中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

2020年までに10%以上

2018年05月31日 | 情報

小職は、勤務間インターバル制度の導入に賛成します。
ただし、現在、国会で審議中の「働き方改革法案」については、考え方、具体策に疑問を持っています。

長時間労働防ぐ「勤務間インターバル」 導入目標設定へ
5/29 朝日

仕事を終えてから次に働き始めるまでに一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル制度」について、
政府は導入企業の割合を2020年までに10%以上にするとした数値目標を設ける方針を固めた
この制度で数値目標を掲げるのは初めてで、企業に導入を促す狙いだ。
政府は、過労死をなくすための対策をまとめた「過労死防止大綱」の見直し作業中で、
数値目標は夏にも閣議決定する新たな大綱に盛り込む。
労使の代表や過労死の遺族などでつくる厚生労働省の協議会で、31日に最終決定する見通しだ。
インターバル制度は長時間労働を防ぐ手段の一つ。
「過労死防止の一番の決め手」(連合の神津里季生〈りきお〉会長)とされ、
労働界や過労死の遺族らが普及の必要性を訴えてきた。

(参照)第11回過労死等防止対策推進協議会 配布資料
平成30年4月24日
(照会先)労働基準局 総務課(過労死等防止対策推進室) 課長 村山 誠http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000204334.html

(再掲)インターバル制度で数値目標=過労死防止大綱見直し-厚労省
18.4.25 時事

厚生労働省は24日の有識者会議に「過労死防止大綱」の見直し案を提示した。
終業と始業の間に一定の休息時間を設ける「勤務間インターバル制度」の普及を目指して、数値目標を初めて設定する。
ストレスチェックの実施に加え、職場での悩みや不安の相談先を定めるなどして、メンタルヘルス対策の充実を図る。
政府は夏までに新たな大綱を閣議決定する方針だ。
厚労省の2017年の調査によると、インターバル制度を導入した企業の割合は1.4%。
今国会に提出した「働き方改革」関連法案では、制度の導入を企業の努力義務としている。
見直し案では、過労死の防止に向け、トラック運転手や教員、医療、メディアなど長時間労働が多い仕事を
重点業種に指定して、実態調査を実施。商慣行や勤務環境を踏まえて取り組みを進める考えも示した。

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1000人打ち切りか

2018年05月30日 | 情報

<障害年金>1000人打ち切りか 審査集約、戸惑う受給者
5/29 毎日

日本年金機構が障害基礎年金の受給者約1000人余りに対し、
障害の程度が軽いと判断して支給打ち切りを検討していることが判明した。
対象者には、特例的に1年間の受け取り継続を認めつつ、今年度中に改めて支給の可否を審査するとの通知が届いている。
都道府県単位だった審査手続きが全国で一元化された影響とみられるが、
受給者の間には「症状は改善していないのに困る」と戸惑いが広がっている。
障害基礎年金は、20歳前から難病を抱える人や、国民年金加入者が障害を負った場合などに、
年80万円程度を下限に支払われる。
機構や関係者によると、通知を受け取ったのは1010人で、いずれも20歳前から障害がある成人という。
1010人は2017年、症状に応じ数年おきに必要な更新時期を迎え、医師の診断書を提出した。
機構は同年12月~今年1月、「障害基礎年金を受給できる障害の程度にあると判断できなかった」との審査結果を通知。
ただし17年度は支給を続け、18年度に改めて審査した上で
「診断書の内容が同様なら支給停止になることもある」と示した。
1000人規模の支給打ち切りが過去にあったかどうか、機構は「データがない」と明らかにしていないが、
経過措置を設ける通知を出したのは初めてという。
厚生労働省幹部は「影響の大きさを考慮した激変緩和の意味もある。
審査をし直した結果、継続が認められる可能性もある」と話す。
背景にあるのは審査手続きの変更だ。以前は都道府県ごとにあった機構の事務センターが認定業務を担当し、
それぞれ地域の医師が診断書をもとに審査していた。
しかし、不認定の割合に地域差があると問題視され、機構は17年4月に認定業務を東京の障害年金センターに集約。
審査する医師も変わった結果、不認定の割合が増えたという。
機構の担当者は「審査業務の変更という特別な事情を考慮し、
今回の診断書だけで障害の程度を判断するのは適切でないと考えた。対応は妥当だ」と説明する。

