計算づくの「衝動的な」行為になぜか同情する世論

2015年05月20日 | 日記
辛淑玉(シン・スゴ)さんは、差別や在日、女性の人権問題などの活動をしている人なので、男性に対してはかなり辛辣である。

ある教育雑誌の連載コラムは毎回激辛だが、今回は特にその度合いが強かった。

自分より弱い者を食いものにする人間のご都合主義を断罪している。

海外で少女の買春行為を繰り返していた中学校の元校長。

沖縄で少女を強姦し殺害した米兵。

かれらの言い分はこうである。

仕事のプレッシャーが強く、海外でタガを外すことで開放感を味わっていた。

アメリカではできないことをしたい。沖縄では何をしても裁かれないことを僕たちは知っている。

DV被害者の女性はよくこう言うそうである。

夫はいつもはいい人なのだが、ときどきカッとなる。

だが、辛淑玉さんはこれらを容赦なく断罪している。

「いい人」である夫は、上司や自分より強い相手に対しては、カッとなって手を挙げることはない。いつも計算づくで殴る相手を選んでいる。抵抗できない、逃げられない相手にだけその暴力を発揮する。

元校長も米兵もDV夫も品定めをしたうえでの行動である。そこが卑しい。


男性ばかりではない、女性だって同じではないか。

セクハラやパワハラ、モラハラあるいはマタハラにも言えることではないかと思う。

自分より弱い人間は、男女や会社での上下関係、社会的地位や経済力と必ずしも比例しない。

私たちはこうした「計算づくの」「衝動的な」行為に対して、寛容なところがあるように思う。

世界から寛容さが失われている一方で、弱い者をはけ口とした犯罪にはどこか同情的…

私自身、辛さんの今回のコラムを一読した直後、いつにも増して辛辣だな…と思ってしまいました。

なぜなんだろう
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