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力の成り立ち

2020年10月11日 | ことば遊び
漢字にはたくさんの動物が出てくる。「犬」や「羊」、また「牛」「虎」「象」など。
しかし、古代中国は狩猟(しゅりょう)で生活していたわけではなく、古代中国は農耕社会だった。そこで、農業に関係する漢字を紹介したい。

 農耕に関する字で、最も基本的な漢字が「力」
古代文字「力」を見ると、土地を耕す農具の「鋤(すき)」をそのまま漢字にしている。鋤で土地を耕すには「ちから」が要った。そこで「力」の字が生まれた。

 漢字には実に多くの「力」を含んだ字がある。まずは「男」
「男」は「田」と「力」を合わせた字で「田」を耕作すること。もともとこの「男」は農作業の管理者を意味する文字だった。
 領地を支配する諸侯(しょこう)の称号に男爵がある。公爵、侯爵(こうしゃく)、伯爵(はくしゃく)、子爵、男爵の五段階の最下位の称号だが、この男爵とは農作業の管理者に与えられていた。それが農作業する「おとこ」の意味になっていった。

 次は「加」。これは「力」と「口」を合わせた文字。
「口」は、神様へ祈るための祝詞を入れる器「サイ」のこと。お祓いのために鋤に祝詞を加えたのです。そこから「くわえる」意味になった。
 古代中国では農具を清めてから、農作業を始めないと、虫が発生して作物が食べられてしまうと信じられていたからだった。

 この「加」にさらに「貝」を加えたのが「賀」
この貝は「子安貝」で、生産を高める力があると考えられていた。生産力を増すために神への祝詞に加え、さらに子安貝を加えて農作物の豊作を祈った。
 「賀」はもともとは農作物への儀礼の文字だったが、後にすべての生命や生産に対して、祈り、祝うことを示す意味となった。

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2 コメント

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文字の成り立ち (らいちゃん)
2020-10-11 13:52:05
文字の成り立ちを読むととても参考になります。
学校では成り立ちまで教えてくれません。
iinna様の「ことば遊び」の文字の成り立ちをいつも楽しみにしています。
ありがとうございます。

>芸術はどんなものでもなり得るものですが、ホッチキス・アートというのがありました
ホッチキスの針でこの様なアートができるのですね。
素晴らしい才能の持ち主がいるものです。
(らいちゃん) へ (iina)
2020-10-12 09:55:58
特別定額給付金は、例のコロナ禍に10万円支給するというものでしたか。
マイナンバーカードを持ってオンライン申請できるケースでは、パスワード忘れに伴い窓口に長蛇の列という事態になりました。

iina住む市では、遅くに郵送されましたから案内文で混乱することはなく、申請後1ヵ月弱で着金しました。

もらった10万円は、どこへ飛んでいったことやら・・・。 でもありがたい10万円でした。



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