〇障害基礎年金
20歳前や国民年金の加入時などに病気やけがで障害を負った人に支給される年金。
障害の程度によって1、2級に区分される。年間支給額は1級が約97万円、2級が約78万円で、
子どもがいれば人数に応じた加算がある。受給者は2017年3月末時点で約184万人。
初診時に会社勤めなどで厚生年金に入っていた人には、等級区分が異なる「障害厚生年金」が支給される。

〇被用者の年金制度の一元化(年金機構HPより;更新日:2017年8月1日)
平成27年10月1日に「被用者年金一元化法」が施行され、これまで厚生年金と共済年金に分かれていた
被用者の年金制度が厚生年金に統一されました。主な変更点は次のとおりです。
・統一後の厚生年金に関する届書等は、ワンストップサービスとして日本年金機構または各共済組合等の
どの窓口でも受付します。
・平成27年10月以降の統一後の厚生年金の決定・支払は、これまでどおり、
日本年金機構または各共済組合等がそれぞれ行います。
・共済組合等の加入期間がある方で、統一後に年金を受ける権利が発生する被保険者および受給者の方については、
共済組合等のほか、日本年金機構の窓口でも相談できます。

〇『国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン』の策定及び実施について
(厚労省HPより;平成28年7月15日発出)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000130041.html

障害基礎年金や障害厚生年金等の障害等級は、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に基づいて認定されていますが、
精神障害及び知的障害の認定において、地域によりその傾向に違いが生じていることが確認されました。
こうしたことを踏まえ、精神障害及び知的障害の認定が当該障害認定基準に基づいて適正に行われ、
地域差による不公平が生じないようにするため、厚生労働省に設置した
「精神・知的障害に係る障害年金の認定の地域差に関する専門家検討会」において、
等級判定の標準的な考え方を示したガイドラインや適切な等級判定に必要な情報の充実を図るための方策について、
議論がなされました。
今般、当該専門家検討会の議論を踏まえて、精神障害及び知的障害の認定の地域差の改善に向けて対応するため、
『国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン』等を策定し、
本年9月1日から実施することとしました。

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月80時間から65時間に

2018年05月29日 | 情報

労災認定基準「時間外月65時間に」弁護士らが意見書
2018/5/23 日経

過労死問題に取り組む弁護士らでつくる「過労死弁護団全国連絡会議」は23日、
労災認定基準の見直しを求める意見書を厚生労働省に提出した。
過労死の原因である労災の認定目安とされる時間外労働時間を現在の月80時間から同65時間程度にすることや、
複数の職場で働いた場合は労働時間を合算して算出するよう要請した。
同会議によると、医学的な研究では、時間外労働が月65時間程度に至った場合、
脳や心臓の疾患が発症したり、抑うつ状態になったりした事例が目立った。
同会議は「月80時間の根拠は曖昧。65時間程度での因果関係を認めるべきだ」と訴えた。
複数の仕事をする場合の時間外労働の認定基準も現在は明確でなく、合算での算出を求めた。

労災認定される時間外労働「月80時間から65時間に」過労死弁護団が改定要望
弁護士ドットコムニュース https://www.bengo4.com/c_5/n_7922/
2018
年05月23日

厚生労働省の「労災認定基準」がしばらく見直されておらず、実情にあっていないとして、
過労死弁護団全国連絡会議(代表幹事:松丸正弁護士)は5月23日、厚労省に対して、
認定基準を改定するよう求める意見書を提出した。同会議がこの日、厚労省記者クラブで会見を開いて明らかにした。
現行の「脳・心臓疾患の労災認定基準」では、発症前1カ月「100時間」、
または発症前2〜6カ月で1カ月平均「80時間」を超える時間外労働が認められる場合、
業務との関連性が「強い」と評価されている。
意見書は、発症前1〜6カ月で1カ月平均「65時間」を超える場合は「強い」と評価すべきだとしている。
厚労省は1961年、「脳・心臓疾患の認定基準」を策定したが、
2001年12月に現行のものに改定されて以降、見直されていない。
いわゆる過労死ラインとされる「月80時間」は、この基準をもとになっている。
また、「心理的負荷による精神障害の認定基準」も2011年の制定以降、改定されていない。
過労死弁護団全国連絡会議の川人博士弁護士は会見で、脳・心臓疾患の認定基準について
「さまざまな職場の変化や、労災認定・判例の変化、医学的な知見などを踏まえて、改定が必要だ」とした。
また、精神障害の認定基準については「過労死防止法(2014年)ができてから、
新たに調査がおこなわれたことも考慮に入れるべき」と述べた。
意見書はほかにも、脳・心臓疾患の認定基準について
「勤務間インターバルが11時間確保されていない場合がおおむね6割以上となる場合、月65時間の時間外労働に相当する」、
精神障害の認定基準については「パワハラの評価を適切にすべき」
「複数の事業所で働く(ダブルワーク)場合、労働時間の負荷を合算して評価すべき」など、複数の提言がされている。

