世界の鉄道は六割方この標準軌間で敷設されていると言われる.この軌間は路面電車や地下鉄から,300 km/hを超える超高速鉄道までをカバーしている.広軌(1668 mm)を採用してきたスペインですら,今や1435 mm軌間に鞍替えしている.標準軌間1435 mmは鉄道の世界におけるデファクトスタンダードなのだ.
こう言うと,「やっぱり鉄道は標準軌でなければ!」とか「日本の鉄道も狭軌から標準軌に改軌すべきだ」という声が聞こえてきそうである.実際,私も比較的最近までそう思っていた.
しかしある時,私はふと思ったのだ.この1435 mm~そもそもは4フィート8.5インチ~という中途半端な数字に,何か技術的な意味があるのだろうかと.
標準軌 - Wikipedia
毎度のことながらWikipediaのお世話になっているが致し方ない.標準軌の起原を辿ると,炭鉱の中を走る鉄道の軌間が4フィート8インチ(1422 mm)だったこと,さらには馬車のトレッドに行き着くらしい.半端な0.5インチは,車輪のフランジの摩耗を減らすために付け加えられたという,何ともいい加減なエピソードまで載っている.その軌間が,対抗馬であった7フィート(2140 mm)軌間を数と政治の力で退け,やがては世界標準に成り上がったのである.
いま世界各地を走っている鉄道車両は,かつてイギリスの炭鉱で走っていたそれらとは,輸送量もスピードも異なるはずである.現在の鉄道システムにとって1435 mm軌間とは,技術的な検討の結果とはまったく無縁のレガシー的な規格である.そして私は思った.現在そして将来を見据えた鉄道システムを構築するにあたり,白紙の状態から理想的な軌間について検討すれば,おそらく1435 mmとは違った数字が出てくるのではないのか.鉄道に携わる日本の技術者たちが1067 mmの狭軌に泣かされてきたように,現在は世界の技術者たちが1435 mmの標準軌に泣かされているのではないのかと想像したのだ.
私は,日本の鉄道が狭軌から卒業するするというのであれば,改軌する先は標準軌などという成り行きの産物ではなく,真剣に技術的な検討を重ねた結果でなければならないと考えるに至った.そして,そうした検討を技術者たちにさせたならば,おそらく出てくる結果は1435 mmなどよりはるかに大きな値になるであろう.広軌にはメリットもデメリットもあるが,横方向の外乱に対する抗力は広軌ならではのメリットであり,反面,広軌によりもたらされるデメリットである曲線通過性能の低下には技術的な処方箋があるからである.
こう言うと,「やっぱり鉄道は標準軌でなければ!」とか「日本の鉄道も狭軌から標準軌に改軌すべきだ」という声が聞こえてきそうである.実際,私も比較的最近までそう思っていた.
しかしある時,私はふと思ったのだ.この1435 mm~そもそもは4フィート8.5インチ~という中途半端な数字に,何か技術的な意味があるのだろうかと.
標準軌 - Wikipedia
毎度のことながらWikipediaのお世話になっているが致し方ない.標準軌の起原を辿ると,炭鉱の中を走る鉄道の軌間が4フィート8インチ(1422 mm)だったこと,さらには馬車のトレッドに行き着くらしい.半端な0.5インチは,車輪のフランジの摩耗を減らすために付け加えられたという,何ともいい加減なエピソードまで載っている.その軌間が,対抗馬であった7フィート(2140 mm)軌間を数と政治の力で退け,やがては世界標準に成り上がったのである.
いま世界各地を走っている鉄道車両は,かつてイギリスの炭鉱で走っていたそれらとは,輸送量もスピードも異なるはずである.現在の鉄道システムにとって1435 mm軌間とは,技術的な検討の結果とはまったく無縁のレガシー的な規格である.そして私は思った.現在そして将来を見据えた鉄道システムを構築するにあたり,白紙の状態から理想的な軌間について検討すれば,おそらく1435 mmとは違った数字が出てくるのではないのか.鉄道に携わる日本の技術者たちが1067 mmの狭軌に泣かされてきたように,現在は世界の技術者たちが1435 mmの標準軌に泣かされているのではないのかと想像したのだ.
私は,日本の鉄道が狭軌から卒業するするというのであれば,改軌する先は標準軌などという成り行きの産物ではなく,真剣に技術的な検討を重ねた結果でなければならないと考えるに至った.そして,そうした検討を技術者たちにさせたならば,おそらく出てくる結果は1435 mmなどよりはるかに大きな値になるであろう.広軌にはメリットもデメリットもあるが,横方向の外乱に対する抗力は広軌ならではのメリットであり,反面,広軌によりもたらされるデメリットである曲線通過性能の低下には技術的な処方箋があるからである.