ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女

2009-11-19 19:52:58 | ま行
この宣伝チラシ、ビジュアルセンスが悪いよ~
あやうく食わずギライするところでした。


「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」80点★★★


今年の「このミス」「文春」のトップ3にも入選確実とされている
話題のスウェーデン発ミステリー小説の映画化です。


なんたって人口900万人のスウェーデンで
360万部(!)売れたっていうんですから
え?どんだけのベストセラーなの?って。


映画は原作のテイストそのまんまだそうで
2時間半もあるのに、ぜんぜん飽きず
しっかり引きつけられました。


主人公は雑誌記者のミカエル。
彼は大企業の重鎮から
40年前に失踪した少女の行方を捜して欲しいと頼まれる。

彼は鼻ピアスにパンクファッションだけどめちゃくちゃ頭のキレる
謎の女性リスベットの協力を得て
恐るべき真実に迫っていく・・・・・・というお話。


孤島に集まって暮らす大富豪一族、という舞台からして
アガサ・クリスティーの小説のような古典的おもしろさがあります。

主人公記者が事件のしっぽを丹念にさぐり
ひとつひとつベールをはいでいく
謎解きのおもしろさも上級。

「ダヴィンチ・コード」よりも巧妙ですよ。

ただし性的虐待などちょっとキワいシーンもあるので
そういうの苦手な人にはキツイかも。

しかし原作者も主人公同様にジャーナリスト出身で
小説のなかでそうしたスウェーデンの暗部を
告発しているのです。

IKEAなどオシャレなデザインや牧歌的イメージのある国なのにね~

しかも原作者は出版前に50歳の若さで急逝したそうで
これもまたドラマチックというかミステリアス。

小説は未完を含め5巻まであって
映画もすでに続編が制作されてるそう。

こりゃ楽しみざんす。


★2010年正月第2弾(1月中旬位でしょう)シネマライズほか全国順次公開。


昨日、これまた「週刊朝日」の「ツウの一見」で
レイモンド・チャンドラーの翻訳で知られる
翻訳家・田口俊樹さんに本作の魅力をたっぷり伺いました。

映画はもちろん原作も相当におもしろいんですってよ。
こりゃ読むしかない!

記事掲載は1月かな。またお知らせしますデス。
コメント (4)
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