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[治療と職業生活の両立支援]関連

2018年05月28日 | 情報

厚生労働省3月26日公表した資料の転載です。
なお、当施策は、がん対策を中心にしているように捉えていますが、
その中で、メンタルヘス への配慮について、1項目を立てて記述していますので以下に紹介します。

ポイント
「(2)メンタルヘス への配慮
難病を抱える労働者の中には、 体調の変動に戸惑ったり、仕事と治療のバランスや今後のキャリアについて悩み、
メンタルヘス不調に陥る場合もある 。難病の場合、 外見から分りにくい症状が多いため、
就業上の措置や配慮 について職場の理解が得られにくく、労働者が仕事で無理をするなどして体調悪化につながったり、
離職の原因になったりする場合もあることに留意が必要である。難病の多くは、ストレ蓄積 が症状の悪化につながる。
メンタルヘスへ配慮は、症状や体調の安定にもつながることに留意が必要である。」

治療と仕事の両立支援に関するガイドラインの新たな参考資料を公表します
~「企業・医療機関連携マニュアル」と「難病に関する留意事項」~
労働基準局 安全衛生部 労働衛生課 治療と仕事の両立支援室

厚生労働省は、本日、「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」
(以下、「ガイドライン」)の参考資料として、「企業・医療機関連携マニュアル」と
「難病に関する留意事項」を作成しましたので公表します。
今後、この「ガイドライン」を中心に「企業・医療機関連携マニュアル」と「難病に関する留意事項」の普及を通じて、
企業と医療機関の連携した取組の推進を図るとともに、
難病と仕事の両立を図る方々を支援する関係者への留意事項の普及を通じて、
疾病を抱える方々が治療と仕事を両立できる環境整備に取り組んでいきます。

今回追加した参考資料のポイント
●企業・医療機関連携マニュアル
・解説編:ガイドライン掲載の様式例の作成のポイント
・事例編:具体的な事例を通じたガイドライン掲載の様式例の記載例
●難病に関する留意事項
・難病の治療の特徴を踏まえた対応
・メンタルヘルスへの配慮 
・難病に対する不正確な理解・知識に伴う問題の対応

■企業・医療機関連携マニュアル
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000204439.pdf
■難病に関する留意事項
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000199957.pdf
(参考)
「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」は、平成28年2月に、事業場が、
がんなどの疾病を抱える方々に対して、適切な就業上の措置や治療に対する配慮を行い、
治療と職業生活が両立できるようにするための取組などをまとめたものです。
「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」、「がんに関する留意事項」、
「脳卒中に関する留意事項」、「肝疾患に関する留意事項」は以下のホームページをご参照ください。 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000115267.html

 

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(参考)ストレス性疾患、保険がカバー

2018年05月26日 | 情報

ストレス性疾患、保険がカバー 胃潰瘍や突発性難聴も 
長期入院にも備え
18.4.29 日経

厳しい労働環境などでストレスを感じ、心身のバランスを崩す「精神疾患」に備える保険が充実してきた。
うつ病や統合失調症といった疾病だけでなく、その予兆の症状に給付金を支払う医療保険も出た。
精神疾患は診断が難しく、これまで生命保険会社は取り扱いに二の足を踏んできたが、
患者数が増えるなかで対応も柔軟になってきた。
医療保険といえば、がんや脳卒中といった疾病に備えるのが一般的だ。
ところが厚生労働省の「患者調査」によると、精神疾患の患者数は2014年時点で392万人と約10年で3割弱増加。
このうち25~44歳の働き盛り世代が4分の1程度を占めており、入院や治療による生活費への影響を無視できなくなっている。
第一生命ホールディングス(HD)傘下のネオファースト生命保険は、
ストレスによる疾患と診断されると給付金が出る医療保険を昨年11月に発売。
突発性難聴や胃潰瘍など43種類の疾患に最大5万円の診断給付金を支払う。
こうした症状は、うつ病や統合失調症など深刻な精神疾患につながる前兆ともされる。
このほか自律神経失調症やうつ病など101種類の疾病により、医師が30日以上の療養が必要と判断すれば
最大30万円の療養給付金を出す。予兆症状で給付金を出した上で契約者が精神疾患にかかった場合でも、別途給付金を出す。
再度、精神疾患になっても180日を超えていれば給付金を払う。
支払い回数は診断給付金が通算2回、療養給付金だと同10回まで。
終身医療保険「ネオdeいちじきん」に上乗せする特約として用意した。

