テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

とあるヤモリくんの災難

2013-08-31 23:54:16 | 写真機 画像
激しい雨の日、ヤモリ君が網戸とサッシのガラスの間に閉じ込められてしまいました。

名もない彼(彼女?)は、いつもと違い、活発に動き回ります。
吹き降りの雨粒に濡れたガラス面を這行中は、サッシを揺らしてやると、ズズっと数cm滑り落ちますが、ここらへんは吸盤を持つアマガエルなどとは違います。アマガエルの指が凍結路面上のスパイクタイヤだとしたら、ヤモリの指はスノータイヤのような感じです。
ヤモリくんご自慢の、趾下薄板に生えたナノサイズの毛による吸着力も、水に濡れるとダメなようです。

ご覧のように、大きな目をしていますが、虹彩がぎゅっと引き絞られており、その虹彩にも皮膚と同様の模様があります。

別方向から撮った写真では、ウロコの模様までほぼ正確に虹彩上に再現されているのが分かります。虹彩の開いた状態のヤモリ、トカゲたちは、クリっとした瞳がカワイクさえあるのですが、なかなか写真や映像でお目にかかることは出来ません。



少しグロいのでサムネイルにしましたが、尾の途中から皮膚の色が変わり、おそらくは、自切によって失った後に生え替わってきたしるしでしょう。

そっとしておくといつまでもじっとしているのですが、翌朝、目覚めてサッシを開けるときに狭間に潜り込んでいて、押し潰したりしてしまわないよう、網戸から逃がしてやろうと思いましたが、なかなかコチラの意図は伝わらず、却って踏ん張るようにして、網戸にへばりついています。内側にへばりついているので、網戸を外して、ベランダで網戸全体を揺するようにして、やっと、退散させることが出来ました。

フクシマの遅々とした現状において、アリストテレスの言葉の破綻

2013-08-30 23:34:57 | シロートの戯言
人間は社会的動物である、拙ブログでも何回か引用し、哲学や世界史のなかで、誰もが一度は耳にしたことがある言葉です。元々はアリストテレスが著書『国家』のなかで、”zoon politikon”ポリス的動物(ポリスとはギリシア時代の都市国家)である、と述べたことが始まりです。ポリスはその属する市民を守る城塞、制度、律令その他を含む概念で、共同体と言い換えても良いかもしれません。他の生物が自らの子孫を残すことを至上命題とする、遺伝子の乗り物であるのに対し、ヒトは共同体の中でそれが発展することに貢献するようなカタチで本性(善性)を発揮する、というような考え方です。蟻や蜂の高度な社会性はそれが発揮される巣において女王は一匹、つまり、より遺伝子を伝えよう、遺そうという動機で進化発展してきた社会性です。人間の共同体は地域、言語、習慣、気質、思想、文化などを共有する巣を他の巣と明確に区別して、自らの巣(社会)を発展させようとするものだと思います。当然、遺伝子による動機だけではなく、社会生物学者らがミームと呼ぶ、情報単位が伝達継承進化していくことが前提になります。
同時に、現代的な国家は領土や国民、自治組織をもって、これら共同体を維持しています。当然、これらの構成要素が損なわれると、共同体とその成員は、その損傷を修復しようとします。島国である日本では、その意識は顕著で、自然災害や疫病などで、その版図が負傷したら、それを治癒することを至上命題として、発展してきました。数百年続いた封建社会が外圧で損なわれたとき、自ら変革することによって立ち直った明治維新、関東大震災、太平洋戦争、数々の台風被害、津波、阪神淡路大震災などです。
ところがフクシマ、特に、原発の損壊放射能漏れ事故に於いて、どうもその治癒能力に齟齬が生じているようです。
放射性物質にまみれた地下水や遅々として進まない除染作業など、予算や経済効率、根深い原子力利権などお金の倫理と為政の互助的な構造が、社会共同体の損壊を、意図的に放置しています。
今の日本の技術で水漏れしないタンクの製造や、地下水の漏水を阻止できないのは、明らかに異常な事態です。原子力ムラを含んだ東電の巨大な収益構造は、どうも、社会資産より、金融資産を優先する、おかしな状態になっています。膨大な利潤を追求するための偽りの安全神話の瓦解が、反利益的な放射能漏れ事故をアンタッチャブルなものにしてしまい、2年半ものあいだ、根本的な解決への転換を図れていません。
過酷なほどあふれるグローバルな情報が、却ってフクシマの損壊の重要性を、危機を薄めてしまい、本来フクシマが持っていた首都に最も近い1~2次生産拠点である役割を擬似的に他へ代用させて、目を背けているようです。
アリストテレスが述べた社会的動物であることは、本来、効率化のための道具であった金融、経済によって雁字搦めにされ、社会資産を保全することさえままならない、奇妙な社会を作り出しているのかもしれません。

