星見では、確かに性能が違うものの、果たして10倍以上という価格差が妥当なのか、前回のような条件では、今ひとつしっくりこなかったのですが、明日の雨模様の前哨で今日も星空は期待できません。で、日中比較でもしようと思い立ったのです。
元々、スカイマスターは、日中では色収差はじめアラが目立つ双眼鏡ですから、無謀な試みだとは思うのですが、とりあえず下のような状態で見始めました。
余談ですが、外観では、スマートなスカマに武骨なニコン、という感じですが、スカマのプリズムハウジングの小ささには多少不安を覚えます。
木々や電柱、樹木の幹の肌や離れた家の屋根、壁のサイディングボードなどが通常の比較の場合の目標になるのですが、両機の場合、そんな近くの目標では役不足で、今回は上のような離れた目標が主体です。この鉄塔でほぼ11kmの距離があります。
まず気付くのは、高倍率機特有のヌケの悪さがスカマの場合顕著です。もや、とまではいきませんが、ごく薄く紗がかかったような視界で、双眼鏡のような、屈折光学系と反射光学系が混在する機器では、都合数㎝もの厚みのガラスを通ってくる拡大映像ですから仕方のない事だと思っていました。特にスカマの場合、上の図の接眼部の反射光を比較しても分かるのですが、接眼側のコーティングが良くなく、ヌケの悪さが星空での背景の締まりにも影響していると思われます。ニコンはスカマに較べると圧倒的にすっきりと抜けています。着色もほぼ無いニュートラルな感じで、私の見たことがあるニコンの双眼鏡の中ではもっとも着色が少ない、眉目秀麗な印象です。もっとも、低倍率機のような爽やかなヌケの良さとは違い、硬質な印象もあります。
シャープさ、解像度、色ニジミなどの見え具合、そしてピントの合わせやすさもニコンが勝っています。CFのスカマがどうしてIF機よりピントが合わせにくいかというと、スカマの場合、そもそもピントの移動に対するピントリングの回転量が多いのに加え、きちっと焦点を合わせようとする際、左右の接眼を繋ぐ羽根が微妙にシーソーして、ジャスピンを確認するためには、右接眼の視度調整を微妙に触りたくなるのです。ニコンはIFでヘリコイドの回転とピントの移動がダイレクトで適正なのに加え、スカマよりピントが深く、かつシャープさとコントラストの良さが、よりピントを合わせやすくしています。角型見口を回転させる手間を加味しても、遠近に対象を移動する場合、ニコンのほうが面倒じゃない印象です。
日中の比較観望でもっとも差を感じたのは立体感です。上の電波塔、スカマで見ると、上の写真のように見えるのです。かたやニコンでは、電波塔のように見えます。つまり、立体感と臨場感が別物といって良いくらい違います。両機の差異、いろんな部分の差の総和がこの違いを産んでいるのだと思われます。
結論めいたことを云うと、双眼狂には10倍以上の価格差は、全く妥当に思えます。
元々、スカイマスターは、日中では色収差はじめアラが目立つ双眼鏡ですから、無謀な試みだとは思うのですが、とりあえず下のような状態で見始めました。
余談ですが、外観では、スマートなスカマに武骨なニコン、という感じですが、スカマのプリズムハウジングの小ささには多少不安を覚えます。
木々や電柱、樹木の幹の肌や離れた家の屋根、壁のサイディングボードなどが通常の比較の場合の目標になるのですが、両機の場合、そんな近くの目標では役不足で、今回は上のような離れた目標が主体です。この鉄塔でほぼ11kmの距離があります。
まず気付くのは、高倍率機特有のヌケの悪さがスカマの場合顕著です。もや、とまではいきませんが、ごく薄く紗がかかったような視界で、双眼鏡のような、屈折光学系と反射光学系が混在する機器では、都合数㎝もの厚みのガラスを通ってくる拡大映像ですから仕方のない事だと思っていました。特にスカマの場合、上の図の接眼部の反射光を比較しても分かるのですが、接眼側のコーティングが良くなく、ヌケの悪さが星空での背景の締まりにも影響していると思われます。ニコンはスカマに較べると圧倒的にすっきりと抜けています。着色もほぼ無いニュートラルな感じで、私の見たことがあるニコンの双眼鏡の中ではもっとも着色が少ない、眉目秀麗な印象です。もっとも、低倍率機のような爽やかなヌケの良さとは違い、硬質な印象もあります。
シャープさ、解像度、色ニジミなどの見え具合、そしてピントの合わせやすさもニコンが勝っています。CFのスカマがどうしてIF機よりピントが合わせにくいかというと、スカマの場合、そもそもピントの移動に対するピントリングの回転量が多いのに加え、きちっと焦点を合わせようとする際、左右の接眼を繋ぐ羽根が微妙にシーソーして、ジャスピンを確認するためには、右接眼の視度調整を微妙に触りたくなるのです。ニコンはIFでヘリコイドの回転とピントの移動がダイレクトで適正なのに加え、スカマよりピントが深く、かつシャープさとコントラストの良さが、よりピントを合わせやすくしています。角型見口を回転させる手間を加味しても、遠近に対象を移動する場合、ニコンのほうが面倒じゃない印象です。
日中の比較観望でもっとも差を感じたのは立体感です。上の電波塔、スカマで見ると、上の写真のように見えるのです。かたやニコンでは、電波塔のように見えます。つまり、立体感と臨場感が別物といって良いくらい違います。両機の差異、いろんな部分の差の総和がこの違いを産んでいるのだと思われます。
結論めいたことを云うと、双眼狂には10倍以上の価格差は、全く妥当に思えます。
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