野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

イワウチワ咲く低山を登る

2013-04-12 | 登山

 前回のギフチョウの時もそうだったが、今回も地名やそれを類推させる言葉は載せないでおこうと思う。それは場が荒れることを防ぎたいからに他ならない。私が初めて来たときにはほとんど登山者に出会うことはなかった。がその後、ネットで多くの人が紹介し、道には手製の道標や赤テープが張られ、多くの人が押し寄せるようになった。今回はザックを持たない軽装の二人連れや、ラジオを鳴らし犬を連れてくるおじさんまで見かけるようになってしまった。このままで行くとあと2,3年のうちにイワウチワもヒカゲツツジも踏みつぶされて消え失せてしまうに違いない。

 奥多摩の川岸は今が新緑の盛り。水面の煌めきが心を浮き立たせてくれる。

 

 キイチゴも咲きだした。

 

 薄暗い小沢ではヤマネコノメやハナネコノメもとうに咲いている

 

 

 時折原色のミツバツツジが飛び込んできて目を楽しませてくれる

 

登り始めて1時間足らずでヒカゲツツジの咲く崖にやってきた

 

 春の訪れが早かったせいか、まだ4月初旬なのに旬には間に合わなかったようだ。残念ながら花弁が枯れ落ちてしまっている木が多い。

 それでもヒカゲツツジの下では崖に寄り添うようにイワウチワが群落を作っている。

 

急な斜面にはイワウチワの大群生

 

 

 

 フリルのついた花弁が何とも可愛らしい

 

 花弁の色は白からピンクまで

 

 まだ蕾もみられる

 

 

 

 今年は一気に春が来たからか、同時に咲いている花の種類も多かった。

タチツボスミレ

 

 切れ込みのある葉が特徴のエイザンスミレ

 

 ピンクの強い株

 

 花の香りに誘われて小さな虫もやってきている

 

 ナガバノスミレサイシン

 

 スミレのプリンセスと呼ばれることもあるヒナスミレ

 

 これはフモトスミレか

 

 沢沿いにはヒカゲスミレも咲いている

 

 紫がかった葉の色で識別が容易なスミレだ、もっともこのスミレも高尾山で見かけるとタカオスミレとなって、私にはその区別がつかないのだが……。

 

少し登った斜面には わずかだがカタクリも見られた。

 

 

山登りの帰りは林道歩きが長かった。車の通らない林道(途中でがけ崩れのため通行禁止になっている)なので、気持ちよく歩ける。道沿いに見かけた花は

センボンヤリ

 

ヤマエンゴサク

 

 クサノオウ

 

 セントウソウ

 

咲き始めたばかりのニリンソウ

 

 そしてキブシの花

 

小一時間かけて集落を抜け、多摩川まで戻ってきた、川岸の桜がため息が漏れるぐらいきれいだった。

 

 あーあ今日も楽しませてもらった、この辺で。

 

 

 


ギフチョウと里山の花

2013-04-09 | ハイキング

 今年もギフチョウに会いに出かけてきた。

 

 

 4月に入って間もないというのに、早や気の早い桜は散ってしまった。でも里山の花たちはこれからそろそろ本番を迎え咲きだそうかかといったところ。

 

木の根元にびっしりと花を咲かせたヒトリシズカ

 

 

 センボンヤリも咲いている

 

 崖にはシュンランの花

 

そしてスミレ、これはナガバノスミレサイシンだろうか

 

 花弁の開ききらないのはアオイスミレ

 

 キランソウ

 

 ミミガタテンナンショウも敷き積もった枯葉の間から顔を出している

 

 

 咲きはじめは独特の風情を持ったヤブレガサ

 

 スミレの中でも数も多く、ギフチョウにも好まれているのはタチツボスミレだ。

 

 キイチゴの花にもギフチョウは蜜を求めてやってくる

 

 山道に分け入っていくと、ギフチョウの食草カンアオイの葉が見えてくる。この葉の裏に産み付けられたルビーのような卵がかえってギフチョウとなる

 3つの葉の中に穴が開いているようなのはカンアオイの花

 

 2,3羽飛び去っていくギフチョウを見かけたのだが、なかなか止まってくれず見送るだけだった。暫くして少し離れた枯葉の上で休んでいるギフチョウを発見した。

 

 近づいて見る

 

 嬉しいことにもっと近づいても逃げないでいてくれた、ありがとう!

