ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ノルウェイの森

2010-12-08 16:52:46 | な行
いやーつらかったすね、これは。

「ノルウェイの森」37点★☆

言わずとしれた
村上春樹原作の超ベストセラー
「青いパパイヤの香り」の
トラン・アン・ユン監督が映画化した注目作です。


高校時代の親友である
ワタナベ(松山ケンイチ)とキズキ(高良健吾)、
そしてキズキの彼女・直子(菊地凛子)は
よくつるんで遊んでいた。

しかしある日
キズキが自殺してしまう。

傷心のまま大学に進んだワタナベは
偶然、直子と再会する。

2人は喪失を埋めるように
親密になっていくが……。


ある意味、想像どおりでした。

美しい映像を重ねて
雰囲気はあるけど
映画にはなってない「映像詩」という感じ。

心配したセリフ回しは
さほど悪くないし
松山ケンイチもわりとハマってましたが

背景も展開も、人物描写も
あまりにも表層的で、

誰にも感情を寄せられず
退屈極まりなかった。


例えば
心を病んだ人は「心を病みました」という
ト書きで終わってるような
うわっつら感が。。。


原作、あんなに泣いたのになあ。


トラン・アン・ユン監督の
「青いパパイヤ~」の印象はいまだ強烈で
大好きな映画。

おそらく村上春樹氏もそうだったから
映画化を許したんでしょう。


構想から4年、
完成までにさらに2年というのは
並大抵のモチベーションじゃできないし

きっと紆余曲折あったんだろうなと
察します。


自分も企画を実現することの
大変さは身に染みてるだけに

「企画が通った!」
ということが一番のきらめきだったというのは
残念でなりません。


それにコレを言っちゃうとナンですが
最後まで
やっぱり菊池倫子は
イメージじゃなかったのかも。

だって宣伝チラシの写真、
直子じゃないじゃん!(笑)


★12/11から全国で公開。

「ノルウェイの森」公式サイト
コメント (4)
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