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1年内ワクチン難しい」日本ノーベル賞学者の直球発言に慌てた安倍氏

2020年05月08日 21時15分11秒 | 医学と生物学の研究のこと
五輪は世界中から選手が来て、世界中から観客が来る、すごい人間の大移動が起こる大会ですから、これを可能にするだけのワクチン量を1年で準備できるかどうかというと、研究者として率直に、かなり幸運が重ならない限り、ワクチンだけでは難しいんじゃないかなと思います」



iPS細胞研究で2012年ノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授が6日夜、安倍晋三首相に直球を飛ばした。

インターネットメディアが首相官邸の安倍首相と京都大学の山中教授を同時中継して開催した対談番組でのことだった。

山中教授は感染症専門家ではないにも関わらず、科学者の立場から自身のサイトに関連の意見を掲載し、新型コロナウイルス感染症新型肺炎)に対する立場を積極的に発信している。

山中教授の五輪関連発言は来年7月に1年延期になった東京五輪と関連し、安倍首相が「(成功的な開催のためには)科学者の皆さんの力が大変いま必要とされている」とし、治療薬とワクチンの開発を強調した直後に出てきた。

山中教授は1年以内に十分なワクチンが用意されることは難しいとしながら「ワクチンより、以上に期待してるのは、やはり薬」とし「新たな薬の開発はもう絶対間に合わない」とした。あわせてアビガンなど既存薬に対する早期承認を安倍首相に注文した。

山中教授は「私は(五輪が)最初、2年後になるのか1年後になるのかと思っていて、1年後に決まったときに、これは研究者に(治療薬とワクチン開発という)すごい宿題を与えられたと思った」とも話した。

安倍首相が東京五輪について「本当に感動できる。安心して観戦できる。そういう大会にしていきたい」と意欲を示した反面、山中教授は2年ではなく1年延期になったことに対して懸念を示した。

他国に比べて明らかに貧弱な日本のPCR検査態勢に対しても2人の考えの間には隔たりが大きかった。安倍首相は「検査能力を1日2万件まで引き上げたが、これを活用できる態勢を作らなければならない」と話した。

現在、日本の検査件数は多くて一日7000件程度だ。これを2万件まで引き上げなければならないという主張だった。

反面、山中教授は「(検査能力を)今の10倍、100倍に引き上げて(感染者を確実に)隔離していく。これによって経済活動の再開がかなり促進されるのではないか」と強調した。

あわせて「大都市では症状があっても1週間くらい検査が受けられない。速やかに検査を受けられるようにするには(安倍首相が話した)2万件では足りないかもしれない」として検査能力の引き上げを促した。

安倍首相が大学生に対する政府の資金支援政策を広報すると、山中教授は「(学部生だけでなく)苦境に立たされている大学院生の存在もぜひ頭に入れてほしい」と訴える場面もあった。

すると安倍首相は「大学院生…あの…大学院生は…」とやや慌てる様子を見せた後、「あくまでも学部(の話)ということで、今後、将来の課題として大学院生に対しても考えていきたい」と述べて明言を避けた。

この日の対談で、安倍首相は大きな逆風を受けた「布マスク2枚全国民配布」政策について「(配布によって)たまっていた(マスクの)在庫も随分市場に出て、(マスクの)価格も下がってきたという成果があった」と自画自賛した。



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デマはやめて!>新型コロナは中国で人為的に製造された」とノーベル賞の本庶教授が語ったとする虚偽情報がインドで拡散

2020年05月08日 17時45分17秒 | 医学と生物学の研究のこと
新型コロナは中国で人為的に製造された」とノーベル賞の本庶教授が語ったとする虚偽情報がインドで拡散

>本庶先生が、そんな馬鹿なことをいうはずはありません。
新型コロナウイルスの全DNA配列は、だれでもアクセスできるデータバンクに公開されています。これをもとに、世界中の研究者が多数の研究論文をだしています。、この遺伝子構造を見ただけでコウモリのコロナウイルスから自然に変異したものであることは一目瞭然です。これが、現在のコンセンサスですね。

