テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

GOTO

2020-01-05 03:37:00 | 双眼鏡 望遠鏡
オールド天文ファンなら、そのロゴを目にすると思わずかしこまってしまう(?)「GOTO」、タカハシとともに国産望遠鏡の重鎮ブランドだった。民生用からはほぼ撤退した五藤光学が数年前から民生用事業を、やや再開している?気配なのですがその一環として同時に創業90周年を記念して発売された単眼鏡があります。

GOTO GT-M518
単眼鏡(モノキュラー)というのは、望遠鏡(テレスコープ)という大きな括りのなかで双眼鏡(ビノキュラー)同様持ち運びしながら使う片眼用のスコープでコンパクトなモノのこと。コンパクトにするためダハプリズムタイプが主流。昔からこの分野に強いツァイスやライカのモノビットなどが価格的にも頂点でニコンのHGシリーズが対抗馬、ビクセンがトチ狂ったアルテスががっぷり四つで押し切る勢いっつー図式が何年も続いてた。2016年それまで中国生産の8×42ダハ双眼鏡などを販売し本命の7×50ポロはいつになるんだろう?と思わせていたなか、五藤光学から発売されたGT-M518、その型番通り対物レンズ口径が18mmで倍率が5倍、日本製でウンヌンカンヌン、詳細は、公式サイトにpdfがありgooブログに公式blogもあるので参照いただくとして、




ここではまずひとこと。
買え。

デザイン以外には上述したどの製品より総合的に良い。
精緻に見え、収差も充分少なく、使い勝手も良い。なにかを見る時、自分の視力のブースターとして、まさに真価を発揮する優れた光学製品です。最短合焦距離が50センチとパピリオ並みなので、ルーペ代りにも使える。税込みで28Kほどと安くはないけど、風景から草花の観察まで、あるのとないのとでは見えてくる世界が違う、最高峰の性能です。ちなみにAmazonで不定期に入荷があり300台以上売れているらしいです。
別の観点からいえば、3万近くで、双眼鏡ではあり得ないコンパクトさを手に入れる、ただし、見ることに関する機能性能は妥協の無い超一級。それがGT-M518 です。



ご存じのこととは思いますが・・・

2014-06-07 15:17:20 | 双眼鏡 望遠鏡
ここブログにても一押しのポロプリズム双眼鏡の老舗、勝間光学機械さんの公式販売ルートであった楽天市場のショップが5月29日をもってサービス終了となっています。
気付いたときに問い合わせ等もしているのですが、元々のHPでは6/3、6/5と小さいながらも更新はされており、これからは、そこでの直販のみとなる模様で、ひとまずは安心でしょうか。ただ、製品の説明など、楽天へのリンクのままなので、実質、商品についてはほぼわからない状態で、まあいまのところ待つしかないようです。
また、勝間さんのHPは以前から、ブラウザーによっては、テーブルが崩れて見え、メニューなどが見づらい状態ですし、私のようにタブキーでアクティブカーソルを移動させる癖のある原始人はともかく、スマホやタブレットでタップするのに慣れた今どきの方には使いにくいかとも思いますので、この際、大幅なリニューアルを期待したいトコロです。
何度もこのブログでご説明してきたとおり、勝間光学さんの双眼鏡はダハ双眼鏡全盛の今どきにあっては、古くさく見えるかもしれませんし、IF機が主体なのも、(慣れるまでは)不便そうに思えますが、実際、多少嵩張ることをのぞけば、これほど見やすい双眼鏡が比較的に廉価で販売されており、しかも、どの個体をとっても光軸からディオプター目盛りなどの細部に至るまで、高精度に組立調整されているのは、コスト削減重視の工業生産品とは、一線を画していて、凄みすら感じます。うちにある勝間光学さんの双眼鏡は、これからずっと長い間、私の愛機で有り続けるでしょうし、そのきちんとした品質がもっと世に受け入れられるようになれば良いと思っています。


