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2020.12.30 『安平道』(266m)  林道がない!

 2020年最後の山行を迎える朝は、

安平町早来瑞穂地区の林道脇で目覚めた。

外気温が-5℃。

-10℃以下での車中泊が続いていたので、

なんだかやけに暖かく感じた。

この車中泊から新しいシュラフに替えたのだが、

-5℃程度ではその真価がわからない。

 7時半、エゾシカ防護柵のゲートを開けて、

「春辺沢川」に沿って伸びる林道を歩き出した。

この奥で胆振東部地震の、

大規模災害復旧工事が現在も、

継続して行われていることは知っている。

それで工事が年末年始休暇に入ったこの時期を狙った。

林道はかつての姿をすっかり変えてしまったようだ。

その一帯全てが災害復旧工事現場だ。

道が付け替えられ、エゾシカの防護柵も、

真新しいものが延々と続く。

そして山肌には崩落した跡と、

それを防ぐための防護壁ができていた。

新しい道路沿いにはやがて、

年末年始休暇で閉鎖されたプレハブ事務所と、

数多くの重機群が休止状態になっていた。

その前を通り過ぎて奥に進む。

奥の方はいまだ復旧作業が手つかずのようだ。

駐車地から約2.5km歩いてのことだった。

行く手を凄まじい数の流、倒木群が阻む。

しばらくはそれらを乗り越えながら進んだが、

しまいには林道がなくなった。

大量の流、倒木群が林道の全てを覆い隠し、

そこに林道があるのかどうかも、

全くわからない状態で、

それ以上進むことが不可能となってしまった。

断念!

引き返すことにした。

しかし、帰宅してあらためて地理院地図を見てみると、

今回のルートは間違いだった。

別の林道を利用するべきだということに気付いた。

次回は別ルートで挑んでみよう。

ただ、それも災害の状況によっては、

失敗するかもしれないが。

 と言うことで、2020年最後の山行は失敗に終わったが、

ただでは戻らない。

途中で崩落地を上がってみた。

するとどうだろう、

素晴らしい眺めに出会えた。

標高160m程の高みから、

安平町方面の風景が見渡せる。

そこには前日登った『熊ノ頭』(くまのあたま)と。

『熊ノ頭山』(くまのかしらやま)が重なるように見えていた。

意外なところでこの眺めに、

二人して感激!

そして風がなく穏やかで、

年の瀬にはぴったりな風景に恵まれたことを感謝!

 

 この後また林道に下って、

トボトボと駐車地に向かって歩いたが、

歩きながらこの一年の山行が、

次々と頭に浮かんでくる。

今年は私の登山スタイルが変わった。

それまで無積雪期は、

登山道しか歩いてこなかったが、

それを藪漕ぎに路線変更。

今年はほとんど登山道を歩かず、

林道と藪漕ぎで登ってきた。

その利点の第一が人に出会わないこと。

誰もいない山は静かでいい。

そして第二に膝の問題だ。

固い登山道ではなく、

ふかふかな藪の中を登下降することで、

正座ができなかった膝の痛みがかなり軽減し、

短時間なら正座もできるまでに回復した。

従って今年の路線変更は、

自分の中で自然な流れだったということだろう。

また、今年は新型コロナウィルスの影響で、

職場の休日が230日にも及んだ。

そのように与えられた時間、チャンスを、

私は決して無駄にしない。

年間登行回数が375回に及んだ。

これまでの年間登行回数は274回が最高だった。

しかしそれは休日が230日もあったからで、

Hiromiは新型コロナウィルスの影響による休日が、

ほんの少ししかなかったのに、

なんと344回も登ったのだ

仕事帰り近くの山でヘッドランプをつけて、

コツコツと頑張ったHiromiには脱帽だ。

そして私の山登りは新年を迎えて間もなく、

またひとつの節目を迎えることになる。

 9時50分、駐車地。

2020年の山行の全てが終了した。

そこで今年もたくさん楽しませて頂いた山々に感謝!

そして当ブログに一年間お付き合い頂いた皆様に感謝申し上げます

最後に今年も怪我なく、病気もせずに、

ともに登り続けてこられた相棒に感謝!