明星チャルメラちゃんぽん

2013-08-29 23:10:45 | 日記
とあるチェーン店のちゃんぽんが好きで、一時期、週一くらいで食べに行ってました。
でも、店舗による違いもありましたし、悲劇的なことに、よく行っていたお店のちゃんぽんも、ある時期から少し変わってしまい、好みではなくなったので、そう繁くに食べるメニューではなくなってしまいました。
今でも、独特の麺の食感と、ごったに入った具材の多さが好きで、暑い時期でも食べに入ることはありますが、ウチ(家庭料理)でも、ちゃんぽんとして売っているインスタント麺、冷凍食品、生麺パックとも、どうも私の好きな食感とは違い、まぁ、こんなもんかな、という小さな妥協とともに食べていました。

昨年、明星がインスタント麺で発売した製品、変わっているのは、最初に粉末スープを入れて麺(と用意した具材)を煮込むこと。
通常、インスタント麺でスープが別になっているものは、決まり切ったように”火を止めてからスープを入れて下さい”、あるいは器にスープなどを入れておいて、後から茹でた麺を入れるような作り方を指定しています。なかには、”必ず火を止めてから・・・”とわざわざ書いてある製品もあります。
そんなことを書き手ある理由の一つに、火を止めずに鍋のなかにスープなどを入れるとき、鍋からはみ出たコンロの炎や水蒸気で、不測の事故が起きるのを防ぐためというのがあるそうです。実際、比較的小ぶりの鍋で乾燥した粉末スープがはみ出て、刹那に延焼し、びっくりしてひっくり返したり、鍋からこぼさないように液体スープや調味料を入れようとして近づきすぎて火傷したり、という事があったそうです。
もちろん、加熱によってスープの風味が飛ぶとか、麺に過剰に味がしみこみすぎるとか、発酵によって味のバランスがとれている調味料(味噌や醤油など)は煮込むと味が落ちるとか、食味上の理由もあります。
閑話休題、この明星チャルメラちゃんぽん、最初から入れるスープの味は、さほど感心しないのですが、麺の食感は秀逸で、コシの強すぎない太麺が、過去に食べたどんな家庭調理用チャンポン麺より、昔好きだったお店の感じに似ています。キャベツや、練り物や、エビやホタテ貝柱やゲソ、炒めたタマネギと豚肉などを入れると、ちょっと物足りないスープの味も整い、結構美味しくなります。もしこの製品を食される際は是非とも、様々な具材と一緒に調理されることをおすすめします。

