中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

1日、2日は休載します

2020年06月30日 | 情報

1日、2日は、出張しますので、当ブログを休載します。
再開は、3日(金)です。

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精神疾患の労災申請は過去最多

2020年06月30日 | 情報

毎年、同じことを繰り返すのは如何なものかと思いますが、
マスコミ報道の「通り一遍」さには、残念としか言いようがありません。
自社の中に、精神疾患者はいないのでしょうか、いない筈がありません。
自社のメンタルヘルス対策の現状を詳らかに調べれば、問題はどこにあるのか、自明でしょう。

精神疾患の労災申請は過去最多 2019年度、パワハラ原因がトップ
毎日新聞2020年6月26日

厚生労働省は26日、仕事が原因でうつ病などの精神疾患にかかり、
2019年度に労災申請したのは2060件(前年度比240件増)だったと発表した。
うち女性の申請は前年度から164件増え952件と大幅に増加した。労災認定は509件(同44件増)。
申請と認定いずれも1983年度の統計開始以降最多となった。

認定のうち自殺(未遂含む)は88件。
19年5月にパワーハラスメントの防止を企業に義務付ける改正労働施策総合推進法が
成立して認識が高まったことが申請増加の背景にあるとみられる。

認定した原因は「嫌がらせ、いじめ、暴行を受けた」といったパワハラに関するものが79件で最多。
「仕事内容や量に大きな変化があった」が68件で続いた。「セクハラを受けた」は42件だった。
業種別の申請は「医療・福祉」が426件で最も多く、このうち介護サービス従事者が141件に急増した。

一方、過重労働が原因の脳・心臓疾患の労災申請も936件。前年度より59件増え、過去2番目の多さだった。
労災認定は216件(同22件減)で、うち死亡(過労死)は86人。
19年4月に働き方改革関連法が施行され、残業時間の罰則付き上限規制が大企業に適用されたが、
増加傾向に歯止めはかからなかった。厚労省は「施行されたばかりで評価は難しい」としている。

職業別の認定件数では、残業の上限規制の適用を5年間猶予されている運輸業務の
「自動車運転従事者」(トラックやタクシーの運転手など)が最多の67件だった。

厚労省は20年6月、パワハラ防止法の施行に合わせ、精神疾患の労災認定基準にパワハラの項目を追加し、
労働者が労災認定を受けやすくなるようにした。申請件数は今後も増加する見込みだ。
一方、脳・心臓疾患の認定基準も見直す方針で、専門検討会で議論を始めた。


労災申請、7年連続で過去最多 過労やストレス起因
2020年6月26日 朝日

過労や仕事のストレスが原因で精神障害になったとして、2019年度に労働災害を申請した人は
前年度より240人多い2060人で、7年連続で過去最多だった。厚生労働省が26日、発表した。

年代別では40代(639人)が最も多かった。
業種別では「社会保険、社会福祉、介護事業」(256人)が最多だった。約半数が介護職という。

また、仕事が原因の脳・心臓の病気もあわせた労災申請件数は299人多い2996人で、
こちらも7年連続で過去最多を更新。脳・心臓の病気による申請は59人多い936人で、5年連続で増えた。
業種別では道路貨物運送業(144人)が最も多かった。

19年度に実際に労災認定されたのは、過去に申請された分も含め、精神障害が509人。
このうち自殺(未遂を含む)したのは88人だった。脳・心臓の病気は216人で、このうち死亡が86人だった。

精神障害の労災認定にあたり、これまで厚労省はパワーハラスメントは「いじめ・嫌がらせ」の
一環として調べてきたが、6月から大企業にパワハラ防止が義務化されたことに伴い、
独立した認定項目とした。今後、労災申請はさらに増える可能性がある


