葉がほとんど落ちて、時折頂上を見通せる。

雨はここでもまだ強弱を繰り返すだけで、決して止むことはない。

淡々と登り、スタスタと下って本日の里山巡りを終えることにした。

そして登山口近くで見たモミジ。

これが今日見たものの中で一番素晴らしい!

 

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2017.10.22 『浦臼山』(718m)~『844mP』~『樺戸山』(890m) まだ楽しめる紅葉の中を

 

 21日(土)、『暑寒別岳』から下山した後、

新十津川温泉で汗を流して『浦臼山』の麓で車中泊。

そこに到着する前、『ピンネシリ山』(1,100m)の頂上部に雲がかかっているのを目にした。

私はこの近くの滝川市が出身地であり、

そこでは『ピンネシリ山』に雲がかかると雨になる、と言い伝えられてきた。

そしてその通り、この夜は極々弱いながらも雨が降った。

しかし長くは続かなかったのが幸いだった。

 

 日曜の朝6時40分、『浦臼山』登山口をスタート。

登山口には去年からの貼り札がそのままで、「道路損壊のため登山禁止」とある。

そこは自己責任で、もう随分登り慣れた道に足を踏み入れる。

しかし、樺戸山地は庭のごとく登ってきた私も驚く程の荒廃ぶりだ。

かつて我が愛する女房がまだ月一登山をしていた頃、

ここを歩いて『隈根尻山』を往復するルートが一番好きだと言っていた。

その頃は林道がしっかりしていて、

『844mP』の近くまで車を乗り入れられたものだ。

それが今では登山口から草ボ~ボ~!

女房が脚を骨折して山登りをやめてしまってから、

う~ん、もう13年になる。

ここで言っておくが、この山に登るには、早朝だとレインスーツ必携だ

とにかく昔立派な林道だったものを利用して登るのだが、

今はとにかく朝露や雨をたっぷり含んだ草ボ~ボ~で、

ちょっと歩いただけで全身びしょ濡れだ。

レインスーツというのは着用しても汗で濡れるので、

私はあまり着用するのが好きではない。

しかし、このルートだけは冷たい水分がどんどん付着するので、

途中でズボンだけを着用した。

そんないやらしい草に覆われた林道を歩いて、

7時50分、『浦臼山』。

そこも草に覆われ、『浦臼山』の立派な表示版すら見づらい。

  『浦臼山』頂上を過ぎてもかつての林道は続く。

だが、どこまでも草が覆い尽くす。

そこで私はレインスーツの上も着用した。

しかし大汗かきのHiromiは、「どうせ汗で濡れるからぁ・・・」と、へっちゃら。

 

その後、地形図の「782mP」手前で、かつての林道は終点を迎える。

そしてここからが登山道となり、更に笹や草が濃くなる。

今回も昨年同様、廃道となった

『樺戸山』~『隈根尻山』間の登山道が復活したのかを検証するのが目的だった。

於札内沢に端を発して『樺戸山』まで続くこの長い尾根上には、

『浦臼山』と『樺戸山』の間に顕著なピークがいくつかある。

その中でも特に存在感が大きいのが『844mP』だ。

かつては誰も見向きもしなかったピークだが、

最近はその斜度を求めて、バックカントリー愛好者たちが積雪期に訪れているようだ。

ただ、その東面はあまりにも傾斜がきつく、

今年3月にここを通った時には雪崩が発生していた。

そんな存在感がある『844mP』なのに、

何故名前が無いのかを、ずうっと昔から不思議に思ってきた。

直下を流れる札的内川にちなみ、

『札的岳』とか『札的内山』なんていいんじゃないの~?

そんなことを考えながらも黙々と歩を進めると、

後ろを歩くHiromiが遠くなってしまった。

しばし待っては歩を進めることを繰り返す。

しかし、濃い笹や下草で常に足元が見えず、決して速くは歩けない。

それでも休むことなく歩を出せば、いつかは着く、頂上に。

9時10分、『樺戸山』。

そこから見る『隈根尻山』方面には、

やはり登山道が復活した形跡が見られない。

遅れてくるHiromiの不調も予測し、

「登山道復活はいまだなし」と即座に決断。

Hiromiの到着を待って、即下山を開始した。

 

と言うのも、その頃には麓からガスが湧き上がり、

辺り一面を覆い尽くす勢いだったからだ。

淡々とアップダウンを繰り返し、

10時15分、再び『浦臼山』。

ここで早めの昼食。

その後はまた紅葉を楽しみながら楽しく下って、

11時30分、登山口。

 いやあ、楽しい二日間だったなあ・・・

Hiromiと二人、大満足で月形温泉へ向かった。

その途中でToshiに「一杯やるべ!」とメールして判明!

