オズマの部屋 -バス釣り・政治経済・クルマ等-

「バス釣り日記」が主題。色々な話題を中年オヤジが持論で展開。「真実は孤独なり」を痛感する日々。

【成瀬は天下を取りにいく】本屋大賞。キーワードは「微妙な意外性」だろうか?

2024年04月11日 21時47分01秒 | オズマの読書感想文

 まだ,まったく読んでいないのにレビューする愚かなオズマである。

 小説を読み切ったことが一度もない。縦書きの文章を読めない。いや,新書は何冊も読み切ったが,小説が苦手である。

 小説の主人公に基本的に感情移入できない。この本のことでなく,小説全般に,だ。

 逆にいうと「客観的に読む」のが得意である。専門書・解説書など,事実が書いてあるものを頭の中で整理していくことは好きだ。

 それでも,この本を書店で見かけたとき,「微妙な意外性」を直感した。

 まずは題名。混迷の21世紀に必要な・求められる「主体性」が表現されている

 主人公の住む場所が滋賀は大津,と来た 自分としてはなじみのある地域。滋賀県・秋田県・茨城県・千葉県には異様に詳しい自分にとって親近感があるし,大津は京都・大阪地域から通勤圏でもあろう。事実,琵琶湖のほとりは住宅街とお寺という「微妙な意外性」がある。

 そしてカバーイラスト。もう,このイラストレーターは仕事でてんてこ舞いだろう。そう,どこかで見たことがあるようでない。その独自性。つまり「微妙に異なる意外性」だ。

 こうして「同類項」を集めて因数分解する癖は僕のわるい癖である。

 まず,一般女性から「また,因数分解とか,数学病が」と言われる。たぶん,小学生で釣りを始めたときに「釣れたときの同類項」を探し当てて,それを基に釣行計画を練っていたから,そういう性格なのだ。「発想を要求される」算数は苦手だったが「論理」が要求される数学の方が楽しいし。

 40歳の作家が受賞したという。芥川賞・直木賞もロクに読んだことがない。映画になった『太陽の季節』でさえ,実はよくわからない。『青い山脈』の方がわかりやすいし,好きだ。

 この本,実写化向きだろう。当然ロケは滋賀で決まり

 ああ,そうなると,膳所や瀬田やらに人が増えて,またホテル代が上がりそうだけど,なんとなく嬉しいのは,滋賀県が背景だからだろうか


【ゴルゴ13】さいとうたかをは死なず! それが「プロダクション」制最大の長所!

2024年04月01日 00時00分00秒 | オズマの読書感想文

 鳥山明が亡くなったり,TARAKOが亡くなったりと,アニメ・漫画界では訃報が続いた。

 そして繰り返されるのが「もう誰も続きをやれない」という,組織で動く会社ならあってはならぬ危機管理の露呈である。

 古くは,『ルパン三世』でモノマネをしていた栗田貫一が,山田康雄なき後を継いだ。いま,違和感などまるでない。

 だが,どういうわけかマンガ・アニメは「孤独」過ぎる業務のようである。

 矢口高雄先生だってもちろんすべてを分業していたわけではない,と思う。

 精緻な描写・心象風景・漢詩の多用など,矢口高雄先生ならではのものが非常に多い。反面,「釣り」のアイデアでは編集やプロダクションの若手から「よい刺激」を受けていたと想像に難くない。ゆえにネタ切れにならず,間違っても「転生モノ」(という禁断の夢オチ≠マンガ)にならなかった。

 『こち亀』で有名な秋本治先生もプロダクション制を敷いていた(る)。ゆえに,残業なし・締め切り厳守・ネタ切れなしという偉業を達成し,一時は『ゴルゴ13』の単行本巻数をしのいでいた。

 デュークトウゴウは孤独なスナイパーのようでいて,全世界にネットワークをもつ。そう,その姿こそさいとうたかをが夢見た世界=「本当のつながり」ではないだろうか

 手塚治虫先生がストーリーマンガの始祖であることに疑いなく,手塚先生以降のストーリーマンガはその手法からしてすべて「パクリ」であり,それが「マンガの本質」である。しかし,手塚治虫先生も早逝してしまった。生きていれば95歳ぐらいである。けして不可能な年齢ではなかったろう。

 「死んだら終わり」「生き残っていればなんとかなる」「生き残るための技」が『ゴルゴ13』にはあふれている。それは歴史解説であったり,地政学だったり,人種差別など,およそ「ふつうの日本」で生活していると想像し得ない世界を描いてくれているのだ。

