中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

31,1日は休載します

2022年05月30日 | 情報

31,1日は、出張しますので、当ブログを休載します。
再開は、2日(木)です。

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全社員に年1回心の健診求める

2022年05月30日 | 情報

報道に接する限り、極めて先進的で健全な経営を実践しているようです。
しかも、マスコミ報道されるような重要事案を惹起しているにもかかわらず、健康経営を自慢している複数の大企業があるのに対して、
当社のHPを参照する限り、健康経営優良法人2021の認定を報告してはいますが、
健康経営認定を「これ見よがし」に自慢することはありません。
とても好感が持てます。

全社員に年1回心の健診求める 小柳建設
2022/05/18 労働新聞社

小柳建設㈱(新潟県三条市、小柳卓蔵代表取締役社長)は、今年6月から年1回の「心の健康診断」を制度化する。

昨年来、希望する社員がプロのカウンセリングをオンライン上で受けられるサービスを活用してきたが、このほど本格的に導入し、
全社員に年1回の実施を求める。メンタルケアを目的とするほか、ビジネスメンターに対するキャリア面の相談なども可能とする。

◎小柳建設/月間残業 6時間減り3時間弱に 離職率は18ポイント改善
2022.01.20 労働新聞社

アメーバ経営推進が実る

小柳建設㈱(新潟県三条市、小柳卓蔵代表取締役社長、245人)は、土曜出勤を含めた時間外労働の削減や職場環境改善に向け、
時間当たりの採算について小集団単位で考える「アメーバ経営」を活用している。10年以上前から取り組んで一定の効果を上げていたが、
2018~20年にかけては業務のデジタル化などを進めた影響でより成果が高まった。
時間外労働の月平均は6時間減の2.6時間、3年以内離職率は17.8ポイント減の13.9%などと改善した。
小集団内では、リーダーが定期的に部下と1対1で面談をし、業務の進捗状況などを確認。
必要に応じて業務の進め方の見直しを指導するほか、社員間の負担の平準化も進めている。

◎小柳建設(株)

https://n-oyanagi.com/

◎アメーバ経営とは

稲盛が京セラを経営するなかで、京セラの経営理念を実現するために創り出した独自の経営管理手法です。

アメーバ経営では、組織をアメーバと呼ぶ小集団に分けます。
各アメーバのリーダーは、それぞれが中心となって自らのアメーバの計画を立て、メンバー全員が知恵を絞り、努力することで、
アメーバの目標を達成していきます。そうすることで、現場の社員ひとりひとりが主役となり、
自主的に経営に参加する「全員参加経営」を実現しています。
アメーバ経営は、京セラをはじめ、稲盛が創業したKDDIや再建に携わった日本航空など約700社に導入されています。

https://www.kyocera.co.jp/inamori/management/amoeba/


◎DX(註;デジタルトランスフォーメーション=デジタルによる変容)を推進する小柳建設株式会社(新潟県三条市)で
女性現場技術者が誕生
2022-01-27 にいがた経済新聞

土木・建築工事の請負、建設DX技術の開発などを行う小柳建設株式会社(新潟県三条市)は、2015年から社内でDXを推進し、
様々な働き方改革に取り組んでいる。

建設業界は「男性が多く、女性が働きづらい」というイメージが未だ強く残っている中、同社は女性が働きやすいと感じる環境を整え
1人ひとりのワークライフバランスを尊重するなど社員がより活躍できる環境づくりに取り組んできた。
性別経験問わず社員の「チャレンジしたい」という気持ちを応援し、このたび新たに女性の現場技術者が誕生した。

建設業界は従来から男性が多い業種で、3K(きつい・汚い・危険)の印象が未だ根強く残っており、
そのため女性には向かない仕事と捉えられてしまいがちだ。
女性の比率は上昇傾向にあるというが、建設業界全体での女性の就業者は約15%。
技術者や技能者など現場で働く女性の比率も約5%と、他の産業と比較すると全体として現在も低い状況にある
(国土交通省「建設業における女性の活躍推進に関する取組実態調査」調べ)。

