まい・だいありー・ばい・えむ ~都わすれ~

振り返れば、まんざらでもない日々をめざす雑記帳。

手術後5日目 退院【24】

2019-10-28 22:20:53 | 卵巣嚢腫と子宮頸部ポリープの記録
雨は雪へと姿を変えていた。
シンシンと降っている。


朝食時、間違って牛乳がでる。
献立表の紙に「私、牛乳不可です。今日退院だから
もう大丈夫です。」とメモ書きした。
多分、読まずに捨てられると思うけど(笑)


この病院では朝8時30分に“カノン”が流れる。
朝日が差し込む明るい部屋で聴くカノンに癒された。
これは、多分看護師さんの申し送りの合図だと思われる。


久々のジーンズ。
柔らかい素材のジーンズで痩せたためウエストブカブカで問題はないが
ベルトを外し、お臍に当たらないようにした。
お腹の手術だ。普通は、ワンピースにするものだろう。
この辺も考えていなかった。

9時頃、看護師さんが今後の生活の注意書きと
次回診察の予約票や請求書類をくれる。

えー、次の診察って1か月後~!
2週間後とかじゃないの?大丈夫~?
と不安な気持ちになる。

「ひどい出血やひどい痛み、発熱したら連絡下さいね」とだけ。



10時前に病棟を出る。
ナースステーションの前で
「お世話になりました、有難うございました」と
声を掛けるが、みなさん忙しそうで
軽く「お大事に~」と言われたようなそうでないような?

規模の大きな病院で長期の入院ではない私。
私程度の手術はそれこそ手にできたイボを取る。くらいの感じなんだと思う。

卵巣嚢腫で手術した他の方のブログを読むと
摘出したものを画像で見せてくれながら医師から説明があったり
予後についての説明も医師からあったりと
丁寧さを感じられたけど、私の場合は、
医師がというより病院のシステム的にあっさり?なのかなと感じた。

看護師さんの対応も淡々したと感じで、人見知りのしない
すれ違っただけで誰とでも友達になれるくらいの勢いのある
私の性格でも、看護師さんとも親しくならなかったし
婦人科で、深刻な病状の方も多かったようで、
とてもそんな雰囲気ではなかったが、
掃除に来てくれていた女性の方とはよく話したな
「あなたが退院すると淋しくなるわ」と言ってくれた。



1階は、いつものように多くの患者さんで溢れていた。
今日も、私と同じように不安な気持ちを抱え
ここに患者さんが来るんだな・・・と思った。

クレジットカードで精算し、診察券を返してもらった。

正面玄関をでる。


「久しぶりのお外~」みたいな感覚もなく、
本当に一泊二日のような・・・



タクシーに乗る。
お腹を少し屈めながら。

雪が降る中、タクシーはわずか5分で自宅に着く。

ドアを開けると、すぐに私の大きなキャリーケースが、ドンと・・・
懐かしい我が家の匂いにホッとした。



トムくんの写真に
「ただいま~^^無事帰って来れました。
守ってくれて、ありがとうね」と報告した。





1月16日

歯科プロフェッショナルケア¥3450-



平成30年1月16日~1月22日(六泊七日)
入院手術代¥57600 ※限度額認定証利用
食事代  ¥5400
特別室使用料¥36400

合計¥99400



1か月後、再診。

「お久しぶりです」

「あー、^^どう?お臍。」

あれだけ患者さんがいるのに憶えているのか・・・

「えぇ・・・まぁ・・・・」

苦笑いである。

「順調、順調。全くもって心配ないよ。
嚢腫もポリープも良性だったよ~。
もう、ここには来なくても大丈夫だからね~^^」



おしまい。


長い連載となってしまいました。
読んでいただいた方、有り難うございました。
お腹の傷はすっかりと消えて体重もすっかり元に戻りました(笑)

医学は日々進んでいますね。
案ずるより産むが易し&まな板の上の鯉を身を持って経験した私でした。
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手術後4日目【23】

2019-10-27 11:55:45 | 卵巣嚢腫と子宮頸部ポリープの記録
【2018年の1月に卵巣嚢腫の手術を受けました。
これは、その手術に至るまでのお話しです。】


久しぶりの採血。
それから尿検査があった。
この尿検査は初めてで、入院前も手術前もなかった。
退院間際の尿検査は何のためなんだろう?と
思うが聞かなかった。
出血をまだ若干してるので、その旨伝えると
「大丈夫です」検査に影響はないとのこと。
潜血ではないね?腎機能かな?