日本の著名人を語ったフェイクニュースが世界で拡散する事態となっている。今回、明らかになったのは、ノーベル賞の医学・生理学賞を受賞した京都大学特別教授の本庶佑氏を語った虚偽の情報だ。それは、本庶教授が、「新型コロナウイルスは中国の研究所で人為的に製造されたものだ」などと語ったとされるものだが、事実ではない。事態を重く見た京都大学は本庶教授の否定コメントをホームページに急遽、掲載した。
4月26日、インドのファクトチェック団体BOOMから、「ノーベル賞受賞者の本庶佑教授が、『新型コロナウイルスは中国の研究所で人為的につくられた』と言っているようだがが、事実関係を確認できないか?」との問い合わせが来た。 
どのような内容か確認すると以下の様な画像が見つかった。 
本庶教授を語った虚偽情報
その内容は「日本の生理学・医学教授である本庶佑教授は、新型コロナウイルスは自然のものではないと言い、今日メディアの前でセンセーションを巻き起こした」として始まる。 
そして、「これ(新型コロナのウイルス)は自然のものではありません。それは製造されたもので、ウイルスは完全に人工的なものです」と続いている。 
更に自身が武漢の研究所で4年間働いていたと記した上で、「私はその研究室のスタッフ全員のことを十分に知っています。このコロナの事故の後、私は彼ら全員に電話をかけました。しかし、彼ら全員の電話はこの3カ月の間につながらなくなりました。それはすべての研究所の研究員が亡くなったということです」とまで書いている。 
そして、「私のこれまでのすべての知識と研究に基づいて、私はこの新型コロナのウイルスは100%自然なものではないと自信を持って言えます。これはコウモリ由来のものではありません。中国が製造したのです」と強調している。 
更に、「もし私が今日言っていることが今、もしくは私の死後に誤りであることが判明したら、(日本)政府は私のノーベル賞を取り下げることができます。しかし中国は嘘をついており、この真実はいつか皆さんに明らかにされるでしょう」と結ばれている。 
BOOMの記者は、「著名なノーベル賞受賞科学者の発言ということでインド全土で拡散している」と伝えてきた。それは英語だけでなく、ヒンドゥー語などインドで使われているいくつもの言語で拡散しているとも話した。 
先ずは本庶教授のこれまでの発言を確認した。本庶教授は自身のホームページで「新型コロナウイルス緊急提言」としてPCR検査を増やすべきだといった考えに言及しているが、どこにも、新型コロナのウイルスが中国の研究所で人為的につくられたといった記述はない。 
そこで、本庶教授が副院長を務める京都大学高等研究所に電話で取材したところ、「それは事実ではありません。フェイクニュースです」と話し、情報を全面的に否定した。また、本庶教授が過去に武漢の研究所に在籍していた過去は有るのかとの問いにも、「そうした事実はない」と否定した。 
京都大学はその後、本庶教授の「新型コロナのパンデミックによって、この様な悲痛と経済的損失、そして、かつてない苦しみを世界が味わっている中で、私と大学の名前が、誤った非難と誤った情報の拡散に使われたことに、困惑しています」とのコメントを英文で掲載し、あらためて無責任な情報の拡散を非難した。 
本庶教授のコメント
つまり、全くの虚偽情報ということだ。因みに、この本庶教授コメントの全文訳はインファクトのサイトに掲載している。インファクト本庶教授の受けた衝撃と、この問題について真剣に考える教授の姿勢がわかる。 
インファクトのからの報告を受けて、BOOMはこの情報が虚偽情報だとする記事をインドで報じたBOOMの記事。
海外で日本の著名人を語った虚偽情報の拡散は、インファクトが確認しただけでも河野防衛大臣を偽ったツイートが台湾で拡散した事例が有るYahoo!ニュース個人「新型コロナ 台湾で河野防衛大臣を装った虚偽ツイートが拡散 日台共同ファクトチェックで判明」。今後も注意が必要だ。 
インファクトはファクトチェックを推進するFIJの新型コロナウイルス情報に関するファクトチェック国際プロジェクトに参加している。このプロジェクトは日本財団とYahoo!JAPANの支援で行われているもので、各国のファクトチェック団体と連携して新型コロナに関する誤った情報の検証を行って、その結果を公表している。 
この記事の取材にはインファクト編集委員の安藤未希が携わっている。



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新型コロナ死亡者は報告数よりもっと多いのでは?