■商品性柔軟に
月々の保険料は30歳男性の場合、特定の病気になると保険料の支払いが免除され、
給付金を上限まで受け取れる契約で3308円。女性なら3438円だ。
都内に勤務する会社員の女性(33)は「いまは順調に仕事をしているが、
30歳を超えたらどんな病気になるか分からないので特約をつけることにした」と加入の動機を話す。
そもそも精神疾患は治療期間が長い。厚労省の「患者調査」では、「精神・行動の障害」の平均入院日数は291.9日で、
がん(19.9日)の約15倍、リハビリなど比較的療養が必要な脳血管疾患(89.5日)と比べても3倍超に上る。
精神疾患はいったんかかると長期療養を強いられるのが特徴だ。
これまで精神疾患への対応に保険会社が熱心だったとは言いにくい。
がんや急性心筋梗塞といった病気と違い、磁気共鳴画像装置(MRI)やコンピューター断層撮影装置(CT)スキャンなどの
画像診断ができず、症状も外形的に分かりづらいからだ。
ネオファースト生命の中川達郎副部長は、「個人向けは(給付金の支払いを判断する際)診断の結果がぶれやすく、
保険会社にとっては手を出しにくかった」と明かす。
それでもかつてよりストレス診断の精度が上がったほか、保険会社の給付金が過度に膨らまないよう支払い回数に
制限を設けるなど商品面で工夫の余地も生まれている。
中川副部長は「精神疾患を保障の対象にする保険はますます増えてくる」とみる。
個人向けの先駆けは外資系のチューリッヒ生命保険だ。13年6月にストレス性の疾病を保障する終身医療保険を発売し、
16年9月には精神疾患で働けなくなった場合に備える医療保険の取り扱いも始めた。
新商品は統合失調症や胃潰瘍、うつ病などによる入院が60日を超えて続くと、
入院給付金のほかに月額10万円の年金か一時金を受け取れる。
たとえば年金の受取期間を3年とし、60歳まで保険料を払い続ける契約だと30歳男女の負担額は毎月2000円前後になる。
アクサ生命保険も通常の医療保険に上乗せして入る特約を昨年9月に設けた。
最近では医療保険だけでなく、病気やけがで長期間働けなくなる事態に備える「就業不能保険」でも、
精神疾患を支払いの対象に加える動きが広がっている。働けなくなった原因の約3割が精神疾患とされるからだ。
日本生命保険が昨年10月に取り扱いを始めた「もしものときの…生活費」や朝日生命保険の「収入サポート保険」、
住友生命保険の「1UP」(ワンアップ)などだ。

一度精神疾患を経験すると保険に入れないのだろうか。
高齢社会を背景に、最近では保険会社がこぞって「引き受け基準緩和型」と呼ばれる商品を充実させている。
契約前に告知する項目を減らし、持病があっても保険に入りやすくするよう間口を広げたものだ。
多くの保険会社は契約内容を定めた約款で、過去2年以内に精神疾患で入院したり、
5
年以内に診察や治療を受けたりしていると保険に入れないと明示している場合が多い
裏返すと、そうした条件に当てはまらなければ保険に入ることはできる。
ただ「一般的な医療保険より保険料が割高になることがあり、多くの人に勧められるわけではない」と
指摘するファイナンシャルプランナー(FP)も少なくない。
民間の保険に入らなくても、会社員や公務員だと精神疾患による休職で給与を得られなくなった場合、
健康保険から月給の約67%を傷病手当金として最長1年6カ月受け取れる。
全国健康保険協会の調べでは、受給者を原因別に探ると「精神・行動の障害」が約27%と1位。
なかでも20歳代は約50%、30歳代は約44%と、働き盛りの年代は特に比率が高い。
障害年金を含め、こうした公的な保障も確認したうえで加入の是非を考えたい。
[日本経済新聞朝刊2018年4月21日付](渡辺淳)

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