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明石三白館

2016年12月21日 | ライブ・公演・舞台

昨日、人生二度目の大衆演劇を見てきました。役者さんが若いし上手い!

なんといっても若くて美形✨劇団勇舞 中村時太郎座長26歳 

 

大衆演劇と言えばドサ周り、ヘルスセンターでの酔客相手の田舎芝居かという先入観も無きにしも非ず・・・が、そういう偏見を覆す楽しさ、見応えだった。これこそがマイノリティの世界かもしれないが、ドッコイ ファンは多数存在しているようだ。 友人の友人が某役者にハマって、ついに先日大枚をはたいて分厚い札束(本当です)を役者の胸元にさし入れたという・・・ この先が心配だ。


明石駅前に新しいビルが建ち、景色が一変したと話題になっている。明石在住の友人から、見に来てとお誘いを受けた。ついでに大衆演劇を見学。今年は二度目の大衆演劇、前に見た時はとても楽しめたので ワクワク・・ 演劇場の明石三白館は、新しくできた再開発ビルから魚の棚へ出て、そのまま直進。近くて便利になった。

値段が1800円。映画と同じ!安い~ 

館の前で、綺麗な役者さんが笑顔をふりまいていた、
元ピンク映画の古い映画館をリニューアルしたそうだが、海を飛ぶ千鳥のステンドグラスが美しかった。

友人によると、ここが長らくピンク映画専門だった頃は この近くを歩くのが嫌だったそう。大衆演劇の劇場になって人の往来が増えて良かったんじゃないだろうか。

上映は昼の部12時から。友人が300円をさらに支払って、指定席をとってくれていた。2列目の通路側、とても良い席です。平日でお客さんはいつもよりは少な目という話で、7割くらいの入りかな?全部で200席くらい。

年配の客が殆どの中で、一列目のセンターに陣どる若い女性は、明らかに役者さん個人のファンのようだった。あれほどの美形ではファンもつくだろう。席を二つ取って、座長の芝居のよく見える席に度々席を変え 画像を撮っていた。

舞踊ショーから始まる。

何度も着替える色鮮やかで綺麗な着物、こぼれるような色っぽい笑顔。なめらかで粋で艶っぽいしぐさの踊りに こちらの気持ちも 容易くほぐれてゆく。手の動きの素早く美しいことと言ったら、日頃からよく鍛錬されているのがわかる。

次に登場したのが、せいぜい5~6歳の幼い女の子。一生懸命、難しい踊りを踊る様がいじらしくて可愛くって、応援したくなる。こんなに小さい時から踊っていれば、この先はかならず上手くなるだろうし、もうその先の道は今から決まっている。こうして脈々と役者のDNAは受け継がれていくのだろう。

               

大衆演劇のお芝居は、毎回同じことはやらない。公演の間中、昼夜も全部が違う演目です。

そして始まりました「雪の渡り鳥」どんな話やろ?劇団オリジナルかな?
登場した主役のまだ20代に見える若い男の子(時太郎座長)が、とても綺麗な端正な顔立ちで、顔を見ているだけで気持ちがいいわ。ちょっと小柄かな。

若い男二人が、恋しい女を廻って恋のさや当て。その若いヒロインの女の子がいささか、肉付きが良すぎて・・・ちょっとダイエットした方がいい。悲劇にはチョット「ツライ」ふくよか体型。それはともかく芝居の内容は股旅もの。

お話はお手軽ありきたりの粗筋ではない。ちゃんとした時代劇言葉で(真田丸のような、カジュアルな現代語調台詞ではない) かつての時代劇映画のような本格的なもので、これはドサ周りとバカにされるような芝居レベルの内容ではない。ちゃんとした演劇だと、思わず見る態度も居住まいを正した。

主役の名前が「銀平」で、これは昔の時代劇映画・股旅物の「鯉名の銀平」ではないかと気がついた。市川雷蔵も演じた、長谷川伸の名作。もっともその題名を知っているだけで、詳しい中身は全く知らない(*_*)
隣で見ている友人ともども 私達がけっこう感動しているその横で、年配の女性が上を向いて口を開けたまま、爆睡していた・・・・ 見えてるで 役者さんから その姿・・ あ、575の俳句になってる(笑)

