ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

クレアモントホテル

2010-12-04 15:50:49 | か行
とても上品なのが、いいですね。

「クレアモントホテル」70点★★★


ロンドンのクレアモントホテルにやってきた
老婦人(ジョーン・プロウライト)。

長期滞在型のこのホテルには
ちょっと変わった人々が集っていた。

ある日、
夫人は外出先で転んだところを
青年(ルパート・フレンド)に助けられる。

そして夫人は青年に、ある頼み事をする。

それは彼女の孫のフリをして欲しい、と
いうものだった……。


老婦人と若い青年の
“心の蜜月”を描く作品。

確かに“淡い恋心”は存在するんだけど
あくまでもおばあちゃんと孫的な関係で
とっても上品。

またクレアモントホテルが
「中の下ランク」ってところがミソで

上品な老婦人が
そこに入り込んだことで起こる
ちょっとした「ギクシャク」が笑えたり

風変わりな常連たちとの
やりとりなども
実にイギリスらしいウィットに富んでいます。


しかしこの
“年の差設定”って、案外多いんだなあと
思っていたら

劇中で青年が若い女性に
「それって『ハロルドとモード』の世界じゃない?」って
言われてた(笑)

センスいいなあと思いました。

それに
原作はもっとドロドロ愛っぽいそうで
ああ、そこもセンスいいなあと。


ただ、この映画ちょっと残念なのが
似たような設定の
「私の可愛い人――シェリ」と
同時期公開になってしまったこと。

しかも
熟女の相手役が同じ
ルパート・フレンドですからねえ。

宣伝的に難しかったと
中の人も言ってました。


まあ、私はこっちの作風のほうが
好みでしたが。


それにこの映画、実は2005年製作で
ルパート・フレンドがまだほとんど
無名だったころの作品なんだそうで。

たしかに
眉毛の太さとか
垢抜けない感じがいいす(笑)


★12/4から岩波ホールで公開中。ほか全国順次公開。

「クレアモントホテル」公式サイト
コメント (2)
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