ん? 「相棒」??

「弟子」? 「親友」??

もう、何が何だかめちゃくちゃだーっ!!!

 

 一旦帰宅し、夕方Hiromiと静かに打ち上げをし、

山に関する全てが終了した。

 年明けの活動は新年2日からになります。

ただ、ブログの更新は山旅から帰宅する5日となります。

皆様、良いお年をお迎えください!

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2020.12.29 『熊ノ頭』(くまのあたま・162m)  安平町西側の丘陵地帯を歩く②

 29日朝、『熊ノ頭山』から下山後、

速やかに北へ移動し、

JR石勝線早来信号場の先まで車を入れた。

そして林道分岐地点に、

ゆったりした駐車スペースを見つけた。

この丘陵地帯に存在する「熊ノ頭」二座は、

東側が山名『熊ノ頭山』(くまのかしらやま)

地形図にはっきりと、

その山名が記されている。

ただ三角点名は「弾庫」(たまこ・四等)

この山の北側に陸上自衛隊安平駐屯地があり、

この駐屯地が「弾薬支所」となっていることから、

「弾庫」の点名がつけられたのだろうか?

一方西側の『熊ノ頭』は山名ではなく、

二等三角点名が「熊ノ頭」(くまのあたま)

読み方も「くまのかしらやま」と、

「くまのあたま」というように二通りとなる。

 10時25分、JR西早来信号場から、

300mほど入った駐車地をスタート。

道なりに進むと石勝線のトンネル入口に突き当たり、

車道はここで行き止まりとなった。

そこで地形図に従い、

突き当たりの藪に入った。

藪は薄いので楽に進める。

しかし長くは続かず、

深い笹の海にのみ込まれた。

進行がきつくなったところで、

左手に林道が見えた。

そのまま直進すると、

目指す林道に出られるのだが、

笹漕ぎのきつさ、

煩わしさに負けて林道に下った。

林道を進むとひどく遠廻りではあるが、

目指す林道に当てることができる。

あきらめて淡々と歩いて、

送電線下から少々登り、

目的の林道にのった。

その後は道路がだんだん立派になり、

三角点付近に建つ、

巨大アンテナが見えるようになった。

そしてその真下に到着し、

ちょいと小高いピークに登って、

11時45分、二等三角点「熊ノ頭」

さすがは二等、見晴らしがいい。

風がなくなんとものどかだ。

ゆったりと昼食を摂り、

バカっ話しに花が咲く。

 下山は当初予定した車道を、

忠実に下ってみることにした。

正直予想はするものの、

どこに行き着くのか自信がなかった。

結果、それは自衛隊の安平通用門に行き当たり、

そこで通行止めとなった。

しかし駐車地はすぐそばだ。

それで藪に入って駐車地そばの林道に当てた。

そしてそこはスタートして歩き出した地点だった。

結局周遊したことになった。

13時15分、駐車地。

いやあ、おもしろかったねえ!

この辺りは林道が複雑な上、

有刺鉄線で閉ざされた、

自衛隊の敷地に隣接していたり、

私有地で「立ち入り禁止」の立て札があったりと、

自由には歩きにくいが、

それはそれで冒険的で楽しかった。

まだ時間は早かったが、

Hiromiと追分の「ぬくもりの湯」へ汗を流しに走った。

里山歩きは楽しいねえ~

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2020.12.29 『熊ノ頭山』(くまのかしらやま・155m)  安平町西側の丘陵地帯を歩く①

