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テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

八咫烏

2014-04-03 22:17:21 | 双眼鏡 望遠鏡
最近ウチの近くに、やたらと大きいハシボソカラスが出現します。
優に通常のカラスより二回りは大きく、高い枝に留まって悠然としているところは、猛禽類のような貫禄さえ感じさせます。
実際カラスには攻撃的な一面もあり、近年、川沿いに内陸の方まで侵出してきているカモメと文字通り血みどろのバトルをしてるのを目撃したこともあります。
この大きな個体、頭だけでスズメくらいの大きさがあり、明るいところでなければ、まずカラスとは思えない迫力の外観なのです。大きさの割りに結構敏捷で、細い枝をその重さでしならせながら、高い梢を我が物顔で独占しています。こいつがくると明らかに他の小鳥のさえずりが遠くなるので、私たちの知らないところで、小鳥にもゴロを巻いているのかもしれません。ただ、こ奴、カメラを取り出すとふっとどこかへ去ってしまいます。黒い顔に黒い瞳(ついでにいうと、瞬膜(第2のまぶた)は前後に閉じる)なので、双眼鏡で覗いても、どちらを注視しているのかわかりにくいのですが、しっかりとこちらの様子は見られているようです。その他のいろんな仕草や様子から、カラスを超えたナニかかもしれないと、半ば本気で思っていますが、流石に足は三本ありません。

ガリレオ衛星

2014-04-01 23:49:29 | 双眼鏡 望遠鏡
何度か話題にしたこともある、木星を巡る衛星のうち、よほど条件の悪いところでない限り、ごく普通の双眼鏡で容易に見える4つの衛星です。
今までにも、いろんな条件、双眼鏡で見てきましたが、今夜は、ニコンの18×70を使って、自宅前から、かなり長時間にわたって観測です。
というのは、丁度、他の恒星が、ガリレオ衛星の近傍に見え、4つの衛星の位置関係の変化を見て取るのに使えるのではないかと思ったからなのです。
4つの内3つはお互いの重力影響下で軌道共鳴しているというお話しは以前にも致しましたが、その衛星群の公転面から、例えば6時間毎にインターバル撮影した場合、3つの動きが、ジャグリングのお手玉のように見えるのではないかと気付き、数時間にわたって追うことでその端緒でも確認できればと思ったからなのです。もちろん、こんなことは初歩の天文観測なのでネットを漁ればいくつか実例を見ることも出来ます。ただ、新投入の18×70では、あまりに木星系が明瞭に見えたから、の試みです。
一番内周のイオの公転周期は1.76 日、エウロパは3.55日ですから、イオであれば、公転軌道上の位置にもよりますが、数時間で、主星や他の衛星に対する位置を変える様子が分かるはずなのです。
まあ、結果から云うと、イオが他の三つや、近傍の恒星とは主星を隔てた反対側にあったため、公転による幾何学的な相対位置の変化はさほど明瞭でなく、想像力を駆使しても、4つの衛星が横から見た公転軌道上の両端をそれぞれ違ったスピードではじかれるように行き来する様子は思い描けなかったのです。
しかしながら、数時間にわたって、かつて見たよりもずっと燦めくガリレオ衛星を追い続けて、もし、木星が地平に沈まず、かつ夜側に長時間留まり続けるような周回軌道上の宇宙ステーション上からなら、この双眼鏡でガリレオ衛星がお互いにはじかれるよう振幅する様子が追えるはずだろう、と想像するのは、ごく単純に愉しいものなのです。

ニコン 18×70 IF に付いての諸問題考察

2014-03-31 23:47:33 | 双眼鏡 望遠鏡
はい、双眼狂のブログ主としては、新しい双眼鏡については、スカマの10倍とまではいきませんが、かなり話題を引っ張ります。
先日、普段バカでかいカバンばかり持ち歩く私が、A4ファイルも入りきらないような小さなカバンを買った事を記事に致しました。実際、ノートパソコンやらデジカメやら、身の回りのものを少し入れるとそれで丁度のサイズで、かつて、アシモ君のようなでかいカバンを背負っていた感じとはかなり異なって見えるようです。