 そんなわけで,マンガを整理したはずなのに,今度はゴルゴ13』というおそろしい沼にはまりそうだ。古い旅館の本棚に残っている『ゴルゴ13』を読むと得をした気分になる。あれは「知らない世界を知る」面白さなのだろう。まさに「バイアス・ブレイク」だ


【オーイ!とんぼ・アニメ化目処で】単行本を処分/他もまた/電子書籍流行理由がよくわかる。

2024年03月18日 00時00分00秒 | オズマの読書感想文


63cmあまりのレシートになった。

 3/17は,本棚を埋め尽くしていたマンガ類を思い切って処分することにした。そのきっかけは,『オーイ!とんぼ』アニメ化がすぐそこであることと無関係ではない。

テレビアニメ「オーイ!とんぼ」PV第1弾



 原作を繰り返し読んできたが,おそらく30巻目以降辺りから惰性になりつつあった。なにより著者のメッセージが「いつもと同じ」に感じられてしまい,週イチの立ち読みも一瞬である。

 他,全巻揃えた『アルキメデスの大戦』など,旅行用カート+リュックに詰められるだけ詰めた。要点はただ一つ「自分の魂を呼び起こすかだ。

 ついた買い取り価格はバラバラであるが,アニメ化が決まっている『オーイ!とんぼ』は1冊150円の高値である。

 購入したときには1冊700円近いから「買いたたき」と思うかもしれないが,フリマで出品したところで「セット売り」にしても送料が高く,配送がなにより面倒である。逆に,マニアに価値ある『750ライダー』の文庫本は買い叩かれたようなものだが,もう十分だ。

 なにより,自宅から徒歩でもっていける唯一の古本屋がブックオフになってしまったから。


査定を待つ間に気になっていたものを買ってしまう。ゴルゴは病みつきになる。

 『ゴルゴ13』も今回5冊ほどの在庫があったが処分。その代わり気になっていたものを購入した。この2冊はどうしても読みたくて...。

 それにしても,つくづく電子書籍流行の意味がわかる。とにかく紙はかさばる。紙は保管性において数十年など余裕であるが,やはりそこは「自分の魂に響くか」基準で保管基準を決めている。

 だから,矢口高雄作品はすべて残っているし,『サイクル野郎』も残っている。『Basser』『BASS CLUB』など初版から30年経過したものでも紙媒体ならいつでも閲覧できるし,原則的に日本の製本は頑丈である

 でも,キンドルなりpadの類を購入する気分にならない。真実の休暇に電子媒体は不要なのだ...


数学ゴールデン【先入観破壊】バイアスブレイク! この「言葉」は「生きている」!

2024年03月15日 00時00分00秒 | オズマの読書感想文


何度も読み返している。

 自身,やはり数学が好きなのだ。感情や観念がなく,理論で構成された「美しい世界」だと学生時代から感じてきた。歴史学はやはりいつまで経っても解釈学。解釈するのは勝手だが,解釈次第で政治にまで影響するから「学問」としては選ばなかったのだ。

 『数学ゴールデン』はいま出ている5巻目まで購入して,すでに5回ぐらい読み返した。

 すると,自然に「自分の言葉」にもなったものがある。


バイアスブレイク。これは仕事術でしばしば使われる。

 新規事業が始まる度に「ああだこうだ」と先入観で語ってしまう自分も居た。もっと厄介なのは,そうした「変化」を「向かい風」とばかりに捉えること。もしくはその空気。

 本作の主人公が言う「向かい風だって,捉え方では上昇気流だ」と。その通りだ

 釣りに行くと「北風向かい風」で本当につらいときもある一方,爆釣したのはむしろそうした「他人がやりにくい環境」だった。要するに「風向き」も自分の捉え方次第。

 バイアスは先入観だから,釣りでいえば「実績」を捨て去る勇気が必要。そうなんだ 自分はそれが楽しくて釣りをしているんだ。それも船長に案内されるのでなく「自分で見つける」ことが楽しいから,やはりルアーでありバスなのだ


とにかく熱量がすごい。

 本作は,21世紀マンガにしては強烈なエネルギー。

 「異世界転生もの」マンガは究極の夢オチであり,創作マンガとして認めないが,僕はこうした「熱い思い/言葉」が「生きている」のは大好きだ。

 「生きた言葉」の反対に「机上の空論」がある。政治家が語る「努力する/検討する/精査中」などなどだ。田中角栄が絶賛されたのは,やはり言葉が生きていたからだろう。

 豪雪地帯に生まれ育ち,東京との経済格差を思い知らされた田中角栄,そして矢口高雄。みな言葉が飾り物ではない

 そういえば,こうした高校生を主人公にするマンガでは『とめはねっつ!』もイイ。そんなわけで,蔵書処分に困っているのである


【矢口高雄・ニッポン博物誌】自然描写に手抜きなし。これが三平と併行して作られていたとは!

