猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

家族の灯り

2014-04-07 02:38:40 | 日記
フランス・ポルトガル合作映画「家族の灯り」を観にいった。
ヨーロッパのある港町で、会計士として働くジェボ(マイケル・ロンズデール)は、
妻ドロティア(クラウディア・カルディナーレ)、そして息子の妻ソフィアと慎ましく
暮らしている。息子のジョアンは8年前に失踪したままだ。
息子を溺愛するドロティアは、息子が帰ってくれば家族が幸せを取り戻すと信じ、
息子の不在を嘆き続け、そのことでいつもジェボと口論になってしまう。
夫婦の家にはよく友人が訪れる。コーヒーを飲みながら他愛もない話をする。
カンディディニア(ジャンヌ・モロー)もその友人のひとりだ。
そんなある日突然、息子のジョアンが帰ってくる。しかしドロティアが考えていた
こととは違い、ジョアンが帰ってきたことで家族に不穏な空気が流れ始める。

変わった映画だった。監督のマノエロ・ド・オリヴィエラはポルトガル生まれで、
105歳の今、現役最高齢の映画監督なのだそうだ。
なんというか、演劇のようだった。ほとんどのシーンが家の中、それもリビング
ルームだ。ジェボは仕事から帰ってくると、いつもリビングのテーブルで帳簿の
計算を始める。その隣でドロティアはジョアンのことを話す。そしてジェボがちゃ
んと聞いてくれないと言って腹を立てる。ソフィアはコーヒーの用意をし、ほと
んどしゃべらない。毎日がその繰り返しだ。
そしてこの家族は就寝がとても早く、10時頃には寝る。テレビなどもないようだ。
貧しく、娯楽のない毎日。息子はそれに嫌気がさして出ていったのだ。
ほとんど同じ場所で、登場人物たちが画面に向かってしゃべったりするので、演劇
を撮影したような不思議な雰囲気がある。
ジョアンに対して、父親、母親、妻、それぞれの思いがあり、交わることはない。
私がソフィアだったらとっくに家を出ていってるだろう。失踪した夫をとてもじゃ
ないが8年も待ち続けられない。2年がいいとこだ。
少し非現実的な感じのする映画だが、おもしろかった。映画館では寝てる人もいた。
確かに観る人によってはとても退屈だろう。

ジャンヌ・モローとクラウディア・カルディナーレの共演というだけでも観る価値
はある。私もそれが目的で観たのだ。
80代のジャンヌ・モローと70代のクラウディア・カルディナーレ。美人はいくつに
なっても美しく、かわいい。



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