同社では2012年より、社員を部署・部門よりさらに細かいチームに分け、全員で経営する意識を持つ「アメーバ経営」を導入
どうしたら働きやすい職場になるかを社員1人ひとりが主体的に考え、改善を繰り返すことで残業時間は削減、有給取得率もアップしている。
性別経験問わず「チャレンジしたい」という社員の気持ちを優先することで、
これからの建設業界を担う新たな人財が日々誕生しているという。

同社ではかねてより、定期的な現場の安全確認を女性社員が中心になって行う「女性の安全パトロール」を実施している。
あえて現場経験がない女性社員が点検を行うことで、日々過ごす中では当たり前だと思っていたことが
実は危険な状態だったということを防ぎ、安全性をより高めることに繋がっている。

同時に女性目線で現場の在り方を考える機会となり、現場や現場事務所も清潔で美しく、
女性が働きやすいと感じる環境を整えることができているという。
同社では、そんな女性目線での「働きたい現場の在り方」を積極的に取り入れ続け、
これまで男性社員が主だった現場で「技術者として働きたい」という声が女性社員から上がっているという。

この度、女性の安全パトロールとして活躍していた事務職社員から、現場技術者としてキャリアチェンジし、
新たな一歩を踏み出した社員が誕生した。

2017年4月新卒入社の女性社員は、「学歴に関係なくチャレンジができる環境に惹かれ、
いつかは自分も現場に出て仕事をしてみたいという目標を持ち、まずは事務職として入社しました。
『技術者は男性が多い』『休日出勤・残業が多い』というイメージがありましたが、実際に現場に立ってみると、
柔軟な働き方を選択でき、技術者同士の連携やフォローが充実。現在は先輩技術者の下で学びながら楽しく仕事をすることが出来ています。
今後は社内制度も利用して資格を取得し、現場代理人として一つの現場を担当することが目標です」とコメント。

2015年6月にキャリア入社した女性社員は、「土木建築系の分野未経験で入社し、
事務職としての経験を経て、新たな挑戦として技術者としての道へ進むことを決めました。
当初は女性には向かない仕事だというイメージを持っていましたが、チャレンジすることを応援してくれて、
DX が進み、残業時間も殆どなく休みがとりやすい環境が整っているため、安心して挑戦できました。
今後は総務での経験を活かしながら、新たな視点から現場での改善を進めていきたいと考えています。
先陣となって女性技術者でもさらに働きやすい環境を作っていきたいです」とコメントした。

同社は今後もDXを推進し、建設業界の新たな働き方を実践しながら、事業で地域や社会に貢献していくとしている。

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メンタル不調を見える化

2022年05月27日 | 情報

記事中の最後にある「だが、形式的な運用も多く、根本的な解決に至っていないという指摘もある。」については、小職も同意します。

ストレスチェック調査票は、毎年同じ質問項目です。ですから実情としては、受検者はどのように回答すれば、
どのような結果になるか熟知しているおり、殆ど形骸化しているのです。
ただし、1年1回調査票に記入することにより、自身の立場・心情を顧みる機会にすることには役立っています。
結論としては、マンネリ化を回避するためにも種々の検討が必要です。

当ブログですでに紹介済みですが、東大教授の川上先生は、
『例えば最近増加している「顧客、取引先等からのクレーム」の問題は、
現在使用されているストレスチェックの調査票には、含まれていない。
職場環境改善につながりやすい設問を業種、職種や各事業場の実態に合わせてストレスチェック調査票に追加し
集団分析することも考えられる。』とアドバイスされています。


メンタル不調を見える化 コロナで需要、早期発見を支援
日経 22.5.10

企業が社員のメンタル面の不調を発見しやすくするスタートアップの取り組みが相次いでいる。クラウド経由で健康支援ソフトを提供するiCARE(アイケア、東京・渋谷)はこのほど、職場への不満を数値化する事業を始めた。長引く新型コロナウイルス禍で在宅勤務が広がり、社内コミュニケーションの難しさは増している。新興勢は独自技術を駆使して心の健康を見える化する。

アイケアは内科の産業医である山田洋太代表が2011年に立ち上げた。健康診断やストレスチェックの結果を基に個人の心身不調を探すサービスが主力事業だ。これに加えて、働く環境への不満を数値化するサービス「ファイブリングス・スコア」を4月下旬に始めた。

