テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

晴天∧僅かに欠けた月≠星天

2012-07-31 23:23:33 | 双眼鏡 望遠鏡
今夜は典型的な、月が星空観望の邪魔をする日です。夕方に月の出を始め、翌朝4時前に月の入りを迎える、夜に目立とうとする夜行性爆光トラックさながらに終夜フル勤務状態なのです。

それでも、月を視野に入れないようにして、天の川周辺を10x50で流し観ると、肉眼では判別できない星々の瞬きが、ガラス越しに飛び込んできます。
ええ、当然、空調の効いた室内からの観望です。粘り着くような熱さと飛来する蚊に晒されながら星見するような苦行は、平日の仕事終わりの穏やかな夜には似合いません。折角の晴れた夜空です、無粋な月以外に、邪魔されたくはない、のんびりと紫煙をくゆらせ、静かに満ちたひとときを過ごします。
やがて東の空からは、すばるも昇ってくるでしょうが、それまで目覚めていられるか、懸念はそれぐらいしかないのです。

HDS EDC R1B 200 ロータリー ブラック

2012-07-30 23:08:53 | 懐中電灯
以前に紹介したHDS社のEDCシリーズのいわゆる”ロータリー”、無段階調光のライトです。

標準セッティングで、調光モード、13lm、High、ストロボ、とクリックや長押しで切り替えでき、カスタム設定で、モーメンタリモード、モードメモリー、誤点灯防止、ロケーターフラッシュ、或いは標準セッティングの順序変更など実に様々なカスタマイズができるのです。機構上の一番のウリ、後部のロータリーリングを回すことで24段階の対数ステップで照度が変化し、実用上、肉眼では、リニアに明るさが変化します。もちろん耐久性、明るさ、そして照射パターンも実に高性能にまとめられており、CR123サイズのバッテリーを使うライトとして少々大きめなのを除けば、完成形にあると云ってもいいでしょう。今現在では\17,400-で販売されており、かなり高価ですが、これでも私が購入したときより円高のおかげで1.5Kほど安くなってます。製造時に個々に照度キャリブレーションされ、LEDライトにつきもののLED素子のバラツキの影響もなく、一定の明るさとランタイムが保証され、不具合による故障も永久保証です。ジップロックの袋に、クレジットカードサイズの英文簡易マニュアルカードと、紙の英文マニュアルとが同封して届けられ、ケース、ストラップ等は一切付属しませんが、それでいいと思える製品です。

酒井宏樹

2012-07-29 20:37:29 | 脱線して底抜け
元柏レイソルのサッカー選手、いまは独ハノーファー96に所属。
サッカー観戦はたまにしか行けませんが、柏レイソルはJ2時代のカレカに試合中にボールをぶつけられた(当時長居は観客席が地面だった)こともあり、親近感の沸くクラブチームだったので、結構以前から酒井のことは知ってました。
元々、サイドバックの選手が好きで、都並、名良橋、相馬、加地、長友、内田といろんなヒトを見てきましたが、酒井は、上がったときのパスが、センス、正確さともに最も優れているように思う。自分のクロスで、味方のオフェンスと、敵のディフェンスがどう動くか想像し、有利な状況を作り出す、そんな芸当をやってのける(こともある)。現役世代で云えば、長友のように体のキレで相手を抜くとか、内田のように足さばきの巧さで切り込むとかはないけど、頭脳の明晰さというより、上がっていくときの視野と、感覚で、状況を読むことに長けていると感じます。もちろん、体調やチーム状態、相手により、その感覚が合う機会は、波があると思うのですが、少なくとも波が上向きのときのこの人のクロスには、唸るしかない高い精度と意図を感じます。
五輪代表としても活躍を期待していましたが、惜しいことにスペイン戦で怪我をしたようで、この人がああいう交代をしたというのは、かなり状態が悪い、少なくとも予選リーグは駄目なんじゃないかと残念に思っています。



ところで、今日のサザエさんジャンケンはグーで、私はパーで勝ちました。
家人はグワシもどきのチョキでしたが、以前のようにアイコだと強弁しませんでした。私が彼のヒトの代わりに家事をしてたので、遠慮させてしまいましたか。




