斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

ボランティア活動基盤資料2

2015年12月20日 08時05分22秒 | 講義記録
5. 常時の専門職ボランティアの例
日本赤十字社救急法指導員
日本赤十字社が認定する指導員。AEDの使用を含めた救急法を市民に広く伝える。
日常生活における事故防止、手当の基本、人工呼吸や心臓マッサージの方法、AEDを用いた除細動、止血の仕方、包帯の使い方、骨折などの場合の固定、搬送、災害時の心得

日本赤十字社水上安全法救助員
水と親しみ、水の事故から人命を守るための泳ぎの基本と自己保全、事故防止、溺れた人の救助、応急手当の方法を指導する。

国外の例では、米国赤十字でも同様なインストラクター資格がある。

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ボランティア活動基盤資料

2015年12月19日 09時13分14秒 | 講義記録
ボランティア活動基盤受講学生諸君

講義で使用する予定だった資料をこのブログで解説します。
これを読みながら、専門職ボランティアに該当する事例を調べて、レポートにまとめてください。

1.専門職ボランティアとは
きちんとした定義はなされていないが、斎藤が5年前から使用している用語。ボランティアのうち、なんらかの資格に裏付けられた活動を行う人を示す。最近では、少しずつ用語の使用例が増えてきている。たとえば、消防防災博物館茅ヶ崎市のホームページで具体例を見ることができます。

2.常時活動の専門職ボランティア
本来はこちらが本当の意味での専門職ボランティアである。他の職業をもっていたり、学生だったりしている人が、地域で資格に裏付けられた活動を行う。たとえば、水泳指導員、スポーツ指導員、スキー指導員、救急法指導員、など、自分のもつ特技を資格で裏打ちし、地域の子どもたちなどにスポーツ指導等を行う。

3.非常時活動の専門職ボランティア
非常時に必要な医療、通信、搬送などを行う。日頃から資格に裏打ちされた職業についており、非常時に本来業務からさらに拡大された業務につく。プロフェッショナルによる非常時対応といってよい。なぜ本当の意味での専門職ボランティアにならないかというと、常時活動からボランティアでやってしまったら、本来業務で給料を得る意味がなくなるため。

4.解釈のポイント
専門職ボランティアは、ボランティアであるため、基本的に無報酬である。そのため、その専門性を職業に利用している人が日頃からボランティア活動にあてることは、職業との矛盾を生じる。非常時にはプロの知見が役に立つが、ボランティアにはボランティアのノウハウがあり、日頃からボランティアになれていないと、様々なトラブルを起こすことになる。だから、常時活動の専門職ボランティアが本当の意味での専門職ボランティアといえる。

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地球環境と技術その6

2015年12月16日 18時23分07秒 | 講義記録
エンジン用水素フリーDLCバルブリフターに関するPDFはこちらです。

製造装置として、アークイオンプレーティング法が記載されています。この方法の難しいところは、グラファイトターゲットが水分を吸いやすく、そこに水が含まれていると、アークを当てた時に、水分が蒸発して出てきます。これがプラズマ中で分解すると水素となり、膜中に混入します。水素が入ると、DLC膜の硬さがいっきに落ちます。さらに、水分は真空炉の壁面からも出てきます。そのため、メンテナンスで真空炉を大気暴露するときには、空気中の水分が真空炉の壁面にこびりつかないように細心の注意を払います。


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地球環境と技術その5

2015年12月16日 18時04分03秒 | 講義記録
本日の講義、160人の学生が朝の1限から集まり、ほとんど寝る学生がおらず、かなりの熱気をもって聴講する姿に、たいへんうれしく感じました。

朝いちばんの奈良東大寺盧舎那仏像について。建立開始は745年でした。本体鋳造は747年、開眼供養は752年5月26日です。金メッキは752年4月2日に開始となっていました。

金アマルガム法による水銀中毒については、こちらに書かれています。

また、日本の金メッキの発祥は福井県だと主張するページがこちらにあります。盧舎那仏の150年くらい前にすでに金メッキが施されていたとしています。これはこれで、なかなか面白い読み物です。ぜひ読んでみてください。

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地球環境と技術その4

2015年11月27日 07時07分27秒 | 講義記録
4)バルブリフター
いきなりバルブリフターでは、ほとんどの学生はだれるが、ここまでの下ごしらえが完璧だったので、多くの学生がうなずきながら聞いている。バルブリフターについては、こちらのページを参照されたい。
これらのページの読み方も教えた。自動車の部品の説明をするのに、低燃費を前面に出してはダメだ。信頼性つまり人の命を重視していることをまずアピールしなければならない。だから、バルブリフターの説明もまず信頼性から。「0.7GPaもの高面圧に対応可能なDLC被膜の耐剥離技術」そして「DLCバルブリフター単独で燃費約1%の向上、同時採用のDLC対応油との組合せで燃費約2%の向上効果」とくる。たった1%でも全世界のクルマの燃費が1%向上したら、燃料は1年で3日分節約できるのだから、地球規模でみればすごい話だ。その逆も真なりで、NOxを10%でも余計に吐きまくれば、あっという間に空気は汚れる。

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