2024年02月09日 00時00分00秒 | オズマの読書感想文


本屋で見つけてネットで購入。

 また蔵書が増えてしまった。なぜなら,本屋で立ち読みできて,「これは読まないと」となったからである。

 驚いたのが,この作品の連載期間。小学館・少年サンデーに昭和53年頃から連載されていたようなのだ。

 その当時は,いうまでもなく講談社で『釣りキチ三平』大絶賛中だったわけである。

 矢口先生は銀行員の経験が生きていて「原稿締切をしっかり守る」ことも有名だったが,40歳当時のパワーをまさに見せつけられた


ネコだけでなくこの草木の生き生きとしたところ。匹敵する漫画家はいない。

 まだ最初の数話を読んだだけだが,まさに「生きた経験」がなせる技のオンパレード。

 巷間,『釣りマンガ』はあれど乏しい自然描写。ルアマガに連載されている作品など足元にも及ばない。バス釣りしか経験がないような著者ではやはり「自然」は描けないのだ。

 雪に苦しみ,呪いさえもした矢口先生。ど田舎で辺鄙で,生活格差が歴然とあったからこそ,その闘志が作品に生きているのだろう

 秋田のマンガ美術館,それにしても楽しいところだったので,2日間ぐらい朝から晩まで読み漁ってみたいものだ。もう,釣りは1日だけでもいいかも。どうせ金網水路しかやらんし(笑)。


【自叙伝的漫画】「人は体験したことしか書けない」(梶原一騎談)に共感する。

2024年01月12日 00時00分00秒 | オズマの読書感想文

 自叙伝的漫画でおそらく国民的支持を集めているのは『ちびまる子ちゃん』だろう。小学生の思い出に脚色やら演出が入っての「アニメ」が支持されたのがたしか1990年。すでに34年もの月日が経過した。

 僕には自叙伝が書けない。なぜかというと子供の頃の記憶は断片的なのだ。間違ってもストーリー性などない。

 そんなときに思い出すのは梶原一騎の言葉で「人は体験したものしか書けない」である。

 矢口高雄の自叙伝的漫画として『おらが村』を読むと,実に険しく・優しい自然が生き生きと描かれている。矢口先生曰くデビューして数年後の作品だという(つまり,『釣りキチ三平』と併行しての作品のはず)が,モデル達や方言が実に「誠実」ですらある

 昭和40年代といえば,地方と都会に明確な格差があった時代。インターネットなどあるわけもない。情報格差も多分にあった。覚えているレベルでは,母の田舎(茨城県,当時は町だったがバスすらない)に行くと「UHFしか映らない」だ。『巨人の星』再放送をカラーで観た記憶があるが,ゴーストがすごかった記憶もある。

 東村アキコ描く1985年は,僕にとっては高校生の時代。だが,やはり地方と東京では格差があったろうし,僕にとっての高校生活は正直ブラックだった。

 いまでこそ「自転車乗りは健康なスポーツ」だが,当時はネクラと言われていた。釣りをたまにやるのもネクラ。そんな「価値観」に多様性など認めない時代だったのではないか

 ただ,子供の頃に「釣り場地図帳(しかも電車か自転車でも行けそうな場所が収録してある)」を買ってくれた父とそのときのアドバイスはいまでも役立っている。曰く「釣行記をつけてみると後々面白いかも」ということだった。実際,1982年12月31日に,とある用水路で爆釣した記録が残っているし,その水路に1983年の夏に行くと友人の自転車がパンクして彼の復路が大変だった話も書いてある。

 そんなこともあり,自分が大昔の釣行を明確に書けるのは「釣行記」が残っているからなのだ。

 そこへ行くと,漫画家たる人々はよくまあ大昔のことを明確に記憶しているなと感嘆する。

 そしてまた蔵書が増えてしまった。ホント,蔵書もそろそろ限界であるが,捨てられるのは10冊ぐらいしか見当がつかない

 オトナになってマンガをホイホイ購入することができるようになったが,蔵書に苦労することを小学生の自分は知る由もなかった


【マンガ・日本の古典】矢口高雄先生『奥の細道』は,やはり”積極的”解釈がイイ!

