中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

いま、衛生委員会は?

2011年12月29日 | 情報
衛生委員会は、うまく稼働していますか?
毎月、開催されていますか?
名前だけで、開催もされていませんか?
内容がマンネリ化していませんか?

メンタルヘルス対策にトップの理解がない、とお困りの
人事労務部門の担当者、健康保健スタッフのみなさん、そして衛生管理者の方、
衛生委員会の見直しから始めましょう。
衛生委員会は、開催することが義務づけられていますので、
さすがに、トップの理解も得られるのではないでしょうか。
(常時50人以上の労働者を使用する事業場に衛生委員会を設置する。法18条、令9条)                  

はじめに、記録を残しているはずですから(記録がなければ思い出してください)、
記録にあたり、今後1年間における、衛生委員会のテーマとスケジュールを決めます。
そのための、データや資料を集めましょう。

衛生委員会の委員長(事業所責任者、人事労務部門のトップ、小規模事業所であれば、社長)に、
事前に、議題や内容を報告のうえ、委員長に出席を確約し、委員会のレベルアップを図ります。
事業所内における衛生委員会の位置づけが高まれば、次の課題への取り組みも容易になります。

衛生委員会の主催者は、おそらく他に本来の業務があって、「片手間」で事務局業務を受け持って
いる場合が多いでしょう。しかし、ほんの少しの努力で衛生委員会が活性化できることも
理解してください。

「やらされる」仕事は、楽しくないですが、「自らやる」仕事は、楽しいものです。

本年は、これが最後です。
みなさま、良い新年をお迎えください。
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産業医はいますか

2011年12月28日 | 情報
業種にかかわらず常時使用する労働者が50人以上の事業場は、
産業医を選任しなければなりません。
「事業場」に注意です。「企業」にではありません。
本社と工場と営業所があれば、3人の産業医が必要です。

業務委嘱料が高いので、いわゆる「名ばかり産業医」がいるのも事実です。
ところが、このような状況で、トラブルが発生すると委嘱料どころではない、
思いもかけない費用が発生する可能性があります。
最近のはやり言葉でいえば、「想定外」の事態が起きることになります。
ご注意ください。
人事労務担当のみなさんは、このようなことから自社のリスクマネージメントの
検討に入ることもできます。


1.産業医を法令通りに選任している(法13条、則13条)   YES□  NO□

2.委嘱している産業医は産業医の資格を満たしている(則14条2項) YES□  NO□

3.産業医の選任を労基署に報告している(法100条)   YES□  NO□

4.産業医に労働者の健康管理他法令で定める事項を行わせている(則14条) YES□  NO□

5.産業医の勧告を尊重している(法13条)YES□  NO□

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判例・裁判例

2011年12月27日 | 情報
メンタルヘルス問題に関係する、判例・裁判例を知りたい、という要望があります。
熱心な人事労務担当からの質問ですね。
このような疑問が出るのは、ある程度対策が進んでいる企業と推測できます。

最初は、やはり「D事件」(最高裁第2小、H12.3.24、労判779-13)でしょう。
ご存知の方が多いと思いますが、判決から10年以上が経過していますので、
ご存じのない若い担当者も多いかと思います。

D事件は、若い社員が、精神疾患が原因で自殺し、会社側が16,800万円を支払うことで
和解が成立した事件です。今日のようなメンタルヘルス問題の重要性が認識される
きっかけとなった裁判です。

この他にもメンタルヘルス問題で従業員が自殺したことが原因となって、
裁判になった例はたくさんあります。

ただし、ここで申しげたいのは、判例・裁判例を専門誌から読み取るのは、
とても難しい作業ですし、時間もかかるということです。
ですから、判例・裁判例を照会するのは、時間的に余裕がある場合にしたほうが得策でしょう。
拙著でも、対策をメインにしており、その根拠となる判例は名称のみに止め、
判例の具体的な内容説明までは踏み込んでいません。

なお、「メンタルヘルス」等で検索すれば、判例の解説など、いろいろな情報を入手することはできます。


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労働者死傷病報告ー安衛則97条

2011年12月25日 | 情報
企業・事業所で、就労中の従業員が、事故などにより死亡したり、4日以上休業した場合は、
安衛則97条に基づいて、労基署に遅滞なく「労働者死傷病報告」書を提出しなければなりません。
(1~3日休業の場合は後日、まとめて報告します。)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei36/dl/17_01.pdf
これを怠ると、いわゆる「労災隠し」と認定され、厳しく罰せられます。

ところが、メンタルヘルス疾患で休業しても、この「労働者死傷病報告書」は提出する必要がありません。
なぜなら、休業した時点では、労災なのか、私傷病なのか、わからないからです。

厚労省の統計によると、労働者死傷病報告は、この数年間にわたって、年間10万件程度で推移しています。
この中には、当然にメンタルヘルス疾患で休業している従業員数は含まれていません。

一方、メンタルヘルス疾患で1ヶ月以上休業する従業員数は、
全体の0.4%程度(労務行政研究所2008年調査)という統計データがあります。
(定性情報では、もっと多いという意見が多いですが。)
これを、就労人口約6千万人から割り出すと20万人以上の従業員が、
メンタルヘルス疾患で休業していると推測できます。

労基署が、メンタルヘルス疾患問題を重要視する理由がここにあります。

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メンタルヘルス対策、って何?

2011年12月23日 | 情報
今日は、天皇誕生日の祝日です。
今週からブログを立ち上げましたが、たくさんの皆さんに閲覧いただきました。
正直、びっくりしています。ありがとうございます。

今週の活動を振り返っての感想です。
企業の担当者の方のなかには、未だに、本音の部分では
「メンタルヘルス、って何?」「何をすればいいの?」
と素朴な疑問を感じている方が多いですね。

それを解決するためには、拙著『中小企業の「うつ病」対策』を読むことから
スタートすることをお勧めします。
今週お会いしたみなさんからの疑問は、すべて拙著に記載されている内容でした。
宣伝になってしまいましたが、図書館で借り出せば、タダです!

精神疾患の大部分を占める「うつ病」に焦点を当てて、
企業が取り組まなければならないメンタルヘルス対策のAtoZを記載しています。
今週面会した、某大企業の人事部長(コンプライアンスも担当)さんからは、
詳細な取材で書かれているとの評価をいただきました。

書店では取り寄せになりますが、1週間以内で入手できます。
アマゾンならば、送料無料です。


『中小企業の「うつ病」対策』
著者 橋本幸雄 社会保険労務士
監修 高岡 拓先生 精神科専門医・産業医・恵比寿メディカルクリニック院長
出版社 協立コミュニケーションズ
ISBNコード 978-4-9905881-0-6
価格 1,260円(税込)
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