3104丁目の哀愁と感傷の記録

日々生きてます。自分なりに。感じた事を徒然に書きます。素直に。そんな人間の記録。
since 2008.4.4

初・体・験

2008-09-10 22:46:01 | 


人は誰でも初めてのものがある。

初体験然り、初タバコ、初酒…

唐突に何を言い出すかと言うと、

俺の初牛丼がらんぷ亭って事が言いたかったのだ。
至極どうでもいいような気がする。

吉野家でも松屋でもない。

らんぷ亭だ。
ちょっとやそっとじゃお目にかかれない。

俺が知ってる限り、
恵比寿、国分寺、水道橋くらいだろうか。

高校時代、国分寺でオールナイトで飲んで、
朝方空腹に耐えかねて始めて食った。

旨すぎた。
こんなに旨い物がこの世にあっていいのか。
俺は感動した。


なのでらんぷ亭の牛丼はとりわけ旨い気がするのだ。
もちろん気分的なものなのだろうけど。
らんぷ亭を見つけると入りたくなる。

次に俺の初ヒッチハイクのことを書きます。
非常に長くなります。
けどこの日の事は忘れられません。




8月30日の日記を以下に記します。

朝起きて、ケンブリッジ駅に向かう。
ケンブリッジは駅が最寄にひとつしかなく、
寮から徒歩20分くらいかかる。

駅のおっちゃんにロンドン・キングスクロス駅までのリターンを頼む。
相変わらず18ポンドだ。高すぎやしないか。
ロンドン行くときはいつだって俺は一人だった。

ロンドンには行きまくった。
ロンドンに飽きた人は人生に飽きた人だ。

電車の中で自分のキモいプレゼンを聞きながら、
半笑いになりそうになるのを我慢しつつ、
キングスクロスに到着。

直にチューブに乗り換える。
ここでも必殺デイトラベルカード購入。
コイツはゾーン指定の乗り放題カードだ。

ロンドン観光なら1~2ゾーンで十分。
5ポンドとはお買い得。

地球の歩き方に乗ってるようなロンドンの観光スポットは
大概もう既に行っていた。
本日はどうしても行きたいところがあったのだ。

ロンドンズー

いちブランキーファンとして、
行かねばなるまい。

ロンドンズーはリージェントパーク内に存在する。
もちろん公園内を歩くBGMは皆殺しのトランペットだ。
しかも今日は真夏で晴天下だ。

途中で公園内のチャリの安全面に関するアンケートに
答えてくれないかと呼び止められた。

いろいろ答えたが、
俺は今日始めてここに来た。わからん。
最後の方に非常にプライベートな質問なんですけど、ってふりで
宗教とか民族とか聞かれた。
宗教は無し。民族はアジアンですって言った。

入り口付近に行くと既に長蛇の列が(列の事をキューと呼ぶ)。
実際1時間くらい待たされた。
前の人が受付で随分時間食っていたので、
何か色々聞かれたりすんのかと不安だったが、
俺は非常にすんなり入る事が出来た。

待望のロンドンズーに入り、
真っ先に探したのは当然ハクトウワシだ。

そして俺は高台になっとる場所を見つけた。
そして前にある簡単な鳥用の柵がある場所も見つけた。

しかし彼はそこにはいなかった。
翼を切られた彼はもういなかった。
死んでしまったのか。
それとも浅井健一が作り出したものなのか。
真偽はわからないが、ハクトウワシはいなかった。

その後2時間ほど散策。

園内に普通にロバが糞をぼろぼろと溢しながら歩いている。
本日のショーも見た。一人で。
和む。なごむ。ナゴム。
ガチャガチャもやった。バッチを手に入れた。

ロンドンズーを後にし、
場所的に近いのはセント・ジョンズウッド。
徒歩30分くらいでいける。

セントジョンズウッドは有名だ。
あの横断歩道が。

そう、アビーロードだ。

セントジョンズウッド駅からまた10分くらい歩く。

実はアビーロードはめちゃめちゃ交通量が多い。
あの写真を撮るのは至難の業だ。

そしてビートルズのファンが沢山集まっているので、
直に音楽の話で友達になれる。
写真を撮ってくれないかという事も頼みやすい。

そして恥を捨て、タイミングを見計らいあの写真をとってもらった。
俺はビートルズのように堂々と歩けませんでした。
へっぴり腰(今日の日記の写真)

その後ロンドンパディントン駅に移動し、
マックを食らう。

そして昼の3時くらいだったので、
バースに行こうとする。

おっちゃんに値段を聞いたら…
58ポンド!
バカ言うな。そんな金ねえ。

どうしようかと思った。

そしてふと頭に浮かんだのが…

プ-カントリー。
クマのプーさんのふるさと。

これが何もかもの間違いだったのかもしれない。

思い立ったら最後、
即ロンドンヴィクトリア駅に移動し、
イーストグリンステッドまでの値段を聞く。
10ポンド。
行ける!!