ヘッドライト(前照灯)の話

2013-08-28 23:30:03 | シロートの戯言
ここのところ、日が落ちるのが早くなってきて、帰りはいつもクルマのヘッドライトを点灯させています。むか~しは、ハロゲンバルブなんてのも無くて、シールドビームが主体の頃にクルマに乗り始めました(その前のノーマルバルブの時代は余り知らない)。
国産車はどれも似たようなものでしたが、外国車ではジャギュアの90wバルブなど明るいヘッドライトもあり、なかにはわざわざそんな高出力バルブを別のクルマに付けて、バッテリーを上げたりする、お茶目な方もいました。その後、ハロゲンバルブが高級車主体に採用されるようになり、純正以外の高出力バルブもカー用品店で一般に売られ、あるいは徒花のようにさっとはやってスグ消えたイエローバルブのようなものもありました。今ではHIDランプが軽自動車まで、標準か少なくとも純正オプションで用意されるようになり、少なくともロービームに関しては、恐らくこれ以上の光量は必要ないでしょうし、一部のクルマに採用されたLEDヘッドランプは、これ以上のLEDの飛躍的進歩の無い限り、主流とはならないでしょう。実はHIDランプはクルマの前照灯用としては最適でない性質もあって、特に短時間のオンオフにおいて、消耗しやすい構造上の特徴があります。特に良くないのが、バルブ内が熱い状態のまま再点灯する、状況で云えば断続するトンネルに合わせてオンオフするのは、HIDバルブの寿命を短くする恐れがあります。あと重力に対して鉛直方向、つまり真上向きに照射するのも良くありません。まぁクルマの前照灯ですから、45°の坂を登るウニモグでも無い限り、上を照らすのはあり得ないのですが、オンオフを頻繁に繰り返すのが良くない性質(つけっぱなし)は、その大光量から、信号待ちなどでの一時停止の時に、前のクルマのリアビューミラーに強い光が当たり過剰なグレアで眩惑する恐れがあります。普通乗用車で、適度な車間距離を取っていれば、まともなHIDランプには、光軸調整機構がありますから、さほど問題にならないのですが、RV車やミニバン、トラックなど、前照灯取り付け位置が地上高で85センチを越えるようなクルマでは、下手をすると、まともに前のクルマのミラーを射ることになります。特に車格を大きく見せるデザイン上の意図から、高い位置に前照灯のあるクルマが増えてきましたので、気に掛かるところです。
どちらにせよ、HIDランプ採用のくるまは、どことなく目つきが似通っていて、デザイン的には多様性が乏しくなったようにおもいます。個人的にはその昔のチェコのタトラの三灯ライトが個性的で好きですが、実物は生涯で一度しか見たことがありません。古くからの工業国チェコでスコダと並んで名車があるタトラのクルマ(いまはトラックしかつくっていない)ですが、リアエンジン故のフロントグリルを設ける制約がないデザインの顔つきは個性的です。

期待はずれに終わった星天でしたが、微妙に残念じゃない夜

2013-08-27 23:52:57 | 双眼鏡 望遠鏡
今日は、日中、青空に浮かぶ雲の輪郭がはっきりとして、良く澄んだ大気を感じさせていたので、天気予報と合わせ、久しぶりに星の綺麗な夜空を期待していました。

月の出も22時以降のはずなので、暗い天頂にはくちょう座、夏の大三角形がよく見えることを期待していたのです。こんな日は、やはりSS10×50SK-Dと、テレコンビノの出番だと準備して、何度か空を見上げてみたのですが、あいにくと雲、高積雲(むら雲)が空を覆っていました。時間を空けて、また観ても、こんどは巻積雲(いわし雲)っぽい雲に変わり、やや薄くなった雲の厚みを通して、結構な数の星が見え、大三角形も目視で確認できますが、やはり雲は晴れません。雲を通して、これだけ見えると云うことは、もし雲がなかったら、と考えると、よほど大気の状態がよいんじゃないかと思わせ、歯がゆい限りです。

ただ、昼間に見た、ぽっかり浮かぶ夏らしい雲とは違い、巻積雲が出てるのは、秋の予感、季節の移り変わりを感じさせます。気温も夜が更けるにつれぐんぐんと下がり、コオロギなどの鳴き声も高まり、星空が綺麗に見えなかったのは残念ですが、小さな充足感に浸りながら、何度も、屋外に出て空を見上げるのでした。