あ、入院した時に久しぶりに身長を測った。
162cm。昔と変わっていなかった。
体重は、一層減っていてちょっと怖かった。

外は雨が降っている。
寒そうだ・・・。

午後から、退院診察があった。
内診台でエコー検査。順調との事で傷の治りも良い。

明日の退院許可が出る。


あっという間の1週間。
なんだか、自分が手術したことが夢だったかのような
感覚だなぁ・・・

夫が仕事だから迎えに来れないので
キャリーケースを取りに来てもらう。
手荷物だけにまとめるが思いほか、多くなり
結局ローソンで大き目の紙袋を買う。

暇なので、またまた院内散歩。
救急外来が昨日にもまして患者さんが一杯。
インフルエンザがピークのようだ。

友達に許可をもらい、もらったバスケットの花を
ナースステーションに持って行きカウンターに飾ってもらう。


血圧のこと。
元々高めで、上が145下が90位なので降下剤は服用しているのだけど
病気が分かってから測ると上が受診時は180以上がざらだった。
手術前も180以上だった。
それが、手術が済むと130程度になった。
血圧はストレスでこんなに影響するのだと実感した。

ストレスは全ての病気の根源だとも言われているけれど
それを感じないようにとかって無理な話なわけで・・・

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手術後3日目【22】

2019-10-26 11:58:55 | 卵巣嚢腫と子宮頸部ポリープの記録
【2018年の1月に卵巣嚢腫の手術を受けました。
これは、その手術に至るまでのお話しです。】



毎日確実に傷が癒えてきていると実感する。
なるべく歩く。暇なので院内を歩きまくる。
屋上にも行こうとしたが寒さで断念。


この日は土曜日、一般の診察は無いけれど、救急外来はある。
インフルエンザが流行しているので多数の患者さんで溢れている。
マスクは必ずつけてウロウロ。
背中も随分まっすぐになってきたけど、やっぱりお腹をかばう体勢だ(笑)

この日も炭酸ガスによる左肩の痛みは襲ってくる。
なんで、左肩だけなんだろ。
痛みは仕方ないことだけど辛ければ鎮痛剤を
出しますと言われたが横になると楽になるので断る。

喉のイガイガが全く治らない。
これが気になって仕方ない。


朝ごはんが済むとすぐに昼ごはん。それが済むとすぐ
夜ごはんといった感じでご飯に追われる。
お腹は空かないから困る。

シャワーの時にお腹の傷を見ると
貼ってある紙製のテープがペラペラとなって取れそうだ。
いや、体を拭いたら取れた。
看護師さんに言うと、剥れたままで良いですよ。とのこと。
えー・・・こわいじゃん、もういっかいなんか貼って~と思った。

でも、あれだな、すごーく良く切れる包丁で指きるとすぐに治る。
傷の断面が滑らかだとつきやすいのかな?

傷は位置的に、左右に盲腸のあるところ1ヵ所づつこれは1cm位。
お臍の左横にも1cm強が1ヵ所。
それから、恐怖のお臍。これは紙テープが血液の塊でひっついている。

このお臍の部分から腹腔鏡を入れるので傷が一番大きいらしい。

そうそう、夫に「卵巣見た?」と聞くと
「う・・うん・・・」とモゴモゴ
「どんな感じ??写真、撮ってくれたよね?」
「いや、撮ってない」
「なんでーーーーー、もう~私は見れんってこと?!」
「なんか、丸くはなかった。ぷにゅぷにゅした感じ」
「えーーーーー、見たかった」

手術前に写真を撮るように言うのを忘れていたことをとにかく悔やんだ。
生まれたときから自分の中にあった卵巣。
気持ち悪いという方もいるだろうけど、私は見たい派だわ。

数年前に生まれて初めて抜歯した。
虫歯にもなっていないキレイな歯で、押し出されてグラついてきたからと。
抜いた歯を「下さい」と言えず、後悔した。

捨てられたのだろうか? 
それとも練習とかに使われて少しは役にたっただろうか?



この日は夜に友達がお見舞いに来てくれた。

「すべらない話」を観る。笑うとお腹が若干痛い。



2日後には退院の予定。早い。
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手術後2日目【21】

2019-10-25 12:03:08 | 卵巣嚢腫と子宮頸部ポリープの記録
【2018年の1月に卵巣嚢腫の手術を受けました。
これは、その手術に至るまでのお話しです。】


9時消灯だけど、個室なので起きてる。
でも、10時頃には寝てた。さすが病人。
2時間ごとに看護師さんが様子を見にくるようだ。
そーーーっと引き戸を開けて入ってくれるが気配で目が覚める。