Toshiも前日(土)このルートを歩いていた。

 

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2017.10.21 『暑寒別岳』(1,491m)    早くもスノーシュー始動!

 この週末は土曜日休みを取って、土日の山行だった。

 

 金曜の終業後、Hiromiを拾って増毛へ向かった。

途中の北竜辺りで車中泊をして、翌朝『暑寒別岳』箸別登山口に向かう予定だったが、

頑張って登山口まで走り抜いた。

そう、頑張ったのよね~

毎日午後6時半前には缶ビールの栓を開ける私。

その時刻を過ぎて車を走らせるのは辛い。

しかし、それを克服して前泊すると翌朝が楽であり、

いつも「我慢して走っておいてよかった」と思うのだ。

 

今回『暑寒別岳』に登ることにしたのは、

一週間前『ピンネシリ山』の頂上から目にした『暑寒別岳』が、予想以上に真っ白だったからだ。

Hiromiに純白の世界を歩かせたくなった。

そしてHiromiはというと、今回が今年3度目の『暑寒別岳』だ。

しかもこの山に通ずる3コースを一つずつ歩いてきた。

8月に単独で「雨竜沼」経由で、9月に暑寒コースを私と一緒に。

そして今回箸別コースとなったわけだ。

  土曜日の朝5時半、駐車場にやって来た車のエンジン音で目が覚めた。

その車の持ち主は単独の男性で、我々より40分ほど先にスタートした。

我々はゆっくり準備し、

6時40分、登山口をスタート。

一週間前目にした純白の姿だけではなく、

登山口周辺にも少し雪が残っていたので、

スノーシューをザックにくくりつけてのスタートだ。

このコースは1号目までが長くて気に入らない。

ただ紅葉が終わり、広葉樹には殆んど葉が残っていない。

従って木の間越しに遠くの景色が見えるのがいい。

雪が殆んどないのは2合目まで。

その先はおおよそ雪上歩きとなるので、ストックを出す。

黙々と登るが、登り慣れた登山道なのに、なんだかずいぶん長く感ずる。

融けかかった滑る雪のせいなんだろうが、それにしても長く感じながら登って、

8時25分、5合目。

そしてここを過ぎて間もなくスノーシューを装着。

先行者のツボ足によるトレースが深くなったためだ。

スノーシューを装着すると快適だ。

6合目を過ぎてすぐ先行者に追い付いた。

それから先は我々が先頭。

ルートは7合目目前でブッシュ帯を抜け、

広々としたハイマツと低い笹の大地に飛び出す。

ここからは遮るもののない世界が広がる。

と同時に、三段階の急登を経て頂上大地を目指さなければならない。

最初の急登を登りきると「8合目」の標柱だ。

そして第二の急登だが、それを登りきる辺りで下方を振り返ると、

途中で追い越したツボ足の先行者がリタイヤして下っていく姿が確認できた。

装備やルートファインディングなどが難しい時期、今回の失敗が次につながるだろう。

 第三の急登が最も傾斜がつくて長い。

ただそれは見た目ほど長くはなく、淡々と歩を出せば、やがて広々とした大地に出る。

と同時に南方向に『暑寒別岳』の頂上が見える。

素晴らしい天候の中の歩行、少々風は強いものの、南風で暖かい。

雪はいよいよ深くなるが、スノーシューは快適だ。

10時25分、『暑寒別岳』頂上。

そこには360度遮るもののない世界が広がっていた。

いつもはたいして風景なぞ見つめないHiromiもゆっくり絶景を堪能している。

じっくり写真を撮って、下山開始。

そして6合目近くで昼食。

その後間もなく登ってくる単独の青年とすれ違った。

ところがこの青年の顔を見てすぐにわかった。

ちょうど2年前の『狩場山』で出会った青年だ。

しばし立ち話しをして別れた。

その後黙々と下って、

13時25分、登山口。

いやぁ、晴れているから景色が美しく、

その上暖かく気持ちがいい、申し分のない一日だった。

楽しかったねえ~

 

登山口を離れ、車を走らせると、登山口より下の標高での紅葉が素晴らしかった。

一面黄色の世界が広がっていた。

そんな紅葉美を楽しんだあとは新信砂川の河原に寄って、汚れた登山靴を洗う。

昔から『暑寒別岳・箸別』の後はここに寄って汚れたものを洗って帰ったものだ。

その後、新十津川温泉で汗を流し、『浦臼山』麓に移動して車中泊。

「カンパーイッ!」

 

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2017.10.15 乃々と虎との楽しい一日   またも紅葉の中で遊ぶ!