 2020年最後の山旅は、

29~30 日と安平町で里山歩きを楽しむべく、

29日の朝Hiromiを拾って、

追分から安平へ車を走らせた。

 安平町の西側には、

緩やかな丘陵地帯が広がっている。

それを地理院地図で見ると、

はっきりと目立つ山名が見受けられる。

それが『熊ノ頭山』(くまのかしらやま)だ。

そしてこの山に登るためのルートを考えるのだが、

地形図に記された林道は複雑な上、

はたして現在も利用できるのかどうかわからない。

であるならば最短距離を登ることとし、

まずは現地の町道を走って、

駐車地を確保できるか様子見とした。

すると正にドンピシャで、

畑の作業道が現れた。

もうこの時期は畑の作業もなく、

人が来ることもないので、

作業道の脇に駐車させて頂いた。

 8時50分、駐車地からそのまま、

脇を流れる小沢に獣道を伝って下りた。

そして対岸に渡り、

尾根の末端に取り付こうとした。

ところがエゾシカの防護柵が現れて、

完全に道を塞がれた。

しかし獣道は続いている。

それでそれを辿ってみると、

何と柵の下部がまくれあがって、

自由に行き来できるではないか。

エゾシカが時間をかけて、

このいわゆる「穴」を開けたのだろう。

ラッキーだった。

早速その穴をくぐり抜けて、

広い尾根に取り付いた。

しばらくは枯れ草がうるさかったものの、

たいした藪ではなく、

直に笹原となった。

しかしその笹も薄く快適に高度を上げる。

山の標高自体が低いので時間はかからず、

9時20分『熊ノ頭山』(四等三角点:弾庫=たまこ)

木の間越しに、

次に目指す『熊ノ頭』(二等三角点・くまのあたま)が見えている。

下山も速く、

10時ちょうど、駐車地。

すぐに移動した。

 

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2020.12.27 『仁達幌』(にたっぽろ・242m)  地震の爪痕を見て進む

 日曜の朝は-10℃の中、

また少し寒い状態で起きだした。

ところは安平町早来守田。

新しいシュラフをインターネットで発注した。

安いので性能はどうなのか?

届いてからのお楽しみ。

 7時30分、「知決辺川」に沿って伸びる、

林道入口を徒歩でスタートした。

駐車地点には大きく「工事関係者以外立ち入り禁止」、

と書かれている。

それで日曜日だと工事が休みだろう、

と予測して立ち入ることにした。

ただ車の乗り入れはいささか気が引けるので、

2kmちょっとある、

目指すピークへの取り付き点まで歩くことにした。

空気が冷たく手先が痛くなる。

この辺りは2年前の「胆振東部地震」で、

土砂崩れが多発したところだ。

そのあとを受けて災害復旧工事が進行中なのだ。

 歩き出して間もなく、

古いトラクターや車の残骸が放置されていた。

その残骸の様子から察して、

地震による被害ではなさそうだ。

それより田園地帯だったこの辺りが、

山から崩れ落ちてきた土砂に埋まり、

離農を余儀なくされた農家が、

やむなく放置していったものだろう。

誠に無残な残骸だ。

その後林道は直線的に伸びて行く。

かつてそこを通っていた林道は、

全てが土砂に埋め尽くされ、

災害復旧工事によって、

新たな林道が蘇ったようだ。

真新しい林道が続く。

そして主に進行方向左手の山肌が、

凄まじく削ぎ落とされている。

土砂崩れの生々しい跡だ。

そんな土砂に押し流された樹木が、

あちこちに集められて山となっている。

また、進行中の復旧工事に関わる重機が、

この日はたくさん休止状態にあった。

 地震による凄まじい景色を眺めながら2.4km歩いて、

8時10分、尾根に取り付いた。

林道を歩きながら見てきた笹が、

かなり濃かったので心配していたが、

運良く取り付き点からの尾根の笹は薄かった。

そうなると登行、歩行が楽しくなる。

天気もよく青空が素晴らしい!