一つの理由に、おそらくは標題の双眼鏡を持ち歩く場合もある、というか、必然だろうと想像したわけで、この双眼鏡、生半可なカバンに収まるような大きさではありません。ケースもスカマのようなペラペラの袋や、フジノンの同級機種のようなソフトケースでもなく、筐体八本×2、脚四本、ベルト金具取付部分二本×2総計24本のリベットで留められた机の引き出しのような大きさのハードケースなのです。

上の写真、手前の白い小さなものはショートホープの箱です。

もちろんこのハードケースのまま入るようなカバンはトランクになってしまいますし、また、カメラップのようなおくるみでも、覆いきれない大きさです。よって可搬時は、元々のケースを使用することになりそうなのを見越して他のものを出来るだけ減らしてコンパクトなカバンに収まるよう、かつ、体の側面に掛けることになる引き出し状のケースと、提げる位置やストラップが干渉しないタイプ、というのがあのカバンを入手した理由の一つだったりするのです。



閑話休題、大判カメラよりはずっと小さいこの双眼鏡、大きさ重ささえ棚上げすれば、性能面では今のところ文句はないのですが、不満な点をいくつか。

対物キャップ、チープなポリキャップなのは良いとして、この素材と、表面の仕上げでは、凄く静電気が発生し、ホコリを喚びます。外したキャップをポケットに入れたり、床に置いたりするとてきめんで、そのまま再びつけて、対物を下にして立てるとキャップの裏側のホコリが双眼鏡の自重で、本体にこびりつきます。また、テーブルの化粧合板や、フローリングの床でも、立てた状態のこの双眼鏡が、もし倒れたりすると、間違いなく、置いてある面が傷つきそうです。フジノンの同級機はけっこう外装がラバーで覆われており、そのような心配は少なそうなのですが、こいつは、不意にどこかにぶつけると鈍器でしか有りません。もちろん、三脚などにセットする際も、カックンしないよう、2度締めを励行しなければなりませんし、接眼用のレインカバーも付いてないので、何らかの工夫が必要になるでしょう。ただ、貼られてあるシボ革もかなり上質で、金属部分の加工、別途購入の三脚アダプターも、塗装含めて非常に良くできています。
不注意で、中軸ホルダーのキャップを落とし、2mくらいセメントの階段を転がって落ちたのですが、傷一つ付いていませんでした。また、真っ直ぐに立った形状のアダプターにくらべ、三脚ネジで締め付けて固定するときに力がかかりやすいのも、この重さを支える継ぎ手として好ましいのです。頑丈無比な勝間光学さんのビノホルダーも、この締め付けるときの力の入れやすさ、という点では及第ではありません。


取りあえず、今日はここまで、です。

性懲りもなく、ニコン18×70とスカイマスター15×70の比較

2014-03-29 23:34:36 | 双眼鏡 望遠鏡
星見では、確かに性能が違うものの、果たして10倍以上という価格差が妥当なのか、前回のような条件では、今ひとつしっくりこなかったのですが、明日の雨模様の前哨で今日も星空は期待できません。で、日中比較でもしようと思い立ったのです。
元々、スカイマスターは、日中では色収差はじめアラが目立つ双眼鏡ですから、無謀な試みだとは思うのですが、とりあえず下のような状態で見始めました。





余談ですが、外観では、スマートなスカマに武骨なニコン、という感じですが、スカマのプリズムハウジングの小ささには多少不安を覚えます。




木々や電柱、樹木の幹の肌や離れた家の屋根、壁のサイディングボードなどが通常の比較の場合の目標になるのですが、両機の場合、そんな近くの目標では役不足で、今回は上のような離れた目標が主体です。この鉄塔でほぼ11kmの距離があります。