2020年05月08日 17時30分35秒 | 医療のこと
新型コロナ死亡者は報告数よりもっと多いのでは?
リングドクター・富家孝の「死を想え」
 
 毎日、メディアを通して発表される新型コロナウイルスの感染者数。4月18日についに1万人を超えましたが、これが感染者の実数と思っている人はほとんどいないでしょう。感染者が20万人を超えたスペインでも、政府は「実際の感染者はこの10倍はいる」と言っています。また、ノーベル賞受賞者の 本庶佑(ほんじょたすく)先生も、日本の感染者数に関して「(発表されている数の)10倍はいるでしょう」とテレビのインタビューで述べていました。
     
イメージ        
 


死者数は発表通りか
 
 では、いま発表されている死者数はどうなのでしょうか。韓国を抜き、日々増加している状況です。先日、全国の警察が3月中旬から4月中旬までの約1か月間に変死などとして扱った遺体のうち、埼玉、東京、神奈川、三重、兵庫5都県の計11人が、新型コロナウイルスに感染していたという報道がありました。11人のうち6人がいた東京では、路上で倒れていた60歳代男性が救急車で病院に運ばれた後死亡。死後検査で陽性が判明しました。

 このような例からわかるのは、検査が行われなかったら、新型コロナによる死者数にカウントされないということです。新型コロナ感染が原因の肺炎死であっても、ほかの肺炎死として処理されているのではないかということです。

 私も医師として、これまで数百通の死亡診断書を書いてきましたが、死因というものは合併症を持っている方の場合、厳格に特定できるものではありません。そのため、診断書には、「直接死因」と「原死因」を書くことになっています。直接死因が「肺炎」、それに関連する持病などとして、原死因には「COPD(慢性 閉塞(へいそく)性肺疾患)」などと書きます。肺炎の場合、原因となる菌やウイルスがわかっていれば、「マイコプラズマ肺炎」などと書くことになっています。

  日本では年間約140万人の方が亡くなっています。つまり、140万枚の死亡診断書が書かれるわけですが、直接の死因も厳密には、死体を解剖やCT撮影で調べてみないとわかりません。がんの末期の人が心筋梗塞で亡くなることもありますから。結果として死亡診断書の1割は不正確か、あるいは事情によって、虚偽の可能性があるというのが、医師の常識です。

火葬場は満杯の状態
 
 東京23区には九つの火葬場がありますが、老人施設の関係者に聞くと、どの火葬場もいまは満杯の状況だといいます。新型コロナの影響は出ていないでしょうか。現在、都内で新型コロナ死亡者の遺体を受け入れているのは2か所だけです。感染リスクがあるので、職員は完全防御の体制で臨まなければいけません。イタリアでは防護服を着けずに、死後の儀礼をした神父が感染し、死亡した例が報告されています。

  世界一感染者が多いニューヨークでは、市当局が14日に、検査で陽性とは診断されていないが新型コロナウイルスの感染で亡くなったとみられる市民が3778人に上ると発表しました。また、英国でも高齢者施設などの死亡が加えられていないので、実際のコロナ死亡者数は公式発表よりはるかに多いと公表されました。すでに多くの病院で院内感染が起き、救急車がたらい回しになっている東京は、ニューヨークと同じになりつつあります。
 必要なのはPCR検査
 
 政府や自治体がもっと積極的にPCR検査ができる体制を整え、死後の検査も行っていけば、感染実態を把握できるので、外出や飲食店などの営業自粛の要請にさらに説得力が出てくるでしょう。


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戦犯はバブル世代?日本企業の「チームワーク」が崩壊した原因

2020年05月08日 16時30分20秒 | 雇用と職のこと
戦犯はバブル世代?日本企業の「チームワーク」が崩壊した原因




年功序列や終身雇用があっという間になくなった中国
 
中国では今から40年前に改革開放政策が打ち出され、市場経済へ移行していきました。今でも大企業は国有企業が多いのですが、年間で600万社以上の企業が設立されていて、中小レベルの民間企業も活発です。私は数ヵ月ごとに仕事の関係で中国に帰っているのですが、行くたびに変化があって驚いています。

まず、年功序列や終身雇用があっという間になくなったこと。20代や30代でも優秀であれば短期間で出世できますし、30代後半で社長になるのも珍しくありません。一方で、女性も男性も関係なく、能力だけが評価の対象になるので、仕事ができなければすぐにクビになります。