 15日(日)は「乃々と虎の日」で、

いつものようにこの朝ババと迎えに行った。

もうSa~も一緒に来て遊ぶことが恒例となった。

迎えに行くと、虎がポカンとした顔をして私たち夫婦を見る。

我々夫婦の顔を見て、「だれだぁ、このふたりぃ・・・」といった様子

そんな虎の様子を赤信号で停車するたびに振り返って見る。

乃々はと言えば、以前は止まることなくしゃべり続けていたのが、

ふと気がつくとおとなしく、口数が少ない。

大きくなったんだなあ。

 

 江別に戻ってちょっと買い物。

車から降りてすぐ虎に「おいで!」と両手を差し出すと、

なんの戸惑いもなく両手を差し出して私の手の中に来る。

このジジの顔を覚えているんだかいないんだかわからないが、

ひとなつっこくて、めんこいねえ!

スーパーの中はひんやりしていたので、終始抱いたままでいた。

その後我が家に戻ってひと遊び。

前回(9月24日)来た時に2~3歩歩いた虎が、もうシャンシャンと歩く。

「早いなあ」と感心して目を見張るジジとババ。

乃々も虎も風邪気味だったので、

家の中でコロコロ遊んだ。

そして昼近くになって弁当を持ち、

外に出よう思ったのだが、ちょっと待てよ・・・

その時刻に車に乗ると、前回のように虎が直ぐに眠ってしまい、

昼ごはんを食べさせるのが遅くなってしまう。

それで食べてから出かけることにした。

と、ここで乃々から提案、「2階で食べよう!」

どうしても外で食べたいと言い張っていた乃々だったが、

 虎の事情を話すと妥協案をもちかけてきたものだ。

それにのらない理由はない。

2階の一部屋にテーブルクロスを広げてシート替わりにし、

まるでピクニック気分だ。

ただ、固い床に腰を下ろしているわけだから、あちこち痛いけどねえ。

虎の食欲がすごい。

同時期の乃々とはまるで違い、何でもたくさん食べる。

食べ物を片手に握っただけでは満足せず、

両手に握りしめてバクバク食べる。

まあ、頼もしい限りだ。

そして食べ終わると、お腹が盛り上がってまんまる!

 

 ちょっと早めの昼食を済ませたあとは、

いつもの野幌運動公園に出かけた。

虎はといえば、予想通り車を走らせた途端爆睡!

野幌運動公園に着いて、起こすのはかわいそうなので、

ババが抱いて車に残ることにした。

乃々、Sa~、私の三人で遊びながらの散歩を開始。

折よく公園内の広葉樹が素晴らしい色に染まっていた。

今年は随分紅葉を楽しめる。

野幌運動公園の紅葉も期待しては出かけたが、ここまで素晴らしいとは・・・

乃々と岩渡りをしたり、木にぶら下がったり、

枯葉が溜まったところではそれを集め、空に向かって投げ上げたり・・・

乃々の髪の毛が枯葉だらけだ。

それでもそんなことは気にならない乃々。

無邪気でめんこい。

都会育ちSa~も汚れを気にすることなく一緒に遊ぶ。

いい加減遊びまわって一旦車に戻ると、ちょうど虎が起きた。

それで今度は虎を連れて散歩だ。

そしてSa~が車に残って休憩。

乃々はまた元気に走り出す。

広いところに出ると、大喜びで「アハハ、アハハ」と笑いながら走り回る乃々。

疲れればなんのためらいもなく、地面に仰向け。

この日は虎にもその気持ちよさを教えていた。

 

 長い時間ではなかったが、寒くなってきたので我が家に戻り、

またひと遊びして、夕方送って行った。

今回も至福のいい一日を過ごせたことに、ババと二人豊かな気持ちで帰途に着いた。

 

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2017.10.14 『ピンネシリ山』(1,100m)~『待根山』(1,002m)~『隈根尻山』(971m) 樺戸山地の紅葉を楽しんで

 この週末は土曜日だけの山行。

金曜の夜、Hiromiを拾って「道民の森一番川地区」に車を走らせた。

何度も言ってきたが、早朝運転するのがおっくうなので、

前泊で出かける方がいい。

 

 「道民の森」は既にシーズンを終え、

一番川地区の3kmほど手前にロープが張られ、

進入禁止となっていた。

但し、これは最奥の登山口を目指す登山者を排除しようとするものではない。

ロープは容易に外すことができるので、

何の問題もなく一番川地区に向かった。

夏場は常駐している管理人もいないので、

一番川地区の駐車場で車中泊とした。

 