今日は朝焼け、双眼鏡を持っててよかったと思ったのでした。

2013-08-26 16:09:48 | 双眼鏡 望遠鏡
早起きして、目覚めの一服を嗜んでいたところ、窓の外が不意に赤く染まる。
滅多にないくらい濃い色に染まった朝焼けでした。最初は東の空だけでしたが、時間が経つにつれ、西の空も含め、空いっぱいの雲が赤く染まります。
折しも、不意の朝焼けの鮮やかさと競り合うかのように二重の虹が出ていました。

しばらくボオーッと眺めていて、思い立ったように、WP6×30SB-Dを持ってきて、よりボォーッと眺めていました。


流石に、ずーっと一心に朝焼けと虹のコラボを観てました、と云うだけでは、ブログ記事には出来ないので、幾つかデジカメで撮った写真を添えておきます。





でも、デジカメの性能や私の腕前では、目で見たときの朝の静けさのなかの、華やかな色の競演はおろか、双眼鏡、しかも、個人的に茜雲観望でその良さを無量に発揮すると思うWP6×30SB-Dで覗いたときの、立体的な彩りが相克して高まり合うような見事な景色など、とうてい記し表すことはできません。

時間にすれば10分にも満たないひとときでしたが、まるで美しいシーンの出てくる映画、ブラザーサン・シスタームーンや天国の日々を観たときのような美しい映像に圧倒されたあとに比肩する充足感を得て、一日が始まりました。

その後、ラジオでも、その風景を観たリスナーの方から、「早起きは三文の得」というコメントとともに、虹と朝焼けのコラボについて紹介されており、少し、幻想的すぎて現実感が薄くなっていた気持ちが引き戻されると同時に、また、ひとときの風景の鮮やかな映像記憶に、にんまりとしたのでした。

UFMウエダ プラッギングスペシャル CPS-102

2013-08-25 21:32:15 | Outdoor
昨日のダイヤモンドリールに続く、潰れてしまったメーカーの釣り道具です。
一昨年、アブの2500Cと初代カルカッタの記事で少し触れましたが、このUFMウエダという、ルアーロッドの専業メーカー、一年ほど前に解散してしまいました。
このCPSシリーズは同社では初めて手がけたパワータイプのカーボンルアーロッドで、アカメ(汽水域に棲む大型の魚、ルアーマンの憧れ)のシルエットがトレードマークです。ただ固いだけのロッドでは無く、1.5オンス(42g)もの重いルアー(ジグ)でも、まずは胴に載せて持ち上げ、最後に反発力のあるティップ(穂先)で弾き飛ばして遠投でき、魚を掛けた時には大型であればあるほど、その引きを竿全体で吸収しながら引き摺り上げる、パワフルでシャープな竿です。
上の写真にあるオリジナルモデルは18年以上ずっと作り続けられ、チタンガイド、ボロンブランクモデルなど派生モデルも続いていました。
私の場合、港湾や河口の足場の高いところから、風に向かってキャストする事が多く、向かい風を切り裂いて大型ルアーを飛ばせるこの竿は、小はコノシロ、ダツから、大はヒラスズキ、ヒラメまで何でも釣り上げた一番の実績があります。元々私は、遠投派のキャスター(投げ釣り)でしたので、これ以外にも、シマノ ファイティングソルトウォーターやNFTのダイヤフラッシュシーバスの13~15フィート級を振り回し、超足場の高いところでは、5号の磯竿(オリムピックのボロンセンチュリー5,4m)までダブルハンドで振り回していましたからこの10フィートでも手返しよくキャストできていました。
ただ困るのが、2本継ぎのこの竿は仕舞い寸法が165cmほどになり、乗用車ではトランクに入らず、ダッシュボードの上から、キャビン中央を渡してリアウインドウ直前までに納めなければいけないことでした。この竿(あるいは他の1ピースロッド)のおかげで、ワゴンタイプのクルマを買う羽目になったのでした。