まず気付くのは、高倍率機特有のヌケの悪さがスカマの場合顕著です。もや、とまではいきませんが、ごく薄く紗がかかったような視界で、双眼鏡のような、屈折光学系と反射光学系が混在する機器では、都合数㎝もの厚みのガラスを通ってくる拡大映像ですから仕方のない事だと思っていました。特にスカマの場合、上の図の接眼部の反射光を比較しても分かるのですが、接眼側のコーティングが良くなく、ヌケの悪さが星空での背景の締まりにも影響していると思われます。ニコンはスカマに較べると圧倒的にすっきりと抜けています。着色もほぼ無いニュートラルな感じで、私の見たことがあるニコンの双眼鏡の中ではもっとも着色が少ない、眉目秀麗な印象です。もっとも、低倍率機のような爽やかなヌケの良さとは違い、硬質な印象もあります。
シャープさ、解像度、色ニジミなどの見え具合、そしてピントの合わせやすさもニコンが勝っています。CFのスカマがどうしてIF機よりピントが合わせにくいかというと、スカマの場合、そもそもピントの移動に対するピントリングの回転量が多いのに加え、きちっと焦点を合わせようとする際、左右の接眼を繋ぐ羽根が微妙にシーソーして、ジャスピンを確認するためには、右接眼の視度調整を微妙に触りたくなるのです。ニコンはIFでヘリコイドの回転とピントの移動がダイレクトで適正なのに加え、スカマよりピントが深く、かつシャープさとコントラストの良さが、よりピントを合わせやすくしています。角型見口を回転させる手間を加味しても、遠近に対象を移動する場合、ニコンのほうが面倒じゃない印象です。
日中の比較観望でもっとも差を感じたのは立体感です。上の電波塔、スカマで見ると、上の写真のように見えるのです。かたやニコンでは、電波塔のように見えます。つまり、立体感と臨場感が別物といって良いくらい違います。両機の差異、いろんな部分の差の総和がこの違いを産んでいるのだと思われます。

結論めいたことを云うと、双眼狂には10倍以上の価格差は、全く妥当に思えます。


Nikon 双眼鏡 プロフェッショナル 18×70 IF・防水型・WF

2014-03-27 23:47:06 | 双眼鏡 望遠鏡
チラ見せ、大小比較と続いて、18×70 IF・防水型・WFの話題が続きます。
今夜は、天頂から西の空にかけて、木星が移動していきます。高倍率双眼鏡、望遠鏡の見え具合を比較するには丁度良い対象、動きです。
星見、ですから、当然18×70は、三脚に固定です。一脚も考えましたが、一脚につけてある小さな自由雲台では、この重量級双眼鏡に耐えられないでしょう。
下図のようなSS10×50SK-Dなどでは余裕だった、マンフロット055とV4ユニットの組み合わせですが、18×70では、V4ユニットを伸ばした状態では不安があります。


アップミスしてた画像追加しました

一番縮めて使い、高さの不足は三脚のエレベーターで補うことにします。

で、ちょっと雲がかかった状態の木星を捉えます。縞模様こそ見えませんが、特徴的な4つのガリレオ衛星のうち、イオは木星の前面に重なって判別しづらく、ガニメデは裏側に隠れて見えません。縞が見えるかと期待していたのですが、そこまで条件は良くないようです。確認のために、天体望遠鏡を取り出してセッティングします。久しぶりの実戦投入ですが、ファインダーの調整もさほどずれていませんし、程なく木星を捉えます。32倍に拡大しても、今日は縞模様がハッキリしません。イオが前面に重なっている所為もあるのでしょう。で、気付いたのが、まがりなりにも日本製天体望遠鏡の端くれであり、プリズム等余分な光学系のない最小限の構成であるにも拘わらず、周囲の星共々、18×70のほうが、綺麗に見える、ということです。実際63mmの小口径、焦点距離800mmとはいえ、星々の煌めき、木星の明るさ等、倍率の低さにも拘わらず、18×70のほうが魅力的に見えます。
もちろん、価格差を考えれば当たり前のことかもしれません。
今度は、スカイマスターの15×70を持ち出してきます。いままで星見の主力機の一端であり、すばる等を美しく見せてくれた同機ですが、木星等の明るい天体では、色ニジミの所為もあって、天体望遠鏡にも、18×70にも敵いません。対物口径は同じ70mmとはいえ、実質有効径が63mmくらいとも云われているスカマ15×70ですが、18×70と較べると、背景の締まり具合から始まって、星々の煌めき、そして主星の影から現れ始めたガニメデの分離等も完敗です。主星から徐々に距離を取り始めたイオとガニメデの分離においては、天体望遠鏡のほうでも、倍率の高さにも拘わらず、暗さが仇となって、18×70に劣勢を強いられています。ただ、この天体望遠鏡、付属のKDS経緯台、後付のパーツでガタを排除し、操作ノブも換えてありますので、安定して木星を追えます。18×70の架台については、もう少し検討の余地がありそうです。
Nikon18×70 IF・防水型・WF、生半可な天体望遠鏡を凌駕する見え具合には、予想していたこととはいえ、驚きました。