季節の変化を知る

2014-05-25 00:38:32 | 双眼鏡 望遠鏡
通年で星空観望をしていると、天体の移り変わりに併せて、勢い季節の移り変わりに敏くなります。
最近は、大型の18×70を三脚に乗せて使っている場合が多いのですが、時折、手軽な低倍機である6×30や、6.3×40の双眼鏡も持ち出して、星空を流し見するのも、またおつなものなのです。そんな風にしていて気付いたことが一つ。
上記に挙げた3機種は、よほど厳しく見ない限り、例えば超明るい満月や、木星のギラつきなども気にならない、殆どの恒星が見事な点像に見える解像度と色滲みの少なさが特徴です。低倍機の場合、その点像は充分に鋭いながらも、低倍故の合焦範囲の奥行きの深さにより、逆説的に云えば、最後のピントの追い込みが必要ありません。それと比較して、18×70の場合、大気の条件の良い時にきちんと固定してやると、低倍機よりもキリキリとピントを追い込むことが出来ます。これは似たような倍率、口径のスカイマスター15×70ではあまり得られない感覚で、天体望遠鏡の微動合焦に近いシビアな工程です。で、その合焦位置は、目のコンディションにもよるのですが、いままではほぼ一定で、そのおかげで、付属の回転するツノ型目当てでなく、固定式の業務用目当てでも、不自由なく使えていたのです。ところがこのところ、きちんと焦点を追い込むといままでの位置と微妙に違います。目のコンディションが変わった、もしくは遠視が進行したかとも思い、低倍機でも出来るだけピントの追い込みを行って、そのディオプター目盛りの位置を確認してみますが、こちらは、以前に勝間光学機のみ6機を比較観望した時と変わりません。要は、18×70のみで合焦位置が微妙にズレたとしか考えられないのでした。何度かそのようなことを繰り返している内に、原因に思い当たりました。天体望遠鏡の場合もそうなのですが、同じ筒、同じアイピースでも、温度(鏡筒内の空気の温度)によりピントの位置が変わることがあります。ガラスが、その組成や比重により屈折率が変化するように、気体も、ガラスほどではありませんがわずかに屈折率が変化します。天体望遠鏡とは違い、窒素封入された防水の双眼鏡ではあるのですが、おそらくは18×70の鏡筒内の温度変化により、いままでと微妙に合焦位置がかわったのでは、と思うのです。まあ、合わせれば済むことなのですが、固定式の目当てを使っていなければ、明確には気づけなかったであろう、季節の変化の一面なのでした。