大森製作所 ダイヤモンド マイコン ウルトラ No1

2013-08-24 23:13:48 | Outdoor
先日のパックロッドの記事にて、ちょこっと触れた、リール専業メーカーの大森製作所の”ダイヤモンドリール”の検索率が高く、まだまだこのメーカーに関心をお持ちの方がおられるのだなぁと感慨深かったので、続編です。

Diamond Mi-Con Ultra No.1、俗にマイコンU1と呼ばれた機種です。
他の釣り具メーカーと違い、大森製作所はリールのみに特化したメーカーでした。
ハイポイドフェースギヤなど、今のスピニングリールの標準機構の元祖(開発者)で、堅実で優れたリールをつくっていて、1980年代、リアドラグのマイコンシリーズで先鋭的な機構として注目を浴びました。ドラグというのは、欧米流のスポーツフィッシングという概念のなかの、糸の破断強さをクラス分けして釣る、という目的のために(同じ大きさの魚を釣っても、細くて切れやすい糸で釣った方が価値があるという考え方)、糸の限界近くのテンションがかかったときに、スプール(糸巻き)部分が負荷に応じて滑り出し、ラインブレイク(糸切れ)を防ぐ機構です。調整する場合は巻いてあるラインの強さに合わせておくのですが、実際に魚がかかってからでも、強引に寄せたい場合や、バラさないよう慎重に取り込みたい場合など、調整することがあります。両軸(トローリング、船釣り、バス用のベイトタイプ)リールでは側面のレバーやハンドルと同軸のクラウンハンドルなどで、容易に調整できますが、スピニングリールの場合、スプールにドラグ機構があるものがほとんどなので、スプールの前面のキャップを回すことになり、非常にやりにくい。マイコンなどのリアドラグは、竿やリールを持ち変えること無しにドラグ調整を手元のダイヤルを確認しながら行えるのが利点。


スプールにドラグを内蔵しないことによって、ワンタッチ着脱や、スプール高さの微調整機構などを組み込むことが出来るようになっています(フロントドラグのリールは、巻糸が片寄ったりして高さ調整が必要な場合、スプール軸のドラグクリッカーの前にワッシャーを抜き差ししないとならない)。
まだ、日本製の時代で、また便利だったのが、ベイル(糸をフリーにしたり巻いたりする針金状のガイド)が一段深く折りたためるようになっていたことです。ハンドルは、逆ネジのねじ込み式折りたたみで、近年、ステラの限定モデルが、この確実堅固な方式を再採用してたように、ワンタッチ式に較べて、感触が非常に優れています。
欠点もあって、古いリールはスプールの垂直移動のストロークが速く、粗く斜め格子状に巻くのがデフォでしたが、やがてゆっくりとしたストロークで密ならせん状に巻くようになりました。このマイコンは比較的ストロークが速く、糸ふけがでた(糸がゆるんだ)時など、巻糸が崩れそうになることがあります。一緒に写っている、同じダイヤモンドのターボSSは、フロントドラグ、ワンタッチハンドル、ストロークも遅め、長めな現代的な仕様です。


釣行主体で往くときには、上のPENN同様あまり使わなかったリールですが、信頼性は、常用機のシマノやダイワと同等以上に高く、何より、目先のスペック競争に溺れない、例えば、回転のなめらかさを謳うのに、ベアリングを何個使っているか、などより、軸受けと軸の材質と精度、ギヤの精度と精確な噛み合わせを追求していた同社の姿勢は、その後凋落し、潰れてしまったのが残念で仕方なく思えてしまう、そんなリールでした。