朝食。食パンが出る。ほんのり温かい。ジャムだけ。
部屋の前がデイルームで温水茶サーバーや電子レンジ・トースターがある。
オーバーテーブルがそのまま部屋にあるので
ベッドを椅子にして座り食べる。
牛乳がでたので、看護助手さんに
「私、牛乳が苦手なんです~」というと
「まー、そうなの?ごめんなさいね~
ちゃんと聞いてなかったのね。いろいろあるよ~
ヤクルト・野菜ジュース・豆乳・のむヨーグルト
コーヒー牛乳・フルーツジュースとか何がいい?」

バラエティにとんでいる。
卵巣取ったことだし、イソフラボンが大事なので豆乳をお願いする。


看護師さんがお臍の絆創膏を交換にくる。
今までは、止血のために圧迫して×止めになっていたものを
サージカルテープの上から防水シートになる。
お臍以外の三か所は初めから紙製のサージカルテープが
貼ってあるだけだった。
テープにうっすら出血の跡。縫ってはいない。

でも、ちゃんと塞がれているようだ、不思議だ。

時々、傷口以外に卵巣があったと思われる場所が痛む。
そうよね~中も切ってるんだよね~と気づく。
傷口があまりにも小さいので、手術をして卵巣をとった。
という実感がないのだ。


あとは、寝返りを打つとお腹からボコボコという音がする。
空気が移動する感じだ。なんだこれ??
でも、腸の中という感じではない。

シャワーがOKになる。
やった~♪はやく髪が洗いたい。

スローな感じでシャワーを浴び、スローな感じで
髪を乾かす。

やっぱり個室で良かった。
自由な時間にシャワーを浴びることができる。
が、シャワーは看護師の数が多い日中にしてね。と言われる。


さっぱりしたし、病棟外も許可が出る。
1Fのローソンまで行ってみることにする。
ノロノロと若干腰をかがめて歩く。
前から人が来るとぶつからないようによける。


病棟への帰り廊下で、いきなり左肩に激痛が走る!

えっ!何!

痛さに思わず、手すりを持ちしゃがみ込む。
冷や汗が出るくらいの痛みだ。

病室にもどり横になる。何?何?すごく痛い!

横になると痛みが無くなる。
そして、起き上がると激痛。



パソコンで調べる。
原因はすぐに分かった。炭酸ガスだ。
手術の時にお腹を膨らませ術野を確保するために使われる。
徐々に抜けるらしいのだが人によっては、痛みが強くでるらしい。
あと、胸の圧迫感も・・・

せんせーい、こうなる事、事前に言ってよ~っ。

喉のイガイガが治らない。
そのうちに治るらしいが、
これが、けっこうイライラする。
風邪の引きはじめ?のような喉の違和感に似てる。
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手術後1日目【20】

2019-10-24 12:06:45 | 卵巣嚢腫と子宮頸部ポリープの記録
【2018年の1月に卵巣嚢腫の手術を受けました。
これは、その手術に至るまでのお話しです。】


朝7時過ぎ、看護師さんが来て
「ゆっくり体を起こしてみましょう」と

すこしづつ背上げをしてもらう。
腹筋に力が入る。
あら、大丈夫。全く問題なく、座位がとれる。

傷の痛みも痛み止めが効いているので
少し痛いかな~程度で。


尿カテを抜くと言う。
これは、痛いのか?!と身構えるが
全然痛くない、その後の排尿時にも痛みなし。

オムツが外れる。
何故にオムツだったのだろう??
尿カテの扱いがみやすい?

母の時は・・・あぁT字帯だったな。

清拭をしてもらう。が、体は汗をかいていないので申し訳ない。
自分のパジャマに着替える。
ベッド上で歯磨きをする。



朝食が来る。
ベッド上、オーバーテーブルで食べる。
おかゆではなく普通のご飯と柔らかい少しのおかず。
おかずは何だったか憶えていないけど、
ナスと玉ねぎのお味噌汁がかなり美味しく感じた。
思わず「美味しい♪」と声が出る。
こんなに美味しいお味噌汁は久々だ。
しかしながら、本当に美味しかったのか、
絶食後だからなのかよく解らない。
でも、美味しくて幸せを感じた(笑)



昼前、「立ち上がってみましょう」と看護師さん
点滴台を支えに立ち上がる。
問題なく立ち上がれる、傷は少し痛むが、ふらつきなし。

部屋の中を「ゆっくり歩いてみましょう」
これもスムーズに歩ける。
とはいえ、お臍や傷が痛いので腰をかがめながらソロリソロリと歩く。

「病棟内での歩行はOKですので、しっかり歩いてくださいね。」

了解です。
早速、部屋から出て廊下をすこしだけ歩いてみる。
よし、大丈夫。いける。



点滴が終わる。これ以降点滴はないので針も外す。
点滴から解放されるのが嬉しい。
痛み止めはロキソニンを飲む。
やはり薬が切れると痛い。

4か所ある傷口。
痛いのは、お臍が一番だ。。。
が、臍のゴマをとって痛くなったのとは違う痛みだが
やっぱり気持ち悪い痛みだ。



喉がイガイガする。

声も少し擦れている。

咳も若干でる。



夕方、ランドリー室に行ってみる。
洗うものは少ないが洗濯をする。

大丈夫、大丈夫。歩ける。
二往復する。



手術当日はお通じは無かったが、
夕方いきなり酷い腹痛に襲われお腹を壊す。
急に胃腸が動いたからか?