最大と最小

2014-03-26 22:31:22 | 双眼鏡 望遠鏡
ニコンの双眼鏡で、最大と最小の両機種です。
最小については、ニコン自身はこの遊 4X10D CFを〝最薄〟としか表現しておらず、トイグレードのものや、ミクロンタイプでもっと小さい、軽いものがあったのかもしれません。
18×70 IF 防水型 WFのほうは、実は重さ大きさとも、同じ70mm口径の10倍機、SPのほうが若干上回っているのですが、倍率も含め、据え付け用大型の20×120などは除外するとして、〝最大〟と云って良いでしょう。
まあ、簡潔に云うなら、手持ちのまともな双眼鏡で最大と最小、と、しておきましょう。



手持ち、というところに若干引っ掛かるかもしれませんが、私も予想外だったのですが、この18×70IFは、結構手持ちで使えるのです。長時間の保持は重さゆえ無理かもしれませんが、短時間に、遠くの点のような旅客機のロゴを確認するとか、ビルの高層階の上から、地面を歩いている人の靴を確認するとか、無難にこなせます。もちろん、高倍率故にぶれやすいのは間違いなく、上記のような使い方をするには、かなり気合いが必要だとは思います。ただ、肘を手すりに固定したり、体をどこかに寄せて支えたり、イスに座って安定させたりすると、思いの外長時間使っても、大丈夫です。
それに、この双眼鏡、やたら高倍率のくせに、実視野6.5°の10倍機の視界が手狭にみえるほどの広い見掛け視野を誇り、かつ4倍の遊より、視野周辺での像面湾曲が少ない極上の見え具合です。流石に、色収差だけは、普段勝間光学機械さんの低倍機を見慣れている目には、結構多く感じられますが、シャープな画質だけに、より感じ取りやすい部分もあり、実際、遠くのややぼやけたビルなどでは全く気になりません。
この双眼鏡も昨年末、某ショップで安売りしてたおりに購入寸前だったのですが、実機をそれなりの条件で確認できるところを探しているうちに、結構時間が経ってしまったという経緯がありました。

ちなみに、付属のストラップで首から提げるのは、むち打ち症の恐れがありますので、やめた方が良いです。

寒の戻り

2014-03-21 23:38:57 | 双眼鏡 望遠鏡
というには、ちょっと時節が早いですが、今日は風が吹き、気温が低いのです。
数日間、ちょっと暖かい日差しが続き、昨日降った雨も冷たい雨ではなく、クルマの乗り降りで濡れざるを得ないときでも、そんなに肌寒さは感じず、このまま暖かくなるのかなぁ、とのほほんとしていたのです。

今夜は、一転、雲が切れて、雲間に星が見える夜になると、ちょっと持ち出した双眼鏡が、あっという間にくもりました。温度は低いものの、大気の湿度は明らかに増しているようで、折角星見の時間が取れたのに、ちょいと残念な気持ちで、薄着の出で立ちの私は、そそくさと屋内に戻りました。


軟弱化してるようです。

星空観望不調の一週間

2014-03-12 23:08:59 | 双眼鏡 望遠鏡
いつも準備万端の双眼鏡たちと、三脚等の架台たちが無聊を託っています。
日照時間が長くなり、観望に適する時間が短くなったのに輪をかけるように、雲や大気の状態が悪く、さらには、日中とは異なる真冬並の寒さが続いています。特に、冬の星座の代表であるオリオンやスバルの南中時刻が早くなり、まだ帰宅だ食事だと瑣事に追われている内に、見頃を逃してしまいます。日中に合わせた服装では、夜の観望には心もとなく、服装など再装備してからでないと、と云う具合に更に限られてしまいます。
まあ、夜に双眼鏡持ってうろうろするなんて趣味は、大きな声で吹聴出来るものでも無いので、じっと我慢して、めがすたー(プラネタリウム)を見に行こうか、とか、遠征しようか、とか、デスクトップでの星見計画に興じることで、気慰みにしているのです。

