トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

ボディケア

2011-07-31 | 小父のお隣さん

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 リンゴの木の下に大きな糞が落ち始めた。仔細に枝の先端部を探すと大きな芋虫が葉裏にいた。尾角があるからスズメガの仲間だと見当はついたが名前までは判らない。先年発生したヤママユガでなかったのが残念だったが、幼虫の緑の表面は美しいものだ。松葉杖で下まで寄り、写真を片手で撮ったが、位置関係に不満はあるものの上出来だった。

 ネットで検索して「モモスズメ?」らしい。親の姿は見たくないから、それで打ち切ったのだが、食べて寝て、とばかり思っていた幼虫は、けっこう身づくろいするのである。頭部が象の鼻のように伸びて、体前方から後方まで念入りに口を使ってケアを行っている。

 バッタ、トンボ、カマキリなどの成虫がケアするのは目にするが、幼虫がケアするなんて考えもしなかった行為だ。その後、動きを止めて静かになった。昼食後に目をやると、もう先端部の葉は無くなっており、別の枝に移り食事の真っ最中だった。

 おっつけ、リンゴは丸坊主になるのだろう。樹下にあるウマノスズクサは一旦は丸坊主になって復活したのだが、再度の産卵で坊主寸前だ。


**万瘍衆   温故痴新編

2011-07-30 | 大震災

 四つの船はや帰り来としらか付け朕が裳の裾に斎ひて待たむ     孝謙天皇

     黄泉の船もし還り来ば白飯つけ我が喪の父祖地斎ひて待たむ  いちる

 今日よりは顧みなくて大君の醜の御楯と出で立つ我は          防人

     今日よりは顧みなくて大災に四方の御楯で生き経つ我は      断涙

 世間は数なきものか春花の散りのまがいに死ぬべき思へば      大伴家持

     世間は数亡き者が春花と散るを紛うて死ぬ辺来重い場       亡膳

 なでしこが花見るごとにをとめらが笑まひのにほひ思ほゆるかも   大伴家持

     撫でし子に花挿すごとに乙女らの笑まいのにおい頬緩むかも   鼻下爺さん


ツマグロヒョウモン

2011-07-29 | 小父のお隣さん

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 雨模様の日々が一段落した昼下がり、ツマグロヒョウモンがブッドレアの花に来た。

 来訪するチョウは、ナミアゲハ、キアゲハ、ジャコウアゲハ、モンキアゲハなどの大型のチョウが多く、ツマグロヒョウモンは珍しい。

 アゲハに比べると比較的長く花に留まってくれるので撮影はしやすいのだが、庭でめぐり合う機会は少ない。フイールドなら早春から初冬まで長期間普通に見られるチョウなのだが…。

 チョウのほかにはハグロトンボも時折やって来るが花目当てではない。地表近くを飛び飛びに伝い飛んでくる。これはチョウほど一箇所に留まってくれないから、見つけてケータイの電源を入れても、撮影できる状態の時には視野から消えて、今もって撮影できていない。

 動けない身でも歯磨きは出来るから「オハグロ」にはならないけれど、ギプス先端の足の先は鬱血し易く「ツマグロ」状態だ。動けている時は、座っていても鬱血状態など無かったのに、ふくらはぎの筋肉が「第二の心臓」と言われる理由が理解できる。

 時折は脚を上げたり、指の屈伸運動をするのだが、一時的に回復するだけである。小生も昆虫とさほど変わっていない。


*つぶやき

2011-07-28 | 性向有毒の翁なれば

Photo わたしゃ金座の奸菅無数迷      直人

 臣は名のみの口の寒さや       兜無視

 今日もまた半端か菅と空花火    どげんか線

 飽きの蟲菅単のみになりにけり    糞ころがし     

 奸総理癇忍怒末ぼっかむり      舞妓


クマゼミ鳴く

2011-07-28 | 小父のお隣さん

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 早朝、留意していたはずなのに羽化を見逃してしまった。今日は山椒の葉裏で羽化した。空蝉の特徴は確認などしなかったが、上部のリンゴの枝にクマゼミがいたから「クマゼミだろう」。