新サービスでは個人のストレスチェック結果と産業医との面談記録を活用する。さらに会社側の健康経営に対する取り組み状況を踏まえ、特許出願中の独自アルゴリズム(計算手法)で「働きがい」「生きがい」など6項目を数値化する。

結果は部署単位や支社単位など、事前に設定したグループごとに表示する。低い数値が出た場合は、そのグループで解決すべき課題を探り、精神不調による退職を防ぐといった活用法を想定する。開発と広告宣伝に充てるため、2月に計19億円を調達していた。

国内関連市場は6年で約2倍に拡大

厚生労働省によると、仕事によるストレスを原因とする精神疾患の労災件数は20年時点で2051件と15年に比べ35%増えた。「コロナ禍による精神疾患で労災認定されるケースも出始めている」(労働基準局)という。調査会社の富士経済によると、ストレスチェック・メンタルヘルス対策の国内市場は25年に288億円とコロナ禍前の19年に比べ約2倍に膨らむ見通しだ。

言語分析する人工知能(AI)システムのwellday(ウェルデイ、東京・港)は22年内に、ビジネスチャット「Chatwork(チャットワーク)」のやり取りから精神不調を見付ける事業を始める。すでに同「スラック」などには対応しており、ラインアップを拡充する。

チャットワークはスラックなどより費用が安く、有料利用の約9割を社員300人以下の企業が占める。ウェルデイはリモートワークは中小企業にも広がっているとみて需要に応える。

事業は米国の計算言語学会などの取り組みから着想を得た。ネガティブな単語を多く含む長い文章をやり取りした場合などに、AIが精神不調の可能性が高いと判断する。ウェルデイの牟田吉昌代表は「定期的なストレスチェックだけでは見落としかねない予兆も発見できる」と説明する。

眠りの深さのサイクルを分析

アンケートによるストレス調査と、AIの予測を照合したところ、8割近くの精度だった。21年10月からは北里大医学部で労働者のメンタルヘルス分析に取り組む渡辺和広講師と精度向上を共同研究しており、社員の属性別に適切な分析をできるように改良する。

筑波大発のS'UIMIN(スイミン、東京・渋谷)は小型機器で脳の電気信号を測定し、睡眠状態を分析するサービスを手掛ける。睡眠が浅くなった回数や時間を確認し、「眠りの深さ」「規則正しさ」など7項目を判定する。

スイミンは筑波大教授でもある柳沢正史会長が立ち上げた。精神不調をきたすと、浅いレム睡眠と深いノンレム睡眠のサイクルが崩れるといった変化が表れる。スイミンの機器はこの関連性から精神不調を発見する。

21年夏には、工場でシフト勤務する従業員のストレス状況を探るサービスの実証実験を始めた。深夜勤務の方がストレスが強ければ、連続しないようにシフトを組み替えるといった運用をできるようにする。数年後の事業化に向け、測定機器を約900台と現状の3倍に増産する。

15年に改正された労働安全衛生法で、従業員50人以上の事業所ではストレスチェックが義務化された。だが、形式的な運用も多く、根本的な解決に至っていないという指摘もある。メンタルケアへの一層の配慮が求められる企業にとって、新興勢の技術の存在感は高まっている。

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(参考)うつ治療 段階ごと解説

2022年05月25日 | 情報

うつ治療 段階ごと解説
2022/05/11 読売

うつ病治療について、効果のある治療法や、治療を受ける際の注意点などをまとめた本
「当事者・家族のための わかりやすいうつ病治療ガイド」が出版された。

うつ病の治療については、日本うつ病学会が取りまとめ、公開している「うつ病治療ガイドライン」があるが、
知識のない人が読みこなすのは難しい。そのため、当事者や家族が正しい知識を得て、治療法などを検討する際に役立ててもらおうと、
「日本うつ病学会当事者のためのガイド小委員会」が初めて解説書を作成した。

本では、うつ病の診断基準やうつ病の重さ(重症度)の解説、治療の進め方、睡眠障害への対応など、段階に応じて取りあげている。
回復した当事者らが実践、重視した10の方法や、薬の副作用への対処法、地域や社会から受けられるサービスなどもまとめられている。

出版した千葉県のNPO法人「地域精神保健福祉機構(通称コンボ)」は、「コロナ禍で人とつながりにくくなり、
うつ病になる人は増えている。納得のいく治療を受けるためにも手に取ってみて」と話す。
書店販売はしていないが、オンライン書店アマゾンで購入可。問い合わせはコンボ(047・320・3870)へ。1430円。

