ここおいて 寝たきりの人 ものですか

＊　こんにちは　どなたさんです　むすめです
＊　「帰りたい」家に着いても「帰りたい」
＊　その話　5回目聞くが　盛り上がる
＊　本当は　口を出したい　先輩に
＊　アルツだろ　人を見ずして　眠剤を
＊　流す前　立派なウンコで　躊躇する

介護の月刊誌『ブリコラージュ』に寄せられた、介護にまつわる俳句です

家族を介護している人や介護の仕事をしている人なら「うんうん！そうそう！わかるわかる！」と思わず首を激しく縦に振りたくなるような内容です

私も介護士時代、職場の鬱屈をうたにしてうっぷんを晴らしていました

＊　ここはどこ？　監査当日　別施設

法人の監査当日、遅番だった私は担当フロアに足を踏み入れた途端、別世界に来たのかと思いました。
きれいに整理整頓され、記録類はちゃんとカウンター内にあり、いつもはよどんだ雰囲気なのに、職員による元気なレクリエーションの声が聞こえ、いつもは寝間着姿の寝たきり状態の利用者さんがステキなよそ行きを着て、ご丁寧に入浴後の着替えの用意までいつもの寝間着ではなく、ちゃーんと洋服になっていました。職場を間違えたのかと、胸がドキドキしたくらいです。

＊　そこおいて　寝たきりの人　ものですか

「おい！！そんなとこに置くなや！」「そっち置いといて」日常会話でした
利用者さんの口にガンガン流動食を流し込みながら、同僚と与太話に興じている光景もおなじみでした

＊　してないよ　記録だけだが　監査パス

してもいなことをしたこととして書き、自分のサインをするのは罪悪感に苛まれます
しかし、それ以上に理不尽なのは、してもいないことの記録に追われサービス残業になることです。空伝票の整理に追われ残業代が出ないのは苦役です

自分が要介護者の家族となった今、対応に不満はあっても、なかなか言い出せません

介護士だった頃、なぜ家族は声をあげないのか、気づかないのか、気兼ねをしているのか等々、自分たちの最低な介護を棚に上げて家族に対し勝手なことを思っていました

気に入らないなら出てってくれて結構。入所を心待ちにしている人はたくさんいる。

そう言われたらなすすべがありません。

ただ、これだけは言えると思います。

入所を心待ちにしているのは決してお年寄り本人ではありません。