ズドラーストヴィチェ 皆様
本日は此花亭綺譚について書きたいと思います。
ネタバレありなので目を通される方はお気を付け下さい。
また、記事内容は私の私見が多分に含まれておりますので
その点を留意の上でお読みください。
では今回は1巻となる「此花亭綺譚 上」の一章の内容から
私が面白いなと思ったところを書かせていただきますね~。
まずはざっくり内容を。
タイトル「星を落とす」
最初の話ということで主人公である柚(ゆず)が此花亭に
来て仲居として働くことになり、登場メンバーを軽く紹介しつつ教育係として
皐(さつき)とペアで働くこととなります。
皐はかなり生真面目な性格かつ言動がハッキリしている・・・
ちょっと厳しい上司的な感じのキャラで登場します。
皐の元についた柚はまず廊下の拭き掃除から始めるのですが、
集中し過ぎて床がピカピカのつるつるに。そこへ湯上りのお客様が
通りがかって すってんころりん!
ギリギリ柚が下敷きになるようにスライディングしたおかげで
お客様に怪我は無かったのですが、皐と一緒に謝罪をし
後ほどお客様の部屋までお詫びをしに行くことになります。
お詫びとして上等なお酒を持って行った皐と柚ですが、お客様からは
怪我等もしていないのに詫びなどいらないと断られます。逆に柚に
怪我は無かったかと聞かれ、アオタンができたとポロリと言ってしまいますw
それを聞いたお客様は薬屋であったため、柚の為に処方箋を施してくれます。
そしてそれを見た皐は薬屋であるならばお薬を一式買い取らせてもらう事で
お詫びとさせてほしいと申し出ます。
柚はその皐の申し出に「お薬は体を壊した方に必要なもの、お金を出して
買えばいいものではないのに・・・」と感じ、薬屋さんもその申し出に困ってしまいます。
そして薬屋さんは返答として「お詫びならば薬の材料である星が不足しているので星を
落としてほしい」と言って金平糖を差し出してきます。
それを見聞きした皐は自身が子供の身なりであるからバカにしているのかと思い、
反論を口にしようとするのですが、そこで柚が星を落としてみせると言いだします。
果たしてどうしたのか・・・。
柚は星空に石をポイポイ投げ始めますww このシーンはアニメの方がかなり分かりやすくなっていますので、アニメ視聴を推奨しておきます。
さて、それを見た皐は柚に叱責を飛ばしますが、柚は続け、ついには流れ星が流れます。すると・・
「見事 星を落としてご覧にいれました。山の向こうに落ちております。どうぞ拾って
お持ち帰りください!」と清々しい笑顔でお客様に言い放ちます。
すかさず皐は柚を殴り飛ばして「ど阿呆、それは屁理屈というんだ」と激昂。
薬屋さんは大笑いし、皐の言葉に「いいえ、これは屁理屈ではなく遊び心びですよ」と
言っててくれます。
そして皐に対して「あなたは責任感が強いが、もう少し方の力を抜いた方がいいでしょう」
「お客様は楽しむためにきているのですから」と言ってくれます。
この後も少し話は続くのですが、長くなるので割愛。
はてさて、この内容から私がくみ取ったこと、感じ取ったことですが。
まず、薬一式を買い取る事に対する柚の気持ちですね。
「薬は体を壊した人のもの。ただ単に不用意にお詫びといって買い上げていいものではない。」
成程なと思いました。 時代背景と現代での薬の価値観はさておき、必ずしも金銭面での利益や
贈呈物を渡す事が相手にとって有益であったり喜ぶ事ではないのですよね。
この薬屋さんも病に苦しむ人を助ける為にやっているのであって、お金稼ぎでやっているのでは
無いのです。なので利益になるからと薬を買い取る様な行為に難色を示したわけで、この場面は
いわば柚の失態を見逃してもらうためにお詫びを受け取ってもらおうと無理矢理押し付けている
形になるわけです。皐にその気がなくても結局は判断するのはお客様サイドの方であり、お客様が
不要と言っているにも関わらず必要以上に詫びを申し入れるのは悪手であったと。
何か悪い事や失敗をした時は相手に謝罪をすることは大事ですが、自己満足の謝罪ではなく
相手が喜ぶ・望む謝罪でないと意味がない と言うのを私はこのシーンから感じ取りました。
続いてはその後のシーン。 薬屋さんの星の話です。
これは詫びを受け取りたくない薬屋さんは「薬の材料になる星以外の詫びはいりません。あなたに
星を準備できますか?出来ないなら詫びは不要です。」と言外に言っていますね。
それに対して皐が「そんな馬鹿らしい内容で話を逸らさないでほしい」みたいな感じで反論しようと
したところを柚が出来ると言い張り、石を夜空になげ、流れ星が落ち、山むこうに落ちたから拾って
帰ってねと薬屋さんの依頼に応えたわけです。
薬屋さんの申し出が無理難題なら柚の返答も突飛もない話。
明記はされていませんが、山むこうに流れ星は落ち、それを拾いに行って見つけられなかったのは薬屋さんの責任、
ゆえに柚たちはちゃんとお詫びをしたという話の流れかなっと私は思っております。
詫びが要らないけどどうしてもということで解決できない詫びを提案し、柚がそれを上記の内容で
解決したことで双方の希望が口上でのみ通った形ですよね。
この話の展開は非常に面白いなーっと思いました。
解決できない無理難題とそれに対して証明は出来ないが確認もできない返答でもって話が完結する。
言葉の使いまわしでこういう捌きかたもあるんだなーっと感心した次第です。
尚、この章の最後に薬屋さんは宿を出立する際、「さて、お嬢さんが落とした星をひろいにいきますか」と
呟いて柚が「あれは頓智です。山向こうにはおちていません。すみません。」と慌てふためきますww
でも薬屋さん 「いいえ、わかりません。そこに星があるかはいってみるまではわかりません」
と言って笑顔で出立されていきます。 心が温かくなる話ですよね~。
この章、他にも仕事上の仲間意識とか色々触れたいところはまだまだあるんですが、
これ以上は長くなるので終わっておきますww
かなりザックリですのでイメージしにくいところも多いかと思いますが、
ちょっとでも気になってアニメや漫画を手にとってもられば嬉しいな。
大体こんな感じでちょくちょく書いていきますね。
それではこの辺で。 ダスヴィダーニャ ノシノシ
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