本当はしゃかりきになって働きたかったのかもしれない

2014年01月07日 | 日記
しゃかりきになって働くのもなんかね~」
大手ファーストフードチェーン店でアルバイトしていたときに、同僚の主婦の方が言っていた言葉です。自分の希望する時間を提出して、マネジャーが1週間ごとにシフトを作成するお店で、彼女は毎日午後3時までしか働いていませんでした。小学校低学年の子どもが帰ってくるときに家にいてやりたいということでした。その理由は納得できるのですが、その後に言ったのが冒頭の言葉だったので、私は少し考えました。これは彼女の本音だろうか。なんだか違うような気がしてなりませんでした。私と彼女は同じ時期に採用され、いっしょにオリエンテーションを受けました。私は裏方の製造、彼女はカウンターの接客に配属されました。私は20代後半の頃一度同じチェーン店で働いたことがあり、だいたいの業務内容はわかっていました。なので、比較的スムーズに業務に入ることができました。一方彼女は…覚えることが多くそうとう難儀していたようです。どんな仕事でも最初のうちは大変なのです。サルでも訓練すればできるようになる、などと揶揄されているファーストフードの仕事だって例外ではありません。繰り返しますが、最初のうちは覚えることが山ほどあって、ほんとに大変なんです!これまたマニュアルだらけと揶揄されるほどマニュアルが完備されている会社でしたが、そのマニュアルをみながみなこなせるわけではありません。マネージャーが彼女に機関銃のように説明するのを横で聞いていて、内心「これ伝わってないわ、右から左だわ」と思っていました。覚えられない彼女はつらかったと思います。でも年齢もけっこういってて、今さら謙虚な態度もできなくて…というところかわかりませんが、彼女の学ぶ態度はなっていませんでした。トレーニングにあたるマネジャーと彼女の関係は日に日に悪くなっていきました。仕事ができないのに、どこかふてぶてしい彼女の態度にマネジャーはさぞや腹が立ったことだろうと思います。しかし、腹立ち以上に焦りがあったと思います。なにしろきちんとマニュアル通りに教えているのに、通用しないのですから。とうとうカウンター業務はあきらめて、製造業務をやることになりました。そしてなぜかトレーニング係りは同じ新人の私に当てられました。よほど手を焼いていたのでしょう。「彼女に覚えさせることなど、私にできるのか…」不安は大きかったのですが、なんとか「わかりやすく」「簡単に」「怒らないで」教えようと努力しました。彼女から「すごくわかりやすい。覚えやすい」という言葉が聞かれ、手ごたえを感じた矢先、マネジャーから彼女が辞めたことを聞かされました。フロアチェックを命じたところ、反抗的な態度だったため、思わず怒鳴りつけたら辞めてしまったということでした。ホッとした、というのがマネジャーたちの正直偽らざる気持ちだったのではないかと思います。適性のなさや彼女の態度の悪さ、能力の低さだけを問題にするのは簡単ですが、この事例は会社と従業員、あるいは上司と部下の関係を考えるうえで、良い勉強になりますもしも彼女がもっとスムーズに仕事をこなせていたら、しゃかりきになって働くのも悪くはないと思ったかもしれません。一見無責任でお気楽な発言に思えますが、うまくできない自分への弁解だったかもしれない…とも思ったりします
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「働きさん」っていい言葉じ... | トップ | 幸福度への違和感 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事