厚労省発表:令和元年度「過労死等の労災補償状況」を公表します
令和2年6月26日(金)【照会先】労働基準局 補償課 職業病認定対策室

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11975.html

厚生労働省は、本日、令和元年度の「過労死等の労災補償状況」を取りまとめましたので、公表します。
厚生労働省では、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスが
原因で発病した精神障害の状況について、平成14年から、労災請求件数や、
「業務上疾病」と認定し労災保険給付を決定した支給決定件数などを年1回、取りまとめています。

2 精神障害に関する事案の労災補償状況
(1) 請求件数は2,060件で前年度比240件の増となり、うち未遂を含む自殺件数は前年度比2件増の202件であった。【P15 表2-1】
(2) 支給決定件数は509件で前年度比44件の増となり、うち未遂を含む自殺の件数は前年度比12件増の88件であった。【P15 表2-1】
(3) 業種別(大分類)では、請求件数は「医療,福祉」426件、「製造業」352件、「卸売業,小売業」279件の順に多く、支給決定件数は「製造業」90件、「医療,福祉」78件、「卸売業,小売業」74件の順に多い。【P16 表2-2】業種別(中分類)では、請求件数、支給決定件数ともに業種別(大分類)の「医療,福祉」のうち「社会保険・社会福祉・介護事業」256件、48件が最多。【P17 表2-2-1、P18 表2-2-2】
(4) 職種別(大分類)では、請求件数は「専門的・技術的職業従事者」500件、「事務従事者」465件、「サービス職業従事者」312件の順に多く、支給決定件数は「専門的・技術的職業従事者」137件、「サービス職業従事者」81件、「事務従事者」79件の順に多い。【P19 表2-3】職種別(中分類)では、請求件数、支給決定件数ともに職種別(大分類)の「事務従事者」のうち「一般事務従事者」339件、49件が最多。【P20 表2-3-1、P21 表2-3-2】
(5) 年齢別では、請求件数は「40~49歳」639件、「30~39歳」509件、「20~29歳」432件、支給決定件数は「40~49歳」170件、「30~39歳」132件、「20~29歳」116件の順に多い。【P22 表2-4】
(6) 時間外労働時間別(1か月平均)支給決定件数は、「20時間未満」が68件で最も多く、次いで「100時間以上~120時間未満」が63件であった。【P24 表2-6】
(7) 出来事(※)別の支給決定件数は、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」79件、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」68件、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」55件の順に多い。【P26 表2-8】
※「出来事」とは精神障害の発病に関与したと考えられる事象の心理的負荷の強度を評価するために、認定基準において、一定の事象を類型化したもの

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自宅で長時間労働

2020年06月29日 | 情報

「死にたくなった」という発言に対しては、敏感に反応してくださいと、専門家はアドバイスしています。

三菱自動車、社員が過労自殺 精神障害で労災認定
2020/6/18 日経

三菱自動車の男性社員(当時47)が昨年2月に自殺したのは、
過重労働により精神障害を発病したのが原因として、
三田労働基準監督署(東京)が労災認定したことが18日までに分かった。
遺族側代理人の川人博弁護士が明らかにした。発病前1カ月の時間外労働は約140時間だった。
認定は今年5月28日付

川人弁護士らによると、男性は1993年に入社。2018年から担当した新車の企画立案の業務で多忙となり、
うつ病などの精神障害を発病し、19年2月に会社の寮の自室で自殺した。
亡くなる数日前、妻や娘(9)との電話で「仕事がきつくてもう会社をやめたい、死にたくなった」と
漏らしていたという。

川人氏は、労基署が帰宅後にパソコンで仕事をした時間の大半を労働時間として認めなかったとし
「コロナ禍でテレワークが推進されており、自宅で長時間労働が発生しないよう
経営者は適正に労務管理すべきだ」と指摘した。〔共同〕


三菱自動車 社員の自殺は労災 残業急増などで精神疾患
2020年6月17日 NHK

三菱自動車工業の47歳の男性社員が、担当する新車の発売直前に自殺したのは残業が急増するなどして
精神疾患を発症したのが原因だったとして、先月労災に認定されていたことが分かりました。