 この夏の家の周囲は、虫の音が例年に比較して本当に少ない。リンゴの樹に群れて鳴いていた昨年までとは全く異なり、27日にようやくクマゼミが庭で鳴いた。未明に聞いたミンミンゼミ以来である。テレビ番組でも「セミが鳴かない」と報道しているから全国的のようだ。

 今日、28日は朝からセミの合唱が聞こえる。アブラゼミもクマゼミも一緒だが、既に春先のオオスズメバチ捕獲数の極端な減少は、こんな異常の前触れだったかもしれない。

 鈴虫やキリギリスもそうだが、この分だとクツワムシやアオマツムシも聞けないかもしれない。まさか放射性降下物のせいでもあるまいと思うのだが、そう確信が持てないのが、今の日本の現状だろう。成人した頃に読んだ「沈黙の春」をうっすらと思い浮かべてしまう。

 奇しくも深夜帯で「放射性廃棄物」についてのドキュメンタリー番組があった。どこの国でも同じようなことをやっている。と思っていたら「事故車両の粉砕埋設」や「爆破・自動小銃乱射」がニュースになっている。今年は涼しい夏である。


ツノトンボ

2011-07-27 | 小父のお隣さん

Photo_6  庭にゴザを敷いて暇つぶしをしていたら、花壇の中で羽音がする。ハチかと思いビビッたのだが、トンボだったのでほっとする。なにせギプスの脚では逃げ足には役立たない。

 最初、オオシオカラトンボのメスと見ていたのだが、どうも様子がおかしい。良く見たらツノトンボだった。自宅周辺で観察したのは始めてである。

 念入りに撮影したいと思っても、ゴザに横たわるギプスの身では接近すら出来ない。右手をいっぱいに伸ばして片手撮影するしかなかった。一旦は手の届くところまで地上で羽ばたき寄って来たのだけれど、撮影するのに採集や手を触れて状況を整える事はしないできたから、今回もそのままだ。

 陽に焼かれ、藪蚊に食われて痒い思いをしたが、良い暇つぶしだった。


*我が身の連想

2011-07-26 | 今はうたかた

Photo義足つけ空き缶前に復員者アコーディオンの軍歌は寂し

白衣着て家々渡る門付けの戦闘帽に違和感強し

家々を一本脚に下駄はいて傷痍軍人ハーモニカ吹く

越後御前唄う声音の心地よさ米を投げ入る留守居の我は

死亡記事最後の御前は長寿なり我が家門付け我は聞いたか

肩に手を御前三人は通り過ぐ押さえた三味線手甲緋色


空蝉

2011-07-26 | 小父のお隣さん

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 早朝四時過ぎ、未明のまだ薄暗い時間に、遠くでヒグラシの鳴く声が聞こえた。

 7月2日にアキレス腱断裂してから蟄居状態だからセミの声の「初聞き」である。窓から見える山百合の花は台風で散ってしまったが、その下の葉裏に空蝉が見える。

 例年だと、庭にはクマゼミとニイニイゼミの抜け殻を見出せるのだが、今年は一個だけである。そういえば周囲でクマゼミもアブラゼミも鳴き声を出していないのだ。

 二番子を巣立ちさせていたツバメも今年は一番子のみで、早朝白み始めた頃からのさえずりは聞かれなくなって久しい。家が立ち並んで採餌する環境が減少したのが原因だろうが、蟄居状態の身には、なんとも寂しい限りの朝なのである。ギプスの中は空蝉のように空っぽに想えて、自身も「鬱背身」状態だ。


ムラサキシキブ

2011-07-25 | 小父のお隣さん

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 野鳥が落とした糞から発芽したムラサキシキブが花をつけた。紫の実は秋に見かける常連だけれど、花は見たことが無かった。動けなくなった身で、窓辺に寄っているから目に付いたともいえる。

 蕾は白く、ちょうどマッチ棒の先端の様でもあるが、花は当然小さく、かつ白い。これと言って取り立てるほどの特徴も無い様に思えるのだが、監禁同様の身の上では、こんな物でも「価千金」である。なでしこジャパン監督なら「あたいインキン」なんてギャグを言うかどうか考えてみたが、「それは言わないだろう」の結論に達した。理由は「ギャグにならないから」だ。既に「in金」の身であるから…。

 まだムラサキシキブの実は色付くに早いけれど、ベットはすでに紫敷布になっている。高貴な身だから紫敷布を使用しているのでも紫が好みでも無い。ただ「涼感マットシーツ」は薄紫一色だけだった、それだけの事である。


