猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ドラゴン・キングダム

2014-04-11 02:47:47 | 日記
2008年のアメリカ映画「ドラゴン・キングダム」。
カンフーおたくの気弱な高校生ジェイソン(マイケル・アンガラノ)は、いつものように
チャイナタウンの老主人ホップ(ジャッキー・チェン)が経営する質屋で、カンフー物の
DVDを物色していた。その帰り、クラスメートの不良たちに絡まれたジェイソンは、
質屋を襲う手伝いをするよう脅される。彼らの銃弾に倒れたホップは、ジェイソンに
古びた金色の棒を渡し、元の持ち主に返してくれと頼む。
不良たちに追い詰められて棒を持ったまま屋上へ逃げたジェイソンは、転落し、目を
覚ますと、古代中国の世界に来ていた。驚く間もなく悪の将軍ジェイドの軍団に捕まり
そうになるが、通りかかった酔拳の達人ルー・ヤン(ジャッキー二役)に助けられた。
ジェイソンが持つ金色の棒が孫悟空の如意棒で、将軍の呪いによって石に閉じ込めら
れている孫悟空を救うことが、ジェイソンが元の世界に帰れる方法だとルー・ヤンは
言った。
その後2人は将軍を仇とする女性戦士ゴールデン・スパロウ、カンフーの達人である
僧侶サイレント・モンク(ジェット・リー)と出会う。モンクも孫悟空を救うために旅を
していた。最強の2人の師を得たジェイソンは、カンフーの特訓を始める。

あらすじを書いていてもワクワクするくらいおもしろかった。現代のアメリカの高校生
が孫悟空の如意棒を任され、古代中国で仲間と一緒に敵と戦うなんて、アイデアがいい。
久し振りにジャッキー・チェンとジェット・リーのカンフーを見られて満足。2人が
戦うシーンはほんとにかっこいい。私はジェット・リーの方が好きだが(これ何回も書い
たなあ)、もちろんジャッキーも好きである。
ジャッキーとジェットが好きな人はそれだけで観る価値がある映画だ。2人の共演は15
年も前から計画されていたものの、なかなか実現しなかったのだそうだ。またいつか
観たいなあ、共演作。
ラストでいろいろ繋がっていて、そう来るか!という感じで良かった。ジェイソンの
成長物語でもあるのがまた良い。カンフー好きには必見の映画である。



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家族の灯り

2014-04-07 02:38:40 | 日記
フランス・ポルトガル合作映画「家族の灯り」を観にいった。
ヨーロッパのある港町で、会計士として働くジェボ(マイケル・ロンズデール)は、
妻ドロティア(クラウディア・カルディナーレ)、そして息子の妻ソフィアと慎ましく
暮らしている。息子のジョアンは8年前に失踪したままだ。
息子を溺愛するドロティアは、息子が帰ってくれば家族が幸せを取り戻すと信じ、
息子の不在を嘆き続け、そのことでいつもジェボと口論になってしまう。
夫婦の家にはよく友人が訪れる。コーヒーを飲みながら他愛もない話をする。
カンディディニア(ジャンヌ・モロー)もその友人のひとりだ。
そんなある日突然、息子のジョアンが帰ってくる。しかしドロティアが考えていた
こととは違い、ジョアンが帰ってきたことで家族に不穏な空気が流れ始める。

変わった映画だった。監督のマノエロ・ド・オリヴィエラはポルトガル生まれで、
105歳の今、現役最高齢の映画監督なのだそうだ。
なんというか、演劇のようだった。ほとんどのシーンが家の中、それもリビング
ルームだ。ジェボは仕事から帰ってくると、いつもリビングのテーブルで帳簿の
計算を始める。その隣でドロティアはジョアンのことを話す。そしてジェボがちゃ
んと聞いてくれないと言って腹を立てる。ソフィアはコーヒーの用意をし、ほと
んどしゃべらない。毎日がその繰り返しだ。
そしてこの家族は就寝がとても早く、10時頃には寝る。テレビなどもないようだ。
貧しく、娯楽のない毎日。息子はそれに嫌気がさして出ていったのだ。
ほとんど同じ場所で、登場人物たちが画面に向かってしゃべったりするので、演劇
を撮影したような不思議な雰囲気がある。
ジョアンに対して、父親、母親、妻、それぞれの思いがあり、交わることはない。
私がソフィアだったらとっくに家を出ていってるだろう。失踪した夫をとてもじゃ
ないが8年も待ち続けられない。2年がいいとこだ。
少し非現実的な感じのする映画だが、おもしろかった。映画館では寝てる人もいた。
確かに観る人によってはとても退屈だろう。

ジャンヌ・モローとクラウディア・カルディナーレの共演というだけでも観る価値
はある。私もそれが目的で観たのだ。
80代のジャンヌ・モローと70代のクラウディア・カルディナーレ。美人はいくつに
なっても美しく、かわいい。



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私たちの幸せな時間

2014-04-04 02:41:03 | 日記
2006年の韓国映画「私たちの幸せな時間」。
3度目の自殺未遂を起こしたユジョン(イ・ナヨン)は、伯母であるシスターに連れら
れて刑務所へやってくる。ユジョンは元歌手であり、ユジョンに会いたがっている
囚人がいるという。その囚人は3人を殺害した死刑囚・ユンス(カン・ドンウォン)
だった。
面会室で会った時、ユジョンとユンスは互いに反発しあい、不愉快な感情を持った。
が、毎週木曜日の10時からの面会時間に会話を重ねていくうちに、2人は心を開き、
面会日が待ち遠しくなっていく。
2人は生きる希望を失った理由を打ち明け、お互いを慰め合ったことで、2人の間には
愛と生きることへの希望が生まれた。しかしユンスに残された時間は少なかった。

重たい映画だった。ユジョンとユンスは心に大きな傷を抱えている。ユジョンは
裕福な家庭に育ち、ユンスは浮浪児だったという違いはあるが、お互いの傷は癒し
合うに充分なものだった。
ユジョンは母親を憎んでいる。この母親がひどい。あんなことをされたら私だって
母親を憎むだろう。絶対に許さないだろう。
この映画はキリスト教がその根底にある。汝の敵を愛せよ。ユンスと時間を重ねて
いくうちに、ユジョンは母親を許そうと決意する。そのシーンは観ていて辛い。
イ・ナヨンとカン・ドンウォンの演技が感動的だった。ユジョンとユンスが少しずつ
心を開き、共感していく様子をとても繊細に演じていて、素晴らしかった。ラストは
涙が止まらなかった。
この映画を観て、韓国と日本の死刑の執行のシステムが極めて似ていることを知った。
死刑囚と刑務官の心の交流を描いた日本映画「休暇」を思い出した。あの映画でも、
刑務官は苦悩していた。この映画と同じように。
1つ違うのは、日本は死刑囚は独房に入れられると思うのだが、韓国は他の懲役刑の
囚人たちと同室であること。これはちょっとびっくりした。死刑囚が執行のために
刑務官に呼ばれた時、同室の人たちはものすごく辛いではないか。同室というのは
本当なのだろうか。
あと、カン・ドンウォンの美形さが印象に残った。



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