低倍率双眼鏡 2機

2014-03-07 23:15:15 | 双眼鏡 望遠鏡
個人的に、お散歩の連れ用双眼鏡はシチュエーションに別けて、いくつか決めているのです。
観望主体のお散歩の時は、見え味の爽快なもの、勝間光学のHM6.3×40SK-DやWP6×30SB-Dなど。昆虫や草花など生物観察も想定すれば、パピリオ君。知らぬ間に、上着のポケットやウエストバッグに入っているツァイスのポケットという具合です。
で、昨日の雪の降りざまの観望をきっかけにNikon 遊と、新参のMIZALの超広角機を、お散歩の連れローテーションに加えるかどうか、検討してみました。

遊は4倍、SW-525は5倍と、通常の双眼鏡よりも低めの倍率の両機は、それぞれ、開発された目的が違います。遊はもともとは観劇を中心にしたオペラグラス的用途、SW-525は、広い見掛け視界の確保を目的としています。実視野10°の遊に対し、SW-525は15.5°(後継のSW-550は15.8°)とその差異は歴然ですが、両機を覗き較べてみて、数値ほどの視野の差は感じません。ただ、見掛け視界の差異は歴然とあって、おそらくはその差異により、倍率がもっと違うように感じられます。
明るさでは流石に遊が不利です。しかし、コントラストが高いので、暗さがさほどマイナスには感じません。また中心部のシャープさは、SW-525よりずっと好印象で、遠くの鉄塔などの構造が良く見て取れるのは遊の方です。周辺視野のボケ方は遊、SW-525とも、それなりにあります。視界の広さから云うと、SW-525のほうが優秀なのですが、像面の湾曲のきつさが、ボケを強調するような感じで、印象はさほど変わりません。遊は倍率の低さとそこそこの見掛け視界のおかげで、辺縁部でも避雷針の湾曲など、ほぼ気にならない程度です。
総じて、シチュエーション別に判定するなら、例えば美術館で絵画を見るなら遊、彫刻(人物像など)を見るならSW-525でしょう。また観劇で、役者の表情と衣装を楽しむなら遊、舞台上の踊りや動きを楽しむならSW-525でしょう。
もちろん、倍率はともかく、筐体の大きさには圧倒的な差のある両機です。単純に見え具合だけを比較しても、意味がないかもしれません。私の感覚では、遊は、優秀だけど、アイポイントの決まりにくさ故に、他のお散歩双眼鏡と較べて、ちょっと使いにくい印象なのですが、ポケットの殆ど無い服装でも気軽に身につけられるその可搬性と、小ささ薄さからは想像できない見え味を改めて感じた次第です。
4倍の双眼鏡。そんなのちっとも大きく見えないじゃん、と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、例えば、離れたところにいる、風体や雰囲気はわかる人物、そんな対象に対して、人相どころか、表情や感情まで見て取れる能力が、この遊にはあります。
重量当たり単価の非常に高い製品ですが、日本ではナイコンブランドの評価された諸外国よりはずっと安いですし、コンパクトさのなかにメイドインジャパンの粋が詰まった双眼鏡です。

雪と双眼鏡

2014-03-06 22:08:53 | 双眼鏡 望遠鏡
以前、勝間光学機械さんの、WP6×30SB-DとWP8×30RC-Dを比較したときに、雪の舞う町並みで両者のピントの深さの違いが分かるという趣旨のことを書きましたが、今日、3月としては珍しく雪が舞い、ちょうど持ってたNikon 遊 4×10で、雪の舞う景色を眺めていました。
この遊については過去にも数度記事にして、一見コンパクトなだけの双眼鏡のように見えても、実際並々ならぬ実力派の双眼鏡だということは分かっていました。
アイポイントの関係で、裸眼の場合、すこし離して構えなければならないのと、その際、あまりにコンパクトで薄いボディ故に双眼鏡自体の傾きがわかりづらいので、視軸と双眼鏡の光軸が傾かないような持ち方が出来れば、その魅力を十分に享受することが出来ます。なにより、この小ささ薄さはワイシャツのポケットでも充分なほどですので、そこにも、大きな価値があるのです。