2023年12月26日 00時00分00秒 | オズマの読書感想文


新聞広告で知っていた。それを購入した。

 新聞広告で「これはイイ」と紹介されている『マンガ・日本の古典』。

 自身,古典には「暗記」という受験科目のイメージがあって,深く読んだことなどなかった。人生50余年にして恥ずかしい限りである

 それが変わったのは,リアル書店のありがたさ。ふと立ち寄ると,マンガコーナーにあった。究極の「夢オチ」たる「転生モノ」(マンガとしてはもうオワコンレベル)が幅を利かせる時代だから,本当に隅っこだったが...。これが,本当に都心の書店なのかと思うほどに。

 ワイド版と文庫版があったが,単純に価格で安価な文庫版を購入した。なにより持ち運べる大きさだから,遠征時に読み耽るにもいいだろう。

 『マンガ・日本の古典』は,2001年初版発行と書いてある。だから,当時ご存命だった方々,それも超一流漫画家が競って描いているように見える。

 その中で唯一,矢口高雄先生が描いていたのが『奥の細道』である。圧倒的な自然描写をもつ先生と,”積極的”解釈に期待した。


これだ。これだよ。この「矢口釣りコーナー」的解釈。これが矢口高雄先生なんだ。

 ご自分で原典や資料を読み,取材旅行も含めて4ヶ月の執筆だったというではないか。しかし,調べれば調べるほど「不都合」が出てくる。単純に「古くて正確な資料がない」からなのだが。だが,そこを合理的に解釈する(=これを”積極的”解釈と僕は翻訳する)ことこそ矢口先生の真骨頂だと,小学生の頃から感じている。

 釣りキチ三平』でのセリフに「迷信や言い伝えにも,きっと何らかの裏付けがあるんじゃんねえかと,オラは思っている」というものがよく出るが,まさにそのセリフは矢口先生の実感だったろう。

 それにしても,文庫本選択唯一の失敗は老眼に厳しいこと

 ワイド版も買っておくかな。とにかく矢口高雄先生の作品は全部読みたいので,まだまだこれからだ。

 だが,書棚がさすがに限界なので,もう読んでいないものはブックオフに持って行って...も端金なんだよな....。フリマでも配送が面倒だし。困ったけど,やっぱり2023年内に処分するしかないか


【アオイホノオ・第29巻】俺も「漫画」でしかスポーツは知らなかった...。

2023年12月12日 00時00分00秒 | オズマの読書感想文


第29巻。時代がまったく進まない展開だが。ヒロインが変わった。

 気がつけば,この漫画を読み出してから15年ぐらい経過しているようだ。連載当初は『週刊ヤングサンデー』だった。

 あっというまに週刊誌淘汰の時代になって『ヤングサンデー』は廃刊。現在の掲載誌は『ゲッサン』になっている。

 ヒロインについても「フィクション」なので細かいことは気にしない。だが,マウント武士たるペンネームは,さすがにスゴイ発想力だ


漫画界でやる野球なのに。


魔球はダメとなったらそれは辛い。

 いみじくも,僕が少年時代はスポ根再放送大絶賛中だった。『巨人の星』『侍ジャイアンツ』はもちろん,『アタックNo.1』も観ていた。地堂院高校の三姉妹による「三位一体攻撃」など,本当にあると思っていた。

 当然,普段の「野球遊び」(=本当の野球ではない)でもそうなった。当時ルールでは「分身魔球は禁止」だった。ゴムのやわらかいボールを手で打つのだが,ボールは軟弱のため握りつぶせる。すると,分身魔球とまではいかないが変なボールになり,打っても変な方向に飛ぶので「野球遊びが続かない」として,禁止されていた。

 高校生のときは,体育でやたらと球技があった。ソフトボールを選んだが,ボールが重くてしんどい。守備もダメだったのでひたすらピッチャー役。ただし,大リーグボール3号のようなスローボールしか投げられないので,意外と空振り。あたっても飛ばなかった。魔球のようなものである。

 自身,こうして「漫画野球」に親しんできただけに,主人公・ホノオの気持ちもわからんわけではない。まあ,ホノオは走る方で「必殺技」を使ってしまうのだが...。

 『オーイ!とんぼ』がハイペースで単行本を出して,あっというまに50巻に達しそうな雰囲気。それに比べて,1980年初頭の時間がゆっくり流れていく本作。

 それでもなお,まだ読み続けるだろう。

 大丈夫か,俺の本棚


【オーイ!とんぼ】SecondStage。イガイガの「語り」が変わらず熱い!