日清 GOLDシリーズ

2012-07-28 20:57:05 | 日記


まぁ、五輪企画の商品、特に目を惹いたわけでもないのですが、買ってあって、本日3種を食べ終わりました。
で、カップヌードルフツー、どん兵衛オイルマミレ、UFOホソメン出来るじゃん。
ということで、どん兵衛は劇的に非推奨、口の周りがオイルベタベタ必須、UFOにもオイル感満載なのですが、細麺が救いなのでやや推奨。できれば普通のUFO(不評の太麺)と一緒に調理、GOLDの細麺に普通のUFOのソースをかけて食してみたいものだと思いましたが、家人もUFOのソースは好きだが太麺がイヤな主義なので、逆に私がGOLDの塩オイル+太麺仕様を食べる羽目になりそうな予感がするので、やめておこうと思うのでした。

久しぶりの星天

2012-07-27 23:41:18 | 双眼鏡 望遠鏡
二日続けて、深夜に五輪サッカー試合があり、女子、男子とも、見事なプレーで勝ち、溜飲を下げました。それに続き、今夜はまた久しぶりに雲、霞が少なく、充分星見可能な夜空でしたので、一二三光学の10x50BCF ワイドタイプ双眼鏡で、しばらくじっくりと星空を眺めていました。

やはり、手持ち限界に近い10x50を長時間構えていると、微妙なブレが気になり始めますので、グリップを付け、握った手の肘を壁や窓枠で支えての観望です。
10x50BCF ワイドタイプ双眼鏡について、長時間星見に使用する、しかもある程度条件がいいのは初めてで、この双眼鏡の素性がよく分かりました。瑣事かもしれませんが、CF機故の、右接眼部の視度調整について、CFのピントリングに較べて、回転角に対するピント移動量が穏やかで、視度補正が非常に追い込みやすいのです。CF機の視度調整(左右の目の差異を補正する)の基本は、きちんと両眼で覗いた状態で行うことです。片目を閉じたウィンク状態で視度補正すると筋肉の移動、緊張で、ややもすれば、ズレてしまいがちで、この双眼鏡のように、追い込みやすい視度補正機構の個体では、そのことがよく分かります。両眼視で意識的に左右を見分けるか、あるいは対物キャップを片方ずつ使ってきっちり調整することで、星の点像が引き締まります。逆に言えば、いくら高価な双眼鏡を使っていても、こういうキホン的な使い方をおろそかにすると、性能を生かし切れないことになります。一二三の視度補正のし易さというのは、CFのネジピッチと右接眼部の回転ヘリコイドのネジピッチがきちんと考慮されて造られており、同時にCF機構が左右の接眼部をかっちり制御している証左です。同じポロCF機でもSkyMasterにはこのような感じはありません。一二三機には、クリックストップこそ有りませんが、体調により目の状態は変わることもあるので、調整しやすさこそが評価ポイントだと考えます。

星像は、持っている双眼鏡のなかで、最良ではありませんが、星は充分な点像で、星の色も分かりやすく、星空観望を堪能できます。きちんと保持したときの解像感もかなりなものです。勝間のSS10x50SK-Dのような頑強さこそありませんが、ツクリに甘いところはありません。コーティング、硝材が高級になれば、今の3倍の価格でもおかしくないと思います。

夏休み

2012-07-26 22:56:32 | 日記
学生の方はもう夏休みに入っているようですし、社会人の方については今夏、日付の影響(8/15が水曜日)や、節電指向もあって、9連休という方も多いかと思います。ワタクシも家人の都合等もあり、あまり旅行等に行けそうもなく、普段遠征を繰り返してるので、休みくらいノンビリしたいというのもあって、読書、映画鑑賞、等の準備をしています。読書では、電子bookのKoboが安いので、購入するつもりでしたが、どうも、初期の不具合が結構でているようなので、従来の本、そして、家庭での電子閲覧含めた図書館の活用を画策しています。
そして肝心の星空観望ですが、8/12以降、ペルセウス座流星群、金星食、くじら座変光星の明るさ増大などなど、天文現象の当たり年らしい、好条件が予想できる事象が続きます。
また、こちらのブログでも、ご紹介することもあるかと思いますが、夏の夜、涼をとれる場所で星見をしたい、その企みにイレコミ中なのです。

EDC(EveryDayCarry) Scope

2012-07-25 20:13:48 | 双眼鏡 望遠鏡
EDCという言葉は元々、ライト、ナイフ、アウトドア小物、工具などを、普段の生活でもそのユーティリティを発揮すべく、常時携帯するようになったところから発生した言葉です。概念として、常時携帯するのに邪魔にならない大きさ(小さいこと)、利便性などが備わった、キーホルダー感覚の小物を表すようです。