尾根筋は明瞭で歩きやすい。

二つの明瞭なピークを過ぎると、

一旦下降して最後の登りとなるが、

そこで笹が密度を増した。

先を行くHiromiが笹の海に飲み込まれそうだ。

ギリギリ頭が笹の上に出ている。

そしてようやくピークに達したようだが、

笹が濃くてなかなか三角点標石を、

簡単には見つけられないようだ。

そこへ私が到着してすぐに見つけた。

深い笹の中だ。

早速タチバサミを出して笹を刈る。

8時55分、二等三角点「仁達幌」

綺麗になった三角点で記念撮影。

初登の儀式はバウムクーヘンではなく、

この日はHiromiが持参した、

小さなまんじゅうだった。

 下山を開始する前にちょっと位置をずれて、

北に広がる伐採地の風景を眺めた。

やはり広い風景はいい。

 下山で林道に下りる際、

登路の尾根筋を外して隣りの尾根を下った。

すると土砂崩れで生じた樹木が、

入り組んで山となっていた。

そんな光景が数えきれないほど散在しているのだから、

地震というのは本当に凄まじい力をもっている。

 8時55分、林道に下った。

そしてまた地震の災害現場を眺めながら歩き、

10時20分、駐車地。

この山行は二等三角点に立てたことより、

「胆振東部地震」の凄まじい爪痕が、

強く深く印象に残った。

 今年も残すところ数日。

私の山行は29~30日で年内最後となる。

とりあえずこの日は一旦帰宅して、

夕方Hiromiといつもの反省会。

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2020.12.26 『下穂別』(290m)、『北高森』(201m)  雪の少ない穂別の山へ!

 今回の週末はKasaneとの山行を予定していた。

天候と積雪の状態を考慮し、

穂別で合流することにし、

私とHiromiは金曜の夕方出かけて、

穂別の手前で車中泊。

土曜の朝穂別スキー場でKasane の到着を待った。

ところが来ないのよう・・・

私の予想ではKasaneの到着が8時。

ところがやって来たのは、

 9時半を過ぎていた!

おっせ~

しかし何事もなく無事に到着してくれた。

 9時50分、穂別スキー場の、

誰もいない駐車場をスタート。

スキー場は雪不足でまだオープンしていない。

すぐ西側の樹林に入った。

藪はこの辺り特有で薄い。

急な斜面を登っていくと、

間もなく南北に連なる尾根に上がった。

それを北に向かって移動すると、

「穂別スキー場」に出た。

こじんまりしたスキー場だが、

眺めは素晴らしい。

 穂別の市街地がまるごと見渡せる。

そんな風景を目にしたKasaneが、

「わぁ~っ!  かわいい街~」

しばし見下ろす風景を楽しんで、

尾根を進んでいく。

そしてCo.180で古い遊歩道が現れた。

ここにはかつてきちんと整備された、

遊歩道があったらしい。

それが手入れされず残っている。

ただこの辺りの植生が、

背丈の低い笹ばかりなので、

そう荒れずに残っているのだろう。

そんな遊歩道を歩くのは楽しい。

この後いくつもの小ピークを越えて行くのだが、

前回ここを歩いた時、

遊歩道がそれらのピークを、

避けるように施設されていることを知った。

アップダウンに耐える必要がない。

遊歩道のこうした仕組みを利用し、

今回は全て遊歩道を歩かせてもらった。

おおよそ前を歩くHiromiとKasaneが、

ひじょーに楽しそうにおしゃべりを続ける。

Hiromiってこんなにしゃべったっけ?

Kasaneもおしゃべりだったんだぁ、

と言うのが、後を着いて歩いた私の感想。

まあ、楽しく山歩きを楽しめるのは、

大変素晴らしいことだ。

しかしながらそんな話しに気を取られて、

つい『下穂別』下でピークを通り過ぎてしまった。

記憶にない風景を目にして気付いた。

そして引き返し、

11時15分、三等三角点「下穂別」

スッキリしたピークで記念撮影。

復路はそのまま遊歩道を歩いて、

またペチャクチャ。

スキー場の上部まで戻って昼食とした。

ここでインスタントラーメンを食べる予定だった私が、

ガスカートリッジを忘れたことに気付いた。

あっちゃ~

Hiromiがカートリッジを貸すか、

と言ってくれたが断って、

消費期限切れのパンケーキひとつでがまん。

武士は食わねど高楊枝~

 スキー場をスタスタ下って、

12時30分、駐車場。

時間が早いので、

すぐ直近の三角点を求めて移動した。

車で穂別市街を横断し、

穂別高校そばから林道に入った。

わずかに入ったところの作業道に駐車し、

すぐ上の三角点ピークに向かって登り始めた。

作業道は縦横に走るが、

どこも荒れた状態だ。

それを適当なところで離れて藪へ。

笹は濃いが背丈が低い。

急な笹原を登ってピークに達したが、

三角点標石が見つからない。

しばらく探し回っていると、

 Kasaneが見つけた、

三角点の標石を!

