結婚をほのめかして金品などをだまし取る結婚詐欺。逮捕された山口千春容疑者（28）は、茨城県在住の50代の男性に対して、結婚をほのめかした上で、現金90万円をだまし取った疑いがもたれている。
【画像】移送される山口千春容疑者は、カメラを意識しているようだった（画像16枚）
出会いは風俗店 “客と従業員”から“彼氏と彼女”に 警視庁の発表によると、職業も住所も今は不詳となっている山口容疑者。2019年ごろには、都内の風俗店で勤務していたという。被害者の男性は、この風俗店を訪れていた客だった。
「風俗嬢と客」の関係が、連絡先を交換したことで次第に変化していくことになる。 山口容疑者と男性は、およそ2年間、メールでやり取りしたり、直接会ったりを繰り返す仲だったという。次第に男性は“交際関係にある”と思うようになっていた。2人でともに過ごした2年の歳月を考えると、交際の”その先”を考えてもおかしくないだろう。山口容疑者も”結婚”を錯覚させる発言をしていた。
“結婚相手”と信じた女は“詐欺師”だった
「一生一緒に添い遂げる」プロポーズともとれるこの言葉を男性は、山口容疑者の口から聞いていた。結婚すると信じて疑わなかった男性は、2020年の2月上旬ごろ、山口容疑者から母親に関する相談を打ち明けられる。 その内容は「残り少ない母との時間を助けて欲しい。母親がホスピスに入る費用を貸してほしい」というものだった。
無心された金は90万円。男性はまず50万円を手渡ししたが、山口容疑者からは「まだ40万円足りない」と催促されたという。 結局、男性は、その後、指定された口座に40万円を送金。結婚相手のピンチを救わなければと思ったのかもしれない。しかし、母親の話は、真っ赤なウソだった。 その他にも、山口容疑者は「奨学金の返済でお金が足りない」「母親の手術費用を貸して欲しい」「母親がガンだった」などと、ことあるごとに金をせびり、男性はあわせて1800万円以上を渡していたとされる。
“結婚詐欺”被害者は他にも そして共犯者も?
そして、最後に金を渡した数ヶ月後、突然、山口容疑者と連絡が取れなくなる。そこで男性は「結婚詐欺」に遭っていたことに気づき、警察に駆け込んだという。調べによると、他にも20代～60代の数人の男性が金をだまし取られた可能性があるそうだ。いずれもSNSなどを通じて山口容疑者と知り合っていて、被害額は一人数万円から数百万円にのぼるとみられている。
調べに対し山口容疑者は、
「お金を貸してもらった事実はあるけど、だましていた訳ではない」と容疑を否認。警視庁は、被害の全容を調べるとともに、男性が送金していた口座が、山口容疑者とは異なる名義だったことから、共犯者がいるとみて捜査を続けている。 （フジテレビ社会部・警視庁担当 山口祥輝）