 

◎当事者・家族のためのわかりやすいうつ病治療ガイド
日本うつ病学会・当事者のためのガイド小委員会 (著)

https://www.amazon.co.jp//en/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%86%E3%81%A4%E7%97%85%E5%AD%A6%E4%BC%9A%E3%83%BB%E5%BD%93%E4%BA%8B%E8%80%85%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E5%B0%8F%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A/dp/4904378369

当事者・家族のための わかりやすいうつ病治療ガイド
●おすすめできない治療を受けないための情報満載
日本うつ病学会「うつ病治療ガイドライン」初めての解説書 ご存じですか? うつ病の治療には、ガイドラインがあります。
世界中のさまざまな研究から、効果の高い治療や根拠のない治療がかなりわかってきています。
そうした研究から、導き出されたのが日本うつ病学会がインターネットで全文を公開している「うつ病治療ガイドライン」。
このガイドラインは、専門知識のない人が読みこなすにはかなりむずかしいので、
今回、日本で初めて当事者・家族向けにわかりやすく解説したのが、
「当事者・家族のためのわかりやすいうつ病治療ガイド」です! おすすめできる治療方法、おすすめできない治療方法がよくわかります。
また、医師とのコミュニケーションにも役立てていただけます。 うつ病治療を受けている人、関係者の皆さまにとって必携の1冊です。
本書は『こころの元気+』2017年8月号~2018年10月号に連載された『わかりやすい「うつ病治療ガイドライン」』に大幅に加筆・修正し、
再構成をしたものです。 内容の一部 うつ病の診断/うつ病の治療開始/重症度を知る/軽症うつ病の治療:基礎的介入、
薬物療法、精神療法など/中等症・重症のうつ病の治療/中等症・重症のうつ病の治療の注意点/精神病性うつ病/
児童思春期のうつ病/うつ病の睡眠障害とその対応/Q&Aなど

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(参考)テレワーク実施率は約2割で推移、在宅勤務の満足度は過去最高に

2022年05月24日 | 情報

(参考)第9回 働く人の意識調査 日本生産性本部 22.4.22
テレワーク実施率は約2割で推移、在宅勤務の満足度は過去最高に

https://www.jpc-net.jp/research/detail/005805.html

【第9回「働く人の意識調査」主な特徴】(詳細や図表は別添「調査結果レポート」参照)

  1. わが国の景況感:現在の景気、今後の景気見通しともに悲観的な見方が強まる(図2,3)

・現在の景気について、悲観的な見方(「悪い」「やや悪い」の合計)は67.6%と、前回の66.4%より僅かながら増加(図2)。
・今後の景気見通しについて、悲観的な見通し(「悪くなる」「やや悪くなる」の合計)が51.4%と2回連続で増加(図3)。新型コロナの新規感染者数が高止まり、円安や物価高が生活に影を落とす等、働く人の景気見通しは一段と悲観的になっている。

  1. 労働時間等の変化:労働時間・業務量・家事時間がすべて増加、家事時間は女性に偏り(図9~11)

・3か月前(1月頃)と比べた労働時間、業務量、余暇時間、家事時間の増減について、各項目を「増加した」(「増加した」「どちらかと言えば増加した」の合計)から、「減少した」(「減少した」「どちらかと言えば減少した」の合計)を引いた割合(D.I.:Diffusion Index)をみると、余暇時間以外は、全てのD.I.がプラスとなり、「増加」の割合が「減少」の割合を上回った。業務量D.I.は+8.8、労働時間D.I.は+4.5と、これまでで最多。経済活動がコロナ禍以前に回復しつつある一方で、余暇時間が削られている構図(図9)。
・性別の家事時間D.I.は、男性・女性ともプラスであり、3か月前より増加。男性+3.7、女性+10.6と、今回も女性の家事時間増加の割合が男性を上回っており、働く女性の家事負担が男性と公平ではない状態は解消していない(図10)

  1. 職場における生産性向上の取り組み:従業員規模やテレワーク有無で実施率に差(図22~24)