上の写真はこのブログで何度も紹介していますが、ツァイスの”ポケットグラス”Carl Zeiss Conquest Compact 8×20 T*、Nikon遊4×10、Seek4×13、6×18 単眼鏡です。
ポケットグラスは本格的双眼鏡として唯一のZ型折りたたみのおかげで、収納時の最大厚みが35mmで、胸ポケットにすんなり収まるのが何よりの特徴。
ケースに入れた遊とほぼ一緒の大きさで、他の8×20の双眼鏡と比べて収納時の厚みが1cm以上薄いのです。


やはり、じっくりとなにかを見ようというときは8×20が最低限のスペックになると思います。他に、最高の見え味を誇るNikon8×20HG L、そしてずっと高価なスワロポケット、ライカ、ツァイスビクトリーコンパクトなど、見え味を重視したら、他の選択肢もありますが、超絶に薄く軽い(185g!)このポケットグラスは、躊躇なく持ち歩けるという性能において抜きんでています。

電車の車窓から、景色を見るとき、双眼鏡を使っているヒトは珍しいと思います。違和感があると同時に、やはり振動、揺動する電車から、8倍の双眼鏡では視界が安定しません。遊は、額にかざす手のひらにスッポリと収まり、4倍ゆえに、揺れ、振動も気にならず、それでいてその小さなレンズからは信じがたい素晴らしい見え味で、遠い景色を豊かに見せてくれます。被写界深度もかなり深く、無限遠に合わせた状態で、7~8m先のものでも、さほどボケて見えるようなことはありません。スペックよりずっと開放的に感じる視野の中の良像範囲も充分に広く、双眼鏡を固定したまま視野の中を瞳で追うことができます。スマートな外観も魅力です。

Seek4×13は、遊より30%大きい視野角のおかげで、覗いた瞬間に、目標を捉えやすく、遊に較べて狭い良像範囲も、目標を視界中央に捉えてしまえば、さほど気になりません。なにより、ワンプッシュでケースより鏡筒が出て、パンフォーカスで見られる機動性の高さは、電車よりちょっと忙しい、自動車の窓から、信号待ちや一旦停止中に、気になる対象を詳しく見るのに最適です。視野の明るさと中心解像度の高さは、倍するお値段の単眼鏡と遜色ありません。実用的、機能的に過ぎるデザインはあまり好きではありませんが、ただ嗜好的な感覚でしかないのです。

6×18単眼鏡は、Seek4倍と製造元が一緒です。倍率が高くなっても、色収差等に悪化が見られないのは流石です。Seek4倍と同様、ワンプッシュ、ピント調整含めても片手でできるのは好ましい特徴です。この単眼鏡はいまひとつ目の届かない距離、小ささ、の対象を、詳細観察するのに好適です。この単眼鏡でもよく見えないモノがある場合、本格的な双眼鏡やフィールドスコープが必要になりますが、この単眼鏡の限界は相等に高く、コンパクトさに見合わない解像感を持っています。

つまり、
ポケットグラス-もちろん双眼鏡的用途、手帳に近い感覚で持ち歩ける。
遊-電車バス飛行機車窓用、観劇もOK
Seek4倍-自動車の車窓用、走行中に見ると、怖い迫力
6倍単眼鏡-ジャック・バウアー用
となります。もしかしたら、4つもEDC?邪魔じゃないの?と思われる向きもあるかと存じますが、4つ合わせた体積でも、厚めの新書サイズなので、大丈夫です。


あらたなる愛称

2012-07-24 21:30:27 | 脱線して底抜け
じつは、形態模写というか、人や物の動きをまねするのが得意だと思っています。仕事上のお知り合い、その会社の名物的な方や、動作に特徴のある方、物事をよく真似して、意外性を発揮しています。指先の動きでバーチカルツインエンジンの動きを素早く模倣したり、歩くときにちょっと軸足を揺らすクセのあるヒトを真似たり、鷲羽山(出羽海親方)の土俵入り前の腕を回すクセ、宮崎 哲弥の上体をクランクのように動作し顔を左右に振る所作など、分かるヒトにはよく分かる物真似を披露する悪癖です。足技ももちろん守備範囲で、ムーンウォークこそキレが足りませんが、アシモの歩行真似は得意で、膝を曲げ、腰でカクカクとバランスを取る歩き方はなかなかのモノです。