*宰相蛭居ぬ

2011-07-24 | 小人閑居して憮然

Photo    アジが好き私言宰相またなめろう

    最低で辞める宰相病める癇

    この月も癇は蛭居ぬ血は止まぬ

    言の葉も菅は三法メルトスルー

    駄々こねるお上少年漢奸脳


*お手上げ

2011-07-23 | 感じるままの回り道

Photo_3      開け放つ家を駆けゆく風小僧

      庭草の温度計なり今日も伸び

      夏の庭ギプスのこの身打つ手なし

      日々喰われ枝は坊主の大暑かな


酷興

2011-07-22 | 感じるままの回り道

Photo_2   台風一過の空の雲を眺めていたら赤いリンゴが目に飛び込んできた。熟すには時期尚早だがと思いながら「頂くか」と立ち上がって覗き込んだら、上半分が腐っている。

 東北の復興を願い頑張って色付いたのではなかった。小生的には「赤いリンゴに唇寄せて…」の歌の様にイメージしていたのだが、美空ひばりの「りんご追分」のイメージになってしまった。

 品種は「国光」で酸味の勝る硬いりんごだが、リンゴらしいリンゴで「王林」と共に好きなリンゴなのだ。傷んだ所を切り捨てれば食べれないことはないが、今の日本を象徴しているリンゴに思えてきた。

 下々は、少しでも早く実りを上げなければと必死なのに、上は腐りきって手の打ち様がない。「国光」が感じられないし「国興」も期待できない。我が祖国は、被災地に任せた「酷興」の真っ只中だ。そんな中、7月としては記録的大型台風が逸れてくれたのは天の恵みか…。

     722人永田策なし人で無しなでしこ凱旋魁皇引退


*庭の山百合

2011-07-21 | 小父のお隣さん

Photo_3   白々と明けゆく庭に百合開く

   山百合の香りしじまに溢れたり

   丑三つの庭に浮き立つ山の百合

   クマバチが止まれば揺れる斜め百合

   茫々の庭の山百合一人勝ち


蝶を呼ぶブッドレア

2011-07-20 | 感じるままの回り道

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 野草の生育最盛期に草取りもまま成らない、と言うより出来ない身では、敷地に繁茂する夏草は伸びるがままで、指をくわえて見ているだけだ。だからと言って「おいしそう!」と感じている訳でもない。

 すっかり「ワイルドフラワーガーデン風」になってしまった庭は、フイールドに出かける事の出来ない身にとって、少しばかりの慰めにはなる。そんな中で、ひときわ背丈が高いブッドレアにしばしばアゲハチョウが訪れる。

 ブッドレアは「蝶を呼ぶ花」として定評があるが、小生の今の身ではチョウ一頭でも大きな慰めだ。期せずして変なところで役立ったブットレアでもある。

 暑い盛りの日中に軽やかに舞っているアゲハチョウは涼やかでもあるが、窓を開け放っただけの居間にいる身にとっては汗だくの室温だ。きっと今頃は、林道の湿った場所にアゲハが群れて吸水しているに違いない。アオスジアゲハの集団吸水も見れる頃でもある。

 そんな中、トロル小父の今は、群れずに孤高として蒸れて居間にいる。そしてペットボトルからしばしば給水しつつギプスを外す日を待つのだ。


私は寝中症

2011-07-19 | 感じるままの回り道

Photo_7  庭の山百合が満開になった。フイールドの山百合はこれから満開になるのだろうが、今期の出会いは熱中症ならぬ「寝中症」で不可能である。

 何本か開花株の心当たりがあるのだが、開花すれば目立つ大輪の花なので、盗掘され消えているかもしれない。ササユリについで山百合も繁殖用に採種したかったのだが、今期は夢と潰えてしまった。

 庭の山百合は採種できるだろうが、自生種ではないのでフイールドには播種不可能だ。庭で眺めて、蝶の舞うのを眺めて楽しむ程度なのだ。

 園芸種はオリエンタルハイブリッド系のカサブランカに代表される百合が主流だけれど、野生種の美しさには及ばないし、流行とは言え草花の園芸種のカラフルさには辟易する。これも「熱中症」の範疇なのだろう。