元介護ヘルパーのプロ棋士から学ぶことは多いです

2015年05月21日 | 日記
昨日の朝刊に、41歳で将棋のプロ棋士になった方のインタビュー記事がありました。

今泉健司さんは昨年12月に、介護ヘルパーとして働きながら将棋のプロ編入試験に合格されたそうです。

14歳でプロ棋士の養成機関である奨励会に所属するも、2度にわたり退会し、プロになれず自信をなくしていた今泉さんですが、介護の仕事で認められたことが、自信を取り戻すきっかけになったと言います。

介護の現場は予期せぬことの連続。突拍子もない出来事に対応するなかで、状況の変化や感情に流されない精神力がつき、それが将棋にもはっきりと表れてきた。

悪い手を打ってしまったときに気持ちを立て直したり、負けたときに敗因を見つめられるようになった。介護で学んだように、失敗を自分の糧と捉え、謙虚な心で将棋ができるようになった。


置かれた場所で花を咲かせなさい、ってどこかのシスターの言葉でしたでしょうか。今泉さんは介護現場というハードな職場で見事に花を咲かせ、プロ棋士という実を結ぶことができたのですね。

かつて介護現場で働いていた者として、自らを振り返らざるをえません…

人とかかわることの楽しさや面白さを実感しながらも、労働条件の悪化や、劣悪な人間関係、世間の評価・評判などと折り合いがつけられず、逃げ出してしまいました。

予期せぬことの連続は介護現場ばかりではありません。保育現場でもそうでしょうし、人生そのものが予期できないことだらけの現場です。それなのに、予定通りに進めようとして「人」を「物」扱いして、ますます悪循環に陥って…

事なかれ主義という言い方がありますが、これは役所に限ったことではありません。事なかれ主義という病は、ことが起きて当たり前、それがこの仕事の醍醐味!とさえ言えるようなところにも蔓延しています。まさに、介護・保育現場でさえも事なかれ主義の病に侵されています。

これは病気ですから治療が必要です。


今泉さんは『介護士からプロ棋士へ~大器じゃないけど晩成しました』という半生を綴った本を出しています。ぜひ一読を!

今泉さんのような方は介護現場では干されることが多いです…
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