 翌朝一番川地区から登山口を目指す林道入口にもロープが張られているので、

それを外して林道に入る。

林道は状況がつかめていなかった。

思えばこの林道を走行するのは1年4ヶ月ぶりだった。

ちょっとした不安は的中し、

登山口の約1km手前で林道を横断する小沢に侵食された段差で、

走行が不能となった。

その先へ進むには大きなタイヤのクロカン四駆でなければ無理だ。

ただ、その地点に駐車スペースがあったのはラッキーだった。

  6時30分、駐車地をスタート。

林道歩きは退屈なものだが、この時期は紅葉が美しいので楽しい。

随分通いつめてきたこのルートは、例年10月10日前後が紅葉の盛りを迎える。

言わば「ドンピシャ!」というわけだ。

  6時45分、登山口。

ここから『ピンネシリ山』を目指し、

『待根山』~『隈根尻山』を回って登山口に戻る。

つまり、ちょうど一周できるようになっている。

実に合理的で楽しいルートだ。

登山口を入ってすぐに一番川を渡渉するのだが、

川幅が従来の半分ほどになっていたのには驚いた。

その後は美しい紅葉の連続で、次々シャッターを切る。

しかしHiromiはそんな風景を眺めているのか?

どんどん先に進むだけだ。

紅葉はこの山間部の裾辺りが盛りで、

高度を上げるに従って葉が落ち、美しさは薄れていく。

汗をかきながら黙々と登って、

 

8時30分、『ピンネシリ山』。

天候は期待をはるかに超え、快晴だ。

うっすらと雪が残る頂上には長居することなく、

次なる目標の『待根山』を目指す。

一旦分岐まで下って、『待根山』へ登り返す。

その登りの背後に『ピンネシリ山』が望めるのだが、

これがまた迫力がある上に美しい。

  9時10分、『待根山』。

軽く記念撮影をして『隈根尻山』へ向かう。

そしてここから深く下るのだが、その急下降がこのルートの核心部か。

とにかく急で、垂直の壁のように感じられる。

約20年前、『待根山』~『隈根尻山』間の登山道が開削された際、

傾斜がきつい部分には全て丁寧に木段が施設された。

しかし長年に渡る侵食や災害をを受け、それらは全てグチャグチャになっている。

そんな残骸がかえって足元を危うくするので危険だ。

登行は自信ありでも、下降があまり得意ではないHiromiはおっかなびっくり下る。

なんとかこの危険な下りを終えても、ルートは更にどんどん下降する。

そして標高約680mで『待根山』~『隈根尻山』間の最低標高となる。

最低標高からはきつい登りだ。

単純に考えても約300mの登り返しだが、

そこに多少なりともアップダウンが加わる。

ただ私として、このところのきつい登り続きで下半身の調子が戻り、

さほど苦にはならない。

淡々と登り、明るく開けた尾根上へ。

ここに立つと最終目的の『隈根尻山』を尾根の上端に視認でき、

すっきりと尾根全体を見通すことができる。

しかしまだまだ小さなアップダウンを繰り返しながら、

徐々に高度を上げていくため、けっこう時間がかかる。

それでも歩を出すことをやめなければいつかは至る、頂上に。

10時50分、『隈根尻山』。

そこから見下ろす風景で一番驚いたこと。

それは『樺戸山』からの廃道となった登山道が、

昨年検証に出かけた時より先まで開削されていたこと。

それはまた後日『浦臼山』経由で検証に出かけたい。

 

 『隈根尻山』頂上は残置された動物の糞が多くて気持ち悪いので、

600m手前の分岐まで戻って昼食とした。

下山はまっすぐ登山口を目指す。

この下りがまた紅葉美に癒される。

そして登山口までの間に渡渉が6回ある。

そのうち5回の渡渉箇所にはかつて、立派な丸太の橋が架けられていた。

しかし一度の災害で、それらは全て無残に流されてしまった。

今はそんな橋の残骸が苔むしている。

またそんな橋が続いた林道も、車で走っていたものだが、

今は荒れて車の侵入を拒む。

『ピンネシリ山』側の林道もそうだったが、

全体が自然回帰に向かってまっしぐらのようだ。

駐車地から歩いた林道も、

かつては全く見られなかったヒグマの糞や掘り返しが何箇所もあった。

車が入らなくなると自然回帰がどんどん進むものだと、改めて実感した次第だ。

 12時35分、登山口。汚れたスパッツを外して沢で荒い、美しい紅葉を眺めながら林道をとぼとぼ歩いて、

12時50分、駐車地。

  帰宅してHiromiが送ってくれたGPSデータによると、

このルートは歩行距離約18km、累積獲得標高1,381mであった。

GPSを持たない私は、累積獲得標高を1,200mくらいと予測していたが、

実際にはそれより約200m稼いでいた。

ぐるりと一周でき、歩行距離、累積獲得標高差も満足できる、

実に素晴らしいルートにHiromiと二人、「サイゼリヤ」で乾杯した。

 

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2017.10.9 『三段山』(1,748m)  短時間登山に癒されて・・・

 8日(日)、『オプタテシケ山』から戻って、

白銀荘で汗を流し、そのままそこで二泊目の車中泊をするつもりだった。

ところが駐車場に戻ってビックリ!

