トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

* 「丘に立つ」

2011-03-31 | 大震災

               水を焼き山を焼きたる大津波

               青き踏む場所無きほどの瓦礫なり

               踏み絵ならまことに酷き四苦八苦

               春の夢覚めて欲しかり地獄絵図

               幸の海生業の海憎き海


こんな所に

2011-03-31 | 水辺環境の保全

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 水路の傾斜部は侵食防止のため丸太を埋め込み、その間に玉石を置いて河床にしてあるのだが、出水のたびに石が流され深く掘れてきたので、再度玉石を落とし込んだ。玉石の長径は50cm近くの石ばかりだけれど、さすがに転がしてくるだけで息が上がってしまう。

 高さをそろえるために石を移動させていたら、ヤゴとカエルが現れた。「こんな所に!」と思わざるを得ないのだ。雨が降ればドッと出水するし、降らなければチョロ水の水系なのである。石の下には浅い水溜りがあるけれど、まさかヤゴが生息しているとは思っても見なかった。写真の中には種類の異なる二匹のヤゴがいる。近くにもヤゴはいたから、結構生息数はあるように思えた。

 もともと、こんな手間隙を掛けているのは生息環境を安定させるために行ってきた作業だけれど、生息を目の当たりにすると嬉しいものだ。ただ3月も末日だと言うのにヒキガエルの産卵は無いし、ツバメの初見もしていない。コブシも桜も開花が遅れていたから今年の春は例年に無く遅いのだ。異常と言ってよいだろう。


** 「労働者」

2011-03-30 | 大震災

        再勇気絞りて建屋に潜りこむアラーム止まぬ無間地獄へ

        食少な床の仮眠でまた作業戻るもならぬ帰るもならじ

        自嘲してドンキホーテや想う間も無きほど疲弊建屋に挑む

        想定害叫びたきほど先見えぬ最悪避ける最悪作業

        職務ゆえ浜の被爆で倒るとも世に終末の種は尽きまじ


林内整備

2011-03-30 | 今日は真面目に

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 久しぶりに林内の活動だ。昨年、日照障害になる常緑樹を除伐して、そのままになっていたのを集積した。見た目もスッキリしたが、欲を言えば落葉掻きをしておきたかった林床なのである。結局、今期も手付かずになって適期終了となった。

 落葉樹の葉が茂らないこの時期に林床へ到達する日射は1割から2割程度の状態だから、夏になると木漏れ日さえなくなる林内だ。せめて夏場でも木漏れ日が落ちる林床の日照条件に調節したいのだが、周囲は20m近い大木が殆どで樹冠を接しているから、抜倒するのにウインチを掛けて引き倒さないと倒れてくれない状況にある。

 牽引具を使用すればいいのだが、数万円もする物を購入して危険作業をするのは少々割が合わないのだ。講習指導は受けたものの、木の大きさをみるとプロに任せたい。しかしプロは入らない。まあ、倒れ易い木、混み入っている部分の除伐を積み重ねて、ようやく到達した環境だが、若い森に更新させるには何年かかるのだろうか。当初に比較すれば別格にはなっているのだけれど・・・。


** 「人」

2011-03-29 | 大震災

        既にもう乳房は枯れて乳は出ぬせめて一口この子のために

        七日経ち口にし物は一日分今日のしあわせ熱き味噌汁

        板張りの冷たき床に毎夜伏し水に伏す者祈りて眠る

        能の面付けたる中の太郎冠者ほぐして支え阿修羅のごとく

        口報は恥を曝して矢面に建屋作業は命を曝す


侵食防止

2011-03-29 | 今日は真面目に

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 鞍部にある溜池1からの漏水が遊歩道の急斜面を浸食していて歩き難い場所になっている。何度か脇の水路に水流が向かうよう溝切りしてきたのだが、踏み跡を流れる方が抵抗がないせいか、一年もすれば役立たずになる。

 やっと思い立って丸太を埋設し水を脇の水路に誘導するように作ったのだが、普通に見れば「なんて下手糞!」と思われるに違いない。丸太は水平でなく、やや傾斜を付けて埋め込んだからだ。「見かけより実態!」と近くの林内から間伐した材を用いたのだが、これにより周年ジクジクと乾かないで川原の様な遊歩道の状態が良くなるだろう。

 とりあえず片付けたものの、今度は侵食防止より歩き易さの方が目に付いて、結局はこの下部の水が流れていた部分に段差工を施すことにした。毎度のことだが、一つ事が済むと芋蔓式に次の作業が出てくる。貧乏暇なしだ。


* 「春」

2011-03-28 | 大震災

               海起ちて町押し潰す春の午後

               大津波断舎利強いて一人春

               助かった言えぬ後先春の海

               原死炉で壊滅四県かすむ春

               限りある命拾えど春悲し


甘酒が飲みたい

2011-03-28 | 何よりの楽しみ

Photo_3  時々、甘酒が飲みたくなる。甘酒だけでなく発酵食品は大好物だし、郷里の冬の漬物で糀をたっぷりの物、名前は忘れたが味わいだけは覚えている。

 市販の甘酒は、濃縮加糖しか店頭に並ばなくて、時折購入はするものの甘すぎる代物だ。先日、別のスーパーで「昔ながらの甘酒」と言う名前のパック入りがワゴンに入っていた。そのまま籠に入れて家で飲んでみたところ、これもとんでもない代物だった。酒粕に加糖しただけの物だった。

 そんなことで、自分好みは作るしかないと考えて糀ともち米を買ってきた。白米でも良かったのだが、拙宅には玄米しかなく、どうせ作るならともち米を奮発したのだ。

 もち米2カップをお粥で炊いて、所定の温度まで湯を加えながら薄めて糀を混ぜた。保温しながら一晩置いたら、微かな甘味と味わいが乗っている。電気釜の保温温度は適温より高そうだったので、次回は保温調理鍋か電気あんかで保温してみるつもりだ。