で、その遊で、雪の舞う町から、山あいへと続く景色を眺めていて、遠近に降る雪へのピントの合い具合と、視野辺縁部の崩れによるボケ方が相乗効果のように、雪の降る様を印象的に見せてくれたのでした。確かに、勝間のWP6×30SB-Dのように、かなりの深さで合焦してる降雪の様子も、絵のような感じで良いのですが、遊の場合、そのぼやけ加減が絶妙というか、以前、駅のホームから夕焼けの茜雲をこの双眼鏡で見た時にも感じたことですが、絶対に美しく景色が望めるその刹那に、持っている、身につけている可能性が非常に大きい、この遊ならではの観望でした。

ごくありふれた、郊外で、切り取ってみれば、まるで絵画のように見える美しい眺め、その対象までの距離を1/4にできる(=4倍)、そう考えてみると、大きなメリットなのだと思います。

結露対策

2014-03-02 23:02:25 | 双眼鏡 望遠鏡
双眼鏡、望遠鏡カテゴリの記事で結露のお話しですから、当然、冬の星見に於ける、接眼、対物レンズの曇りについてなのですが、まずは脱線上等で、窓ガラスやゴーグルのお話しから。
窓ガラスの結露については、自宅ではあまり経験していません。というのも、暖房が嫌いで換気が好き、という性分なので、自宅で気になるのは、風呂場の壁や天井なのですが、これは、カワックなどの風呂場空調でも無い限り、冷やすか拭き取るしか手立てがありません。窓ガラスも含め、拭き取り用には洗車用の吸水クロスを利用するのが、手っ取り早くて良いのです。
ゴーグルは、スイムゴーグル、スキーゴーグル、オフロードバイク用ゴーグルなどを持っていますが、スイムゴーグルは曇り止めコート、スキーゴーグルはダブルレンズが対策の決定打だと思います。その昔は、タバコをほぐしてガーゼに詰めたモノを曇り止めに使っていたりつばをつけたりしたモノですが、それらの方法よりずっと効果が高いのです。
で、本題の、双眼鏡関連については、いまのところ、決定打が見つかっていません。
対物の曇りは外気温度に馴染ませるだけ、望遠鏡の接眼部については、ヒーターやカイロで加温することが最終手段です。双眼鏡では架台にしっかり固定されていないものや、手持ち、一脚で使用する場合、加温という手法は難しくて、しかも、直視(対物、接眼が同方向)なので、より、呼気や眼球からの水蒸気の影響を受けやすい(上方にある)のです。
眼鏡やコンタクトの使用で、若干抑えられるとも云いますが、折角、裸眼で、アイポイントの合った双眼鏡をわざわざ眼鏡、コンタクトで見たいとは思いません。
結局、外気温に双眼鏡、自分の顔面共々充分に馴らすことと、曇った場合に使うブロワーが今のところの対策で、一部の高級双眼鏡に施されている撥水、撥油コーティングも曇りには大して効果がないようです。

持っててヨカッタ双眼鏡

2014-02-21 23:45:16 | 双眼鏡 望遠鏡
ここ数日、少なくとも普段EDCしてる双眼鏡などとはちょこっと離れ、またPCにも触れられない時間が続いています。で、スマホで本を読んだり、普段会わない人とお話ししたりが一通り終わったあと、屋外でふっと煙草などを吸っていると、ああ星空が綺麗だなぁなどと思うことがあります。クルマには、放置双眼鏡が有るのですが、離れたところに停めています。このような状況でポケットサイズの両機の存在は改めて便利だと思います。
ツァイスポケット(コンケスト8×20)はコートのポケットに、遊4×10は上着の内ポケットに忍ばせてきましたが、普段と違う環境で時間をもてあますときには、見慣れない風景やいつもと違う星空を双眼鏡で眺めるのが、ほっとする息抜きになります。
さっと取り出せる利便性では単眼鏡に歩があると思いましたが、空いた時間を眺望で過ごすにはやはり双眼鏡でないといけません。
連綿と続くポケット双眼鏡の代名詞ツァイス8x20と、新時代の超軽量な名機、遊4×10、特に遊のほうは、全く双眼鏡なんて触ったこともない方に好評で、「頂戴!」と云われましたが、きっぱりとお断りしました。値段を尋ねられたのでお教えしたら、恐縮しておられましたが、いくらコンパクトでも100均のオモチャと同カテゴリに思われたのには、苦笑してしまいました。