すごい車の数だ。

当然入浴者が大勢いるということ。

ここは山登りに関係なく、ただ温泉に浸かる目的で訪れる人の方が多い。

昔は随分この温泉を利用したものだが、ここ10年くらいは利用していない。

入浴者が多くて、洗い場を確保するのが困難だったことが重なって、

ついに嫌気がさしてしまった。

この日も迷わずそこを離れ、白金温泉まで下って入浴した。

そして車中泊地を人が来ないところに切り替えて、「ホッ・・・」

やはり人のいないところがいい。

 9日(月)の朝、準備を整えて白銀荘駐車場に戻った。

前日の喧騒が嘘のように、駐車場はガランとしていた。

 

この日は前日山行の疲労が残ること、

天候が下り坂予報を踏まえて、『三段山』だけに登って帰途に着くことにしていた。

それに紅葉を楽しみもあった。

『三段山』登路から見る紅葉は、例年10月のこの週が最盛期を迎える。

 

 6時40分、白銀荘駐車場をスタート。

すぐく紅葉真っ盛り地帯に突入するが、予想通り×!

今年は紅葉の訪れが早く、ここももう紅葉の名残り程度しか残っていなかった。

まあそれは致し方ない。

登り慣れた登山道はいつも通りドロドロ、ツルツル。

ただ、下部で幅広く笹刈りがなされて、朝露に身体を濡らす心配がなかった。

 

 こういった作業をしてくださる方々には、心より感謝申し上げたい。

Hiromiはこの日も下半身に筋肉痛なし!

前日25km歩き、その間に累積獲得標高1,900mを稼ぎ出したというのに。

下半身には疲労が残っていないというのだ。

私はと言えば、大腿がフツーに筋肉痛。

先週の『夕張岳』後よりは軽いが、筋肉痛は筋肉痛。

ホントにサイボーグだよ、Hiromiは・・・

 

 そんなものだから、この日もスタスタ前を行く。

途中までは着いていったが、最終段階ではジリジリ離された。

あんまり先に行かれると困るんだよねえ、写真撮れなくて。

とにかくもてる体力を全て出し切ってしまわなければ、充実感が得られなくなっている。

それは私が経験してきたことで、Hiromiも今その境地に達したわけだ。

 

 8時10分、『三段山』頂上。

今日も誰もいない。

朝食とも昼食ともつかないラーメンタイム。

空はいかにも天候が崩れていきそうな様子。

しかし辺りの山々が全てガスに包まれることなく望めるので満足。

  8時40分、下山開始。

途中で登ってくるであろうと予測した登山者は一人もなく、

ただ淡々と下って、

9時40分、駐車場。

後片付けをして「ハイランド富良野」へ車を走らせた。

どうしても白銀荘の湯に浸かる気にはなれない。

こちら方面に登ったときは、殆ど「ハイランド富良野」で入浴している。

通り道にあり、全く無駄に走る必要がなく、

極端に混むこともない。

  最後に『三段山』の素晴らしい紅葉の一部を紹介しよう。

もう12年も前の10月10日の写真だが・・・

 

 

 

おしまい・・・

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2017.10.8 『オプタテシケ山』(2,013m)   白銀荘から往復25km

 10月に入り、もう早いもので中旬になる。

10月の三連休初日は、Hiromiが午前中出勤だったので、

私も細々としたことをかたずけ、午後十勝連峰に向けて車を走らせた。

白銀荘駐車場で車中泊。

久しぶりに車が出入りする駐車場で車中泊したが、どうにも落ち着かないものだ。

 日曜日の朝4時半に起床。

夜明けがずいぶん遅くなり、まだ真っ暗だ。

準備を整えている間に夜が明けてきて、

5時15分、白銀荘駐車場をスタート。

ここから『オプタテシケ山』を往復するのはずいぶん久しぶりだ。

『オプタテシケ山』にはこれまでに13回登っている。

この白銀荘からが1回で、望岳台からが9回、『美瑛富士』登山口からだ4回だ。

Hiromiはこの4年で、二度登っている。

そしてそのどちらもが『美瑛富士』登山口からだったので、

更に長い行程の白銀荘か望岳台から往復することを目標の一つとしてきた。

  白銀荘から東に伸びる登山道に足を踏み入れると、笹刈りがされていた。

幅広く刈られていたので、朝露に衣服を濡らさずに済んだ。

誠にありがたい。

アップダウンが続く溶岩大地の中の登山道を進み、

6時、『十勝岳』分岐。

ここから『美瑛岳』方面に向かうのだが、

それまでもその先も、全く人影が見えない。

先日標高1,200m以上では初冠雪があり、そのせいで登山者が激減したのか?

