見終わってすぐより
いまのほうが余韻があって少々加点。
「東京家族」70点★★★★
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2012年、東京。
郊外で開業医を営む長男(西村雅彦)のもとに
田舎から父(橋爪功)と母(吉行和子)が上京してきた。
子どもたちはみな東京暮らしで
長男の嫁(夏川結衣)、
美容院を経営している長女(中嶋朋子)、末っ子の次男(妻夫木聡)たちは
その日、長男の家に集まって父と母を歓迎する。
だがせっかく両親がきたのに
子どもたちはそれぞれに忙しく
なかなか父と母の相手をすることができない・・・。
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山田洋次監督、監督50周年記念の作品です。
小津安二郎監督「東京物語」へのオマージュで
設定を現代にしつつ、カメラ位置や間のある芝居など
ともすれば「パロディーか?」というくらい、踏襲している。
ヘンとまでは言わないけど
そのせいなのでしょうか
各俳優の素質がモロに出ている気がしました。
それは演技のうまい下手より
この独特の空気と間合いを飲み込めているか、が大きいと思う。
長女の夫役の林家正蔵氏が
監督にけちょんけちょんに言われてたけど
演技力というより「空気の読み加減」にあるような。
彼だけでなく中嶋朋子、西村雅彦氏も
芝居がうるさすぎて
このトーンからずれてる感じがしました。
そのなかで
一番見やすいのは
おそらく最も空気を読み、飲み込みと適応の速い夏川結衣、
そして妻夫木氏と蒼井優の若いコンビでしたね。
家族ドラマとしてはもちろんしっかりしており
近いがゆえに煩わしかったり、
親と子が別々の生活と価値観を持って行くことで起こるギクシャクなど
いつの時代も、どの家族にもありそうな話を
丁寧に描いていました。
なにより
いつの時代も
「感じのいいこと」「気持ちのよい人柄」がどれだけ美しいことかを
伝えているんだと思います。
余談ですが
美容院のロケ地は
やっぱり代々木上原のあそこらしい。「ハリッツ」の手前・・・だよね?
★1/19(土)から全国で公開。
「東京家族」公式サイト