四等三角点「北高森」

伐採地のピークであるため、

見晴らしがいい。

ところがここで雪が降り出し、

風も強くなったので、

長居することなく下山を開始。

スタスタ下って駐車地へ。

Kasaneは雪がひどいであろう、

北に向かって帰っていった。

そして私と Hiromiは厚真町に走り、

先週と同じく 「こぶしの湯」で汗を流した。

 

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2020.12.24 『天狗山』(330m)  原風景の中で雪の里山に登る

 昨日の朝家を出て栗山町に向かった。

栗山の未踏三角点を求めるつもりだった。

しかし現地に行ってみると、

先日の大雪の名残で道路脇の雪が高く、

なかなか駐車スペースを確保することができない。

しかたなくだんだん雪の少ない、

南方面に移動することになる。

そして南角田から「多良津川」に沿って伸びる、

「不動の沢林道」から、

『天狗山』に登ることにした。

そこに行ってみると、

林業関係の作業が継続されているようで、

林道入口まで除雪してあり、

十分な駐車スペースも確保できた。

 積雪はまだスノーシューを使用するほどでもないので、

スパイク長靴で登ることにした。

私の原風景の中のこの山には、

今年初めて登ったが、もうこれが4度目になる。

ただ雪景色は初めて見るので楽しみだ。

 9時45分、林道入口の駐車地をスタート。

林業関係の作業はどこで行われているのか、

少々気になっていたが、

それは林道入口付近だけのことだった。

その後はハンターのものと思われる、

大型四輪駆動車のタイヤ痕が残っていた。

ただそれも最近のものではないようだ。

タイヤで踏み固められたワダチを歩くのは楽だ。

歩き始めて500mほどでエゾシカの防護柵が現れ、

扉を開けて中に入った。

その後また500mほど歩いて、

ヘアピンカーブを曲がったところにゲートがある。

開放されていたことはない。

そして車のタイヤ痕は、

このゲートの前で引き返していた。

この先の「不動の沢林道」は、

一歩一歩湿って重い雪を、

踏みしめて歩かなければならない。

また頭上の枝からは雪の塊が、

折からの暖気で落ちてくる。

歩いているとあちこちから、

それらが落下する音が聞こえる。

バサッ! バサッ!!

その雪塊が頭を直撃したなら、

ヘルメットを被っていても、

簡単に首の骨が折れてしまう。

従って頭上に木々の枝が張り出す辺りでは、

自ずと緊張させられ、

バサッ! という落下音にはドキッとさせられる。

 林道を歩いて針葉樹林帯に入ると、

周囲のトドマツの太い幹に、

ヒグマの爪痕が生々しく残されている。

堅い幹にいったいどれほどの力を加えたなら、

このような爪痕が残るというのか?

そんなヒグマの爪痕が、

ここの針葉樹林帯には数多く残されている。

 林道はCo.250で「天狗山林道」の分岐を迎え、

それを200mほど過ぎた地点で、

北海道電力の送電線保守管理用の刈り分け道が現れる。

そこからこれにのって送電線の直下を登る。

すると背後に送電線をはじめとした、

北の風景が広がり始める。

このルートの一番良いところだ。

そんな素晴らしい風景を眺めながら登り、

Co.280で「天狗山林道」に上がる。

この「天狗山林道」は新しく、

地形図には記されていない。

そしてこの地点からは、

目の前に『天狗山』の頂上部が全て見えている。

それをひと登りして、

11時30分、四等三角点『天狗山』

ここで昼食とした。

その間に木々の間から風景を望むも、

この日はなんだかもやがかかったようで、

遠くが見通せない。

まるで黄砂に覆われたような、

または煙幕に覆われたような光景だ。

 下山は林道をショートカットする。

林道ゲートまでは下らず、

その前に斜面を下って「不動の沢」に下りた。

水量の少ない不動の沢を渡り、

対岸を登り返して林道に当てた。

ちょうどエゾシカの防護柵扉のところに出た。

あとは短く林道を歩いて、

12時55分、駐車地。

いやあ、雪のある原風景の中の、

『天狗山』もまたよかったなあ。

 

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2020.12.23 『安平山』(あんぺいざん・166m)~『犬山』(157m)  Machikoの執念!