EDレンズの双眼鏡

2014-05-04 23:01:47 | 双眼鏡 望遠鏡
昨年より、中華ダハ双眼鏡の中~高級クラスにEDガラス(異常分散ガラス)を使用した機種が増えており、ここでも軽く紹介したり、店頭で覗いた感覚をお伝え致しました。
当ブログとしてはおおむね中華ED機については、高評価を与えていません。その第一の理由は、従来EDレンズの長所とされていた軸上色収差、色滲みの程度が、それなりでしかなかったということにつきます。ツァイスのFLシリーズ、ニコンのEDG等、超高級機の分野では、EDレンズの特長を高精度な光学系に上乗せして、非常に色収差の少ない見えになっていたものが、一部の中華EDレンズ機では、そこそこの精度の光学系の補填にしか特長が活かされていないように感じたのが大きな理由です。以前にも申し上げたように、単純な一枚構成のレンズでは、軸上色収差は大きく、補正のしようがないのですが、複数枚を貼り合わせた構成のレンズでは(アクロマート)レンズの加工と光学系の精度を高めることで、お互いのレンズの色収差を打ち消す方向に持って行くことが出来、特に低倍率の機種では、事実上、本来のEDレンズの特長に相当近い効果を得ている場合もあり、その代表が勝間光学さんの6×30シリーズなどだと思っています。
また、日本の有名ブランドや老舗望遠鏡ブランドが発売し、好評を博しているEDの40mm級ダハ双眼鏡については、最大限の高評価を惜しみなく与えているレビューも多いのですが、さほどたいしたものでは無いという評価もあり、その清濁混交している様子に、ありがちな、製造工程の品質ブレを疑ってしまいます。実際、他の分野の製品でも何度か取り上げたように、たとえ日本の企業による品質管理が励行されていたとしても、それを上回る暴れっぷりを示してくれるのがかの国の製造品質です。双眼鏡では、早くに中国に生産拠点を設け、ほとんどの生産を移管したK光機さんでさえ、生産コストの安さを売り物にする中国企業には苦戦を強いられて居る様子ですし、日本に生産拠点を残した製造メーカーさんは、市場価格を破壊したChina勢に手も足も出ず、業務用の光学機器、スポーツ用など、光学機器製造の技術を活かし、まだ生産コスト安競争に侵されていない分野に活路を見いだそうとしているようです。
そういった状況の中で、面白い製品を発見しました、made in japanの40mm級EDダハ機、ハイエンド($1000)クラスとして製造された○○光機製の双眼鏡が2機種、以前に紹介した双眼鏡倶楽部さんで数量限定販売されています。このような製品は以前はなんらかの催し物の際、少量ずつ出品され、そのイベントに行った人のみが恩恵を享受できる正規販売ルート外品として入手できたのですが、双眼鏡倶楽部の店主さんが、ある程度サンプルを使い込んだ上で、上述した中華EDダハ等とも比較した上で紹介されています。凄く興味があるのですが、つい先日18×70を入手した身としては、見送らざるを得ません。もしこれが○○光機さんでなく、○○○光機製だったとすれば、自分の持っている8×42ダハと較べてどう異なっているか気になって仕方なかったでしょう。以前に紹介した○○○光機製の6×30ダハはもう扱っておられないようなのも残念です。ともかく、私と同じように中華ED機に期待して、肩すかしをくらったひとにはクリティカルヒットな商品なのは間違いないでしょう。勝間光学さんや一二三光学さんのWeb販売ページの活性が乏しい昨今、応援したいと思っています。

中盤戦

2014-05-02 23:47:56 | 双眼鏡 望遠鏡
連休中に双眼鏡活用強化を実施し、星見では序盤の劣勢を取り戻しつつあります。
空が暗くなったら、まず木星です。18倍の威力は、条件さえ良ければ、コンスタントに木星の縞を感じさせてくれます。腰を据えての星空観望スタイルは、三脚+ウォークスツールの組み合わせで、座った姿勢で天頂まで探索するのが定着してきました。三脚の手前二本の脚の間に、ウォークスツールの三角形の座面の頂点を押し込むような位置、つまり下半身が三脚の脚のしたにもぐり込むようなスタイルです。これで向こう側に突き出たV4ユニットにパン棒よろしく手を掛けてやると、三脚自身にも私の体重が均等にかかり、私がのけ反っても、三脚が支えてくれる体勢になります。45度以上違う方向を見る時は、向きを変えて座り直す必要がありますが、天頂付近の観望の場合は、結構同じ向きのままでも広範囲に見ることが出来ます。
傍から見るとオカシナ姿勢かもしれませんが、緩い地面以外では、やってる側はごく快適です。V4ユニットの角度を変えたときのアオリというか上下移動量を、ヒトが前を向いたときと上を仰ぎ見たときの目の位置の上下動と合わせるようにしてやると、エレベーターを使わずに連続して天頂から地平まで追うことが出来ますし、双眼鏡の角度は、固体潤滑剤入りの摺動面用グリースをボール部分に塗った自由雲台のおかげで、ビノホルダー部分を片手で持っていれば、いちいちロックを緩締することなしに任意に変えることができ、手を離しても安定しています。
願わくば、更に条件が良くなり(あるいは、良い場所へ行き)、双眼鏡のみならず、肉眼やテレコンビノなどで、降るような星空を観望したいと、欲求は募る一方なのです。

つれづれに・・・

2014-04-25 22:59:40 | 双眼鏡 望遠鏡
ゴールデンウィーク直前の記事なのですが、恐らくはきちんと公開できるのが突入後になると思いますので、ちょっとそぐわない感じにもなりそうなのをお詫びしておきます。