常用機2種

地震の巣

2013-08-23 23:35:27 | シロートの戯言
敢えて場所は特定しませんが、地震列島と云われる日本列島のなかでも、特に震源地として頻出するピンポイントがあります。さほど規模の大きくない地震ですが、震源地を示す経緯度が秒単位で一致、頻出する場所です。
調べてみると、幹線交通路のスグそばの、割と開けた郊外で、特徴的なものは何もないのです。当然全て直下型地震になるのですが、M5以下の大きさの地震ばかりなので、さほど問題になっていないのか、それとも、何らかの事由で殊更に取り立てられずにいるのか分かりませんが、恐らくは、任意の一年を通して震源地分布を調べるだけで、そのピンポイントな集中ぶりが明瞭になってくる、それほどに頻出する場所です。
幸い、私の住まうところからは遠く離れているので、個人的には余り関係ないのですが、聞いた話によると、そこの住人には、P波とS波が同時に来る直下型地震に慣れっこになって、多少の揺れなら全く気にせず、地震速報を見ることすらない、という方もおられるようです。

Silver Creek SC566T-2FS 野良遊び人の象徴

2013-08-22 23:12:09 | Outdoor
昔、夜討ち朝駆けで、2サイクルトレールバイクに乗って、近畿一円どこにでも出没してた頃、そういう私を野良遊び、と称した輩(家人)がおりました。遠出する場合、70%以上が舗装路になるので、タイヤもピレリのマルチパーパス(ブロックでないヤツ)に変え、フロントディスクブレーキのホースもシビアなセッティングの効く、耐圧タイプに換えて、シート下のサイトカバーもエアクリーナ側を残して取っぱらい、もちろんリヤステップも外して、軽量化に努めておりました。でも、遊び道具だけはどうしても多くなり、ナカでも必携の道具がこのコンパクトなパックロッドでした。
ダイワのシルバークリークシリーズの5フィート6インチ、元々は渓流遡行用のパックロッドですが、海にも山にも平地にも、どこに出かけるときにも、ダイヤモンドリールのミニ(SS)やアブのカーディナルリールと一緒に、どっかに入っていて、ラパラのCD3、5、無名のジグスピナー、タスマニアンデビル、マルキューのバイオワームなどで、アマゴ、カジカからツバス、チヌまで何でもこの竿で釣った記憶があります。
カメラ(オリンパスXA)とともに、肌着(洗えば済む)を減らしてでも必ず持って行く道具で、このおかげで、行き先での見知らぬ人との語らいも多くなりますし、狩猟本能(?)も満たされる、愉しいヤツでした。今は、パピリオ君がその役目に替わりつつあります。

虫を放して虫を滅ぼす

2013-08-21 23:52:18 | 本、小説、漫画、動画、映画、音楽等


まずは、記事タイトルと無関係っぽい写真より。携帯型の蚊取り器具です。
蚊に刺されやすく、腫れやすいほうなので、このような蚊対策はいろいろとやってまして、特に星空観望には必携の道具でもあります。日本では、マラリアや日本脳炎など、吸血昆虫による疫病被害はさほど深刻でもないので、主に私のように個々の不快感を低減するような器具や制度が蚊対策の主流かと思います。ただ、どこの家庭も、例えコンクリートジャングルと云われる都会でも、網戸の無いサッシは珍しく、夏は蚊の被害に備えています。

