♪春を愛する人は、心清き人ーーーー
夏を愛する人は、心強き人ーーーー
秋を愛する人は、心深き人ーーーー
冬を愛する人は、心広き人ーーーー♪
昨日、春樹(拙者の御主人様の名前を命名しました)は高速バスの中で、「四季の歌」を聴いていました。彼はこれから埼玉に住む大学の恩師を訪ねるようです。
大学の恩師を訪ねる時に聴く歌は・・・・
春樹が選んだ曲は、四季の歌であった。
春樹はこの恩師との出会いで人生が変わったと言っても良い。
恩師はいつも言っていた。
「大きな夢を持ちなさい」
「挑戦しなさい。君達には無限の可能性がある」
恩師は人を信じ続けた。
騙されることがあっても、決して人を騙すことはしなかった。
学生に対して常に大誠実であった。
心清く、心強く、心深く、心広き人であった。
そんな恩師に会いに行く時に聴く歌は、この歌しかないのである。
その昔、恩師は愛国青年であった。
アジアの楽土建設に若き血潮を燃えたぎらせた有三青年は、当時、国策学校として蒙古に建設された西北学塾に入学する。当時の帝国大学に準ずる難関学校であった。
蒙古に渡った有三青年は、馬に乗り、「蒙古放浪歌」を歌いながらモンゴルの草原を駆けた。
♪心猛くも 鬼神ならぬ
人と生まれて 情はあれど
母を見捨てて 波越えて行く
友よ兄等と 何時またあわん ♪
♪波の彼方の 蒙古の砂漠
男多恨の 身の捨て処
胸に秘めたる 大願あれど
生きて帰らん 望みはもたぬ ♪
青年は、日本という島国を飛び出し、大陸に夢を追ったのだ。
しかし、彼を待っていたのは敗戦という運命であった。
その運命のままに、青年はシベリアに抑留された。
シベリアの極寒の収容所で、あの瀬島龍三(元大本営参謀にして後の中曽根総理の懐刀)と一緒になったという。
生きて祖国の土を踏んだ有三氏は、若者を育てるため母校の建設に奮闘する。
春樹の恩師とはそういう人であった。