 「雲ノ平」の長いトラバースの間で、前方の山並みを越えて日が射してきた。

天気は上々だ。

トラバースの最終段階で、侵食によって垂直に深くえぐられた沢型に降りて登り返す。

これが危険でなかなか怖い。

下降にはロープが垂らされ、一旦沢床に降り立ったあとは、

鉄製の錆びた梯子登りだが、高低差が10m以上あり、転落したなら大変なことになる。

梯子もその安全性を信頼してよいのやら・・・

そんな危険箇所をなんとかクリアして、一旦下ってポンピ沢へ。

この渡渉を終えると、ほぼ垂直と思われる高低差200mの壁に刻まれた登山道を登りきって、

7時25分、『美瑛岳』分岐。

ここからは『美瑛岳』の北斜面を東に向かってトラバースして行く。

このトラバースは結構なアップダウンを繰り返すため消耗する。

8時10分、『美瑛富士』分岐。

この分岐から「美瑛富士避難小屋」分岐までの間は、Hiromiが初めて歩く部分だ。

雪が結構積もっており、歩きにくいとこがある。

そんな雪の上にはヒグマの足跡が残っていた。

この時期はもう山麓に下りているはずなのに、

どうしたことかと首を傾げながら先へ進む。

『美瑛富士』の南から東へ向かう斜面を淡々と下っていくと、

突然前方に目指す『オプタテシケ山』が美しい姿を現した。

素晴らしい眺めにうっとりする。

 

  8時30分、「美瑛富士避難小屋」分岐。

花の時期には見事なお花畑となる平坦地を越えると、『石垣山』への登りだ。

このころになると、北風が強くなりだした。

辛抱強く登り、高度を上げたところで振り返ると、

そこには『美瑛岳』と『美瑛富士』が並び、迫力ある山岳風景を見せつける。

私はこの風景を、最も好きな山風景のひとつと捉えている。

『石垣山』はピークを踏まず、その東側に登山道が刻まれている。

そしてこの辺りで突然快晴だった空に北からガスが入り込んできた。

強風にあおられてどんどん吹き込んでくるガスが、あっという間に辺りを覆い隠してしまった。

こうなるとつまらない。

9時25分、『ベベツ岳』。

全く何も見えない中を一旦大きく下り、いよいよ『オプタテシケ山』の登りだ。

この登りになると私のスタミナが切れてきて、きついきつい。

前を行くHiromiとの差が開いていく。

吹き付ける風は相変わらず強く、辺りは何も見えない。

しかし辛抱強く登っていくと、『オプタテシケ山』頂上直下で突然空が開けた!

貴重な写真をカメラに納めてHiromiの後をついて登るが、やはり間隔は空いていく。

  10時20分、『オプタテシケ山』頂上。

往路は結局5時間5を要した。

これまでは白銀荘から登っても、望岳台から登っても、4時間20分だった。

ここでもやはりこれまでの「体力測定登山」通りだった。

 頂上付近の風が来ないところで昼食。

頂上には誰もいなかった。

 

11時、下山開始。

相変わらず何も見えない中を下っていくと、

間もなく男女1名ずつのパーティーが上がってきた。

更に下っていくと、男性一名とすれ違った。

そして下りきったあと、『ベベツ岳』へのきつい登り返しで外国人を含む4名パーティーとすれ違った。

結局この日『オプタテシケ山』を目指したのはこれが全てだった。

復路はガスが濃いまま晴れ間がない。

つまらないし、暗い。

淡々と下って、

12時30分、『美瑛富士』分岐。

更に何も見えず、暗い中を黙々と歩き、

13時10分、『美瑛岳』分岐。

そしてその先のポンピ沢への急下降で、バッタリAyumiと出会った。

Ayumiは6月の『神居尻山』で出会った私の出身高校の後輩だ。

その後どこかの山に連れていってやろうと、

何度か声をかけたのだが、いずれも断ってきたのでそのままになっていた。

Ayumiとはすぐに別れて下山を急いだ。

とにかく何も見えないのでつまらない。

変わらず黙々と歩を進め、

14時15分、白銀荘駐車場。

 

終わってみれば、9時間45分の久しぶりに長い山旅となった。

私として、登りの最後は大変きつく、正直ヘロヘロになったのだが、下りは何ら問題がない。

そして“サイボーグHiromi”に身体的問題が残らなかったのはもちろんである。

 総行程25km、累積獲得標高1,909mというGPS情報を、あとでHiromiが知らせてくれた。

 

 

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2017.10.2 『北日高岳』(751m) 雨が降る前にサイボーグとともに

 