この時点で俺の所持金は10ポンドを切っていた。

イーストグリンステッド駅に着いたときには
4時過ぎ。
そこからふるさとに行くには、
バスでハートフィールド村に行かなくてはならない。
時刻表を見ると次のバスは

1時間40分後。

少し帰ろうかなとも思ったが、
ここまで来たし根性で待った。

暫くすると馬鹿でかいバックパック背負った
ドイツ人のにいちゃんが来た。
どこ行くか訪ねるとハートフィールド村。
バス来るまでずっと話してた。
このとき勝手に彼もプーカントリーに行くんだなと想像していた。

バスの中でもずっと話してた。

そして降りる際、
リターンチケットを買っていたので、
帰りの最終の時刻を運転手に聞いておいた。

19時33分。

この時間は一生忘れないかも。

そして二人で降りて、
いざプーカントリーへというところで、
彼はホームステイだったらしく、
おばちゃんが迎えに来て、近くの家に行ってしまった。
グッドラックと言われ、お別れ。

ポツンと一人。

そしてハートフィールド村を散策。
行った事あるひとは判ると思うが(いねえか)、
あそこは森だ。
例えるなら岩手県の花巻から盛岡まで行くけものみちだ。


そして俺は最大の失態を犯した。


迷ってしまった。
てか地球の歩き方の地図は適当すぎた。

人は誰もいない。
目の前には荒野が広がる。

そこでも時間が刻一刻と迫る。

そして追い討ちをかけるように事件は起こった。

犬だ。


野犬だ。



死ぬほど恐かった。

助けを呼べるレベルではない。
てか呼んでも人なんかいない。

歯をむき出して吼えながら走ってついてくる。
しかもデカイ。レトリバーサイズだ。

俺はコントのように息を殺して
何もしませんよというオーラを出しながら、
ゆっくりとあとずさった。
走ったら、その瞬間飛び掛かってきそうだった。
恐怖で身の毛がよだっているのが判る。
気持ち悪い汗が噴出す。
本当にここで死ぬかもって思った。
プーカントリーの近くで。

クマのプーさんのふるさとで日本人の死体が発見されたら、事件だ。
今となったら笑えるが、
当時は恐すぎてどうしようもなかった。


来るな来るなと心の中で叫びつつ、
何とか50メートルくらい距離が開いた。
恐怖で放心状態。

てかこの段階で時間は19時20分くらい。
もうパニックだ。

てか自分が今どこにいるのかもわからない。
荒野の中、一人。
あたりに人はいない。

当然のことながらバスを逃す。

改めて自分の置かれている状況を考えてみた。


自分がどこにいるのかも判らない。
イーストグリンステッドまで帰る金は無い。
周りに人はいない。
そして8時近く、急激に日が落ちてきて、
辺りが暗くなってくる。
てか街灯とか無いから一瞬で暗くなるんだよ。

さっきの兄ちゃんの家に泊めてもらうか。
もしとめてもらっても、帰れない。
ロンドンまでなんてもってのほかだ。
今日中にイーストグリンステッド駅に行かないと
俺は帰れないのだ。


俺は気力を振り絞って
大通りを見つけた。

しかし自分の今の状況を考えると、絶望だ。
もう駄目だと思い、
俺は道の脇に座り込んでしまった。

大通りといえど車は殆ど通らない。


そして20分くらい絶望に打ちひしがれているときに
神は光臨した。

英国の絵本に出てきそうなやさしそうな老夫婦。


乗せてくれた。車に。

イーストグリンステッド駅までではなかったけれど、
歩いて15分くらいの市街地まで。


ちょっとだけ泣いた。

Thank youを計50回は言ったかな。

道端で絶望に打ちひしがれ座り込むジャップがいたら
確かに不審だ。
しかも車乗せたらちょっと泣いてるし。

人のやさしさに触れて泣くなんて思っても見なかった。


必ずこのお礼をしたいと思いますので、
住所教えてくださいとは言えませんでした。

ただひたすら感謝します。
本当にありがとうございました。

てかヒッチハイクではないか、これは。

結論

プーカントリーにはプーさんはいるよ、絶対。

しかもあんなかわいらしいやつじゃなくて、
イカツイ、肉食の2メーターくらいのやつがね。

貴重な体験でした。
うその様な完全に本当の話。



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