結ばれない男と女の悲恋に、義理と人情、友情もからめて物語はすすんでゆく。最底辺の女郎、夜鷹の女との出会いも含め、お話はどうしようもなく切なくて、哀しい。
最後は華麗な立ち回りの主人公の上に、真っ白いドカ雪が華々しいまでに降り積もった。これこそが「雪の渡り鳥」という題名の所以かと知った。主人公は恋しい女(太りすぎ)の為に、全ての罪を背負って縄に捉えられ、消えてゆくのだった。


演劇評なんかには関係なくても、見応えの有る良いお芝居だった。おまけに、出てくる役者さんが誰もが若くて綺麗だから、それだけで許せると思えるのだった。やっぱり芝居はまず脚本と役者です。(もっと高い料金でつまんない芝居を観たこともある)

二部は舞踊ショー。有名なヒット曲で踊るので、見物人にもわかりやすい。例え現代的な曲でも着物姿で踊るが、ぴったりとハマっていた。 いつも思う、よく振り付けが覚えられるよね・・ あたしゃ絶対にムリ! 

座長はまだ26歳の若さ。手さばき足さばきも手馴れた鮮やかな舞踊で、身のこなしも軽々と 慣れきリすぎと思うほどだった。 そのおそらく兄弟姉妹たち。まだ10代に見える若さなのに流し目も妖しく色っぽくアダっぽい。流れるような粋で優雅な所作にもみとれた。この兄弟、全員が美形で若くて末頼もしいと思う。流し目もアダっぽい座長(画像はネットで。) おちょぼ口が可愛い

              

 

↓市之丞(帰りに年齢を聴いたら まだ14歳)   

   

          姫之介(メチャ色気がありますが、☝まだ10代半ばと思われる)

時太郎と、そのパパの親子二人で「矢切の渡し」(細川たかし)でしっとりと舞い踊る

劇団員が少ないため、二座の合同公演。 真ん中の今日は敵役で昼の部の出番は少なかった、もう一座の樋口征次郎座長も さすがの貫禄で余裕の演技でした。お話も上手い。 夜は観客がいつも少ないそうで、来てね~!と宣伝していました。

着物も役者も綺麗で面白くて、とても楽しかったわあ~✨ 1800円で3時間、充分に楽しめた。また来たい~♪ でも、明石まで近くはないので、そうそうは無理なのだった。

帰りに入り口で見送りに並んだ全出演者と、しっかり握手

並んで一緒に時太郎座長、ヒールの私と背の高さが変わらんが・・ 身長が惜しいなぁ(160cmだそうです)

 

余裕の笑みの若き座長、その微笑は驕慢でさえあるように見えました。(褒めてる)

このあと、一座は福岡に巡業するそうな。

ファンの若い女の子は、芝居が始まる前も後も座長にベッタリのかなりの執着ぶりだった。 若い女の子が平日の昼間から役者にお金を襟につけるのは、かなりの金持ちとみた。(この日のおひねりは少な目でした)

少人数の一座は家族ぐるみで全国を回っている。幼い子供も舞台に立つ姿を見ていると、この子も行く先は役者になる。いや、すでに芸名を持つ役者か。学校には満足に通えない、一生が旅の人生になるのだろう。

明石三白館は、舞台の幅は10mもなさそうだった。照明だって日頃からジュリーの舞台を見慣れた自分から見れば、まったくショボイのひと言。ア〇シの照明はどんなに凄かったか! 椅子は映画館時代の物をそのまま使っているので、木の塗装は一部が禿げていた。 例え小さい舞台でも、観客からの喝采を浴びる華やかなショーを見ていると、舞台には役者をやめられない、麻薬のような強い吸引力があるのに違いない。 ただ観客の熱い視線と拍手を糧に、一座は明日も演じ続けるのだろう。


 

 

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