ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

アルバート氏の人生

2013-01-14 16:40:09 | あ行

見終わって、
「グレン・クローズの本当の顔ってどんなだっけ?」と
マジで思い出せなくなった。

すごくないすか?


「アルバート氏の人生」72点★★★★

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19世紀のアイルランド。

ホテルで働くアルバート氏(グレン・クローズ)は
職を得るために
女性であることを隠し、
長年、男として孤独に生きてきた。

だがあるとき、ある人物との出会いから
アルバート氏はパートナーを持ち、自分の店を持つことを夢見るようになる。

そして同じホテルで働くメイド(ミア・ワシコウシカ)に
好意を持つのだが――。

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これ
意外に展開が読めなかったですねえ。

心温かい話というのでなく、哀しくもある。
でも少しコミカルな所もある。

辛い社会で女が手を取り合って生きる話でもあり、
いつの時代も変わらない“自立”について考えさせもする。

品格ある凛とした演出で
美術も衣裳も精密で美しい。

と、とてもいいんですが、
ちょと難しい部分がある。

ひらたくいえば
「アルバート氏は、ホントに女が好きなの?」というところ。

生々しさや感情描写が排除されているので、
主人公のセクシャリティの所在が明確にならないのだ。

しかも
そのことをアルバート氏本人も
わかってないんじゃないか?って感じなんですよ。
けっこうそこ肝心に思えるんだけど。

ミア・ワシコウシカを選ぶセンスは
完全に男目線だと思うんだけど(だってカワイイし!笑)

自分が女であることを黙ったまま結婚できると
本気で思ってるあたりなど、
ギャグ?と思うほど滑稽だったりする。

しかしまあ
パートナーが男でも女でもまったくどっちでもいいと番長は思うし

彼女が男を選ぶことはあり得ないのかもしれん・・・という事情は
感じさせるんですけどね。

そこの部分がちょっとぼやけてるけど
脇役がすごくよくて点数アップ。


それにこの手の話って、男の人で「ダメ」ってケース多いんだけど
映画宣伝会社によると
けっこう男性の評判がいいんだって。

いいことですね。


★1/18(金)からTOHOシネマズシャンテほか全国で公開。

「アルバート氏の人生」公式サイト
コメント (2)
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