卵塊の前に顔を見せたアカガエル。
3月中旬、埼玉狭山丘陵にある森の博物館を訪ねた。この辺りには武蔵野の面影が残され、里山の風景が今も見られる。野の花はまだ咲きだしてはいないだろうが、冬鳥に出会えればと思ったのだが、水鳥の池には水鳥の姿はない。
何時もは野鳥の声がするのだが、今日はどういうわけか静かだ。
と思ったら、上空を猛禽類が飛んでいた。
左の羽の先端がちぎれている。遠目だが、喉のところが黒いのでノスリのようだ。
ノスリも去って再び小鳥の声が聞こえ始めた。
枝先で遊んでいたヤマガラの群れはカメラを向ける前に飛び去って行った。残ったのは愛嬌のあるシジュウカラだ。
コゲラも近くの枝を行ったり来たりしている。
ピリピリという鳴き声はカワラヒワ。
ウグイスややかましいガビチョウの声はするが姿は見えない。もう北の国に帰ったのかシメやアオジ、ツグミなど冬鳥の姿が見られないのがさびしい。
ちょっと離れたところで鴨の鳴き声のような声がする。近くまで寄っていくと、鳴き声ははたと止んだ。
辛抱して待っているとやがて葦の根元に顔を出し始めた。どうやらアカガエルのようだ。
交尾しているのはヤマアカガエル。
水面から顔を出して辺りを偵察しているがなかなか鳴こうとはしない。
30分近くも待ったのだが、二度と鳴き声は聞けなかった。
この日は六道山公園の方まで足を延ばしたが、シロハラとモズと運よく散歩中のタヌキを見かけただけ。タヌキには大急ぎで逃げられてしまった。
帰り際、根株のサルノコシカケの下に面白いものを見つけた。
いったい誰が置いたのだろうか。
所でどうしてもアカガエルの鳴き声を録りたくて、2,3日してから再び博物館へ出かけたのだが、鳴き声どころか親ガエルの姿すら見られなかった。代りに出迎えたのはたくさんの孵化したオタマジャクシたちだった。春の進みは思ったより早いようだ。
この辺で。