 私の仕事は21日で終了。

22日から15連休となる。

 昨日はMachikoと休みが合ったので、

安平町追分の「安平山スキー場」で合流した。

 9時25分、スキー場南側の、

『安平山』登山口をスタート。

すぐ樹林に入った。

そして間もなく「らくらくコース」と、

「直登コース」の分岐点となる。

それを案内する標識が、

真新しいものに替えられていた。

どちらの組織の方のお手配かは存ぜぬが、

誠にありがたいことだ。

「直登コース」を登って、

9時40分、『安平山』(一等三角点:阿平山=あびらやま)。

久しぶりに見る「一等」の標石(18cm角)は大きい!

スキー場の上から見ると北側に、

大規模な工事が行われているのが目に入った。

いったい何を作ろうとしているんだろうね?

 『安平山』頂上からは西に下る尾根を進んだ。

笹はそううるさくはない。

下降する尾根にのって一旦沢床まで下った。

そして少し小沢を下り、

再び対面の斜面に取り付いて登る。

沢床まで下って登り返しても、

そもそもピークの標高が150mほどなので、

たいしたアルバイトではない。

『安平山』から『犬山』まで、

ほぼ直線的にルートを取った。

また笹の状態も変わることなく苦にはならない。

ただ、『犬山』の少し手前で、

笹丈が急に高くなり、

我々の背丈をはるかに超えた。

この先いったいどうなるのかと案じたが、

それはほんの狭い範囲でのことだった。

その後偽ピークで標石を探したあと本峰へ。

ところが三角点を示す標柱はあったものの、

肝心の三角点標石が見つからない。

二人で探した、探した。

直径15cmほどの倒木が横たわっていたので、

その下敷きになったのでは?

とか、土に埋没してしまったのでは?

とか推測する。

そして「ダメだ、あきらめよう」と言った時だった。

Machikoが「あったあった、ありましたあ!」と叫んだ。

Machikoは手袋をはめていたとは言え、

地面を手で引っかき、ほじくって標石を探し当てた。

まさにMachikoの執念と言えるだろう。

私一人だったらあきらめて下山していたに違いない。

だとしたら先日の「支安平」に続き、

二連敗になってしまうところだった。

ありがとうMachiko!

  下山はMachikoに『安平山』まで戻ってみろ、

と指示して前を歩かせた。

すると初心者ならではのルート取りをする。

仕方がない、勉強だ。

また、Machikoはどうしても左方向にルート取りをしたくなる傾向があり、

二度修正するのに口を出してしまった。

しかし修正の助言をすると、

また自分なりに進み、

12時05分、再び『安平山』。

ちょうど昼になったので昼食とした。

天気はいいし風もなく、

おだやかだぁ~

空知平野の向こうに、

夕張方面の風景を眺めながら、

カップ麺をすする。

 12時35分、駐車地。

ここまで来て『安平山』にだけ登って帰るならつまらないが、

ちょっと目先を変えると冒険的な楽しい山行が楽しめる。

この日もいい山だった。

Machikoも満足げな様子で帰っていった。

 

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2020.12.20 『支安平』(しあびら・198m)  小雪の中の笹原歩き

 

       20日(日)の朝は、

安平町の「瑞穂ダム」近くで目覚めた。

この朝の外気温も前日朝と同じく-12℃だった。

そしてやはり夜間に寒くて、

よく眠れなかった。

-25℃対応のシュラフも、

使用年月が7年ともなると、

保温力が低下するのかなあ?

Hiromiも同じシュラフを同時期に購入し、

やはり7年使用してきて「寒い」と言っている。

すぐに何とかしなければ!