前半は天候不調が予想されている今年のゴールデンウィークですが、個人的には、例年になく気分が乗っています。特に、大きなイベントや、旅行や遊びの予定があるわけではないのですが、どこに行くにも、どこにいても、双眼鏡を傍らに、と決めています。
以前、このブログでも書いたのですが、双眼鏡の楽しみの一つに、一方的な距離感の喪失、という概念を挙げました。つまり、双眼鏡で得られる立体的な拡大視野は、観察者にとって、観察対象に対して独占的な利益というか、被験対象にしてしまうのに似た効果をもたらす、ということです。パピリオで見る足元のアリは、目の前の巨大な靴底に踏まれまいと右往左往していますが、果たして、それをつぶさに観察されているとは気付かないでしょう。とんでもない視力を持つ猛禽類でも、渡りで空高くを飛翔しているとき、遙か彼方から、その様子を追われ、自分の種別や、飛ぶ方向など、細かく記録されていることに気付いているでしょうか。もっと下賤な例では、桜の花びらの舞う学校の運動場で少年少女の体操服姿を隣のマンションから見下ろしている不逞の輩に誰が気付くでしょうか。
とにかく、対象を近くに見ること、それも、鮮やかにくっきりと生々しく見られることは、どんな映画や4Kテレビよりも、双眼鏡が秀でている特徴なのです(もちろん、双眼鏡にも玉石混淆があり、高倍率やズームを謳い文句にしている製品については、その限りではなく、単なる目を疲れさせるいびつな道具でしかありませんが)。また、ある程度の倍率の高性能な双眼鏡では、視点の巨人化というか、視点が巨大化したような印象を抱くことがあります。例を挙げると、丁度双眼鏡の視野円に収まるような一本の樹木を見た時、根本から樹高を意識したときのその大きさに見合うパースペクティブの無さは、あたかも自分が木と同じ大きさになって見ているような錯覚を生じるときがあります。写真展などでたまに見掛ける、長玉(超望遠レンズ)を使って遠近感の乏しさを強調するようなフレーミング、トリミングで焼かれたプリントは、見慣れた物体、風景にも、不思議な魅力を付け加えるものだと思いますが、接眼部から目を離さず、ずっと見ていることの出来る双眼鏡、状況であれば、そのような、超望遠レンズの作り出す光景を生々しく、しかも立体感を伴って見ることが出来ます。もっと下世話に言えば、テレビカメラでしか近寄れないような、例えば、高速道路を高速で行き交う車の流れを、それと同様な大きさと迫力の立体画像で見ることが出来るのが双眼鏡なのだと思うのです。ナショナルジオグラフィックなどの写真は当代一流の冒険家であり写真家である方達のものがおおく、非常に見応えがありますが、私にはそのような場所には行けず、また機材や技能もありませんが、身近な風景や事物でも双眼鏡によって、テレビや写真などの平面的な媒体では味わうことの出来ない、いままでに気づけなかった迫力や魅力があるのを思い知り、また、それを出来るだけ見つけて、愉しもう、と思っているのです。

春眠暁を覚えず

2014-04-23 22:05:21 | 双眼鏡 望遠鏡
春眠暁を覚えず。
このところこの言葉を実感しています。
アンドロメダ銀河という天体、綺麗な夜空では、肉眼でも見え、条件の良い時、場所なら、満月よりもずっと大きい視直径を持つ、壮大な天体です。
子供の頃読んだ、アシモフのエッセイの中に、誰かから、君の視力(目の良さ)を問われたとき、200万光年先のものが見えます、と言ってやりたまえ、というくだりがあり、実際、239万光年彼方にあるこの天体、都会では厳しいですが、ちょっと郊外へ行けば、見えます。以前にも、何度か観望したことは有って、実を言うと、大口径の双眼鏡で見てみたい対象の天体の筆頭格でもあります。
で、新規投入後しばらく経ったニコンの18×70でも見てみよう、と思い立ったのは良いのですが、この時期、条件的には、夜明け前の、比較的空気の澄んだ時間帯に昇ってくるアンドロメダ、観測条件としてはここ数日が良いと踏んでいたのですが、4月も半ばを過ぎたこの時期、日の出前のわずかな時間を狙って、三脚にセットした双眼鏡を玄関の三和土に置いてたりもするのですが、ふと気付くと空が白み始めて、機会を逃す日が続きました。
もともと、夏の天体(よく言う、冬の天体、夏の天体、というのは夜に空に昇ってくる、つまり季節によって、天球上の太陽から、どれだけ離れるかによって決まります。代表的な冬の天体のオリオンは、もう夕暮れと同じくして西の空に降りて行き、これから夏にかけては、観望できなくなります)ですから、時期尚早な感じではあるのですが、そう考えてくると、天体観望用の機材というのは一度入手すれば、少なくとも一年間は、季節折々良い条件を迎える天体に対して活用できるわけで、せせこましく忙しい現代の生活の中でおおらかなスパンで愉しめるいいものだなぁ、と言い訳してみるのです。