・最近1年間の職場*での生産性向上への取り組みについて、「業務の進め方の効率化」「情報共有の推進」「業務の改廃」「コストの削減」「商品やサービスの改善」「新商品や新サービスの提供」という6つの典型的な項目を挙げて質問した。「取り組みが行われたか」という質問に「当てはまる」「やや当てはまる」と回答した割合の合計は、「業務の進め方の効率化」が52.0%と最多。「情報共有の推進」が51.8%と僅差で続き、次いで、「コストの削減」46.1%、「業務の改廃」43.6%。上記のように生産性を「産出÷投入」で表した場合の投入を削減する取り組みの実施率が比較的高いのに対し、「商品やサービスの改善(社内向けサービスを含む)」40.5%、「新商品や新サービスの提供(同)」38.7%と、産出の増大に関わる取り組みの実施率はやや劣る(図22)。(*本設問の結果は、「職場」単位での生産性向上への取り組みの実施割合ではなく、最近1年間に同取り組みを経験した雇用者の割合として理解されたい。)
・従業員規模別では、特に100名以下の中小企業と1,001名以上の大企業の間に、「業務の進め方の効率化」で20ポイント以上、その他の取り組みでも16~18ポイント前後の差がある(図23)。
・テレワーカーと非テレワーカーでみると、両者の実施率は「コストの削減」以外の全ての項目で20ポイント以上の差があり、従業員規模による差を上回っている(図24)。テレワーク実施率は、従業員規模による差があることが確認されているが、職場における生産性向上への取り組みには、従業員規模以外の要因が作用していることをうかがわせる。

  1. Off-JT、OJT、自己啓発の実施状況:OJTは低調が続く、「人への投資」は喫緊の課題(図28~38)

・最近3か月(1月以降)のOff-JTの実施状況について、勤め先からの「案内により受講した」は7.8%から6.3%に微減。「案内はあったが受講しなかった」は8.2%、「勤め先から特に案内が無かった」は85.5%(図28)。
・OJTを行った機会と受けた機会の有無について、OJTを「行う」機会が「あった」は前回調査の13.7%から16.8%に増加(図30)。また、OJTを「受ける」機会が「あった」も17.4%に増加(図31)。「行う」「受ける」機会とも、前回調査から回復したが、実施率は2割に届かず、日常的にOJTが行われている様子は無い。低調なOff-JTと併せて、企業の人材育成力が低下している状態は変わらず、「人への投資」が喫緊の課題であることを示している。
・自己啓発を「行っている」は16.3%と、前回の16.8%から微減。「行っていないが、始めたいと思っている」は27.2%から28.3%に微増。雇用者の学習意欲が高いとは言えない(図36)。

  1. 働き方の変化:テレワーク実施率は約2割で推移、在宅勤務の満足度は過去最高に(図42~50)

・テレワーク実施率は過去最低を記録した前回1月調査の18.5%から20.0%と微増(図43)。
・テレワーク実施率の微増には、前回のテレワーク実施率が過去最低となった理由と同様、中堅・大企業の実施率が寄与。具体的には、従業員数101~1,000名の勤め先では前回の22.0%から25.3%に、1,001名以上では同29.8%から33.7%へと増加した。100名以下の勤め先は前回同様11.1%(図44)。テレワーカーの週当たり出勤日数は増加に転じた。テレワーカーで週のうち3日以上出勤する者は前回の47.0%から52.7%となり、半数を超えた(図45)。
・在宅勤務の効率について、「効率が上がった」「やや上がった」の合計は、前回1月調査の63.3%(過去最多)から60.4%に減少(図46)。
・在宅勤務の満足度について「満足している」「どちらかと言えば満足している」の合計は、84.4%と過去最多を記録。約2年前(2020年5月調査)の57.0%から大きく伸びている(図47)。
・テレワークの課題(複数回答)について、第1回調査から一貫して「部屋、机、椅子、照明など物理的環境の整備」「Wi-Fiなど、通信環境の整備」といった自宅の環境整備に係る項目が上位だったが、今回調査では両項目とも「課題」とする割合は過去最少となった。これらを含め11項目中6項目で「課題」の割合は過去最少を記録しており、テレワーカーの執務環境は、より快適なものになりつつあることを示唆(図48)

◎調査結果レポート

https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/9th_workers_report.pdf

 

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