子育て支援雑誌に載っていたキャラ弁があまりにも見事な出来で、思わず唸ってしまいました。
妖怪ウォッチ、アンパンマン、ドラえもん、ハロウィン、トトロ…どれも私には、どのようにして制作するのか想像もつきません。はい、そうです。私はいっぺんもキャラ弁なるものを作ったことがありません。作るヒマはあるのですが(たぶん、時間かかるんじゃないですか?)技量や根性、なによりも意欲がありません…
見事なキャラ弁を見てまず心配になったのは、食べるまでは絶対安静じゃないとダメなんじゃないかということです。うちの娘なんて、普通のお弁当でもリュックサックをかついで跳んだり走ったりするので「おべんと、ちょびっとやった」状態になります。持たせる場合、キャラ弁だとどうやってあの形状を保持するんでしょうか。崩れない方法とかあるんでしょうか…
がんばって作ったキャラ弁を子どもが全く食べようとせず、こうやって食べてごらん、おいしいよ~と親が一口食べた途端大泣きしたとか、力作を全然喜ばず、普通のお弁当にしてほしいと言われたとか、キャラ弁の話題は多いのですが、完全なる他人事なのでただただおかしいです。
ところでキャラ弁っていつごろからあるんでしょうか。子どもが喜ぶようにリンゴをウサギに見立てて切ったり、 おむすびに顔らしき飾りをつけることは大昔からあったと思います。
でもここまで凝った弁当になったのはわりと最近ではないかと思います。
10年程前保育士をやっていたころ、月に一度手作り弁当の日というのがありました。保育所は建前上、保育に欠ける子どもを預かる場所なので、たいていの親は働いています。月に一度とはいえ、朝お弁当を作るのは大変です。キャラ弁など持ってくる子どもはいませんでしたし、努力の跡のわかるお弁当が多かったです。
野菜をかわいくカットしたり、オムライスに顔を描いたり、キャラ弁様のお弁当の子はいましたが、せいぜいその程度でした。
冷凍食品などを使って彩りよく上手に手抜きをするお母さんもいれば、慌ててとにかく詰め込んできました的なお母さんもいました。働いているのだから、手抜きで十分だと思います。
しかし、保育士の視線は厳しかったです。20人ほどの園児のお弁当を見比べるのですから、何かしら言いたくなるのはわかりますが、自分は早番だからと言って、コンビニのおにぎりを持ってきておいて、園児のお弁当にケチをつけるのはいただけません。どんなお弁当を持ってこようが、その子にとっては、親が作ってくれたお弁当なのです。
その日早番であったり、夜勤でいなかったり、思わぬアクシデントに見舞われたり、お弁当のことをすっかり忘れてたり(私です!!)親には親の事情があるのです。他者には寛大な心でいきましょうよ!
そいでですね、キャラ弁がここまで台頭してきた背景は明らかにSNSの普及にあると思います。だって、あんなすごいお弁当を自分の子どもしか見ないのに作るわけないでしょ!!!
保育士が見たってそれまで。なになにちゃんのお母さんマメだね~(その割には忘れ物多いし、お迎えの時間もルーズ…)と保育所内の一部で話題となるだけ。
あれだけのものを作ってブログにもフェイスブックにもLINEにも載せないわけない。また載せるからこそ話題になるわけだし。知人・友人のサイトもキャラ弁の他ホームパーティー風のものも多く載っています。猿真似さえもできない私には完全に他人事だけど、うつうつしているママたちも多いはず…
自分の自己満足にはもってこいだけど、子どもが喜ばないならやめた方がいいと思うよ…
どうせならだんなにキャラ弁作ってあげればいいんやない?手の込んだ嫌がらせだけど