記事タイトルは、中公新書の書名で、伊藤嘉昭という日本における社会生物学の嚆矢の一人が、沖縄の久米島において、果樹に害を及ぼすウリミバエの根絶を企図しそれに成功した、不妊虫放飼法についてのオハナシです。
要は、殺虫剤や、生息環境の改変、天敵の強化などに頼るわけでなく、その生物そのものを不妊化したものを、大量に養殖、放飼して、自然環境に於いてペアリングさせ、次世代が産まれないように統計的に数の論理で圧倒していく方法です。単純化して説明すると、ある虫の一繁殖個体から、100頭の子が産まれるとしてその半数の50がオスであるとします。その50のオスの個体に対して、それに倍する100頭の不妊(生殖能力の欠損した)のオスを放すと、その環境で、残り50頭のメスがペアリングして繁殖するオスの内2/3は不妊虫であり、次世代は、1/3しか期待できないわけです。それを繰り返す事によって、最終的にはある世代でその系統を途絶えさせてしまうのが不妊虫放飼法という害虫駆除法です。
この方法には条件があって、
・不妊虫を大量に生産養殖でき、その不妊虫による一次、二次被害がないこと
・根絶の対象の生態系にあらたな同種個体が大量に移入してくる恐れが少ないこと
・放飼による増加、駆除後の減少が生態系に悪影響を及ぼさないこと
等が挙げられます。
ウリミバエの場合、メスによって産み付けられた卵から孵った幼虫が果実、野菜に被害を与えるので、人工孵化、養殖させた成虫からオスを選び(あるいはオスだけを生産し)、放射線を照射して、無精子オスを量産、放飼することで、成果を上げました。その後沖縄本島などにも拡大し、ウリミバエはほぼ根絶されたようです。もともと、日本にはいなかった外来昆虫ですから、生態系への影響も少なく、さらには、同じ久米島で、サツマイモなどに害を及ぼす、アリモドキゾウムシの不妊虫放飼法などによる根絶宣言が今年の4月に成されています。

最初にこの本を読んでから、もう30年以上が経ちますが、是非とも、日本列島という閉鎖環境で大規模に蚊の根絶を目指してもらいたい、と常々考えており、それまでは、上のような蚊対策グッズが手放せません。屋外で長時間定点観測をする時などは、ヤブ蚊よけスプレーを散布しておく場合もありますし、いま期待してるのは、この新しい蚊よけパッチです。
ただやはり、元から絶つのが最良でしょうから、いつまでも蚊対策グッズの会社に儲けさせてばかりでない、駆除根絶を目指して欲しいものです。

路面電車跡

2013-08-20 20:08:59 | シロートの戯言
大阪の府道29号線、新なにわ筋の津守あたりに、南海電車の汐見橋から伸びる高野線との交差があり、踏切と高架(跨線)橋が並行してあります。
もともとこの道路は大阪の木津川河口沿いの造船会社含む工業地帯と、堺(三宝)を結ぶ産業道路で、北は芦原橋を経て25号線、南は臨海線へと続く道路です。その昔は、阪堺鉄道の路面電車が走っていて、私も、乗ったことこそありませんが、しばらく道路の中央に残っていた軌道敷は良く憶えています。この高架橋は、もともと路面電車専用で、廃線後は舗装されて、狭い車線の対面通行道路になっています。
新なにわ筋の住之江区内に残っていた軌道敷跡も取り除かれて舗装されてからかなりになりますので、もうこの道に路面電車が走っていたことを知る人も少ないでしょう。
ただ、この高架橋は舗装されて自動車道となってからも、実はある電車の車輌が通行していました。
私、一時期、毎日のように、深夜から朝方に掛けて、この道をバイクで通っていたのですが、結構な頻度で、新幹線の車輌がこの高架橋を越えて運ばれていたのです。
上下線を、目一杯使って、カーブした橋の上をジリジリと運ばれていく様子は、見掛けるたびに立ち止まって眺めてしまう光景でした。
南海高野線の他の踏切は、信号と一体化させて、少ない運行本数故に、あまり赤にならない交差点としているところが多いのですが、この跨線橋が、狭く古めかしいままずっと残されているのは、撤去して平面交差させてしまうと新幹線車輌が運べなくなる(高野線の架線と干渉する)所為なのかもしれません。


茶殻を食べる

2013-08-19 23:48:57 | 日記
この時期、水分補給が欠かせないということで、良くお茶を沸かします。
サーモスに入れて持ち歩くので、大きなヤカンで結構な頻度です。
以前は、はと麦茶が多かったのですが、このところ、頂き物の”万能茶”を飲んでいます。
あのベタベタなテレビコマーシャルでご存じの方も多いかとおもいますが、苦みや渋みの少ないお茶なので、水分補給には好適です。

