猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

私たちの幸せな時間

2014-04-04 02:41:03 | 日記
2006年の韓国映画「私たちの幸せな時間」。
3度目の自殺未遂を起こしたユジョン(イ・ナヨン)は、伯母であるシスターに連れら
れて刑務所へやってくる。ユジョンは元歌手であり、ユジョンに会いたがっている
囚人がいるという。その囚人は3人を殺害した死刑囚・ユンス(カン・ドンウォン)
だった。
面会室で会った時、ユジョンとユンスは互いに反発しあい、不愉快な感情を持った。
が、毎週木曜日の10時からの面会時間に会話を重ねていくうちに、2人は心を開き、
面会日が待ち遠しくなっていく。
2人は生きる希望を失った理由を打ち明け、お互いを慰め合ったことで、2人の間には
愛と生きることへの希望が生まれた。しかしユンスに残された時間は少なかった。

重たい映画だった。ユジョンとユンスは心に大きな傷を抱えている。ユジョンは
裕福な家庭に育ち、ユンスは浮浪児だったという違いはあるが、お互いの傷は癒し
合うに充分なものだった。
ユジョンは母親を憎んでいる。この母親がひどい。あんなことをされたら私だって
母親を憎むだろう。絶対に許さないだろう。
この映画はキリスト教がその根底にある。汝の敵を愛せよ。ユンスと時間を重ねて
いくうちに、ユジョンは母親を許そうと決意する。そのシーンは観ていて辛い。
イ・ナヨンとカン・ドンウォンの演技が感動的だった。ユジョンとユンスが少しずつ
心を開き、共感していく様子をとても繊細に演じていて、素晴らしかった。ラストは
涙が止まらなかった。
この映画を観て、韓国と日本の死刑の執行のシステムが極めて似ていることを知った。
死刑囚と刑務官の心の交流を描いた日本映画「休暇」を思い出した。あの映画でも、
刑務官は苦悩していた。この映画と同じように。
1つ違うのは、日本は死刑囚は独房に入れられると思うのだが、韓国は他の懲役刑の
囚人たちと同室であること。これはちょっとびっくりした。死刑囚が執行のために
刑務官に呼ばれた時、同室の人たちはものすごく辛いではないか。同室というのは
本当なのだろうか。
あと、カン・ドンウォンの美形さが印象に残った。



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