2023年11月17日 00時00分00秒 | オズマの読書感想文


あっというまに47巻。アニメはやっぱりCGのようだ。

 アニメのPVは見た(下にも共有する)が,僕の期待する円(つぶら)のCVが田中真弓さんであることは「ココロの中で」確定だ。イガイガ,本当は渋いところで野沢那智なんてピッタリ(3枚目・2枚目,なんでもあり)だと思うが,故人にそれは無理な要求か

TVアニメ『オーイ!とんぼ』ティザーPV

 肝心の単行本,やはり通販で購入。たまっていたポイントを釣具で使う予定なく,確実な「読書費」に充てるのだ。マンガは子供の頃は忌み嫌われる存在だったが,いまや重要な「文化」足り得る

 そして,この巻の話も立ち読みで知っているはずが,やはり「まとめて」読むことで違ってくる


怖くても前に出てパンチを出す。それをやる。

 ゴルフ・仕事・釣りも「心の格闘」がある。でも,パンチを出さないで負けるのは悔しい。実際,「心がすでに折れていた」ときの釣りは釣りではなかった。自然とまったく対話できていなかった。

 釣りでいうなら「あれを試さなかった」ことは悔しいから,竿は原則2本。状況を読み切れば1本だが,釣りは千変万化する自然が相手。魚にも気まぐれなところがあるから,やはり「やってみないとわからない」


まず,仲間として相手を見る,か。

 仕事では,新しい業務がどんどんあり(その一方で給料が伸びないことを所属長に告げられた),様々な人々が招聘される。原則的に自分は立場上初歩の指導はする。しかし,最後までまるで「敵」かのように接する女性がいるのも事実。ライバルとでも勘違いしているのか

 釣りで「常連さん」と書いている人々も,最初は自分から声をかけている。なぜなら自分は釣り場では後から来ているから。そしてそこに割り込むことはできないから挨拶する。そして,相性がよければお話して仲良くなって1日一緒に釣りする,なんてことはごく普通のメトロリバーである。

 相変わらず熱い「イガイガ」の言葉が胸にしみる。「寅さん」の人生訓を,自分が満男になった気分で聴いているときも多くなった。ああ,俺ってまだ満男じゃないかと。

 この熱い言葉をアニメにするのはなかなか困難だろう。だが,放映されたらきっと深夜枠なので録画するぞ


【数学ゴールデン】異次元の世界を知ったあのとき。

2023年11月10日 00時00分00秒 | オズマの読書感想文

 数学を使ったマンガといえば『アルキメデスの大戦』だと思っていたら,さらにぶっとびマンガがあった。

 『数学ゴールデン』である。

 自分の体験にも,「頭のなかのゴチャゴチャがほぐれた」という思い出がある。

 数学科1年生の5月頃,「ε-δ論法」(イプシロン-デルタ)というものが解説された。いわく「これがわからないと進級できないし,数学科にいる意味すらない」ということだった

 高校数学までの抽象度とはまったく次元が異なり,まさに異次元の世界

 ノートを読み直しても想像ができない。解説書(岩波だったかの微分積分学の初歩)を買ってみてもさらにわからない。

 これを落としたら落第決定とはキツイ

 幸い通学に片道2時間かかったので,それを利用しての「車内勉強」(語学予習レベルもやっていた)での理解は無理だった。

 2週間ほど眠れない日々が続いた。思考実験の連続をしていた。

 ある日,ひらめいた気がした。

 そしてノートに書いてみる。オオオオ,なんかイケルかも,あってるかも

 学校に行ってみる。友人に板書で「これで大丈夫」と聞いたら,天才系の子に「やったじゃん」と言われて,やっと手にした。

 以降,異世界を知ることになる。

 21世紀のマンガは「異世界転生」ばかりだが,数学こそ「異世界」の連続。しかも,大学数学レベルでさえ「紀元前」の話なのだ。なんということだろう。自分たちは偉人の「歴史の理解」ということなのか,と妙に納得した。