ちょっと前の拙ブログにてアークテリクスのBLADE30という、バックパックを買ったことをお話ししましたが、遠征時のみならず普段使いにもしていて、なにが入っているんだろうという疑念を惹起しながら、身の回りのヒトビトには、BLADE30を背負っている姿を振りまいてきました。
以前にも指摘したようにエレベーターや、混み合った電車バスの中では、気を遣うのですが、ふと思い立って、その姿でアシモウォークをしてみました。





結果は、標題の通りなのです♪

萌え系ゾンビっ娘ラブコメ

2012-07-23 23:40:21 | 本、小説、漫画、動画、映画、音楽等
ロメロやアルジェンドの描くゾンビもの映画に薫陶を受けたヒトビトには理解どころか正視できないかもしれない作品の紹介です。
「さんかれあ」という2010年初頭から連載されてるコミック、今春から放送されたアニメのお話しです。
ヒロインのさんかれあ(散華 礼弥)は正統なお嬢さんキャラ、オタクのちびっ子主人公、痴呆マッドサイエンティスト、幼馴染み美少女、渡来美少女、健気な妹と、こんもり盛られた、作者はっとりみつる氏の世界観(というほどおおげさでもない)に馴染めるかどうかで、鑑賞できるか、放り出してしまうかが決まります。ウミショーなどでもそうでしたが、はっとり氏の作品はエキセントリックなキャラと設定で掴みかかってきます。でも、ストーリーの進行はあくまで軽く、大仰さとは無縁で、厳しくいえば、サブストーリーの創りにくい類のお話です。ただかえってそういうところが魅力、個性であるのかもしれません。アニメの方は実は全く見てないのですが、原作ファンにはスゴク不興な展開、終わり方をしたようで、今後発売されるBDにのみ収録の13話に、おいしいところが詰まっているとのこと。テレビアニメがもはや視聴率を稼ぐ為ですらなく、円盤を売らんが為の小道具でしかないのは、いまもって残念なことです。
萌え系ゾンビっ娘ラブコメというカテゴリは同人ものでは存在しなくもなかったのですが、こういうサブカル、好きではないのにナゼか見てしまいます。流石に、クトルゥフとダゴンのヤオイ同人とか萌え系妖蛆、眼鏡っ娘のニャルラトホテプまではいねェだろーと思いかけて、ニャル子さんを思いだしました。
這い寄る混沌はオタクの香りに塗れています。

佐貫亦男先生

2012-07-22 17:52:43 | 脱線して底抜け
航空評論家、エッセイストとして知られる方ですが、既に鬼籍の人です。

もともとはプロペラ屋さんで、日本の航空機開発黎明期に中心にいた方であり、ドイツに技術を学びに行き、晩年は、カメラや、道具や、軽登山についての著作もあり、私と興味、趣味の範囲が似通った、大先輩であります。
航空雑誌に連載しておられたエッセイのなかで、よく憶えているのが、固定ピッチプロペラ時代の、ブレードとスピナーの接合方法のお話し。