やはり個室で良かった。
気兼ねなくトイレに行ける

本人的には、一生懸命歩いているが
腰をかがめてるし歩くスピードはとても遅い。
だけど、癒着防止になるといわれてるので
病棟内を結構ウロウロする。

することがない・・・横になって音楽を聴いて過ごす。
こんなにのんびりとする時間が持てるのは何年振りだろうか。

ロキソニンは6時間ごとに出してもらう。

本当に思いのほか、大丈夫なんだなーと
医学はすごいなーと思う。

昨日、手術して今日は歩いてるんだもの。

窓の外は寒そうだ。
部屋の中の暖房は個室だが、部屋でコントロールできない。
適温にされているのだろうが、毛布1枚だと寒い。
もう1枚、毛布をくださいとお願いする。
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手術・当日【19】

2019-10-23 12:11:25 | 卵巣嚢腫と子宮頸部ポリープの記録
【2018年の1月に卵巣嚢腫の手術を受けました。
これは、その手術に至るまでのお話しです。】




2018年1月17日。

良い天気だ。
8時前くらいに夫が来る。
手術は8時45分、予定通りに始まるらしい。

2017年の8月6日、婦人科のクリニックを受診して
卵巣の腫れとポリープが見つかってから5ヵ月。
まさか、自分が手術を受ける身になるとは思いもしなかった。

下剤は腹痛はなく、朝にもう一度お通じがあった。
浣腸は無し、でも病院によってはするらしい。
何故に腸の手術でもないのに・・・とおもってると
手術当日は絶対安静なので、便意が起きないように。だそうだ。

薬はファモチジンとワイパックスを
少量のお水で飲むように言われる。

手術後の肺血栓塞栓症を引きおこす深部静脈血栓症の予防のために
弾性ストッキングをはく、たいしてきつく感じない。
いや、全然きつくないので楽勝。
どうやら、きついのは足首付近だけらしい。

母が手術をするときに履かせたときは苦労したのになと思い出す。

前開きの寝間着に着替える、下着(ショーツ)はつけたまま。
紙パンツとかはかない。


8時半頃、看護師さんが部屋に迎えにくる。
夫と共に歩いて手術室へ、結構な距離だった。
話しながら行ったが会話の内容は全く憶えていない。

手術室のある3階に着く、夫とは何も言葉を交わすことなく別れる。
「頑張れよ。」とかないんかい?
ま、言わない人だ。普通だ。


手術室の前室のような部屋へ入ると、沢山の人がいて、ちょっと驚く。
多分、30~40人以上?患者さん1人につき4人は医療関係者?
手術室は10室近くあるらしい。同時刻に10人の患者が手術を受けるのか?
ハイブリット手術室(手術台に血管X線装置を組み合わせた手術室)とかもあるらしい。

リストバンドをスキャンされてフルネームで名前を告げる。
頭に衛生帽のようなヤツをかぶる、手術助手さんたちが入れ替わり
挨拶をしてくれるが顔も名前も覚えていない。
うわの空で「宜しくお願いします」という。
送ってくれた看護師さんが「頑張ってね~」と明るく去っていく。


看護師さんに促され手術室へ。
機械はたくさんあったがシンプルな感じで
テレビで見るような手術室ではなかった。
小さ目の手術台の上にチューブのようなものが
グルリと敷いてあった。

クロックスを脱ぎ、仰向けで横たわる。
メガネを外す。

すぐさま左肩に筋肉注射をされる。痛くない。

テキパキと進められてる感じ。

「泣くかもしれない・・・」と呟くと
右側に立っていた看護師さんが、「どうして?」と聞く。
「だって、初めてじゃけん・・怖い・・・」と言いながら既にもう泣いている
「いいよ、しっかり泣いて」と ティッシュで涙を拭いてくれる。