遺族と代理人弁護士によりますと、男性は三菱自動車がほかのメーカーと共同開発した
軽自動車の発売に向け、メーカーとの調整などを行う業務を担当していましたが、
発売直前の去年2月、横浜市にある会社の寮で自殺しました。

遺族から労災の申請を受けて労働基準監督署が調べたところ、
亡くなる直前の1か月の残業時間が139時間あまりにのぼっていたことがわかったということです。

身につけていたスマートウォッチの記録から、睡眠時間が5時間に満たない日が
月の半分以上あった
ということで、監督署は、男性が自殺したのは残業が急増するなどした結果、
精神疾患を発症したのが原因だったとして、先月労災と認定しました。

代理人弁護士によりますと、今回認定された残業時間には帰宅後や休日に行った在宅勤務は
ほとんど含まれていないということで「実際の残業時間はもっと多い。
在宅勤務が推奨される中、法規制が必要だ」と話していました。

男性には9歳の娘がいて、妻は「家族思いで優しく、真面目な性格で何事にも精いっぱい取り組む
自慢の父であり、一家の大黒柱でした。
第2、第3の犠牲者を出さないために、仕事の量に見合う人員の配置や社員を思いやる
管理体制の整備を心から願っています」とコメントしています。

三菱自動車工業は「社員が亡くなったことについて重く受け止めています。
現在詳細を確認しています」としています。


三菱自動車社員自殺、労災と認定 在宅で長時間労働続く
20.6.17 朝日

自動車大手の三菱自動車に勤めていた男性社員(当時47)が昨年2月に自ら命を絶ったのは、
長時間労働による精神疾患が原因だったとして、
三田労働基準監督署(東京都)が労働災害(過労自殺)と認定していたことがわかった。
遺族と代理人弁護士が17日、記者会見して公表した。
新型車発売を控えて仕事が増え、夜間や土日も自宅などで働いていたという。
三菱自動車は「社員が亡くなったことを重く受け止めています」としている。

認定は5月28日付。男性は1993年に入社し、軽自動車の商品企画に携わっていた2019年2月、
精神疾患を発症して自殺した。
労基署は、発症の直前1カ月の時間外労働が139時間に及び、以前と比べて急増したことから
過労による精神疾患だったと認定したという。

遺族側代理人の川人博弁護士によると、男性は長く乗用車の商品開発をしてきたが、
18年から軽乗用車の商品企画を担当。
日産自動車と共同開発した新型軽乗用車の発売を控え、
日産との調整や、販売店への説明会などの業務に追われていた。
単身赴任して暮らしていた社員寮で、平日の夜も会社のパソコンで仕事をしていたほか、
土日に妻と娘がいる自宅に帰った際も、自宅近くの図書館で仕事をしていたという。

川人弁護士は「新型コロナで、テレワークやリモートワークが注目を集めている。
感染を免れるために通勤しないことも大事だが、
自宅で無制限に労働せざるをえないという問題も避けないといけない」と、テレワークの課題を指摘した。

転職話に「ぼくは、残って三菱で働くよ」
亡くなった男性の妻が出したコメント(抜粋)は以下の通り。

以前から、主人がうちの会社はほかの会社と比べて仕事の量に対して、人数が少ないと嘆いていたことがたびたびありました。リコール問題になった時期に、同期の同僚が次々と他社の自動車会社へ転職していったため、私から転職の話をしましたが「ぼくは、このまま残って三菱で働くよ」と主人の会社に対する思いは固いものでした。三菱一筋に25年という長い月日を主人なりに尽くしてきたと思います。

