marcoの手帖

永遠の命への脱出と前進〔与えられた人生の宿題〕

世界のベストセラーを読む(635回)  (その7)この国の宗教心について学びつつあること

2020-03-04 22:22:15 | 日記

◆野呂芳男という神学者の先紹介の後半の課題は、多くの人はそれをキリスト教神学者であるのに、民衆としての宗教として、アニミズムや輪廻転生さえも考慮しながらもそれを思考したことであった。当然、旧約聖書には、他の神を拝むなどは偶像礼拝であると厳しく禁じられているから、キリスト教が一番(むろん僕はそれは正しいと思うが)として、他の宗教を排他しているのであるが、それは旧約時代の選民イスラエルの人々の神からの<言葉が悪いが>”見せしめ”のような使命があったからなのである。神がそのような徴を示して来られなければ世界のすべての宗教といえどもすべて塵芥となるだろう。人の創造はその起源があるからなのだ。実に神は働き給うがゆえに、彼らの試練は歴史の中で真の神は生きて働いて存在しておられるのだろうことを世界に示されて来たのである。「私が神であることを知れ」と・・・。

◆神学など多数ある中にもかかわらず、僕がひかれたのは、いろいろ思索を重ねても、やはりこの国においては、そういう所へ向かうのだろうなという、感銘をうけたのだ。アニミズムや輪廻転生など他宗教の長年言われてきたこと、信ずるとか信じないとかではなく、事実としてそういう人の信仰心があること、つまりは使徒パウロが「本当の神を教えようと」奮起したごとく、目に見えぬところの真の信仰心のあり方、その対象、筋道があるということ。無論、キリスト教独自の十字架と復活という乗り越えなければいけない壁があるけれども。しかし、その民衆の宗教がこの国においては、そのおおもとが古代に彼らの真の神概念から引き継がれており、引き継いできた渡来人が伝えて同化したのがこの国の心の根であって、時代を経て最もふさわしい形での在り方が残されたきたものだということ。それがこの日本の真の姿なのだったということが今、明らかになりつつあるのだ。旧約聖書、申命記28章36節「主は、あなたをあなたの立てた王と共に、あなたもあなたの先祖も知らない国に行かせられる。あなたは、そこで木や石で造られた他の神々に使えるようになる。」旧約時代、イエス誕生以前にBC5~7、捕囚の危機に出会った東へ向かったイスラエル部族は、その時代のそれぞれの国々に同化し、その到達点としてこの日の昇る国に順次、到達していたのである。

◆学生時代、信仰心について神学者八木誠一の仏教や神道などを読み模索していたし、当時、学生運動家からは人気のあった九大の滝沢克己などが尊命ならば、きっともっと面白い議論がなされたのになぁとか。。。京大のかの哲学者西田幾多郎が滝沢にカールバルトを学ばせに行かせたように、バルトも日本からきた優秀な若者に驚かれたようだったが、議論はかみ合わなかった。いまでは、20世紀最大の神学者と言われたバルトも批判(否定ではない)されているから、きっと今となっては、八木や滝沢が求めていたこの国への神学的提言などきっと面白いことが沢山議論されただろうにな・・・と思っている。時代がくだり今、日本の国の隠されていた本当の歴史があらわになってきて、この国のいたるところにある僕が子供のころから不思議に思ってきていたその「八幡」という名前の由来が、あのイスラエルの旧約の民に結びついていたことを知って、僕は嬉しいのである。(八幡神社は、渡来人である、秦氏、辛島(鹿島)の一族が伝えたものである「神道辞典」)。野呂芳男は仏教との考察を深めた八木誠一の『新約思想の成立』(新教出版社)という本を高く評価していた。

◆だから”神は生きて働きたもう”というところか・・・。今や、この国の古代の歴史から、この国の信仰心(精神性、通奏低音と呼ばれたもの)が分かり始めてきたというのである。子供の頃から不思議に思ってきた漠然とした不安が、これなどは旧約聖書時代の下地にあり、異邦人の神を排他するのみの神学だけでは、理解しえないものであることが理解されてきたし、神がある意図をもっており、この国はその終着点だったのではないかと思えるようになったのだ。なぜって、僕らは人として、そう、神が自分の似姿に創造されたという人として、現に僕もあなたも生きてこうして居るではないか、信仰深いこの国の人々をキリスト者でない異邦人と言って切り捨てることがないではないか。神が自分の似姿に創造されし人が全世界に広まっているという事実。実は、この国の人々の深層にある信仰心なるものは知らずに神につながっていて、だから神はこの国人を救済せんとするために今や顔を出し始めたのだ、という思いなのである。・・・+次なる壁は、十字架と復活なのではあるが・・・使徒パウロに神は言われた。恐れず語れ、この地には私の民が多くいるからである、と。・・・続く