左手の甲でラインとり、「これは痛いですよ」と麻酔医。
痛いんだろうけど痛くない。

酸素マスクが口元に。

「まだ麻酔は入っていませんよ、ゆっくり息していてくださいね~」


数秒して、


「はい、薬がはいりますよ~」




意識を失う。





「〇〇さん、〇〇さん~わかる~?」

多分、主治医兼執刀医の声。
目は開くが、メガネがないので視界がぼやける。

「終わりましたよ~」

「時間、どのくらいでしたか?」

「ん~1持間ちょっとかな」

「有難うございました」





「病室へ戻りますよ~」
ストレッチャーで病室へ。耳は聞こえるがぼーっとしてる。



部屋のベッドに移され、酸素マスクやらフットポンプやらモニターを付けられる。

「どこか辛いところありますか~?」

「喉がイガイガする。お臍が痛い。おしっこの管が嫌」と私

夫が「喉は気管挿管してるから仕方ない」という。
あら、夫がいるんだなと気づく。
「今、何時?」と聞くと「10時過ぎ」と。
あーやっぱり1時間ぐらいだったんだなーと思う。

実はわざと聞いた。執刀医と夫が同じ手術時間を言ったのでほっとする。
夫は芝居を打てないタイプだ。

母の手術の時に胆嚢を取るだけ。と嘘をつき8時間の手術を
1時間だったよと嘘をついた。

本当は悪性だったが、伏せていて私を騙しているのではないか?
と思っていたのだ。
麻酔あけの頭でよくそんなことを思いつくものだ。





あ・・・オムツをつけてる!

と気付く。


酷い痛みや気持ち悪さなどはない。
定期的に血圧測定のカフで腕を締め付けられる感じが不快だった。

夫が帰るという。
不安だからもう少しいて欲しいと頼む。

でも、やっぱり何もすることないし退屈だろうなー
こんなところにいるの苦手な人だし。と思い、
「やっぱり、もう帰っていいよ」と帰ってもらう。
10分くらいしかいてくれなかったと思っていたが
後から聞くと2時間はいたそうだ。



多分1時間ごとに看護師さんが部屋に来る。
時計が見れないので勘。

段々としっかりとしてくる。
吐き気などは全くない。とてもラッキーだ。

酸素マスクがとれる。若干の発熱はあるが許容範囲内らしい。
心電図などのモニターは外されるがフットポンプはそのまま継続。



口ゆすぎOKがでて、吸い飲みで口に入れてもらう。
その後、飲水が可能になる。

足を動かしたり、寝返りを積極的にするように言われる。
寝返りは傷が痛いので辛い。

いきなり痛みが強くなり点滴に痛み止めを入れてもらう。



夕方以降は、もうしっかりくっきり。
スマホを取ってもらい、ラインで手術が無事済んだことを友達に報告などする。

主治医が「どう?痛い?大丈夫?お臍。」とのぞいてくれる。
「思いのほか大丈夫みたいです」と答える。
「ばっちりだから。何も問題ないよ。また、来るね~」
若干笑いながらでていく。




フットポンプの中が暑い、汗をかいて気持ち悪い。
外してほしいなぁ・・・

お腹が全くすかない。不思議だ。と思いながら
夜が更けていく。


※画像 術後初、撮ってみた。
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ついに入院・後編【18】

2019-10-22 12:19:23 | 卵巣嚢腫と子宮頸部ポリープの記録
【2018年の1月に卵巣嚢腫の手術を受けました。
これは、その手術に至るまでのお話しです。】


看護師さんと共に、手術後にベッドに敷くバスタオルやら
弾性ストッキングやら準備をする。
術後翌日の歯ブラシやらお箸やらも準備。

夜7時過ぎて主治医(執刀医)から術前説明を受ける。
主治医は、三十代半ばくらい?
麻酔医と違い、バリバリ青春を謳歌しましたという印象。
手術の経験も積み充実した日々を送っているといった感じ。
いや、むしろ手術大好き。といった風に見える。

左の卵巣・卵管を摘出する付属器切除術
そして、子宮頸部のポリープを切除。
術式は腹腔鏡、切開場所はお腹に3か所。

そしてお臍。

えっ!!!

お臍を?切る??

お臍を触るの~~~っ?!