朝の双眼鏡選び

2014-04-17 22:59:16 | 双眼鏡 望遠鏡
以前は、時々ローテーションすることはあれど、だいたいに於いて同じ双眼鏡を数日~数週間持ち出すのが常でした。収納にゆとりのある大きめのカバンを常用していたことも、その補助的要因でした。おかげで比較的に嵩張るポロタイプでも、多いときには2台を携帯し、偶然の使用機会に活用していたのです。
最近は、常用するカバンが小さくなり、また、そのカバンが非常に具合が良いので、以前のように、ツァイスポケットとニコン遊は当然、単眼鏡はもちろんの事、加えるに50mmクラスまでのどれかを必ず持参、なんてことは無くなり、朝に、その日の天気や行動範囲を吟味して、どの双眼鏡を持参するか、決めています。
もちろん、いま個人的に旬の18×70は、(人目をはばからずに)遠景を望めそうな場合は優先候補になるのですが、今日はパピリオ君、明日は勝間光学の6×30、その次は交通機関を利用して移動するので遊4×10のみ、と、結構とっかえひっかえ持ち出す機種を換えています。
実際には持ち出しただけで使えずに帰宅する場合も多いのですが、上手い具合にTPOにはまって、勝間光学の低倍率機で綺麗な茜雲が愉しめたり、珍しい桜の花弁をパピリオ君でアップで見ることが出来たり、と美味しく双眼鏡を使えることもあります。
双眼狂以外の方からすれば、何やってるの、と思われること畢竟ですが、昨年末から今年にかけて、ミザールの超広視界低倍機、そしてニコンの18×70と、尖った特徴を持った機種が加わったことと、いままでおざなりだった日中観望(鳥見その他)にも興味の矛先を向けたことが、朝の双眼鏡選びを、お洒落な人が洋服やアクセサリーのコーディネイトをするような行為にさせてくれています。まあ、理解してもらえるとは思いませんが、上のたとえが、一番近い感覚なのです。

ニコンIF双眼鏡用、業務用ツノ型目当てゴム

2014-04-13 20:44:26 | 双眼鏡 望遠鏡
双眼鏡付属のマニュアルによるとさほど変わりは無いように思える形状ですが、レビューなどによるとフィット感が増す、とのことでしたので、安い部品(送料無料で二つで500円ちょい)でしたので買ってみました。