まず、固定ピッチについて。現在では、プロペラの角度は回転数とスピードに応じて、角度が可変し、エンストした場合に抵抗が少なくなるフルフェザー(進行方向に対して水平に近い)や、機種により逆ピッチ(逆推力)になる可変ピッチが殆どです。ただ、航空機の黎明期では、出力、速度ともにさほど大きくなく、角度が固定された羽根が主流でした。羽根そのものは木製で、エンジンの軸上にあるハブスピナー(鉄製)と上手く接合する必要がありました。
当時の低回転のエンジンでも、2枚、3枚羽根のプロペラ自体に発生する遠心力は、十数トンに達し、もし回転中に一枚の羽根が外れたら、ハブ軸を十数トンの衝撃が襲い、ひとたまりもなく空中分解します。木造船にしろ、木造住宅にしろ、木と鉄の接合は、大昔からの課題で、決定的に優れた方法は少ないのです。ボルトやビスは、木の強靱さの根幹である繊維質を損ないます、強固に硬化する接着剤は、鉄と木の熱膨張率の差異を吸収できません、木と鉄の界面の摩擦は、徐々に低下することが知られています。佐貫先生が学んだドイツでは、ある簡単な方法で、木製のブレードと鉄のスピナーを接合していました。
アルカリ性のカルシウム水溶物(炭カルや消石灰を水で溶いたようなもの)を接着剤の主成分にして、接合していたといいます。なぜこのような物質が、木と鉄の強固な接合を可能にしたかというと、鉄製のスピナーの穴に木製ブレードの軸を接着剤を浸けて差し込むと、まず、水分の為に、鉄が錆びる、いわゆる、赤さび、酸化第二鉄になるわけですが、その際、体積がかなり増加するので、木製の軸をぎゅうぎゅうと締め付け、木の繊維の中まで錆びが入り込み、食いつく、そしてアルカリ性の成分がある程度以上に錆が進行するのを防ぎ、結果、鉄と木を錆が強固に一体化し、外すには破壊するしかないほど、強固な接合を実現していたのです。実はワタシ、工業用接着剤については、かなり詳しいのですが、その感覚的にも、これほど強固な接合をする接着はあまり例が無く、特に異種材料の接着界面の形成と充填接着剤のヒケ(肉やせ)の問題を見事に解消して、なおかつありきたりの安価な材料であることに、素直に脱帽しました。
改めて、書き出してみるとヤヤコシイお話しですが、今のような接着剤の知識など全くない少年期のワタシに、非常に印象深く、興味をそそらせる文章を書かれていた、佐貫亦男先生には、揺るがない敬意を抱いています。

注射器

2012-07-21 23:11:58 | 脱線して底抜け
特殊な嗜好の薬剤を人体に注入する為でなく、溶剤や接着剤を隙間に注入したくて、注射器が必要な場合があり、イロイロと探して、一番買いやすいのがここ。数量と価格のバランスがいい。
理化学用品でまとめ買いしても、ここより安くなるのはまず無い。


道なかばで斃れた者と、崇高に群がる者

2012-07-20 21:31:13 | 写真機 画像


実は最初から木の枝の上で羽化しようとしていたのではなく、古いクロスバイクのタイヤ(安いパナレーサー)で羽化しようとしている最中に見えた。
すでにインフレーター(空気入れ)を持って、シュレイダーバルブのキャップを緩めようとしていたので、う゛っと躊躇した。
よく見ると、殻を割って出てきたにしては色が濃い。もっと白くふやけたような、其れでいて清純な輝きのある色のはずです。
かのセミは、地中で長年に渡り今日のメタモルフォシスに備えていたはずなのに、殻の割れ方が悪かったのか、ノンビリしてるあいだに体が固まってしまったのか知らぬが、羽化(Emergence)の途中で命が尽きてしまったらしい。
よく見ると、そこには羽化につきものの荘厳さは無く、躊躇したのが、阿呆らしく感じた。あの神秘的に展開する羽根も、まだ体の横に折りたたまれたままなので、普段見えにくい背中の毛むくじゃらさがよく分かる。
いま、”折りたたまれた”と書いたが、実は、正しくない表現かもしれない。
蝉にしろ、蝶や蜻蛉にしろ、大型の羽根をもつ昆虫は、羽化の瞬間まで、羽根を広げたことがない、つまり彼らの羽根は蛹のなかで器官として形作られるときもくしゃくしゃに曲がったままのハズで、パラシュートや、人工衛星の太陽電池パネルのように折りたたまれたわけではないのです。その羽根が羽化の時には、ピンと張った、空力的に問題のない、シャキっとしたものになるのは、考えれば考えるほど不思議で、眼前で見ていても、ふやけて柔らかそうに見える羽根に、なにかが満ちるようにして伸び、やがてペンキが乾いて被膜になるときのようなゆっくりさで、硬く締まっていく。障子の紙を貼り替えるとき、霧吹きで濡らして、乾く際にピンと張る様子にも似た感じですが、障子紙はもともと平らに張った状態で作られるのに対し、昆虫の羽根はせせこましい蛹の中で、クシャクシャに曲がった状態で形成されるのに、どうしてあんなにまっすぐに張るのか。更に不思議なのは、蝶など鱗翔を持つもの、あの鱗粉は一粒一粒の精緻な並び方で色合いを醸し出していることが分かっています。細かい細かい鱗粉の並ぶ密度、向き、僅かな形の差異が光の反射を少しずつ変え、巨視的に色合いを作り出すのです。この鱗粉も広げた羽根の上に、インクジェットで吹き付けられているわけでは、決してないのに、なぜ反射光の波長にまで影響を及ぼすことができるくらい精緻に並んでいるのか。クシャクシャの状態で形成される蛹の中で。