主人は家族思いで優しく、大変まじめな性格で何事にも精いっぱい取り組む自慢の父であり、一家の大黒柱でした。

長年続いた商品開発部では、海外向けの車の担当となっていたこともあり、通勤時間は英語の学習をおこない、また日ごろから肌身離さず手帳をもっており、休日に家族で出かける際にも必ず身につけて、気になることがあるとさっと取りだし、会社のことを書き込んでおりました。主人の足跡が残る大切な宝物でした。会社の寮で亡くなっていたことを知り、現場に駆けつけたときに真っ先に手帳のことが思い浮かびました。きちょうめんな主人が最後に何か書き記していると思ったからです。しかし、訪れた寮の部屋からは見つからず、後日訪れた会社の机の足もとの箱に入っていたと会社の人事部の方から渡されました。残念ながら、主人の最後の思いを知ることはできませんでしたが、亡くなる直前の2月上旬のメモには、新型車について上司がおこなうプレゼン資料を作っていたとみられるメモの記載があり、これまでになく筆圧のないふらふらした文字に、かなり追い込まれていたことを感じ取りました。

主人は、休日は毎週のように子どもと図書館へ通い、会社のパソコンで仕事をし、平日も仕事が終わらないときには、会社のパソコンを寮に持ち帰り、帰ってからも仕事をおこなっていたようです。亡くなったときも、会社のパソコンが寮の机にありました。主人は、スマートウォッチを常につけており、週末子どもと私が主人の携帯で毎日4~5時間の睡眠時間であることを知り、「睡眠時間が少ないから、もっと睡眠をとってね」と話しておりました。

今回、労災の認定を受けることができましたが、かけがえのない大切な家族を失ってしまった私たちの悲しみは癒えることがありません。今後、主人と同じような第2第3の犠牲者がなくなるよう、仕事の量に見合う人員の配置や社員を思いやる会社の管理体制の整備を心から願っております。

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職員自殺の責任認める

2020年06月26日 | 情報

この事案も安全配慮義務の問題です。
時間外労働の時間数は、明らかな事実ですから、行政側も認めざるをえないのです。

 

町長、職員自殺の責任認める 苦情続き146時間残業 

2020618日 朝日

 

標津町職員の鈴木雄大さん(当時24)が昨年7月に自殺した問題で、
町から調査依頼を受けた法律事務所(札幌市)が、長時間労働など過重な業務が自殺を引き起こしたとして、
町に対して「安全配慮義務違反があった」とする報告書をまとめたことがわかった。
町は法的責任を全面的に認め、遺族側に伝えた。

昨年4月、人事異動で鈴木さんが所属する商工観光課の同僚がすべて入れ替わった。
鈴木さんは教育旅行の受け入れ業務を新たに1人で担当したが、業務量は例年の3倍に上った。
だが元上司の引き継ぎが不十分で、業務が滞り、旅行会社からの催促や苦情が続いた。
亡くなる前の2カ月間は月平均146時間の時間外労働をしていた。

町は法律事務所に依頼し、法律事務所は鈴木さんは精神的に追い詰められて自殺を図ったとする報告書を
昨年12月にまとめた。
だが町職員からの聴取が不十分とする指摘があり、町はあらためて別の法律事務所に再調査を依頼していた。

再調査の報告書は「町は鈴木さんの長時間労働が続いている事実を把握しながら是正せず
滞った業務状況を適切に把握して必要なフォローも行っていない」として、
町に安全配慮義務違反があると結論づけた

鈴木さんの母親、龍子さん(56)は「しっかり調査してくれた。
だが町がなぜ、あんな無謀な人事をしたのかや元上司の責任がはっきりしない。
公の場で説明や謝罪をしてほしい」と話している。
金沢瑛町長は朝日新聞の取材に「大きな責任を感じている。
今後については弁護士と協議したい」と答えた。

 

北方領土啓発の修学旅行対応に忙殺 24歳の町職員自殺

2020112日 朝日

 

標津町の男性職員(当時24)が過度の時間外労働による心理的負担から昨年7月に自殺したと結論づけた
第三者調査結果は「同町で多くの職員の長時間勤務が常態化している様子がうかがわれる」と指摘。
町側に勤務状況の早急な改善を強くうながした。