茶殻を食べるという行為について知ってはいたのですが、なんか貧乏臭いし、ふにゃふにゃした触感が嫌だったし、苦みもきついし、と試したことはありませんでした。
万能茶には下のような成分が入ってます。

結構な割合で穀類が入っていて、煮出したあとの茶殻が美味しそうなのです。
で、茶碗に取って、箸で、穀類中心に食べてます。
不溶性の蛋白質やミネラル分など、栄養価も高そうで、面倒にも思えた、お茶を沸かす作業の締めに、ちょっと楽しみが付け加わりました。

梅枝尺

2013-08-18 23:27:40 | 日記
ウメエダシャクというシャクガの仲間で、幼虫はいわゆる尺取り虫、果樹などの葉を食べまくる、害虫です。
この写真では一頭ですが、よく、民家の梅や桃の木などに大量発生し、一本丸ごと葉を食い尽くすほどにもなります。
成虫はごらんの通り、白黒の模様が特徴的で、一風変わった、蛾と蝶の中間のような飛び方をします。低い樹に大量に発生したウメエダシャクの成虫が羽化して乱舞するさまは、その模様と飛び方の相乗効果で、幻想的なほどの薄気味悪さがあります。
幼虫はシャクトリムシのなかでも、特に醜怪な色合いで、朱色と黒色のウミヘビを寸足らずにして小型化したようです。

飛んでいるのはよく見ているのですが、留まっているのはあまり見たことが無く、この写真を撮ったのがきっかけで、いろいろと画像を検索してみると、この成虫の白黒斑模様は実に変化に富んでいて興味深く感じました。この個体の模様はわりと細かめでシンメトリカルなほうで、バランスの悪い個体や、もっとおおまかな模様の個体など様々で、体系的に調べた資料でもあれば面白いかとも思います。

RICOH PAIR 双眼鏡、RICOH NV-10A

2013-08-17 23:24:58 | 双眼鏡 望遠鏡
先日、SONYのDEVを紹介したので、こちらも紹介しなければいけないような気がしました。

厳密には、双眼鏡でなく、従来のCCTV(Closed-circuit Television)用レンズとモニタ(ファインダー)を一体化したシステムで、対物は一眼であり、接眼が二つあるのは飾りです(実際バリアングル液晶モニターでも何ら支障ないと思うし、そうしていたら、特殊なデジカメになって、もっと量産、安くなっていたかもしれません)。
CCTVというのは基本、一つのカメラに一つの受像器のある閉鎖系映像システムのことで、監視カメラや、産機用の画像検出システムがその代表例です。
この製品のキモは、PAIR(Pentax Atmospheric Interference Reduction)というPENTAXのCCTVレンズ用の画像処理システムであり、大気中の塵芥、霧、雪などの、視界を遮る要因を低減するアルゴリズムを搭載した画像エンジンです。ただ、デジタル処理によるコントラスト補正は、例えば鋭く強い光源がある場合など、最適解を導くアルゴリズムが難しく、本機の場合、PAIRシステムはAUTOを含めた3モードですが、もう少しきめ細かく設定できるようになって欲しいものです。


GPSと電子コンパスを内蔵し、倍率は6.6~13.2倍、手動ズーム、手動フォーカス、最近接5mと、デジタル光学機器としては凡庸で、産機用のスペックそのままであることが分かります。
暗視機能もあるということですが、型番のNVから連想されるノクトビジョンのような性能ではなく、CMOSセンサー用のフィルターを切換て画像処理で見せる暗所対応の監視カメラのような雰囲気です。D 225 × W 166 × H 83と大きく、重さも1350gと、ウチの大型機、WP7×50RB-Dと同等であり、持った感じはさらに大きく感じると思うのです。
やはり惜しむらくは映像出力が無いことで、それさえあれば、限定的な簡易CCTVカメラとしての用途も産まれたでしょう。
もっと惜しむべきは、この製品が、リコーブランドで登場したことで、ペンタックスブランドの行く末が懸念されます。