 この日目指したのは、三等三角点「支安平」。

この辺り、安平町の東側には、

点名に「安平」とつくものか5つある。

その点名がおもしろい。

「本安平」(二等・213m)と並ぶような位置に、

「支安平」(三等・198m)があり、

「本安平」の南側には「本安平奥」(四等・244m)

「支安平」の東に「支安平奥」(三等・364m)が存在する。

また、「瑞穂ダム」の南には「安平道」(三等・266m)がある。

これらは全て地形図から拾って得たもだが、

最初は似た名称ばかりで、

ごちゃごちゃして覚えられなかった。

「本安平」と「支安平奥」には既に登っている。

 日曜の朝7時40分、「瑞穂ダム」手前の、

エゾシカ防護柵扉から入山した。

目の前に「支安平」に続く尾根の末端が張り出しており、

早速この尾根に取り付いた。

笹はそれほどうるさくはない。

Co.120で尾根の頭に上がった。

あとは広い尾根を忠実に辿って北上する。

この尾根上にはかつて作業道があったようだが、

今となってはその面影すら偲ぶことが困難だ。

降りしきる小雪が少々わずらわしい。

笹は膝程度なので問題なく、

ただ淡々と歩をす進めて行く。

しかし片道約1.5kmの、

3分の2を過ぎた辺りで深く濃い笹につかまった。

一歩一歩踏み出す足に笹の茎が絡まり、

なかなか前に進めない。

何とか脱してようやく『支安平』の基部に取り付くと、

笹はまたもや密度を増した。

笹をかき分け強引に進む。

そしてピークに達した。

すぐに三角点標石を探すのだが、

濃い笹とわずかだが降り積もった雪で見つからない。

GPSでは既にその上に達しているのだが・・・

あきらめた。

まあ、とりあえず、

9時10分、三等三角点「支安平」

後ろ髪を引かれる思いでピークをあとにする。

三角点標石を探しきれずに下山することはあるが、

いつも虚しさが残る。

登路をほぼそのまま引き返し、

10時15分、駐車地。

すぐ帰途に着き、いつものように夕方、

Hiromiと反省会の予定だったが、

私の自宅がある江別市に戻ると大雪だ!

国道の道幅は半分。

住宅街の市道は車一台が走れる程度の幅に。

家に着いて新たに降り積もった降雪に、

メジャーを差し入れてみると、

なんと55cmだ。

その後も10cmは降り続いたので、

この日の朝降りだしたと言う雪は、

65cmにも達したのだ。

向かいの家の庭に止めてある車が、

すっぽりと雪に埋もれていた。

街に雪はいらねえ~

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2020.12.19 『魔狐阜』(まこぶ・298m)~『熊ノ沢』(304m)  楽しい里山の縦走