背景には、北方領土問題の啓発事業の一環として同町はじめ周辺自治体を訪れる修学旅行の急増など、
地域特有の要因もある。

亡くなったのは、北海道教育大学釧路校を卒業して2017年4月に町役場に入った鈴木雄大さん。
町の依頼によって中標津町の梅本英広弁護士がまとめた調査結果には、
鈴木さんの商工観光課で対応した教育旅行の町への受け入れに関する膨大な作業量が詳細に記されている。
たとえば昨年4月の人事異動後に鈴木さんが対応しなければならなかった学校などの予定受け入れ団体は
22、受け入れ人数2443人に上り、旅行会社などの連絡先だけでも14カ所に及んだ。

しかも、こうした団体からの照会は人数の変更、参加者の部屋割りやアレルギー対応、
食事の予約・料金、食事会場・風呂場の詳細、催しの日程調整など極めて多岐にわたった。

「案件はばらばらで個別の対応を要し、業務量は1人では完了できないものだった」と調査結果は指摘した。

にもかかわらず、元上司が鈴木さんに残した引き継ぎ資料は「後日、個別に引き継ぐこととしたい」
といった記述が多く、町役場に入って3年目の鈴木さんに対するものとしては、きわめて不十分だった。
さらに調査結果は、上司も引き継ぎの不十分さを認識していたが抜本的な改善策をとらず、
他の職員からも支援、協力を受けることはなかった、との見方を示している。

 

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不当と議決

2020年06月25日 | 情報

会社側にとっての安全配慮義務のハードルは、確実に高くなっています。
典型例は、東芝(うつ病・解雇)事件(最高二小・2014.3.24判)でしょう。

元上司ら8人、不起訴不当 西日本高速社員の過労自殺
2020/6/16 日経

西日本高速道路(大阪市)の男性社員(当時34)が2015年に過労でうつ病を患い自殺した問題で、
神戸第2検察審査会は16日までに、業務上過失致死容疑で告訴された元上司ら8人を
不起訴とした神戸地検の処分について、不当と議決した。3月25日付。

議決理由では、新しい部署に来て長時間勤務になった男性がうつ病を発症して自殺する可能性
予想できたとして「検察官が長時間労働と自殺に因果関係がないというのは納得できない」と指摘。
会社側が労働時間をパソコンの記録などで確認しなかったとして、安全配慮義務を怠ったと結論付けた。

申立書などによると、男性は14年10月、神戸市の第2神明道路事務所に異動。
月100時間を超える時間外労働が続くなどの過労でうつ病を発症し、15年2月に会社の寮で自殺した。
労災認定後に遺族が元上司らを告訴し、神戸地検は18年11月に不起訴とした。

神戸地検の花崎政之次席検事は「議決内容を検討し適切に対処する」とのコメントを出した。〔共同〕


元上司らに「不起訴不当」議決 西日本高速道路社員の過労自殺問題
20.6.16 毎日

西日本高速道路(大阪市)の男性社員(当時34歳)が2015年に過労自殺した問題で、
業務上過失致死容疑で告訴された当時の上司ら8人を不起訴とした神戸地検の処分について、
神戸第2検察審査会は不起訴不当と議決した。議決は3月25日付

検審は議決の理由で「検察官が長時間労働と自殺に因果関係がないというのは納得できない」と指摘。
上司らについて「(男性の自殺に対して)予見可能性があり、
具体的措置を取れば防ぐことができた」として、全員が刑事責任を負うのは明らかだと結論付けた。

申立書などによると、男性は14年10月に神戸市垂水区の道路事務所に異動後、月150時間以上の残業が続き、
うつ病を発症。翌年に会社の寮で自殺した。
労災認定後に遺族が元上司らを告訴し、神戸地検は18年11月に不起訴とした。

男性の遺族は代理人弁護士を通じて「検察は議決の趣旨を重く受け止めて、
判断し直してほしい」とのコメントを出した。
神戸地検は「議決内容を検討のうえ、適切に対処する」とした。

 

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