ニコンイメージングの他の廉価パーツと同様、簡易な包装です。



左:接眼目当てアタッチメントとツノ型目当てゴム(デフォルト)、右:業務用~

以下、同様です。




この双眼鏡(18×70)、業務用としては、船舶、港湾、空港、監視所などなどに備品として設置さていたりするようで、その場合、恐らくピントは無限遠固定、まず近傍を見る用途には使われない場合が多いでしょうから、観光用の固定式双眼鏡などと同様に考えると、納得できるパーツです。しっかり嵌るので、もしピントを移動するために接眼部を回す場合、ゴム目当てを嵌めたまま回す(ツノの向きを変える)のはかなり困難なので、ピントをずらす前に外し、合った位置でまたつける、という具合になります。一般的な双眼鏡のように、ピントを前後して使う場合には、却って不便なパーツでもあります。デフォルトの回転するアタッチメントと目当てゴムの組み合わせは、アタッチメントを固定するのが3つのツメのみなので、ぶつけたりすると外れる場合もあるようです。
肝心のフィット感ですが、目当て部分の形状に殆ど違いはなく、接眼部分へのハカマが伸びている分、業務用のほうが、少し柔軟かなと思う程度です。ただ、樹脂性のツメで嵌っているだけのアタッチメントと違い、しっかりと嵌る業務用は、例えば双方のツノの先端を指で摘んで双眼鏡を持ち上げても不安がないほどですので、顔面に対してもしっかりと押しつけることができ、ツノ型目当ての利点を充分に享受できます。
最短合焦距離が81m(公称値、実際にはもう少し近い印象です)の双眼鏡ですから、、このパーツは、アリ、だと思います。

日中に18×70を使う(鳥見編)

2014-04-12 23:25:17 | 双眼鏡 望遠鏡
昨日の日中使用に、ある程度の好感触を得て、ウォークスツール一脚とともに、標題の双眼鏡を週末に持ち出しました。
一脚の雲台は、よほど力を入れて締め付けても、この双眼鏡を固定するには不十分なのですが、星見のような上向きではなく、ほぼ水平方向で、重さを支えるだけなら充分ではないだろうか、と考えてみたのです。
結果、遠景の野鳥には、無類の威力です。高倍率と秀逸な見え具合が、この時期に渡り遅れたカモ類を堪能させてくれ、ある程度近距離の観望でも、川の対岸のサギ類など、レンジの一定した範囲では、IFの不利もさほど気にならず、フィールドスコープや超望遠レンズクラスの視界を、両眼で立体的に見る、という感覚は、あまり経験したことがないものでしたので、新鮮で、かなり愉しめました。心配してた一脚の強度も、重さを支えるには充分以上で、体そのものはイスに座って安定していますので、鏡筒先端近くを片手で支え、プリズムハウスをもう一方の手で軽く支え、重さは一脚に任せる状態で、普通の双眼鏡を手持ち立ち見で使うときに近しい感覚で見ていました。
ちょっと離れたところにある某緑地公園内には、池の中の餌箱の小魚を、設置された木の枝から採るよう餌付けされたカワセミがいるそうですが、そのくらいのレンジ、目標なら、心ない鳥撮り氏達が、単眼で一瞬の平面画像を切り取るのに夢中になっている傍らで、両眼視によるダイナミックな立体画像を見ることが出来そうだと想像しますが、大人げない行為に加担するような気もしますので、海浜にアジサシやカモメでも探しに行こうかと思う。そんな感想をもった一日なのでした。

日々持ち歩いてるワケではありませんが・・・

2014-04-11 23:45:11 | 双眼鏡 望遠鏡
昨日の古い三脚のイモネジ脱落事件、出先に置きっぱなしにしていて、大丈夫かな、と確認していたところの出来事でした。
新規導入したニコンの18×70、あいにく星空では、未だに特上の条件には恵まれないので、その憂さを晴らすかのように、日中にも、持ち出しているのです。
とはいえ、メインの三脚(三脚用のバッグが無いので、ストラップを掛けて剥きだしで担ぐ)とともに持ち歩くのは、間違いなく変人か変態扱いされてしまいますので、軽量三脚でどの程度使えるか、試したのでした。
昨日も書きましたが、このHP-321という三脚、比較的安価に売られていたわりにはしっかりした三脚で、さすがにローコストの付属雲台は外して、KTSの自由雲台に換えてありますが、脚を全部伸ばした状態でも、うまくこの双眼鏡を支えていました。もとから高さの足りない三脚ですから、エレベーターを使っても不安定になるだけですので、それなら膝立ちやイスに座った姿勢で見るか、あるいは、脚を伸ばしたまますぼめて、ちょっと手を離しても自立する一脚めいた三脚として使う(=高さを稼ぐ)か、どちらかの使い方になります。流石に、星見には寸足らずですが、日中の風景や鳥見などには使えそうです。
暗いところで使っていると判らなかったことに、この双眼鏡のプロポーションの良さ、があります。確かにデカいのですが、その大きさを感じにくくさせるような洗練された造形と仕上げです。同じポロプリズム形式の勝間光学さんの双眼鏡では、接眼部とプリズムハウス、鏡筒の口径や長さなど、40mm口径のHM6.3×40SK-Dがベストのプロポーションだと思っていましたが、この18×70も、かなり良い感じです。