 1日(日)の夕方、翌朝の雨から逃れるべく日高町に移動して、

この地ではいつもの慣れた車中泊地で、冷たいビールを喉に流し込み、ゆっくり過ごした。

そして翌朝は『北日高岳』に登って帰るつもりだったので、

ゆっくり起きることにしていた。

そうしたら、目が覚めたのが午前8時。

間違いかと、腕時計を何度も見た。

いやあ、累積獲得標高1,800mがこたえたのねえ~

Hiromiはこの朝も私が起こすまでは絶対に起きない。

「おいっ、もう8時だぞ!」と言うと、

「ウソ!」と言って、飛び起きた。

 

 『北日高岳』は昨年も紹介しているが、「日高国際スキー場」の山だ。

ただ、スキー場とは別ルートで東側に登山道が施設されている。

今回もその登山道を頂上まで登り、広々としたスキー場を下ることにした。

 

 8時50分、スキー場麓の「日高高原荘」駐車場をスタート。

しばらく舗装道路を歩き、「国立日高少年の家」へ向かう。

ここでは現在道路の大規模改修工事が進められていた。

昨秋襲来した台風による水害で、沙流川護岸がえぐられ、

車道が決壊したことによるものだ。

キャタピラ付きのダンプが行き来するのをHiromiと二人、しばし見入ってしまった。

 

 9時5分、「ポロナイ林道」入口。

ここからしばらく林道歩きとなる。

紅葉にはちょっと早いが、もう10日もすると素晴らしい光景になるだろう。

 

 9時25分、登山口。

この登山口には以前何も案内がなく、「ここを入っていいのかな?」と、

首をかしげたことがあった。

しかし、何度も登ったが、一度も間違ったことはない。

その登山口に、今回は「登山道入口1」という案内板が設置されていた。

「登山道1」ぃ~っ!?

「1」  があるなら「2」もあるのかい?

よくわからん。

 

 登山口から樹林帯を登って行くと、

紅葉の美しいところにそこそこ出会うことができ、なかなか楽しい。

ただ、私は大腿に筋肉痛を抱えており、傾斜が増すほど登行が辛い。

それでHiromiに尋ねてみた、「お前筋肉痛ないの~?」

「ないよ~!」。

はぁ~っ!?

Hiromiは前日の『夕張岳』で、累積獲得標高1,800mを稼ぎ出したというのに、

下半身には全く何も疲労が残っていないというのだ。

「下半身はなんでもないけど、体全体がちょっとだるいかなあ・・・」だと。

あの行程で下半身の筋肉痛0なんてありえねえ~っ!

4年前に山で出会い、初めて同行登山をしたときは、

「私歩くの遅いんですぅ~」などと言っていたHiromiだったのに、

私はとんでもないマシーンを作り上げてしまったのか・・・

「サイボーグHiromi」・・・

 

 紅葉がなければ退屈な樹林帯を黙々と登り、

10時15分、『北日高岳』頂上。

そしてここが「日高国際スキー場」のリフト終点だ。

そこに立つと、我々が好む広々とした世界が広がる。

スキー場というのは何度登っても歩いてもいい。

ちょっと早めの昼食を摂り、下山はスキー場の草付き斜面や作業道を下る。

この下りでも私は大腿の筋肉痛が苦痛なのだが、

Hiromiは関係なし。

 

 雄大な景観を楽しみながら下って、

11時20分、駐車場。

前日使用した登山靴を車の屋根に干して登り、

若干雨を心配したが、最後まで降られることなく下山でき、「ホッ・・・」

登山靴はすっかり乾いていた。

「日高高原荘」で汗を流して帰る予定も、

日帰り入浴は13時からとの貼り紙に落胆し、そのまま帰途に着いた。

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2017.10.1 『夕張岳』(1,668m)  今度は金山から

 9月最終日の土曜は私が通常出勤で、

Hiromiが休日出勤し、その代休が2日(月)と決まっていたので、

私もそれに合わせて3月の時点で既にこの日休みを入れていた。

であるから、今回は日~月で山旅を楽しんだ。

 

 30日(土)の終業後、Hiromiを拾って金山へ向かった。

もう日が短くなり、午後6時前に家を出るのだが、その時点で真っ暗だ。

占冠を過ぎたところで適当な場所を見つけ車中泊。

喉がカラカラの私は、その時点でようやく待望のビールにありつけるわけだ。

 

 10月1日(日)の朝車をスタートさせて金山へ。

金山から『夕張岳』の登山口目指して車を走らせると、

登山口の2km手前でロープが張られ、通行止め。

しかもそこには単に「通行止め」ではなく、

「通行禁止」と、より強い強制力を持つ言葉が貼り付けられていた。

昨秋の台風襲来による林道決壊のためだ。

1週間前に大夕張から林道をMTBで走行して『夕張岳』に登ったので、

当然金山コースも林道決壊箇所があると予測し、

今回もMTBを積んで出かけた。

2kmくらいの林道歩きはたいしたことないのだが、

実際にMTBで走ってみると、「ああ、MTBを積んできてよかったあ!」と思える。

退屈な林道はMTBで走破するに限る。

 