私がM&Aの交渉をするために中国の企業を訪れたとき、テーブルの向こう側に座っているのはみんな女性だったりします。主要幹部から若手社員までみな20~40代の女性で、臆することなく自分たちの意見を主張してきます。

 私の両隣に座っている日本の50代以上の男性たちはすっかり気圧されてしまって、「交渉は小野さんに任せるよ」と逃げ腰になっていたぐらいです。
 日本の企業が「変わりたくても変われない」理由
 
日本は戦後の焼け野原から奇跡の経済大国を築き上げました。今の中国も同じです。何事もゼロの状態から50、60の状態まで築き上げるのは勢いで行けます。しかし、50、60からさらに上を目指すのは難しくなります。中国はゼロの状態だったから、50、60の状態まで一気に行けたのでしょう。

日本は70、80まで到達しても、そこから先の成長が難しくなって、今は好調時と不調時のギャップ、低成長のジレンマにあえいでいる状態だと思います。

高度経済成長期からバブル期が終わるまでの約40年間に得た成功体験を簡単には忘れられず、なおかつバブル崩壊のような大失敗を繰り返したくないので保守的になり、変化できなくなっているのでしょう。

中国では「流水不腐、户枢不蠹」ということわざがあります。直訳すると流水は腐らず、戸の軸は虫に食われないという意味で、事物は常に変化・活動していれば腐りにくいという意味で使われます。

日本の企業は変化しないから水が流れない=退化しているのではないでしょうか。変えたくても組織が硬直化してしまって、変えられないのです。人材もそうです。「わが社の定着率は高い」と自慢する会社もありますが、定着率が高いのは良いこととは限りません。

優秀な人材がずっととどまってくれるのなら、その企業は発展を続けられるでしょう。 しかし、日本の若者でも、優秀な人材はすでに日本の企業を見限って外資系企業に転職しています。仕事ができない社員をやめさせたくて早期退職制度を実施しても、優秀な社員から抜けていってしまうという話もよく聞きます。結局、よどんだ水に残るのはその水に合った人間だけなのです。

さらに、今日本には世界の熾烈な競争の波が来ています。海外のエリートに選ばれる企業になれなければ、生き残っていけなくなる時代はそう遠くありません。

例えば、経団連は日本と韓国にしかない新卒一括採用をなくそうと動いています。これは、海外の優秀な学生を雇うためには、4月に一斉に入社するという制度が邪魔になってきたからでしょう。海外の学校は5月か6月に卒業するところが多いので、次の4月まで待っていられないというわけです。大学側は新卒一括採用ルールをなくすのを拒んでいますが、いずれルールをなくすしかなくなるのだろうと思います。

日本の企業はよどんだ水を流す時機に来ているといえます。

小野 りつ子

インダストロン株式会社

コンサルタント
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マスクの値段がGW明けに一気に下がる? 業者が「戦後の闇市のよう」と語る理由

2020年05月08日 15時30分41秒 | お金のこと
マスクの値段がGW明けに一気に下がる? 業者が「戦後の闇市のよう」と語る理由


安倍首相が緊急事態宣言を発令して3回目の日曜日。

 東京の新橋周辺は飲食店の多くが休業して閑散としていたが、ドラッグストアは軒並み営業して3店舗が不織布マスクを販売していた。

【画像】輸入業者が輸入したマスク。その数約7万枚 売り子がビルの前で「1枚70円です」
 
 A店は1人1点に限り、10枚入り1097円で販売(価格は税込み、以下同)。

「1箱(50枚入り)300円とか400円で販売できる通常ルートでは入って来ませんが、色々なルートで中国から入って来るようになりました。(価格は)まだまだ高いのですが、納入数は増えています」(男性店員)

 B店は中国のおむつメーカー製マスクを英語表記の箱のまま、1箱3828円で店頭販売していた(1人2点まで)。往来は少ないが足を止める人は多く、夕方には店頭からマスクが消えていた。C店は子供向け不織布マスクをレジ前のワゴンに積み、1箱547円で販売していた。

 翌月曜日の日中は、「マスクあります」の紙を掲げた若い男性がニュー新橋ビルの前に立っていた。「1枚70円です(税込みで1箱3850円)。色々な種類があるので見に来て下さい」 
連休明けに価格が一気に下がる可能性
 