寝床から、半金星

2014-04-08 22:51:33 | 双眼鏡 望遠鏡
ここ一両日、まだ暗いウチに目を覚ますと、ベランダの向こうの梢の合間から、星の光が射すのに気付いていました。まあ、明けの明星だろうと、さほど気にしてはいませんでした。
話は変わりますが、星空観望において、寝っ転がって空を見上げる体勢は、実に体の構造的には無理が無く、リラックスして星空を愉しむことができます。またこの姿勢で双眼鏡を使うのも、少なくとも片肘を体と一緒に下につくことができ、立った姿勢で上を見上げるよりずっと安定しますし、アイカップの高さが適切ならば、ある程度顔で双眼鏡の重さを支えることが出来、さらに軽快に使えます。実際、7×50としてヘビー級に属する勝間光学さんのWP7×50RB-Dでも、ぼーっとリラックスした雰囲気のままで、その上質な見え味を堪能できます。で、新投入のニコン18×70ですが、流石にコイツは別格です。高倍率故に鏡筒先端側を支える必要がありますし、またそうすることで、実質、もう一方の手と顔面で、この図体の殆どの重量を支えなければなりません。しかも長い鏡筒故、かなりトップヘビーになってますので左右に振り向けるのも、かなり気を使います。寝っ転がっての観望では、10×50クラスでも懸垂式の架台があったほうが、微光星までよく見えるのは経験していましたが、コイツの場合、見え云々よりも、もし手を滑らせて顔の上に落としたら、怪我する可能性があります。特に眼球を打擲し、眼底出血でも引き起こしたら、それこそ目も当てられません。で、18×70での手持ち寝っ転がり観望は、このときまで、実行しようなんて思っていなかったのですが、今朝、梢のスキマからとはいえ、あまりに燦めく金星が見えるので、寝床から東の低い空をニコン18×70を使って観望しました。
頭を北側にして寝てるので、横向きに左に大きく傾けてベランダ越しにやや斜め上を見ることになるのですが、充分に、この双眼鏡の重さを堪能できました。また、その代償として、標題の通り、金星が半月のように欠けて燦めいている姿を確認できました。寝床に寝たままで、金星の満ち欠けを見てみようなんて、無謀な試みを実行させてくれる、ばかげたほどの高性能ぶりはもちろんのことです。

Nikon 18×70 IF・防水型・WFの架台

2014-04-06 23:04:20 | 双眼鏡 望遠鏡
しばらく、標題の双眼鏡を使ってきて、というか、まさしく針で突いたような鋭い星像に惹き寄せられるように空の状態さえ良ければ、すぐさま覗く、ということを繰り返してきて、やはりこの双眼鏡の魅力の精髄を堪能するためには、使いやすい架台が必要に思えてきました。
ただ、どういったものが良いのか、いろいろと思案してみるのですが、最適解には到達していません。
野鳥撮影で、デジスコや328(300mm f2.8)などの大型のシステムの場合、ジンバル式の雲台が最適解の一つです。

カメラ+レンズの重心を二つの回転軸とほぼ一致させることにより、ある程度の仰角俯角があっても、カメラ自身が安定するしくみです。
双眼鏡の場合、重心位置で上下動させるためには、通常、フォークマウントという機構を使います。

天体用の場合、これらのマウントにある程度仰角をつけた状態でバランスするよう取付位置を調整してセットします。ただ、マウント自身を斜めにしてあっても雲台や三脚との空間はさほど大きく取れません。直視の双眼鏡では、やや窮屈な姿勢になりがちです。