 気がつけば,マイナス✕マイナスがプラスになるという証明に,3年間を要していた。あれは代数学の授業で,出席していた全員が「やったあぜ 俺たち,ついに追いついたのかも」なんて興奮状態になった。

 そんな自分の経験を思い出す。僕の学力は「理解する」だけで手一杯だったが,この話はぶっ飛びである。

 そして,単なるぶっ飛びでなく,ちゃんと「高校生活」を描いている。

 重版が止まっているようだ。あらかた流通したのかもしれぬ。

 それでもなお,マンガが「異世界転生」という「禁断の夢オチ」で終わらぬよう,発展に期待したい


【いろはドライブ・Dr.Eggs】アニメ絵かそうでないか!

2023年10月20日 00時00分00秒 | オズマの読書感想文

 通販で予約していた2冊が,ほぼ同時に届いた。書店だと買い忘れてしまって苦労することもあるので

 さて,この2冊の違いは何と言っても「アニメ絵かそうでないか」である。

 もちろん,「アニメ絵」とは「いろはドライブ」の方である。

 正直アニメ絵,いや,なんかこう2次元オタクにウケそうな絵柄には,すっかり飽きていた。

 その証拠に,高校生の頃に買っていたラブコメなんぞ1冊も残っていない。まあ,年齢的なものもあるのだろう。

 「Dr.Eggs」は,何度か紹介している通り「切り口」が斬新である。さすがは三田紀房である。取材力というか,編集力のパワーを感じる。

 ただし。

 これらの作品が「アニメ化」されるとしたら,もちろん「アニメ絵」たる「いろはドライブ」の方がはるかに易しいだろう。

 三田紀房作品は,フアンも多いが毛嫌いされる傾向もある。説教臭いとかなんとか,まあ言いたいやつには言わせておけばいいのだが

 こんな評価をするのは,作品そのものの違い以上に「魅せ方」も重要な要素,という変わらない方程式は,マンガでも変わらずあるということだ。

 どんな書籍にしろ,半分は編集力。すなわち,編集者の力量。何を採用して何を捨てるのか。価格設定・媒体・判型など,考えることはいくらでもある。

 なお,やはりマンガでも電子書籍購入には至らない。寝る前に読めるのは紙媒体の特権である。目が痛くなる前に眠くなってしまうからね


【オーイ!とんぼ】第46巻「答合せが楽しい!」のは釣りも同じ!

2023年09月19日 00時00分00秒 | オズマの読書感想文


第46巻。立ち読みの記憶はあるが。

 定期購読に等しいレベルで全巻コンプリート状態

 主役が「イガイガ」こと五十嵐一賀(いがらし・かずよし)に交代して,いよいよタイでのプロテストに挑むことになる。

 連載開始時に「50間近」だったイガイガは,たぶん50数歳。ほとんど同い年

 体力が猛烈にあるイガイガ。元プロゴルファーだけあって,それはよし。

 でも,やはりこの作品の素晴らしさは「セリフ」にある。


ゴルフも答合せ。釣りとまったく同じじゃないか。

 バス釣りに限らず,釣りで要求されるのが「答合せ」を楽しめるかどうかだと,子供の頃から感じていた。言葉として理解したのは下野プロが『Fishing to Bassing』で語り始めてからだけど。

 ヘラブナ釣りというとても奥深い釣りがあるし,僕もかなりやり込んだ。しかし,その結果は惨憺たるもの。とくに管理釣り場では,隣が50匹で自分がゼロなんてことはしょっちゅう

 釣り自慢を子供の頃から誇ってきて,正直ヘラ釣りではかなりいじけた。野釣りならなんとかなるかと頑張るも,水郷では巨大なレンギョとの格闘が走馬灯のように浮かんでくる。

 それでも「エサ」「ハリスの長さ」「糸の太さ」「おもり」などなど,幾千もある「組合せ」を考えて,「答えが決まった」というときは嬉しかった。実際,学生時代は釣り研究会のヘラ釣り大会3連覇。たかだか10数名での大会(年1回開催)だったが,あまりにも釣る自分にライバル心を燃やす後輩を頼もしく思ったもの