 

 また別の所にも

 

 

 今度の個体は蛹から孵ったばかりなのか、カメラを10cmまで近づけても飛び去ろうとしない

 

 なかなか撮れない正面ぎふちょう

 

 里山の背景を入れて

 

反対側からも、ウーンきれいな羽をしているなぁ、思わず見とれてしまうほどだ

 

 

 こちらは枯草に埋もれている

 

 

細い枝にふらふらしながらも懸命につかまっていた

 

 ミヤマセセリもいた

 

 この日は山道の景色の良いところにじっくり腰を据え、お握りを食べながら野鳥の声を聴いて、半時間近くギフチョウの飛び交うのを堪能した。良い一日だった。

 

 この辺で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


雨の森林科学園

2013-04-06 | 植物園

  今年は例年にない早さで桜が開花した。この時期高尾の森林科学園は桜を愛でる人でいっぱいになるのだが、今日は朝からの雨。かてて加えて気温も低いのでさすがに今日は人が少ないだろうと期待して行ったら大正解。いつもの1割にも満たない人でゆっくり桜を愛でることができた。

 

 春分第2候は「桜始開」ーさくらはじめてひらく 

 

 緑色の葉と白い花びらの対比が美しいオオシマザクラ

 

 桜の異名、夢見草。

 

 

 八重咲きの桜で此花桜

 

 ピンク色の桜は陽光という品種

 

 

 紅葉狩りに対して、桜狩の言葉もやはりある。

 

 

 桜の下、とりどりの傘をさして人が通る、想いは通る人の数だけ。

 

 

 桜に思う言葉は、潔さ、儚さ。

一斉に咲き出し、あっという間に豪奢な花吹雪と散る、思えば何と我儘な花なのだろう。

 

「 散る桜  残る桜も 散る桜」とは誰のことばだったか。

業深く野垂れ死んだ骸も、桜の花筵に覆われてしまえば美の極みとなるのか。

 

ありとあらゆる生き物が生まれ、その生を謳歌し、やがては死して土に還っていく。

 生は束の間の光芒なのだ、一瞬に散リ落ちる桜の花のように。

 

 桜のことを挿頭花(かざしぐさ)というそうだ。昔桜の生命力にあやかって桜の花を挿頭や蔓にする信仰があったという。

 

 音もなく気配もたてず、やわらかく春の雨が降りしきっている

 

 花過ぎ、花の雲、花筏、手向け草。桜にまつわる言葉はすべて無常の時の流れに絡んでいる。

 

 

 そして桜が散ってしまうと、人々はあっという間に熱狂から覚め、もとの褻(け)の生活に戻っていくのだ。

 

 桜のほかにも幾つか。ミツバツツジ

 

 ミツマタ

 

ミヤマシキミ

 

 あまり見かけないモクレイシの花

 

これも珍しいシロバナタチツボスミレ、唇弁の筋が見えない

 

 この辺で。

 

 


丸山から花の山道へ

2013-04-04 | ハイキング

 丸山への道を登っていたら、前を行く登山者が道の小枝を丁寧に払いのけながら登っていた。ああ随分登りやすい道だと思っていたら、こんな心優しき先行者が居たんだ。「お先に、失礼」と声をかけて脇を通り過ぎたのだが、そこから先は昨夜の雨風のせいか小枝が多く落ちていて歩きにくい。少し登ってから、私も山道の枝を半分ほど選り除けながら登ることにした。

生きていく中で気づかずに人の親切を受けていることがどんなにあるのだろうかと考えさせられた。

 さて今回の行程概略は、芦ヶ久保駅9:35→大野峠11:10→丸山11:40ここで昼食→県民の森森林館12:30→13:10日向山山の花道→14:45芦ヶ久保駅

車道沿いに30分ほど歩くと登山口。登山者一同からクマさんにお願いの看板。

 

 秩父は山岳信仰の地なので、道祖神や石仏が多い。

 

 

 エイザンスミレが咲き出していた。

 

 これはカキドオシか

 

 ユリワサビ

 

 小沢の脇を通っていたら、ミソサザイの囀りが聞こえてきた。5mもないところで可愛らしくこちらを伺っていた。こんにちは!

 

 あっという間に大野峠

 

 急に開けた稜線にでた

 

 ここはどうやらハングライダーの基地にされているようだ。

 

 標高900mぐらいまで登ってきた。まだまだ冬景色。

 

 天気も思ったより良くなってきた。やっと頂上に到着。ここでゆっくり休んでお昼にすることにした。

 

展望台からの眺め。南西側に武甲山

 

さらに西には両神山

 

 北側には堂平山

 

 昼食を食べている私の周りに寄ってくるタテハチョウ。終いには横になった私の腕に暫く止まっているほど、ずいぶん人馴れしたチョウだった。

 

 森林館、ここまでは車で来られるようになっている。

 

 防火帯が山道となっている。視界が開けてしかも起伏がほとんどないので非常に気持ちが良い。

 

 40分ほどで日向山に着く

 

この山の北斜面にはカタクリが咲く。先ずはアズマイチゲ

 

これはセツブンソウ

 

 スミレも結構咲いている

 

 

 そしてお目当てのカタクリは2,3分咲きといったところ

 

 

 日向山の頂上には登らず、左に折れ駅へと下る道を降りる

 

 長閑な芦ヶ久保の里山風景。

 

 今日はこんなところで。