「先生・・・・私、開腹でお願いします」

「えっ??なんで?」

「お臍は触らないでください、お臍は絶対にダメです。開腹で」

「どうして?そんなに痛くないよ~」

「いや、それは嘘です。絶対に嫌です。
先生は、お臍を触って痛くなったこと無いんですか?
あの何とも言えない・・・気持ち悪い痛み」

「いや、経験あるよ~、あるある。」

「そうですか。じゃ、そういうことでお願いします。開腹で」

「あのね、開腹って痛いよ~、腹腔鏡と比べたら違いはすごいよ、
傷跡だって違うし、時間だって。お臍といってもお臍の穴の奥じゃなくて
穴の上の方だから~大丈夫~。ね、大丈夫だから。少しだけ切るの。奥は触らない。」


と説得される。


黙る私。


夫にいい加減にしろと怒られる。



手術におけるリスクの重大性よりもお臍が気になる。
感染症や尿管を傷つけてしまう可能性や、
麻酔の危険性よりも何よりもお臍が気になるのだ。
お臍が痛くなる恐怖が勝るのだ。

腹腔鏡手術のことを全くネットで調べなかった。
実は、薄々気づいていたから・・・お臍を切るかもしれないと・・・


しぶしぶ同意書にサイン。


右の卵巣は、年齢相当に委縮しているとのこと。
夫は機能していないのなら右の卵巣も今回取ることを提案したが、
65歳ぐらいまでは微量だがホルモンを出していて
卵巣が機能しているらしい。なので、取らない方が良いそうだ。

ポリープの内診をして終了。
手術は午前8時45分から。朝一だそうだ。

朝8時にくる。と言い、夫は家へ帰った。

もう何かわからないのだけど、手術が他人事のような?
自分じゃない人が受けるような感覚になっていった。
恐怖を通り越して変に落ち着いたという妙な感覚。
なるようにしかならないんだ。というか。
もし、何かトラブルで死んでしまっても
もうそれは私の寿命だったのだから、仕方がないと思いはじめた。

夜中12時過ぎアローゼンがやっと効いてお通じあり。
12時で水分禁止となるので、ガブガブと飲む。

絶対に寝れないぞ・・・と思った。
看護師さんが眠剤を持ってきましょうと言ってくれたが断った。
飲みつけていない薬を飲むのは却って不安になる。

一睡も出来ないと思っていたのに爆睡をしていた。
へー眠れるんだー。自分が不思議だった。
意外とこういうタイプなのか?
でも、多分個室だったからその安心感もあったのだと思う。


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ついに入院・前編【17】

2019-10-21 12:24:41 | 卵巣嚢腫と子宮頸部ポリープの記録
【2018年の1月に卵巣嚢腫の手術を受けました。
これは、その手術に至るまでのお話しです。】


2018年1月16日S病院入院。

10時までに入院受付に来て下さいとのことで、
夫同伴、少し前に着く。
限度額認定証などを提示し、入院手続き終了後病棟に。
利き腕にリストバンドをする。入院したんだな・・・と実感する。

ナースステーションにいた若い事務員さん?に病棟内を案内してもらう。
「個室を用意できましたよ。」
有難い、ホッとする。1日¥5300
パソコン使用可能な個室に決定したので、外出許可をもらい
車でわずか5分の自宅へパソコンを取りに帰る。
1時間前に出た我が家、なんだかもう長いこと
留守にしているような気持ちになった。


そうこうしているうちにお昼ご飯だ。
厨房が工事中のため食器が使い捨て容器だ。
めちゃくちゃ美味しくなさそうに見えるね・・・
食器は大事だね。

14時に下剤のアローゼン顆粒を飲むように指示され飲む。


ほどなく、歯科へ行ってくださいと言われる。
口腔ケアのためだという。

病院から行くように指示されたので
つい1週間前にかかりつけの歯科でケアしたのに?と
思いつつも言われるのだから行く。

歯科でも、そのことは把握しているようだった。
とても状態良く綺麗だと褒められる。
が、またもやプロフェッショナルケアなるものを受ける。
あと、歯磨き指導。
とにかく手術直前まで歯磨きを推奨される。

夕方に麻酔医が部屋にくる。若い男性医師。
すごく勉強して、ほとんど遊ぶこともなく青春時代を送った感じの医師。
夫も一緒に話を聞く。怖いことが書いてある冊子をもとに説明がされる。
車に酔うか聞かれたので、そうだ。と答えると麻酔が切れてからの
吐き気が酷く出る可能性が高いと言われる。
吐き気止めを使用するが避けられないとのこと。
痛みは我慢せずに言ってくださいとのこと。
夫は真剣に聞いていたが私は上の空。

なにか質問はあるかと聞かれ、
「麻酔はちゃんと効きますか?生きて目が覚めますか?」
とアホな質問をする・・・

ははは・・・スミマセン・・・冗談ですよ・・・


同意書数枚にサインをする。どうやっても手術は受けるわけなので、
あまり読みもせず淡々とサインをする。
ってサインしないと前に進まないし。

主治医が外来の女医先生から代わっているようだ。
ベッドに表示された主治医名を見て気づく。
執刀医も主治医と同じ医師のようだ。
どんな人なんだろう・・・相性が良いといいのだけれど・・・
何せ、命を預ける(大げさ)