 ゴルフもそうだろう。自然が相手のスポーツ。体力は釣りのレベルなど比較にならない。

 ホント,ハッシュタグ検索しても自分の記事ばかりヒットする。ゴルファーはかなり居るはずなのに,『オーイ!とんぼ』読者は少ないのだろうか

 とにかくTVアニメが楽しみだ。HDDレコーダー,壊れませんように


【ネタバレ注意・ガンダム・ピューリッツァー】キッカを主役にするとは...。なるほどの切り口だ。

2023年08月31日 00時00分00秒 | オズマの読書感想文

【cv.古川登志夫】『機動戦士ガンダム ピューリッツァー ーアムロ・レイは極光の彼方へー』コミックス第2巻発売記念PV

 

 この本を,たまたま会社の近くで見つけて,自宅近所で買った。

 試し読みはなかったが,「惹かれる」内容が予感された。もしかして,自分はニュータイプ(笑)?

 ネタバレになってしまうのだが,キッカの15年後を描いている。

 ガンダムは宇宙世紀であり,主役というよりは群像劇で進んでいったから,いくらでも主人公は変えられるとも言える。

 もしかして,ここまで予期して原作を用意したのだろうか,富野由悠季は。

 ガンダム放映開始からすでに44年である。小学生のときに放映されていた番組で続いているのは,「サザエさん」「ガンダム」「仮面ライダー」,極稀につくっている「ルパン三世」だろうか。

 それにしても,カドカワって本当にメディア会社だよね。

 「野生の証明」「セーラー服と機関銃」で「カドカワ」の名前を知った自分。

 そういや,角川三姉妹と言われた,薬師丸ひろ子・原田知世・渡辺典子だが,個人的に渡辺さんの近況を知らないよ...。ファンの方,スンマセン。


【紙文化を支持する】マンガはとくに「紙」なのだ。

2023年06月09日 00時00分00秒 | オズマの読書感想文


最近はネット通販で予約することが多くなった。

 会社の近所が神保町なのに,書店の街・神保町だったのに,本当に「紙」の扱いは冷遇されているように感じる。

 2000年代初頭まで苦労しなかった書籍の購入が,本当に「売れているもの」しか書店が置かないようになってしまった。

 神保町でこの状況であるから,地元になるとさらに悲惨である。

 そんな中,『アオイホノオ』『Dr.Eggs』をネットで予約購入した。

 まあ,毎回のようにレビューしているので,今回はとくに感動した部分だけにする。


マウント武士なる新アシスタントがホノオの心を読みまくる。

 創作であるマンガとは言っても,いままで「天使の尾東さん」「謎の漫画家・樺上さん」らが出てきて,それはそれ...という感じだった。

 ところが,このマウント武士はイイ。なんといっても「心にズバッと」入ってくる

 そういえば,自分はしばしば80年代アイドルに詳しいとか勘違いされたこともあったが,いまとなっては「俳優が好き」である認知に変わった。何度も書くが,倍賞は美津子さんですよ,と。

 三田紀房の「とにかく楽しんでしまおう」というノリで書かれる新しい分野開拓は,他の作家の追随を寄せ付けない。独特な絵に好みも分かれるだろうが,『アルキメデスの大戦』でみた牟田口廉也は実に本人ソックリだった。

 『オーイ!とんぼ』『アルキメデスの大戦』『Dr.Eggs』,そして『アオイホノオ』。まだまだ連載が続いており,継続購入は決まっている


【オーイ!とんぼ・44巻】結果よりもやりたいことをやりきる,か!

2023年05月08日 00時00分00秒 | オズマの読書感想文


来たあ,ついにこの帯が。

 もうね,新刊がでるたびに「帯の文句はどうなっているのかが一番気になってますよ。

 ゴルフマンガでアニメ化されたのは,『あした天気になあれ』『プロゴルファー猿』ぐらいなもの。どちらも楽しいアニメだったと記憶しているが,なにしろ1980年代だ。

 21世紀も20年が過ぎて,2024年。ついにトカラの島から「解き放たれる」のだ


結果よりもやりたいことをやりきる,か。

 セリフの一つ一つに感じる原作者の魂。ここに僕は「バスフィッシング」と同じものを感じているし,そう感じる釣り仲間(oiさん,哲さん)も居る。

 仕事の連続では得られない釣りの非日常感覚。しびれるような一瞬。それが忘れられなくて釣りが続いている。そしてそれがルアーだからこそ感じるものがある。

 まあ,ホントいまなら公式HPでの立ち読みとかもあるので,電子版でいいから読んでみてほしいな