で、ふと思いついて、ぶら下げてみました。コットに寝転んで10×50を使っているときの方法論です。



10×50のときでは充分だった強度も、この18×70の重さと高倍率では、やや不安があり、三脚自身の安定はストーンバッグなどの重しで解決出来ますが、針で突いた点像がごく小さくぶれる振動が発生する場合があります。
V4ユニットの強度に頼らず、サイドに突き出すとこんな感じ。



ただ、この場合、下の場合と較べて全体的な高さが足らず、座った姿勢での観望に限定されます。


課題検討は続きます。


夕餉を忘れてすばるに魅入られる

2014-04-05 23:29:32 | 双眼鏡 望遠鏡
自宅に戻るとなにやら美味しそうなにおいがして、家人が二人、キッチンであれやこれやと喧しいのです。
ただ、私には、帰宅直前に見た、風で雲が払われて、鋭く光る三日月が漆黒の空に浮かんだ様子が気になり、カバンを置くのももどかしく、三脚にセットしてある双眼鏡を屋外に持ち出しました。
案の定、綺麗な星空が、双眼鏡の視野の中に拡がります。既にかなり高度を下げているすばるがよく見えるよう、三脚の位置などをずらし、じっくりと凝視します。本当に18×70で観る恒星は、見事に点です。すばるのなかで燦めく星も、かなりの数が見え、6~7等級は余裕、8以下9等級に迫る微光星もきちんとその煌めきを主張しているようです。
この、点に見えるというシャープさは、星空だけでなく、昼間の観望でも感じられます。ミザールの広角機やパピリオ君をしばらく使った後、18×70で同じ対象をみて焦点を合わせようとすると、大抵無限遠近くに合っている焦点を手前に戻してくる感覚になるのですが、ピントが合ったと感じる位置まできて、完全合焦を図るにはその位置から2~3度ピントを細かく前後させて合わせます。この双眼鏡、ピントが合ったと感じる位置からさらに戻すと、より、もう一段ピントが合う(シャープに見える)ことに戸惑うことがあります。つまり、コントラストの良さやシャープさにおいて、他の凡百の双眼鏡とは、如実な差がある、ということになります。
閑話休題、結構低い位置まで降りてきているすばるが、隣家のアンテナにかかりそうです。もう少し距離を取るために玄関前の階段まで後退し、姿勢を整えるために、イスまで持ち出してまだ観望します。こんな時にウォークスツールは本当に簡便です。
時間にしたら、15分足らずでしょうか、撤収して、部屋に戻り、夕餉にはなんとか間に合いました。

Nikon 18×70 IF・防水型・WFの角型見口

2014-04-04 23:33:42 | 双眼鏡 望遠鏡
ニコンのIFポロ機の見口で角型見口が取り付けられるものは、通常の接眼部周囲の溝に3つのツメのついた樹脂のリングをはめ込み、その回転するリングにゴム目当て、をはめ込むようになっています。




ゴム目当て、樹脂のリングとも、消耗品扱いで別途安価に購入できます。
フジの場合、別売りの角型見口を取り付けるには、樹脂のアダプターリングも同時に購入する必要がありますが、ニコンに較べるとなにげにお高いみたいです。
また、ニコンには、リングを介さずに接眼部に直接つける、業務用ツノ型目当て、という別売り部品もあって、ほぼ無限遠ばかりを見る用途では、若干大型のその部品の方が、良くフィットするようだと云われています。
そう言えば、その昔、ニコンや他のメーカーにも、IFの構造が、カメラのレンズのように直進ヘリコイドになった製品もあったのですが、今では見掛けません。小型軽量化やコスト低減の影響なのでしょうが、肥大化し続ける天体望遠鏡の(高級)接眼レンズを思うと、いくら手持ちとはいえ、簡略小型化だけがポロ双眼鏡の目標ではないと思います。と、いうか、クランク状に並ぶプリズム故に小型軽量化ではダハにはとうてい及ばないわけですから、開き直って、大きいですけど、何か? 的な機種があっても良いんじゃないかと思います。
実際、標題の機種は、大きい、のですが、これを使っていると、10×50や、7×50の双眼鏡が小さく見えて仕方がないのです。