ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ふたりのイームズ 建築家チャールズと画家レイ

2013-05-10 12:45:33 | は行

これはちょっと期待が大きすぎたかも。

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「ふたりのイームズ 建築家チャールズと画家レイ」57点★★★


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1940~1960年代の
“ミッドセンチュリー”なデザイを牽引した
イームズ夫妻のドキュメンタリーです。

生い立ちから探るようなものではなく

夫を支えた妻レイにスポットを当て、
当時の「イームズオフィス」のスタッフたちのインタビューなどを交え、
二人の関係性を主に描いてる。

イームズといえば椅子、でもすごい人なのは知っている、くらいの
知識で観たので、

実は妻レイのセンスや存在が
ものすごく重要だったということはよくわかりました。

イームズの品を扱うプロフェッショナルにとっても
驚きの話と映像ばかりだそうで
貴重なことは間違いない。

ただ、初心者としては
もっと二人の生い立ちとか、ベーシックなネタが欲しかった。

チャールズ氏が建築学校で放校された話とか、
資料に書いてあることがおもしろいんだもん(笑)


本で言えば1、2章で事足りてしまいそうな感じで物足りない。


夫妻が暮らしたセンス抜群の家も
もっと見せて欲しい!という感じ。

彼らの偉業についても
「あの椅子のデザイナー」を飛び越えて描こうとしているんだけど

彼らのやっていることが
あまりに時代を先駆けているので
(プランナーのような、イメージコンサルタントのような?)

結局、何をやっているのか
わかりにくいこともあるのかもしれません。

監督は05年に引っ越ししようとして
インテリア雑誌でイームズの椅子に出合ったそう。
日本でのイームズ・ブームって、も少し先だよね。

それもあるのだろうか
「すごい人」感覚を
もうひとつ共有できてない感がしてしまいました。

でも、しつこいようですが
イームズ好きにはたまらないそうなんで、観てみてください。


★5/11(土)から渋谷アップリンク、シネマート六本木ほか全国順次公開。

「ふたりのイームズ 建築家チャールズと画家レイ」公式サイト
コメント
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