 土曜日の『尋内』下山後、

穂別に戻ってニサナイから「千熊林道」に入った。

そして地形図に記された支線林道との、

分岐点にスペースを見つけて駐車した。

 『魔狐阜』には今年7月に登っている。

その時はこの地点の一本南側の尾根を登った。

しかし暑くて『熊ノ沢』までは行かず、

『魔狐阜』で折り返して下山した。

今回は地形図に記された林道を利用して『魔狐阜』に登り、

そこから『熊ノ沢』まで縦走し、

往路をそのまま折り返すという計画を立てた。

 10時50分、「千熊林道」脇の駐車地をスタート。

すぐ藪に入りショートカットして、

一段上の林道に上がった。

地形図に記された多くの林道がそうであるように、

この支線林道もまた廃道となっていた。

ただ、まだ下草が薄いので、

藪をかき分けて歩くよりははるかに楽だ。

林道はやがて「林道跡」と表現した方が、

的確と思われる状態になり、

更には単なる作業道跡となって、

地形図上の終点Co.220から先へと続いていた。

そして最後は作業道跡を離れて、

11時25分、二等三角点「魔狐阜」

このピークも周囲の樹木の葉が落ちて、

遠くの風景が見えている。

また木々の間からは穂別の街が見える。

 『魔狐阜』から一旦50mほど下り、

南向きの尾根にのった。

アップダウンがほとんどない尾根を行く。

途中で作業道跡が次々に出てくる。

それらの利用できるものは利用し、

そうでないものは尾根上を歩く。

下草は背が低く歩きやすい。

そして地形図に記された256m標高点で、

地形図にはない林道に出合った。

うっすらと雪が積もった路面には、

大型四輪駆動車が走ったと思われる、

はっきりしたタイヤ痕が残っていた。

ハンターだろうがこの日のものではなかった。

林道は我々が進み行く尾根に沿って伸びていたので、

しばらくそれにのって歩いて行くと、

やがて終点となった。

それでまた笹の尾根を歩くことにした。

ところがたいして歩かないうちに、

突然広いところに出た。

驚いて周囲を見回してわかったが、

それは真新しい林道だった。

工事のことを記した標木を見ると、

先月完成したようだ。

これも当然地形図にはない林道なので少々戸惑ったが、

目指すピークはもう目の前だ。

新林道を少し歩いて斜面に取り付き、

尾根に上がって、

12時35分、四等三角点「熊ノ沢」

ここからも木の間越しによい風景が眺められる。

ゆっくり昼食を摂って休んだ。

 下山は往路の尾根筋を、

そのまま忠実に戻る。

次々に現れる作業道や、

枝尾根の間違いやすいところに、

数箇所ピンテを付けていたので、

それらを回収しながら歩く。

最後は再び『魔狐阜』に登り返し、

また遠くの風景を楽しんだ。

北の方角に見慣れない鋭角の山が見えるのだが、

それが何なのかを結論付けるのに、

少し時間がかかった。

それは『佐主岳』(618m)で、

見る方向が変わると新鮮だ。

 14時25分、駐車地。

この後厚真町の「こぶしの湯」へ汗を流しに走った。

 

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2020.12.19 『尋内』(たんねない・316m)  明瞭な一本尾根を行く

 金曜日の『於兎牛山』下山後、

Machikoと別れて買い物、入浴を済ませ、

夕方仕事を終えたHiromiを迎えにいった。

そして穂別に向かって車を走らせた。

積雪量が気になるものの、

そちら方面の方が好天の可能性が高い。

穂別に入ってみると、

やはり積雪量は少なく、

某所で車中泊。

夜到着した時点での外気温が-8℃。

それが土曜の朝起きると、

-12℃まで下がっていた。

土曜日は予定通りまず『尋内』へ。

この山には今年の8月、

東側の「平安林道」から登っている。

暑い上にアブの大群に付きまとわれる山行だった。

それを今回は北側から尾根に取り付き、

長い尾根を歩いてピークに立つ計画。

穂別から富内に向かう道々を走っていると、

田園地帯の奥に、

北から南に伸びるこの尾根が見えている。

それを見るたびに、

「あの上を歩いてみたい」という、

一種憧れみたいな気持ちを抱いていた。

 8時10分、むかわ町富内の、

水に関わる何らかの施設前をスタート。

すぐ藪に入った。

目の前には憧れの尾根が横たわっている。

結構な斜度があるので、

ジグを切るように登っていく。

そしてCo.180で尾根の頭に上がった。

するとそこには尾根に沿って伸びる、

古い作業道跡が現れた。

その後は作業道跡が、

現れたり消えたりを繰り返した。

尾根上からは常に左右(東西)の風景が、

もう葉が全て落ちてしまった、

木々の木の間越しに見える。

やはり期待通りの楽しい尾根歩きとなった。

ただスタート時点で-12℃だった気温は、

その後もさほど上がらないようで、

空気が大変冷たい。

それでも天気が良くて気持ちがいい!

やはりこちらに出かけて正解だった。

新鮮な風景の中を楽しく歩き、

9時15分、三等三角点「尋内」

標石を目にして思い出した!

そう、ここの三角点標石は、

斜めに埋まっているのよ。

たまに斜めに埋まっている標石を見るが、

ここのは極端にに斜めだ。

また木々の葉がすっかり落ちてしまったことにより、

「平安林道」から上がってくるルートも見えた。

 下山はまた尾根上を下ったが、

尾根から斜面に下る地点が早すぎて、

下部で次々現れる沢地形に、

少々難儀したがそれも楽しい。

10時05分、駐車地。

すぐに体が冷える気温の中、

ただちに次の山行に向けて穂別に戻った。

 

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