担当医も書いてあったが部屋に一度も来ることはなかった。
たぶん、研修医。

下剤が効いてこないので看護師にきくと夜の10時頃ですかね?
とのこと、夜中じゅうお腹痛いのか?と思う。
下剤を生まれて初めて飲んだから、さっぱり未知の世界だ。

主治医が外来もしているので病棟に来るのが遅くなるとのことで
先に部屋でシャワーを済ませる。

看護師さんがお臍の掃除だと部屋に来る。
私はお臍を掃除つまり臍のゴマをとるのが恐ろしい。
以前、自分でやって酷くお腹が痛くなり、その時から怖いのだ。
今、前と同じようにお腹が痛くなったら手術を拒むかもしれない。
その旨看護師に伝える。

声を大にして訴える。「絶対に嫌なんだ、今はしたくない。」と。
一旦、退室。主治医と相談して今回は掃除しなくても大丈夫という結論に。



胸をなでおろす。
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歯科受診と限度額適用認定書の申請【16】

2019-10-20 12:41:56 | 卵巣嚢腫と子宮頸部ポリープの記録
口腔内の状態、特に力を入れているようで、
麻酔時使用する気管挿管の肺炎リスクを抑えたり
歯のぐらつき等における歯の破損事故を防ぐために、
手術前に歯科を受診し、口内の環境改善や歯石の除去など
所謂プロフェッシュナルケアが重要らしい。

7年前に母が大きな手術受けたときには
そんな細かくなかった、違う病院だったけど。
病院によって若干の認識の違いがあるのか?

で、かかりつけの歯科を受診。
しっかりとケアしてもらう。完璧だわ。
受付の人のよい助手さんが目をうるうるさせて
「頑張ってくださいね」と励ましてくれる。

いや、そんなに大変な手術じゃないから大丈夫。たぶん。


それから、けんぽ連(うちの場合?)に限度額適用認定書の申請に。
認定書を持って入院すれば、限度額内で支払いが済むので
手術日までに余裕がある人は入院前の申請を勧められる。
間に合わなくても、後からでも大丈夫らしい。
退院後にも手続きはできるけど、戻ってくるまで
結構日にちがかかるみたい。

今回、入院時の荷物をもっていくバッグをどうしようかと思っていたら
夫が大き目のゴルフのボストンバッグを出してくれたが入り切らなかったので
急遽、旅行用のキャリーケースをネットで購入した。

結果的に私は個室に入れたので、キャリーケースを
広げるスペースがあって楽勝だったけど、
四人部屋等だと広げるスペースがないので
ちょっと難しいかもしれない。
なので、ベッドの上で広げることになると思いますが
お腹に力を入れられないので
内臓の手術後は、その動作が無理っぽいかな。
でも、たっぷり入って、コロコロと引っ張れてラクチンです。


入院まで、あと数日となり不安がマックス・・・

毎日、通う母の施設でインフルエンザが発生し面会禁止となる。
今回、入院手術のため毎日いけない理由をどうするか悩んでいたが
丁度良い理由ができてラッキーだった。
この施設は、インフルが発生すると1か月は面会禁止になる。
退院後も少し楽が出来る。
母の心配と不安感が増さないために、手術のことは伏せておきたかったので
申し訳ないがインフル発生は有難かった。
洗濯ものはクリーニングに、エレンタールの作り方と保管保存状態の確認を。
ここの老健は唯一信頼が出来る。

兄に、「そんなに大変な手術じゃないけど、万が一のこともある。」
実家の通帳判子や、保険証書、母の介護関係の書類と連絡先
その他の重要事項をノートに細かく書きまとめ渡す。

このノートを開く日がきませんように・・・。
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入院前検査の後編【15】

2019-10-18 12:45:29 | 卵巣嚢腫と子宮頸部ポリープの記録
【2018年の1月に卵巣嚢腫の手術を受けました。
これは、その手術に至るまでのお話しです。】


入院支援室では、私と話をして情報をパソコンに
看護師さんが打ち込んでいくんだけど、
なにせ、若干不慣れぽい看護師さんで打ち損じてしまうし、
「あ・・そこ違います・・」とか「いや、じゃなくて・・」
の繰り返しで、なかなか前に進まなかった。
あぁ、私はこういう仕事じゃなくてよかった・・・
緊張するし、私の方が、誤字脱字は酷いと思うから、
すごーく迷惑をかけてしまうはず。