 高額のマスクが市中に出てきたが、実は、この1、2週間で中国からの仕入れ値が下がり、連休明けにも価格が一気に下がって流通する可能性が出てきたという。

 物流業の40代男性は3月からマスク輸入をはじめた。もともと取引のあった中国のエージェントを通じ、1週間に1回程度数万枚を輸入して、従業員に配布する企業に納入している。

「前回の仕入れ値は1箱2000円台後半でしたが、先週輸入した4万枚は1箱2000円台半ばまで落ちました。中国のエージェントは『次は2000円以下に下げられる』と言っているし、別のエージェントからは1箱1000円台前半で提示されましたが、それは品質が担保できないために断りました」(男性)

 男性の場合は小規模の輸入だが、輸入量が多ければ仕入れ値はさらに下がっているという。

今週、ある業者が1箱1000円で100万枚弱を輸入しました。大手小売業者に納入するようです。コストと利益を乗せて納入しても1箱2000円程度で店頭に並ぶかもしれません」(同)  マスクを買い上げていた中国政府の動向に変化
 
 マスク不足が起きた一因は、中国政府が工場からマスクを買い上げ、日本メーカーの輸入契約分まで出荷を止めたからとされる。ブローカーがそれでも一部を横流しして日本で少量が高額流通していたが、中国政府はその後もマスク管理を強め、4月1日以降は輸出を政府認可制にした。マスク輸入はさらに減るという見方もあった。

「中国でコロナ禍が起きた時、従来のマスク工場に加えて新たに工場が次々と立ち上がり、生産数が飛躍的に増えました。しかしコロナ禍が落ち着いて需要が減り、在庫が積み上がりはじめているようです。政府認可のもとで輸出するには、政府に必要書類を提出する必要があるのですが、業者間で書類を融通してすり抜けることができるらしく、輸出が増えて相場が下がりはじめているようです」(同) 
品質が玉石混交
 
 問題は品質。新しいマスク工場は政府管理の行き届かないところが多く、激安の粗悪品を輸出しているところがあるという。

「仕様に比べて生地が薄かったり、ゴムがすぐに切れたりする粗悪品をつかまされた業者もいます。新しい工場でも政府の目が届いているところはきちんとしたマスクが多いのですが、中には怪しいものもあり、見た目では分かりません。高品質のものでも仕入れ値が下がりはじめていますが、激安品に引きずられて品質を落とす恐れもある。中国政府は粗悪品の輸出を止めて欲しい」(同)

 この“不定期ルート”での輸入は品質や数量の確保が難しく、大手チェーンは手を出していない。その代わりに数多の業者が参入し、仕入れ値も売り値もバラバラ、品質に良し悪しがある。男性は急な値崩れを警戒して1回数万枚の輸入に抑えているが、賭けに出て大量輸入する業者もいる。その様は「戦後の闇市のようです」(同)という。 

シャープのマスク販売開始も、国内生産は増えない?
 
 日本政府は供給を増やすために国内企業に補助金を出してマスク生産を後押しし、複数の大手企業も参入した。

 生産に目処が立った電機大手シャープは4月21日に自社サイトで発売したが、希望者が殺到したため抽選に切り替え、27日午前0時に改めて受付をはじめた。1回目は1人1箱限定で3万箱を予定していたが、1万箱を上積み。価格は消費税と送料を含めて1箱3938円になる。

 申し込みは24時間で約470万人。決して安くない価格に殺到するのは信用力の高さが伺えるが、今後、国内生産が増えるとは限らない。

「高機能品や高級品を除けば、これまでマスクは1箱300円~500円で販売され、日本の企業が生産しても利益の出る商品ではありませんでした。緊急時だからこそ生産に着手する企業が出てきましたが、輸入が回復して価格が落ちると分かれば、高額品の少量生産を続けるところはあっても、本格的に大量生産に踏み切る企業は出てこないでしょう」(経済部記者)

 マスクは8割を輸入に頼ってきた。マスク不足が起きて中国への依存度の高さが問題視され、今はその経済構造を見直す機会でもあるが、なし崩しに輸入が増えて価格が下がれば元に戻るだけの可能性がある。


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