 「通行禁止」のロープが張られた地点は林道の分岐地点でもあり、

広いスペースに車が10台は止められそうだ。

しかし、この金山コースには殆ど人が来ない。

長くきついコースだということをガイドブックで知っているからだろう。

そんな私もここから登るのは3度目。

Hiromiは初めてだ。

駐車地には先行者と思われる練馬ナンバーの車が一台止まっていた。

 

 6時35分、MTBで駐車地をスタート。

この林道は大夕張の鹿島林道よりはるかに走りやすかった。

Hiromiが一度もMTBから降りることなく快調に走って、

6時50分、登山口。

ここで尾根の突端に付けられた登山道に入る。

そしてそれは誠に素直に尾根筋に沿って付けられている。

いきなり傾斜のきつい登りとなり、

それが傾斜を落として休ませてくれることなく、グイグイ高度を稼ぐ。

尾根の頭から斜面のトラバースに入ったあたりで、

一旦視界が開けるのだが、「もうこんなに登ったの~?」という感想を抱かせる。

それでも容赦なく続く登り。

そして標高が1,000m前後となると、紅葉が美しい。

前を行くHiromiを紅葉背景で随分写真を撮った。

「前を行く?」、そう今Hiromiは私の前を歩く。

登るスピードが、とうとうHiromiに追い越されてしまった。

しかし下るスピードは私の方がはるかに速いので、

全行程で比較すると、まだ私の方が速い。

そんな強がりを言ってみてもねえ、とにかく追い越されたわぁ、弟子に!

致し方ない、加齢には勝てないわぁ~

そんな力の差を自認するHiromiは迷うことなく前を歩く。

 

 きついが美しい紅葉の中を登り続けて、

8時50分、『小夕張岳』。

この鋭角でそそり立つピークに立って初めて『夕張岳』を目にすることができる。

その距離はまたまだ遠い。

そして深いアップダウンが待ち構えている。

ちなみにこの『小夕張岳』の標高が面白い。

「1,234m」と、数字がきれいに並んでいる。

 

 『小夕張岳』を越えると、「まだ下るの?」と言いながらも尚下る。

ここが両山間の最低標高か? と思われる地点からはまたゆるぎない登りが続く。

『小夕張岳』までは下草の低いきれいな登山道だったが、

この辺りからはけっこう笹が被っていて足元が見にくい。

そして視界が開けると、北に『芦別岳』を中心とした夕張山地の山々が美しい。

特に『夕張マッターホルン』がすごい迫力だ。

そんな景色に見とれながら『夕張岳』の北側をトラバースして大夕張コースとの分岐に至る。

その合流点から素晴らしい山風景を背に、

『夕張岳』頂上へ最後の登りだ。

 

 10時55分、『夕張岳』頂上。

登山口から4時間5分を要した。

以前に登ったときは3時間半。

ここでもまた「体力測定登山」の結果、やはり衰えていることを確信。

それにしてもそんな小さなことはどうでも良いと思わせてくれる絶景が広がる。

更に、そこには誰もおらず、我々二人だけ。

金山コースで先行していた男性は、スタートして1時間も経たないうちに追い越した。

その男性が遥か下の登山道を歩いているのが見えた。

ゆっくり昼食を摂り、12時下山を開始。

快調にどんどん下る。

そして『小夕張岳』への登り返しだ。

往路で想像していた通りのきつくて長い登り返し。

やっとの思いで登り返して、

13時、『小夕張岳』。

スポーツドリンクをゴクゴク飲む。

しかしこれでもうきついところはなく、

あとはまた紅葉を楽しみながら淡々と下るだけだ。

淡々と長い下りを終えて、

14時30分、登山口。

そこからまたMTBに乗り、勢いよく走り抜け、

14時40分、駐車地。

約8時間のきついが実に楽しい山旅を終えた。

 

 帰宅して送ってくれたHiromiのGPSデータによると、

この行程での累積獲得標高が「1,832m」だった。

きついはずだ。

自分の感覚では1,600mくらいかと思っていたが、1,800mを超えていたとは・・・

 

MTBを屋根に積み上げ、林道をゆっくり走って人里に戻るのだが、

ここに鉄柵が現れる。

本州の方はお分かりにならないだろうが、これは鹿を防ぐもの。

山からエゾシカが農地に下りてきて、作物を食い荒らす。

そんな食害を防ぐ目的で大規模に柵が施されている。

従って、通行を妨げるものではないので、扉を開閉して自由に往来できる。

 

 金山湖に移動して入浴し、翌日までその場にとどまる予定だったが、

天気予報をチェックすると翌朝は雨とのことだったので、

日高町まで移動して車中泊をすることにした。

 

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