でも、羽化を完遂できなかったこの個体には蟻がたかり始めました。実は蟻は木の根の成長に欠かせない土壌中の微生物コロニーの醸成に大きく関わっていることが分かっています。つまりは蝉のお食事である根からの樹液は一部蟻の活動に依存しているフシもあるのです。
それ故からも知りませんが、この写真の様子、生き物の神秘的な見方が薄れてからは、失敗したベンチャーから、”債務”という大きなアゴで、なにもかも引きはがしてゆく、金貸し集団のようにも見えてきました。おそらく私は現代資本主義に毒されています。

銅線児童

2012-07-19 22:27:40 | 脱線して底抜け
コドモの頃、母親の内職の材料に、銅線のボビン巻があり、結構余るので、自由に使うことができた。
太さは2種類あり、本来は石綿かグラスファイバーでできたような直径5センチほどのリングに銅線を粗く巻いていくようになっている。数をこなすモノだったので当然ナニカの部品だったのでしょうが、未だにナニカは分からず、幼少の頃から解決しない疑問のひとつのままです。
太い方で、工作用のエナメル線位の太さ、だった。着色エナメル線のように被覆してあるような感じではなかったが、触りまくっても緑青が発生しにくかったことと、表面のぬめっとした手触りから、何らかのコーティングを施したコイルやブラシ用の巻線だったのではないかと思います。
で、とにかく、巻いた。1/8~1/72の模型の世界では、スプリング、フレキホース、ヒートシンクのリブなど、この手の形状の表現箇所は多く、釣り糸では、反発力が強すぎて使いづらいし、定番のギターの弦は高価だし、この銅線はちょうど良かったのでした。勢い余って、何にでも巻く。キッチリ巻かれた銅線を爪で引っ掻いたときの感触はココチイイし、使い古しの割り箸でも、巻いた途端、なにかメカニカルな物体に豹変する。メカフェチの芽生えですね。
当時、乾電池以外のDC電源があれば、電磁石フリークになっていたかもしれません。実際、とあるモーターをバラし、ブラシを巻き直してボアアップを画策してましたので。

寿司おにぎり

2012-07-18 21:03:28 | 日記
・・・というわけで、急遽遠征中な私ですので、新幹線中に食べる軽食のお話し。
標題の寿司おにぎり、かなり以前からお気に入りでして、3個入りの”花”と、一個売りのものとがありました。
花、はシメ鯖ごましそ、鮭きゅうりマヨ、穴きゅう、の3種類入り、一個売りは竹の薫りという商品名で、焼き鯖、あぶり鮭、山菜鶏五目、です。

どれもいい米を使った酢飯に具をはさみ、おむすびにして海苔を巻き、個別にポリでラッピングし、一個売りは竹の皮で包んでゴム紐で縛り、更にポリスリーブを被せるといった念の入った包装です。ひっくり返そうが、多少押しつぶそうが、全く影響のない、おにぎり界のGショックと云ってもいいほど、耐久性、対ショック性、耐水性、利便性があり、そのヘビーデューティーなデリシャスさに心酔しておりました。その結果、個別売りのゴム紐、鶯色のエラストマーの輪っかは、私の仕事カバンの中のUSBコード類、乾電池、その他をまとめるアイテムとしてリユースし、果てはEDCの懐中電灯のフィンガーストラップにしたり(これが実に便利)、増殖の一途を辿り続けました。


ところが、どうもその寿司おにぎり(特に一個売りの竹の薫り)が、代替わりしたようで、コンビニで売っているような、具をおむすびの外側に海苔で巻き留めたものを個別に袋に入れてあるだけの軟弱な商品に成り果ててしまいました。

ふう。

とある街並みの俯瞰

2012-07-17 22:20:02 | 写真機 画像


薄汚れたガラス越しに、しかもコンデジの手持ちなので、きれいな写真ではありませんが、いままで見られなかった位置からの俯瞰です。

いまこのビル内は、まだ中央部の回廊以外部屋割りがされておらず180°以上の窓景色が見られます。うらやましい限り、悔しいので、ちょこっと分けてもらいました。