このところ、記事の更新が遅れ気味で申し訳ありません

2014-02-19 23:39:28 | 双眼鏡 望遠鏡
だいたい、拙ブログでは、幾つかの記事を書きかけ、途中で放置して非公開のままにしてるのを、その時々の話題とかに関連して、改作したり、関連テーマや、ときには一つのフレーズだけ流用して毎日の記事にしています。
ところが、2月に入って、その書きかけ記事のストックが急速に尽き、かような状態になっている次第です。
まあ、読んでいただいているとお分かりのように、話題があっちこっちにさまようのは、そういう仕様故なので、まことに申し訳なく感じるとともに、その利点であったはずの、記事の更新が遅れがちになるに及んで、今一度、積極的な記事の更新に努めようなどと殊勝な心持ちではあるのですが、ストックが尽きた原因である、煩瑣なことがらどもはまだ終わっておらず、ちょっと焦っております。

で、焦りついでに告知です。
もうすぐ、Gooのフリーメールサービスが終焉するに及んで、今までは、このブログのアカウント@mail.goo.jp でメッセージを頂戴しておりましたが、使えなくなりますので、先般より、右サイドバーの一番下から、1000文字以内のメッセージを送っていただけるようにしています。当然、内容については、記事へのコメント投稿とは違い、ブログ主にしかわからないようになってます。

また、ファイルを添付する必要などがある場合は、

こちらまでおねがいいたします。

羽虫を認む

2014-02-18 23:05:46 | 双眼鏡 望遠鏡
先日の雪の日のあと、朝に鳥の声を聴きながら、双眼鏡を覗いていると、双眼鏡の視野のなかに、羽虫が飛んでいるのが分かるようになりました。





ピントを合わせてみると、冬眠しない蚊という通り名のチカイエカなどではなく、蚊柱を作ることでしられるユスリカの仲間のようです。
ユスリカは、見た感じ、鱗粉のない蚊のようですが、いわゆる蚊とは違い、成虫は口吻もなく消化器も退化して、成虫となってからは、餌を採らない、繁殖のためにだけ成虫になる昆虫の一種です。ハエに近く、幼虫は川釣りの餌に使われるアカムシと呼ばれる細長い小さなウジです。幼虫のまま、水底の泥土のなかで越冬し、春の訪れとともに、蛹化し成虫へと変態します。まだまだペアリングできるほどの数は飛んでないので、折角、成虫になっても、その第一の目的である繁殖活動が出来る個体は殆どいないでしょう。
それでも、こうして羽化してくるからには、例えば淘汰という意味に於いて、無駄ではないのでしょう。
春の訪れの先走りのようなモノなのかもしれません。いろいろとうかうかしていられないのです。

身近の双眼鏡初心者に低倍広視界双眼鏡の評判が良い

2014-02-05 23:51:21 | 双眼鏡 望遠鏡
今まで、いろんな双眼鏡を持ち歩き、機会があれば、身近な人々にも試してもらっていましたが、中でもとりわけ好感触なのが、自宅外保管にしているSW-525です。
以前から、高倍率より、低倍率のほう、重いより軽いほうが、好まれる傾向に有りましたが、アイポイントが決まらなくても、それなりに見えるSW-525がその傾向にうまく合致するようです。その上、覗き込むような感覚が少なく、広視界ときて、より好ましく感じられ、広視界故の臨場感もそれなりに感じ取って頂けているみたいです。

個人的には、かつて拝借していた勝間光学機械さんの試作機、5.3×30のほうがずっと見えが良く、その見易さも際立っていたように思うのですが、慣れない方には重さ、がネックになり、軽さで際立つ遊4×10は、小さすぎることが、覗きにくさ、アイポイントの決まりにくさを助長していたようで、小さくて便利、という感想が主で、見えに関しては、さほど好評を頂けていません。同じく軽量級のツァイスの8×20は、8倍故のぶれやすさが双眼鏡に慣れていない方には、低倍機と較べてデメリットとして感じられたようです。


ということは、双眼鏡に慣れない方にもっとも魅力的なのは、軽さ、低倍、広視界と三拍子揃っているライカの旧トリノビット6×24なのかもしれません。

まあ、オークションに出るたびに、~10万の価格が付いているので高嶺の花すぎるのですが。