入院するにあたり心配事とか気を付けて欲しいこと要望など
そして、アレルギーについての話をするのだけど。

「強迫性障害なので、普通の人よりも不安感が強いです。」
と言ったが、軽く

「はいはい、それは病棟に伝えておきましょうね~」みたいな感じ。

ふむ・・心の病は置いてけぼりか・・・

質問欄にアレルギーの項目が半端なくあって、一番メインは
ゴムアレルギーはないですか?だった。
手術手袋はゴム製が基本。他にもゴム製品は器材に使用されている。

私は、数年前に母の介護用手袋でいつものプラスチック製が
売り切れていて、ゴム製を購入、使って数分で痒みがでたので
自分がゴムアレルギーなんだと分かった。

他には食べ物。フルーツ・野菜・甲殻類・魚など
アレルギーがないか聞かれる。
幼い頃から、メロン・もも・マンゴー・パイナップルの類が
喉がイガイガしてキライだった。
なぜかな~と思っていたらそれはアレルギーの一種だそうです。

因みに、耳鼻科でビューアレルギー39という検査を受けると
自分のアレルギー対象の39項目を調べてもらえます。¥5000位?
私はまだ調べてませんけど、おもしろそうです。

最後に、「個室希望なんですけど・・・」
しつこいと思ったが言ってみた。
「こればかりは、当日にならないと分かりません」

いや、一応ですよ・・一応聞いてみただけですよ・・

初めての手術だし周りに気を使うのは嫌だと思っていた。
朝のトイレの争奪戦も嫌だし。苦しそうな声を聞くのも怖いし。
物音で目が覚めるのも嫌だし。起こすもの嫌だし。

最後に、入院までにかかりつけの歯科に行って口腔ケアをしてきてください。
歯科への紹介状やら入院のしおりやら麻酔の恐ろしい冊子やら貰い
ふと、時計をみると3時になろうとしていた。

昼ごはん・・食べてない・・・
食欲はないが空腹になると胃酸が攻撃するので
痛み倍増で・・・



婦人科へいき、本日の検査結果を聞く。
この日は主治医の女医先生はお休みで
若い、男性医師だった。後に研修後期の医師だと知る。
ちょっと頼りない感じだ。



「血液検査も胸のレントゲンも肺機能も問題ないんですが・・・
心電図が・・・今から心エコー取らせてもらえますか?」

「え・・・私、心臓が悪いんですか?!」

「ん~心筋梗塞を起こしているかもしれない。」

「えー!心筋梗塞ですか~!?」

「ま、大概は心エコーみたら大丈夫だってことが、ほとんどなんですけどね。」


なんだそれ?なんか、心筋梗塞って言ってる割には悠長な感じだけど?



心エコーの検査室へ。
受付カウンターのところで若い白衣を着た女性がぺちゃくちゃと
話をしている、明らかに世間話っぽいのを。
あーぁこの人だと嫌だな・・・と思った。

ほどなく、呼ばれて検査室に。
さっきのお喋りしていた若い女のひとだった。

こんなときには、予感が当たるものだ。

ゼリーを塗りプローブを胸に当てるんだけど
これが、力が入っていて痛いっ!めちゃ痛い。
肋骨の上を思いっきり押し当てるので辛い。
もぉ~大丈夫~?と思っていると
そこへ熟練した感じの女性技師さんがもう一人きて、
見守りながら指示を始める。小声で
「もう少し、こちらから当てて。向きが違うでしょ、
そう、そんな感じ。」などと教えてる。
えー、研修さん?そんなんで大丈夫?心臓なんですけど?
と不安に思っていると、交代して熟練さんがプローブをあてる
これが全然、まったく痛くない。滑らかだ。こんなに違うんだ。と思った。
「うんうん、よし。こちらは、うんなるほど、うんうん」
と言いながら、プローブをあてていた。

随分と時間がかかった。



再び婦人科へ。
送られてきたデーターを見ながら、

「心エコーは、えーっと・・・大丈夫ですね。」

「大丈夫なんですか?」

「そうですね、大丈夫みたいですね。手術できます。」


なにが、どうで大丈夫じゃなくて心エコーして
なにがどうだったから大丈夫なのか説明は無かった。
循環器の医師じゃないからか?性格なのか?
どう大丈夫なのか聞きたかったが時間もないのでやめた。

でも、聞かなかったことが手術までの間、
私の中で悶々と「本当に大丈夫なのか?」という
不安に振り回されることになった。

「今日から抗血栓薬を中止しているので、酷い頭痛や
胸の痛みを感じたら救急車を呼んでうちにすぐ来てください~」
とさらりと言われた。

脳梗塞や心筋梗塞の危険があるのだ。



もう夕方・・・5時前になっていた。
9時間かかった入院前検査、疲れた・・・。
次に来るときは入院・・・。



あ、それまでに限度額適応認定証の申請もしなきゃ。



医療費 検査¥8010-
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