 作業に出かける前に保温調理鍋に移し変えて午後、帰宅してから一杯飲んでみた。米粒の表面の分解も進んで粒粒がホワッとしている。甘いと言うことも無く穏やかな甘さだ。生姜を購入するのを忘れたが「飲む点滴」で作業も気合が入るか・・・。

 寒い被災地で生姜入りの熱い甘酒をたっぷり飲めたら身も心も温まるだろうに…、少し申し訳ない。


** 「明日と言う字」

2011-03-27 | 大震災

       みちのくの奥の細道まだ先は支援なかりき肩寄せ生きる

       津の波に濡れて乾けばただ痒きせめて浴びたやカラスの行水

       崩れたる家をこほちて炊き出せば方丈記の災そのままなりし

       荷を運び握りを配るこの子等が滲むまぶたに復興を覚る

       忍辱も命枯れれば無かりけり生かされし者ただ明日を見る


スジグロシロチョウ初見

2011-03-27 | 小父のお隣さん

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 白い蝶が飛んできた。すぐにスジグロシロチョウと思った。どういう訳かモンシロチョウの飛翔は殆ど無いのだ。だから白い蝶=スジグロシロチョウと思っている。モンシロチョウがいないのは、良く集まると言う菜の花畑がないからかとも思っているのだが、黄色い蝶も殆どがキタキチョウだ。

 モンシロチョウやモンキチョウは姿を見ないのが通例だが、里とは言え谷合いに入ってしまうから環境として好まれていないとしか思えない。だからと言って集落のある周辺に飛翔しているかどうかは知らない…。

 それでも白や黄色の蝶を見ると春を実感する。初見で早いのは概ねタテハチョウの仲間なのだが、小生が首を長くして待つのは白や黄色の蝶なのだ。当地のソメイヨシノは開花宣言が出たが、月末にはツバメが飛来するはずだ。でも寒さでヒキガエルの産卵が遅れているからどうなるやら。まして東北はまだ雪の日々なのだ。


** ホアンホアン・インイン  合コン編

2011-03-26 | 大震災

 広報恥を かきかき続く

   現場命を 欠き縮む ハア コリャコリャ             駒子姐さん

 広報現場に 出してはみたが

   現場じゃお邪魔 役立たず ハア コリャコリャ         孫受

 水切れて炉心溶融原始力                      砕先端

 設計上二炉ある事は三炉ある                    慟理

 何時の世も象の不始末蟻が負う                  蟻臥倒

 1号炉メルトダウンで保安院迷答ダウン文質貧品        穴窮

 連鎖してパンドラの箱開けたれば黄泉の浜辺で釜渡りかな  野巣虎駄夢

 悪しき芽を幕で蔽いて幾年か水斧出して断つ様となる     トロル


根笹刈り

2011-03-26 | 今日は真面目に

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 三月の定例会で林内を片付けた場所の根笹を刈り払った。フイールドとして担当する前は一面の根笹のヤブで、立ち入る隙間も無かったが、刈り払って5年は経つのに根笹のひこばえは元気で周年伸びてくる。

 この時期はまだ林床が青々としていないので、根笹やノイバラ、ヒサカキなど除伐したい常緑樹の幼樹が良く区別できるのである。

 ここ何日か冬の気温で寒いけれど陽射しは春の陽射しだ。刈り払う総量は少ないが、歩く距離は草刈り盛期と殆ど変わらない。根笹は地表に小さい株を形成しているものから、ツンツンと伸びているものまで様々だけど、その一つ一つの根元へ斜めに刈り刃を入れて刈り払うので、水平に刈り払うよりどうしても手間が掛かるが、衰退させるためには必要な手間なのだ。

 午前、午後とかけて周辺の気になっていた部分の刈り払いが終わった。見た目もすっきりして作業をし終えた実感がある。ここが豊かな雑木林になる頃には自分は居ないのだと思いつつ。


* 「無常尽々」 合コン編

2011-03-25 | 大震災

           うつし世で黄泉の原見るこの地獄    大悲

           見渡せば無常の跡は果ても無い     興坊

           分け入るを阻む瓦礫の黄泉の森    惨濤禍

           悲しみを背負い無縁と今日も縁      無明

           合わすのみ三世諸仏よ阿弥陀仏    遍朗

          


朝日に匂う

2011-03-25 | 小父のお隣さん

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 全国に先駆けてソメイヨシノの開花が確認されたとの新聞記事があったが本当だろうか。23日に市役所に出向いた折、お堀の周りはまだ蕾が固かった。

 その記事に触発された訳ではないが、事のついでに小生が知るかぎりトップで花をつける山桜を見に立ち寄ってみた。まだ周囲の裸木はようやく萌え始めた程度であったが、新葉の展開がそれと判るのは、この山桜とズミだけだった。山桜の赤い葉と花は地味であるけれど気を引くのは、故郷の春の訪れの記憶に重なるせいなのだろう。

 山桜はほとんど実生の野生種のせいか個体差が大きくて、ソメイヨシノのように一斉に開花しないのが良い。孤高としてそれぞれ自分を保っている。考えてみればソメイヨシノは日本全国同一個体のようなクローン種だから無理も無いか。


** 「春彼岸」

2011-03-24 | 大震災

     制御無き核のお釜が並び立つヒーッフゥーッ見い余苦界は続く

     彼方まで打ち砕かれし故郷は探すもならぬ逃げるもならじ

     取り崩す無常の山のまたここに此岸を去りし人おわします

     お中日瓦礫を取れば慟哭の寒き日背に春の陽優し

     うつし世を皆もろともに破壊され夢砕けても彼岸をここに